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続・モリガン一人旅(第32話)
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綿花畑の合間の道をたどり、何とか民宿「涼風」までたどり着いたモリガンと楓ー。
民宿で宿泊部屋まで案内されたモリガン達は、やっと一息付けそうだと腰を下ろした。
「ふう~」
「まーったく、今日は散々な一日じゃったわい」
モリガンがうーんと伸びをして、その後畳の上にだらしなく寝転がった。
「おいおい・・・だらけるのはまだ早いんじゃないのか?」
楓がいささか呆れ顔になるが、そういう彼女自身も足を無造作に伸ばしたままのリラックスした姿勢をしていた。
「楓よ・・・緊張を解ける時にはそうした方がいいもんじゃぞ・・・まあ、今日明日は大丈夫じゃろ。あやつらとて、すぐにここを嗅ぎつけてわしらを襲いに来るとは思えんしのう」
それに・・・と、モリガンは軽く欠伸をしながら、
「前にも言った通り、わし自身の魔力容量は無尽蔵じゃが、わしの体自身に対する負担がなくなるというわけではない・・・休める時には休んでおかんと、さすがに持たん」
「それもそうか・・・」
楓は、改めて仰向けになっているモリガンを見つめる。まだ13歳のこの小柄な少女(今の姿は大人のメリルだが)には、過去の魔女たちの叡智が引き継がれている・・・が、まだそれを十二分には扱えないだろう。彼女自身の体が耐えられないからだ。
「どうした、楓よ・・・お主も今のうちに休んでおいた方がいいぞ。これから先、何が待ち受けているのかわからんしのう」
モリガンに促されて、楓もモリガンの隣で横になった。
「・・・別に添い寝をせいとは言っておらんのじゃが・・・」
「添い寝じゃないから」
「・・・」
もう疲れた・・・と言わんばかりのモリガンが、その瞳を閉じる。やがて、くーくーと、かすかな寝息が聞こえてきた。
「・・・こうして寝顔だけ見てると、こいつも可愛いんだがな・・・」
今は大人の姿に「変装」しているモリガンだが、こうして寝息を立てている姿は年相応の少女のようにも見えた。
「・・・10年後ね・・・私はその頃、何をしているのやら・・・」
「ホーホウ」
それまで黙って二人についてきていたホルルが、なんだか寂し気に鳴いているような気がした。
「大丈夫だって、10年後も、アンタは私の執事だからさ・・・」
そんなホルルに優しく語り掛ける楓。
そうさ、これから先も、それこそ10年先であっても、私らは何も変わらない。今回の一件が片付いたら、私はまたあの森の中で一人研究に明け暮れることになるだろう。近くにいるのは、おそらくこのホルルとモリガン、そして、杏里だろうか・・・杏里は可愛いから、その頃になれば結婚でもしているかもしれない。そうなると、今までみたいに週一で会うのは難しいかもな・・・。
「・・・何を考えてるんだ、私は・・・」
とりとめのない考えに、思わず苦笑する楓。まだ布団も用意していないが、強い睡魔が襲い掛かり、耐えきれずにそのまま眠りに就いてしまったー。
民宿で宿泊部屋まで案内されたモリガン達は、やっと一息付けそうだと腰を下ろした。
「ふう~」
「まーったく、今日は散々な一日じゃったわい」
モリガンがうーんと伸びをして、その後畳の上にだらしなく寝転がった。
「おいおい・・・だらけるのはまだ早いんじゃないのか?」
楓がいささか呆れ顔になるが、そういう彼女自身も足を無造作に伸ばしたままのリラックスした姿勢をしていた。
「楓よ・・・緊張を解ける時にはそうした方がいいもんじゃぞ・・・まあ、今日明日は大丈夫じゃろ。あやつらとて、すぐにここを嗅ぎつけてわしらを襲いに来るとは思えんしのう」
それに・・・と、モリガンは軽く欠伸をしながら、
「前にも言った通り、わし自身の魔力容量は無尽蔵じゃが、わしの体自身に対する負担がなくなるというわけではない・・・休める時には休んでおかんと、さすがに持たん」
「それもそうか・・・」
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「どうした、楓よ・・・お主も今のうちに休んでおいた方がいいぞ。これから先、何が待ち受けているのかわからんしのう」
モリガンに促されて、楓もモリガンの隣で横になった。
「・・・別に添い寝をせいとは言っておらんのじゃが・・・」
「添い寝じゃないから」
「・・・」
もう疲れた・・・と言わんばかりのモリガンが、その瞳を閉じる。やがて、くーくーと、かすかな寝息が聞こえてきた。
「・・・こうして寝顔だけ見てると、こいつも可愛いんだがな・・・」
今は大人の姿に「変装」しているモリガンだが、こうして寝息を立てている姿は年相応の少女のようにも見えた。
「・・・10年後ね・・・私はその頃、何をしているのやら・・・」
「ホーホウ」
それまで黙って二人についてきていたホルルが、なんだか寂し気に鳴いているような気がした。
「大丈夫だって、10年後も、アンタは私の執事だからさ・・・」
そんなホルルに優しく語り掛ける楓。
そうさ、これから先も、それこそ10年先であっても、私らは何も変わらない。今回の一件が片付いたら、私はまたあの森の中で一人研究に明け暮れることになるだろう。近くにいるのは、おそらくこのホルルとモリガン、そして、杏里だろうか・・・杏里は可愛いから、その頃になれば結婚でもしているかもしれない。そうなると、今までみたいに週一で会うのは難しいかもな・・・。
「・・・何を考えてるんだ、私は・・・」
とりとめのない考えに、思わず苦笑する楓。まだ布団も用意していないが、強い睡魔が襲い掛かり、耐えきれずにそのまま眠りに就いてしまったー。
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