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空と大樹と(第7話)
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翌朝ー。
さっそく、タコ部屋に送られたミケさんの様子を見に行くことにー。
「・・・あいつ、多分2日目にしてへたばってんじゃないだろうな・・・」
言葉とは裏腹に、もはや全く心配していなさそうな口調で晶が独り言ちる。
「うーん、さすがに私も、ミケさんがもうダウンしてるんじゃないかなぁと」
どうやら、早苗もミケさんのことを信用していないらしい。
「だからこそ、今日はきちんと様子を見に行ってあげないと!」
拳を握りながら、早苗はなぜか気合を入れた。
「ま、まあ猫さんも、もしかしたら今回のことでとてもご立派になって帰ってくるかもしれませんよ」
杏里が、少々焦りながらフォローを入れるが、
「それはない!」
「それはちょっと無理だと思う・・・」
即座に二人に否定されたー早苗にまで否定されるとは、いやはやミケさんの信頼度がどの程度のものなのか、よくわかるというものである・・・。
「水無、あいつの怠け者っぷりは半端ないぞ・・・あれだけ働かないやつも珍しいくらいだ」
晶が、いかにミケさんが怠け者であるか、身振り手振りを交えて力説する・・・それを、困ったような笑みを浮かべながら聞くことになる杏里ー。
「それにしても、タコ部屋っていうけど、どんなところだろうな・・・」
晶の力説を聞きつつ、カイトが疑問を零す。
「イメージしにくいけど、刑務所とか強制収容所の作業場みたいなところかな・・・」
働くくらいしかやることがなく、休憩は昼間に野菜スープが出るくらい・・・というイメージがある。
「問題は、そういうところでミケさんがお仕事に耐えられるか、何だよねぇ~何せ、ミケさん今までお酒ばっかり飲んでて昼も夜も関係なくただゴロゴロしていただけだから、かなり心配だよぉ、私」
「・・・それは、確かにかなり心配だね・・・」
晶が力説したくなる気持ちもよくわかる気がしたカイトだったー。
ーー
日向荘から大樹の内部の高速エレベータに乗り、地底付近の作業場に向かう一行ー。
「確か、ここで間違いないはずだ・・・さて、ミケさんは・・・まあ、あいつが頑張ってるとはとても思えないが・・・」
本来なら、「あいつは頑張ってるかな」と、セリフを続けたいところだったが、とてもではないが、それだけは「絶対にない」という確信があったので、結局上記のセリフとなる・・・。
「ただ、一番心配なのは、いきなり不慣れなことをすると体に著しい負担がかかるということですね・・・猫さんが体を壊してなければいいのですが・・・」
先ほどまで、晶の力説を聞かされ、もはやミケさんが労働に不向きだということが分かった杏里にとって、彼が不慣れな作業により体に著しい負担がかかっていないかが一番気がかりだった。
「いざとなったら、私の治癒術で少しは状況を改善できるかもしれません」
「ああ・・・まあ、その時は頼むよ、水無」
「はい」
この後、一行はミケさんと対面することになるが・・・そこにはー!!
さっそく、タコ部屋に送られたミケさんの様子を見に行くことにー。
「・・・あいつ、多分2日目にしてへたばってんじゃないだろうな・・・」
言葉とは裏腹に、もはや全く心配していなさそうな口調で晶が独り言ちる。
「うーん、さすがに私も、ミケさんがもうダウンしてるんじゃないかなぁと」
どうやら、早苗もミケさんのことを信用していないらしい。
「だからこそ、今日はきちんと様子を見に行ってあげないと!」
拳を握りながら、早苗はなぜか気合を入れた。
「ま、まあ猫さんも、もしかしたら今回のことでとてもご立派になって帰ってくるかもしれませんよ」
杏里が、少々焦りながらフォローを入れるが、
「それはない!」
「それはちょっと無理だと思う・・・」
即座に二人に否定されたー早苗にまで否定されるとは、いやはやミケさんの信頼度がどの程度のものなのか、よくわかるというものである・・・。
「水無、あいつの怠け者っぷりは半端ないぞ・・・あれだけ働かないやつも珍しいくらいだ」
晶が、いかにミケさんが怠け者であるか、身振り手振りを交えて力説する・・・それを、困ったような笑みを浮かべながら聞くことになる杏里ー。
「それにしても、タコ部屋っていうけど、どんなところだろうな・・・」
晶の力説を聞きつつ、カイトが疑問を零す。
「イメージしにくいけど、刑務所とか強制収容所の作業場みたいなところかな・・・」
働くくらいしかやることがなく、休憩は昼間に野菜スープが出るくらい・・・というイメージがある。
「問題は、そういうところでミケさんがお仕事に耐えられるか、何だよねぇ~何せ、ミケさん今までお酒ばっかり飲んでて昼も夜も関係なくただゴロゴロしていただけだから、かなり心配だよぉ、私」
「・・・それは、確かにかなり心配だね・・・」
晶が力説したくなる気持ちもよくわかる気がしたカイトだったー。
ーー
日向荘から大樹の内部の高速エレベータに乗り、地底付近の作業場に向かう一行ー。
「確か、ここで間違いないはずだ・・・さて、ミケさんは・・・まあ、あいつが頑張ってるとはとても思えないが・・・」
本来なら、「あいつは頑張ってるかな」と、セリフを続けたいところだったが、とてもではないが、それだけは「絶対にない」という確信があったので、結局上記のセリフとなる・・・。
「ただ、一番心配なのは、いきなり不慣れなことをすると体に著しい負担がかかるということですね・・・猫さんが体を壊してなければいいのですが・・・」
先ほどまで、晶の力説を聞かされ、もはやミケさんが労働に不向きだということが分かった杏里にとって、彼が不慣れな作業により体に著しい負担がかかっていないかが一番気がかりだった。
「いざとなったら、私の治癒術で少しは状況を改善できるかもしれません」
「ああ・・・まあ、その時は頼むよ、水無」
「はい」
この後、一行はミケさんと対面することになるが・・・そこにはー!!
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