338 / 464
咲那・全裸の逃避行(第8話)
しおりを挟む
鏡香との会話も終え、そろそろ仮眠を取ろうとする咲那ー。
「さすがに、火を絶やすわけにはいかねえからな・・・すぐに起きられるようにしておかねえと」
咲那は、修行時代も割と野宿する機会が多かったので、少し仮眠をとったとしても、何かあればすぐに目が覚めるように鍛えられている。
よもや、ここまで人が入り込んでくるということも無いだろうが、先ほどのヴァルキリーのこともあるし、さらにはほぼ全裸の状況の中、火を絶やしてしまうのは危険だ。
「まったく、さんざんな一日だったぜ・・・まあ、あとは明日凌げば何とかなるが・・・」
鏡香から言われた通り、特に食べるものには注意を払わないといけない。
「・・・明日一日は、原始生活満喫ってところだな・・・」
川魚であれば毒はないだろうから、焼いて食べれば何とかなるだろう。火は焚火と同じくエクセリオンの力で起こせばよい。
問題は水だが・・・何か入れられそうなものを探すことになりそうだ・・・。
「・・・とはいえ、ここらで水を入れるものなんてそう簡単には手に入らないだろうしな・・・」
最悪、明日一日は喉が渇くのを我慢することになるかもしれない。
「あるいは、何か果物みたいなのでもあればな・・・少しは水分を補給できそうだが・・・」
ここら辺の森林地帯で、果たしてそういう果実が手に入るかどうか・・・これも、明日一日の探索で確かめる必要がありそうだ。
「日がある日中のうちに、集められるものは集めておかねえとな・・・」
大体明日やるべきことが決まったので、そのまま仮眠をとることにしたー。
ーー
朝ー。
1~2時間おきに火の様子を確認しながら仮眠していたので、とてもではないが、疲れはほとんどとれていない状態である。
夜が明けて、まだそんなに時間はたっておらず、当然ながら、火も消し裸の状態では、まだまだ肌寒い時間帯だった。
「さらには、虫のおまけつきときたもんんだ」
夜は夜で、これまた大変であった。火の灯りに誘われる形で、小さな虫がたくさん飛んできたのだ。何か所か体を刺されたのか、はっきり言って身体の至る所がかゆくてたまらない・・・。
「そりゃ、こんな森の中じゃあ当たり前に虫が寄ってくるよな・・・」
山や森の中に入る時に、虫よけスプレーが必須なのが、身に染みてよくわかる結果となった。
「・・・害蟲よりも、虫の方が手ごわいじゃねえか・・・」
自分はサバイバル能力がある方だと自負していた咲那だったが、さすがにほぼ全裸の状況では、打つ手は限られており、改めて自分の不甲斐なさを痛感することとなったー。
「さすがに、火を絶やすわけにはいかねえからな・・・すぐに起きられるようにしておかねえと」
咲那は、修行時代も割と野宿する機会が多かったので、少し仮眠をとったとしても、何かあればすぐに目が覚めるように鍛えられている。
よもや、ここまで人が入り込んでくるということも無いだろうが、先ほどのヴァルキリーのこともあるし、さらにはほぼ全裸の状況の中、火を絶やしてしまうのは危険だ。
「まったく、さんざんな一日だったぜ・・・まあ、あとは明日凌げば何とかなるが・・・」
鏡香から言われた通り、特に食べるものには注意を払わないといけない。
「・・・明日一日は、原始生活満喫ってところだな・・・」
川魚であれば毒はないだろうから、焼いて食べれば何とかなるだろう。火は焚火と同じくエクセリオンの力で起こせばよい。
問題は水だが・・・何か入れられそうなものを探すことになりそうだ・・・。
「・・・とはいえ、ここらで水を入れるものなんてそう簡単には手に入らないだろうしな・・・」
最悪、明日一日は喉が渇くのを我慢することになるかもしれない。
「あるいは、何か果物みたいなのでもあればな・・・少しは水分を補給できそうだが・・・」
ここら辺の森林地帯で、果たしてそういう果実が手に入るかどうか・・・これも、明日一日の探索で確かめる必要がありそうだ。
「日がある日中のうちに、集められるものは集めておかねえとな・・・」
大体明日やるべきことが決まったので、そのまま仮眠をとることにしたー。
ーー
朝ー。
1~2時間おきに火の様子を確認しながら仮眠していたので、とてもではないが、疲れはほとんどとれていない状態である。
夜が明けて、まだそんなに時間はたっておらず、当然ながら、火も消し裸の状態では、まだまだ肌寒い時間帯だった。
「さらには、虫のおまけつきときたもんんだ」
夜は夜で、これまた大変であった。火の灯りに誘われる形で、小さな虫がたくさん飛んできたのだ。何か所か体を刺されたのか、はっきり言って身体の至る所がかゆくてたまらない・・・。
「そりゃ、こんな森の中じゃあ当たり前に虫が寄ってくるよな・・・」
山や森の中に入る時に、虫よけスプレーが必須なのが、身に染みてよくわかる結果となった。
「・・・害蟲よりも、虫の方が手ごわいじゃねえか・・・」
自分はサバイバル能力がある方だと自負していた咲那だったが、さすがにほぼ全裸の状況では、打つ手は限られており、改めて自分の不甲斐なさを痛感することとなったー。
0
お気に入りに追加
9
あなたにおすすめの小説
校長室のソファの染みを知っていますか?
