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咲那・全裸の逃避行(第29話)
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その時、咲那の生体端末に晶から連絡が来た。
「咲那姉!」
「・・・おお、晶か・・・」
「鏡香さんから、今の状況は窺っています。なんだか、咲那姉と鏡香さんが明日には合流できるとかで・・・」
「・・・ああ、こっちの方は心配いらないぞ、晶。もうすぐけりが付くからな」
鏡香も咲那に配慮してか、こちらの詳しいことはあまり知らせていないようだった。咲那にしても、さすがに全裸で浮遊島を走り回っているところだというのは、いくらチームメイトとは言え知られたくはない。
だから、こっちのことはもう心配するな、で片付けた。問題は、モリガンと、現在の惑星Σ-11の状況だ。
今しがた、惑星Σ-11での事件のことをニュースで見ていたから、もしや・・・とは思っていたが。
「ええと、今日向荘で匿っている、あの二人のこと・・・だろ?」
「・・・ええ、そうですね。鏡香さんにもお話ししましたが」
やはり、晶たちもこのニュースに気が付いたようだ。
咲那は、今まで自分のことで手一杯だったので、二人のことは詳しくは聞いていない。ただ、惑星Σ-11の出身者をうちで匿うことになったというくらいのことしかわからない。あとは、二人の名前と簡単な状況くらいである。
「ええと・・・確かカイトと杏里・・・って言ったか、二人」
「はい」
「あんま、詳しいことは聞いてねえが、二人にとっちゃ自分たちの故郷に関わることだからな・・・」
「まあ、直接あそこ出身なのは水無・・・杏里っていう女の子の方ですが、このニュースを目にした途端、水無が・・・ちょっと大変で」
「・・・そりゃあそうだよな・・・なんてったって、自分の故郷であんなことが起これば・・・」
「今はまだ、水無のいた町が巻き込まれたというわけではないんですが、それでもすぐ近くなので、気が気でないといった感じですね・・・」
すぐ近くか・・・。
モリガンのことが頭をよぎる・・・いやな予感がするが、今は焦っても仕方がない。無理やり不安を抑え込みながら、
「まあ、お前も大変だとは思うけど、何とか二人の力になってやってくれ・・・特に、その杏里って子には気を遣ってやれな」
「・・・わかりました、鏡香さんにも頼まれましたので、何とかして見せます」
晶も不安を抱えたままのようだが、日向荘のことについては和泉姉弟はもちろん、江紀や咲那も出払っており、今は晶に頑張ってもらうほかないのが現状だ。
「・・・あと、モリガンのことなんですが・・・」
「ああ、あいつのことなら」
やはり、晶も気にかけていたようだ。このニュースを見た直後、晶は気になってモリガンに連絡を取ろうとしたのだが、結局は繋がらなかったらしい。やはり、まだ音信不通のようだ。
「任せな、晶。どのみち明日、鏡香と合流した後に、そのまま惑星Σ-11に向かうつもりだったんだ。何とか見つけ出して連れ戻してくるよ」
「・・・お願いします」
そこで通話を切る。
「さて・・・」
今晩は捜索隊から逃げるため、ほぼ完徹・・・その後鏡香と合流してから、惑星Σ-11へ。
「こりゃ、休んでる暇なんてなさそうだね・・・」
頭をぼりぼりかき、未だ森の中を照らし出す明かりを面倒そうに見下ろしながら、咲那は独り言ちたー。
「咲那姉!」
「・・・おお、晶か・・・」
「鏡香さんから、今の状況は窺っています。なんだか、咲那姉と鏡香さんが明日には合流できるとかで・・・」
「・・・ああ、こっちの方は心配いらないぞ、晶。もうすぐけりが付くからな」
鏡香も咲那に配慮してか、こちらの詳しいことはあまり知らせていないようだった。咲那にしても、さすがに全裸で浮遊島を走り回っているところだというのは、いくらチームメイトとは言え知られたくはない。
だから、こっちのことはもう心配するな、で片付けた。問題は、モリガンと、現在の惑星Σ-11の状況だ。
今しがた、惑星Σ-11での事件のことをニュースで見ていたから、もしや・・・とは思っていたが。
「ええと、今日向荘で匿っている、あの二人のこと・・・だろ?」
「・・・ええ、そうですね。鏡香さんにもお話ししましたが」
やはり、晶たちもこのニュースに気が付いたようだ。
咲那は、今まで自分のことで手一杯だったので、二人のことは詳しくは聞いていない。ただ、惑星Σ-11の出身者をうちで匿うことになったというくらいのことしかわからない。あとは、二人の名前と簡単な状況くらいである。
「ええと・・・確かカイトと杏里・・・って言ったか、二人」
「はい」
「あんま、詳しいことは聞いてねえが、二人にとっちゃ自分たちの故郷に関わることだからな・・・」
「まあ、直接あそこ出身なのは水無・・・杏里っていう女の子の方ですが、このニュースを目にした途端、水無が・・・ちょっと大変で」
「・・・そりゃあそうだよな・・・なんてったって、自分の故郷であんなことが起これば・・・」
「今はまだ、水無のいた町が巻き込まれたというわけではないんですが、それでもすぐ近くなので、気が気でないといった感じですね・・・」
すぐ近くか・・・。
モリガンのことが頭をよぎる・・・いやな予感がするが、今は焦っても仕方がない。無理やり不安を抑え込みながら、
「まあ、お前も大変だとは思うけど、何とか二人の力になってやってくれ・・・特に、その杏里って子には気を遣ってやれな」
「・・・わかりました、鏡香さんにも頼まれましたので、何とかして見せます」
晶も不安を抱えたままのようだが、日向荘のことについては和泉姉弟はもちろん、江紀や咲那も出払っており、今は晶に頑張ってもらうほかないのが現状だ。
「・・・あと、モリガンのことなんですが・・・」
「ああ、あいつのことなら」
やはり、晶も気にかけていたようだ。このニュースを見た直後、晶は気になってモリガンに連絡を取ろうとしたのだが、結局は繋がらなかったらしい。やはり、まだ音信不通のようだ。
「任せな、晶。どのみち明日、鏡香と合流した後に、そのまま惑星Σ-11に向かうつもりだったんだ。何とか見つけ出して連れ戻してくるよ」
「・・・お願いします」
そこで通話を切る。
「さて・・・」
今晩は捜索隊から逃げるため、ほぼ完徹・・・その後鏡香と合流してから、惑星Σ-11へ。
「こりゃ、休んでる暇なんてなさそうだね・・・」
頭をぼりぼりかき、未だ森の中を照らし出す明かりを面倒そうに見下ろしながら、咲那は独り言ちたー。
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