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続・モリガン一人旅(第26話)

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 モリガン達が、森の入口へと逃れ、変装魔法で変装を試みようとしていた頃ー。

 アサギは、とりあえずアトリエの残骸からは離れ、二人が向かいそうな場所を探りながら、森の中を進んでいた。

「少し目を離したすきに姿を消すとは・・・しかも、この私に探られることなく」

 ぶつぶつと独り言をつぶやきながら、静寂が支配する森の中を歩いていく。夜の森の中は、唯一月明かりだけが頼りだった。アサギが草を踏みしめる音だけがあたりに響き、白い月あかりは、夜の森の中、アサギの姿を幻想的に彩っていた。

「・・・おそらくは、さほど遠くへは向かっていないと思うが・・・よくても森の入り口辺りか、あいつらがいそうなところは」

 今にして思えば、この森は最初から何かような気がする。うまく言葉には言い表せないが、森の中に踏み込んだ時、何かがような錯覚に、一瞬だが囚われたのを思い出した。

「あれが、あの魔女の位相操作とやらか・・・」

 だが、冷静に思い返してみれば、そればかりではなかった気もする。この森の場合、意図的に侵入者を避けるような、何か強い拒絶感みたいなものを感じたのだった。

「考えてみれば、なんであんな所に一軒家なんかあるんだ?」

 さらには、あの二人があの家のことをアトリエと呼んでいたり、書斎に入って本を調べた時、アサギには難解な、やたらと専門的なものばかりが揃っていたのを思い出した。

「あの家主殿は、何かの研究者なのか・・・?」

 そう考えれば、あのやたら専門的な書籍の数々に説明はつく。そして、研究者には変わり者が多いという話も聞くが、なるほど、そういう類の人物ならば、確かに人里離れた場所で自分の研究に没頭するために、このような場所を住居と定めるのもわかる気がした。

 尤も、それはあくまでも、アサギが研究者たちに抱く一方的なイメージも混じっているのだが。

「そろそろ、この森の入り口だろう」

 アサギは、森の入り口まで帰ってきたことを確認した。付近には、自分が墜落させた飛空鎧の不時着跡が確認できる。間違いはないだろう。飛空鎧そのものは、牽引されてしまった後のようだが・・・。

「この近くの町となると、北の方角に、それらしいものがあった気がするな・・・」

 紫の牙ズーツァオリャから、この辺り一帯の様子を確認している。ここから少し北の方に行った先に、小さな町があったはずだ。飛空鎧自身は、そちらへと牽引されたと推測できるが、肝心の乗り手は、この森に逃れた可能性が高く、そのため森の中に入り、あのテロリストと戦う羽目となったわけだがー。

「おや・・・?」

 ふと、アサギは森の入り口から、近くの道を歩いている二人連れの女性の姿を見つけた。どちらも、見たことのない顔ぶれであるー。
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