フルーツパフェ
大衆娯楽
校長室ならば必ず置かれている黒いソファ。
しかしそれが何のために置かれているのか、考えたことはあるだろうか。
座面にこびりついた幾つもの染みが、その真実を物語る
【完結】20年後の真実
ゴールデンフィッシュメダル
恋愛
公爵令息のマリウスがが婚約者タチアナに婚約破棄を言い渡した。
マリウスは子爵令嬢のゾフィーとの恋に溺れ、婚約者を蔑ろにしていた。
それから20年。
マリウスはゾフィーと結婚し、タチアナは伯爵夫人となっていた。
そして、娘の恋愛を機にマリウスは婚約破棄騒動の真実を知る。
おじさんが昔を思い出しながらもだもだするだけのお話です。
全4話書き上げ済み。
記憶がないので離縁します。今更謝られても困りますからね。
せいめ
恋愛
メイドにいじめられ、頭をぶつけた私は、前世の記憶を思い出す。前世では兄2人と取っ組み合いの喧嘩をするくらい気の強かった私が、メイドにいじめられているなんて…。どれ、やり返してやるか!まずは邸の使用人を教育しよう。その後は、顔も知らない旦那様と離婚して、平民として自由に生きていこう。
頭をぶつけて現世記憶を失ったけど、前世の記憶で逞しく生きて行く、侯爵夫人のお話。
ご都合主義です。誤字脱字お許しください。
【完結】7年待った婚約者に「年増とは結婚できない」と婚約破棄されましたが、結果的に若いツバメと縁が結ばれたので平気です
岡崎 剛柔
恋愛
「伯爵令嬢マリアンヌ・ランドルフ。今日この場にて、この僕――グルドン・シルフィードは君との婚約を破棄する。理由は君が25歳の年増になったからだ」
私は7年間も諸外国の旅行に行っていたグルドンにそう言われて婚約破棄された。
しかも貴族たちを大勢集めたパーティーの中で。
しかも私を年増呼ばわり。
はあ?
あなたが勝手に旅行に出て帰って来なかったから、私はこの年までずっと結婚できずにいたんですけど!
などと私の怒りが爆発しようだったとき、グルドンは新たな人間と婚約すると言い出した。
その新たな婚約者は何とタキシードを着た、6、7歳ぐらいの貴族子息で……。
【完結】後妻に入ったら、夫のむすめが……でした
仲村 嘉高
恋愛
「むすめの世話をして欲しい」
夫からの求婚の言葉は、愛の言葉では無かったけれど、幼い娘を大切にする誠実な人だと思い、受け入れる事にした。
結婚前の顔合わせを「疲れて出かけたくないと言われた」や「今日はベッドから起きられないようだ」と、何度も反故にされた。
それでも、本当に申し訳なさそうに謝るので、「体が弱いならしょうがないわよ」と許してしまった。
結婚式は、お互いの親戚のみ。
なぜならお互い再婚だから。
そして、結婚式が終わり、新居へ……?
一緒に馬車に乗ったその方は誰ですか?
無能なので辞めさせていただきます!
サカキ カリイ
ファンタジー
ブラック商業ギルドにて、休みなく働き詰めだった自分。
マウントとる新人が入って来て、馬鹿にされだした。
えっ上司まで新人に同調してこちらに辞めろだって?
残業は無能の証拠、職務に時間が長くかかる分、
無駄に残業代払わせてるからお前を辞めさせたいって?
はいはいわかりました。
辞めますよ。
退職後、困ったんですかね?さあ、知りませんねえ。
自分無能なんで、なんにもわかりませんから。
カクヨム、なろうにも同内容のものを時差投稿しております。
【完結】言いたいことがあるなら言ってみろ、と言われたので遠慮なく言ってみた
杜野秋人
ファンタジー
社交シーズン最後の大晩餐会と舞踏会。そのさなか、第三王子が突然、婚約者である伯爵家令嬢に婚約破棄を突き付けた。
なんでも、伯爵家令嬢が婚約者の地位を笠に着て、第三王子の寵愛する子爵家令嬢を虐めていたというのだ。
婚約者は否定するも、他にも次々と証言や証人が出てきて黙り込み俯いてしまう。
勝ち誇った王子は、最後にこう宣言した。
「そなたにも言い分はあろう。私は寛大だから弁明の機会をくれてやる。言いたいことがあるなら言ってみろ」
その一言が、自らの破滅を呼ぶことになるなど、この時彼はまだ気付いていなかった⸺!
◆例によって設定ナシの即興作品です。なので主人公の伯爵家令嬢以外に固有名詞はありません。頭カラッポにしてゆるっとお楽しみ下さい。
婚約破棄ものですが恋愛はありません。もちろん元サヤもナシです。
◆全6話、約15000字程度でサラッと読めます。1日1話ずつ更新。
◆この物語はアルファポリスのほか、小説家になろうでも公開します。
◆9/29、HOTランキング入り!お読み頂きありがとうございます!
10/1、HOTランキング最高6位、人気ランキング11位、ファンタジーランキング1位!24h.pt瞬間最大11万4000pt!いずれも自己ベスト!ありがとうございます!
婚約破棄の後始末 ~息子よ、貴様何をしてくれってんだ!
タヌキ汁
ファンタジー
国一番の権勢を誇る公爵家の令嬢と政略結婚が決められていた王子。だが政略結婚を嫌がり、自分の好き相手と結婚する為に取り巻き達と共に、公爵令嬢に冤罪をかけ婚約破棄をしてしまう、それが国を揺るがすことになるとも思わずに。
これは馬鹿なことをやらかした息子を持つ父親達の嘆きの物語である。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる