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黒羽一人旅(第3話)
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「さて・・・この家でいったいどのような戦いが行われたのか、さっそく確認してみましょうか」
黒羽の掌の上に乗せられた黒い羽根が、少しずつ振動し始めるー。
すると、黒羽の脳裏に、この場所でのわずか数時間前の出来事が浮かんできた。
「これは・・・アサギと、テロリスト集団ですか」
悠久王国ーこの世界では有名なテロ組織だ。もっとも、最近は活動を控えていたようで、一部では地下に潜伏しているのでは、などと囁かれていた。
「まさか・・・あの組織と鉢合わせていたとは・・・」
脳裏に浮かんだ映像の中では、さらに「位相操作」を行っていた魔女とその友人らしき人物の姿もあった。年齢的には12~13歳くらいのツインテールの少女の方が魔女らしい。
「私よりも年下のようですが、それでもこれだけ高度な魔法を扱えるということは・・・」
聞いたことがある。魔女の中には、先代からあらゆる「魔女の叡智」を受け継ぐ秘術があるということを。
おそらく、このツインテールの少女が「魔女の叡智」を引き継いだ者なのだろう。
「これは・・・アサギよりも、この魔女の方が気になりますね」
自分と同じ魔法系の術者だけに、黒羽の関心はアサギよりもむしろモリガンの方へと向けられていた。
「・・・!!」
脳の中で再生される映像は、アサギとガレス、そしてモリガンの戦闘シーンを映していた。まず、この家を全壊させたのは、案の定アサギだった。
「相変わらずの問答無用ぶりですね、アサギ」
半ば呆れつつ苦笑しながら、黒羽は映像の確認に集中する。一時的にではあるようだが、アサギとモリガンが共闘し、何とかガレスを撤退に追い込んだようだった。
「戦闘自体は引き分けといったところでしょうか・・・」
ただ、その後モリガン達は、アサギやガレスから逃れるために変装魔法を施し、森の外に出たようだった。尤も、すぐにアサギと出くわしたものの、アサギには魔法による変装を見抜かれるようなことはなかったらしい。
「・・・!この魔女の名は」
映像の中で、モリガンは母親の名前を口にしているーエレオノーラ、と。
「魔女エレオノーラ・・・あの「聖女のような魔女」ですか・・・まさか、彼女に娘がいたとは・・・」
魔女エレオノーラのことは、モリガンも噂には聞いていた。娘がいることまでは知らなかったが。
「なるほど・・・自分の母親から「魔女の叡智」を引き継いだというわけですね」
これで得心した。明らかに自分よりも年下の娘が、なぜ「位相操作」や「転送魔法陣」等を使えるのかーそれは、彼女が母親から「魔女の叡智」を引き継いだからに他ならなかった。
「これは・・・ますます彼女に会ってみたいですね・・・名は、確かモリガンと呼ばれておりましたか」
映像の中の赤毛の女性が彼女のことをモリガンと呼んでいたのを思い出す。そして、彼女たちはどうやら、ゼルキンス村に向かったらしい。
「やれやれ・・・あの村とは何かと縁がありそうですね」
黒羽は独り言ち、楓のアトリエ跡地を後にしたー。
黒羽の掌の上に乗せられた黒い羽根が、少しずつ振動し始めるー。
すると、黒羽の脳裏に、この場所でのわずか数時間前の出来事が浮かんできた。
「これは・・・アサギと、テロリスト集団ですか」
悠久王国ーこの世界では有名なテロ組織だ。もっとも、最近は活動を控えていたようで、一部では地下に潜伏しているのでは、などと囁かれていた。
「まさか・・・あの組織と鉢合わせていたとは・・・」
脳裏に浮かんだ映像の中では、さらに「位相操作」を行っていた魔女とその友人らしき人物の姿もあった。年齢的には12~13歳くらいのツインテールの少女の方が魔女らしい。
「私よりも年下のようですが、それでもこれだけ高度な魔法を扱えるということは・・・」
聞いたことがある。魔女の中には、先代からあらゆる「魔女の叡智」を受け継ぐ秘術があるということを。
おそらく、このツインテールの少女が「魔女の叡智」を引き継いだ者なのだろう。
「これは・・・アサギよりも、この魔女の方が気になりますね」
自分と同じ魔法系の術者だけに、黒羽の関心はアサギよりもむしろモリガンの方へと向けられていた。
「・・・!!」
脳の中で再生される映像は、アサギとガレス、そしてモリガンの戦闘シーンを映していた。まず、この家を全壊させたのは、案の定アサギだった。
「相変わらずの問答無用ぶりですね、アサギ」
半ば呆れつつ苦笑しながら、黒羽は映像の確認に集中する。一時的にではあるようだが、アサギとモリガンが共闘し、何とかガレスを撤退に追い込んだようだった。
「戦闘自体は引き分けといったところでしょうか・・・」
ただ、その後モリガン達は、アサギやガレスから逃れるために変装魔法を施し、森の外に出たようだった。尤も、すぐにアサギと出くわしたものの、アサギには魔法による変装を見抜かれるようなことはなかったらしい。
「・・・!この魔女の名は」
映像の中で、モリガンは母親の名前を口にしているーエレオノーラ、と。
「魔女エレオノーラ・・・あの「聖女のような魔女」ですか・・・まさか、彼女に娘がいたとは・・・」
魔女エレオノーラのことは、モリガンも噂には聞いていた。娘がいることまでは知らなかったが。
「なるほど・・・自分の母親から「魔女の叡智」を引き継いだというわけですね」
これで得心した。明らかに自分よりも年下の娘が、なぜ「位相操作」や「転送魔法陣」等を使えるのかーそれは、彼女が母親から「魔女の叡智」を引き継いだからに他ならなかった。
「これは・・・ますます彼女に会ってみたいですね・・・名は、確かモリガンと呼ばれておりましたか」
映像の中の赤毛の女性が彼女のことをモリガンと呼んでいたのを思い出す。そして、彼女たちはどうやら、ゼルキンス村に向かったらしい。
「やれやれ・・・あの村とは何かと縁がありそうですね」
黒羽は独り言ち、楓のアトリエ跡地を後にしたー。
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