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続・モリガン一人旅(第4話)

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「どうやら、あの女剣士は、カイトの飛空鎧の不時着跡を確認しておるようじゃな・・・」

 邪術師の話は一旦そこで区切り、再び使い魔の目を通して紫の飛空鎧の乗り手の様子を確認するモリガンー。

「既に牽引された後だったということに気が付いたようじゃ・・・この分だと、そのままあとを追いそうな雰囲気じゃが・・・お?」

「・・・?どうした、モリガン」

 楓の問いかけに、モリガンが少し緊張を交えながら応える。

「あやつめ・・・この森の中に入ってきたぞ」

「何だと!?」

 あまり、見ず知らずの人間にはこの場所に来てほしくはない。ましてや、紫の飛空鎧の乗り手など、危なっかしくて仕方がないではないか。

「そのまま、牽引された飛空鎧を追うんじゃないのかよ」

「・・・わしに言われてもな・・・まあ、何かに気が付いたのじゃろう。まっすぐこちらに向かってきておるな、あの女子」

「ホーホウ」

 ホルルが、心配そうに鳴く。

「ホルルよ、案ずるな・・・いくらあやつとて、いきなりこちらに襲い掛かっては来んじゃろう。まあ、もしここを尋ねてきても、知らぬ存ぜぬで通せばよい。既に、カイトたちがこの場にいたという痕跡も残らず消してあるからな」

 さらには、カイトたちを大樹へと送り届けた転送魔法陣も消去済みである。もちろん、転送魔法陣を維持するだけで魔力を浪費するというのが主な理由だが。

「まあ、あやつが来ても素知らぬ顔の半兵衛で通すのじゃ、二人とも」

「ホーホウ」

「私のアトリエまで来られること自体が気に喰わんが・・・いや、待て」

 楓が、ふと何かに思い至ったらしく、モリガンに改めて確認してきた。

「モリガン、お前、あの紫のやつが何かに気が付いたと言ったな・・・それがカイトたちのことを示す手掛かりになるなら、いささかまずいんじゃないか」

 楓の問いかけに、モリガンはふむ・・・と顎に手を当て、

「まあ、そうそう重要な手掛かりになるような物があそこにあったとは思えんが・・・何にせよ、もうカイトたちは転送魔法陣で大樹まで送り届けてしまったし、あやつが何かを嗅ぎつけたとしても、ここでできることもないじゃろう・・・まあ、大丈夫じゃよ、楓」

「・・・そうだといいがな」

 モリガンは涼しい顔をしているが、楓はなぜか胸騒ぎを覚え、落ち着かない様子で窓の外へと目をやったー。
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