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空と大樹と(第5話)
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今日の夕食は、美少女二人による手料理となりそうだー。
「晶、僕・・・こんな経験生まれて初めてだよ!」
早苗と杏里がタッグを組んで晩御飯をこしらえてくれるーしかもどちらも一般的には美少女で通用する粒ぞろいと来ているー。
これでは、今までほとんど男所帯の中だけで生活してきたカイトが興奮するのも、無理からぬことだと言えたー。
ほとんど夢心地といった気分に陥っているカイトに対し、いささか苦笑する晶。もちろん、先ほどカイトの身の上については説明を受けているので、事情はよくわかる。
そう言えば、オレもここに来たばかりの時は、清野や鏡香さんの料理でノックアウトされたことがあったっけ・・・もちろんいい意味で。
ただおいしいというだけでなく、それを美人&美少女が作ったとなれば、なおのこと味にも磨きがかかるというものだ。
・・・まあ、男ならではの都合のいい味覚というやつではあるのだが。
「清野の料理はうまいよ・・・水無も料理得意そうだし、今晩はなかなかのごちそうになりそうだな」
「これは期待できるな・・・僕なんて、ほとんど空の上で業者が届けてくれる弁当だけの生活だったしね、毎日」
「それは・・・飽きそうだな」
カイトの属している空のチーム蒼き風の住民たちは、残念ながら自分たちで料理なんてほとんどしない!
さらに言えば、仮にチームメンバーに料理がうまいやつがいたとしても、それを作るのがむさくるしい野郎どもばかりでは、男としては物足りなく感じるのも当たり前である・・・。
・・・したがって、結局は近くの弁当屋に届けてもらうことになるわけだが、当然レパートリーが限られている以上、飽きるのは必至であった・・・。
「まあ、しばらくうちにいる間は、女の子たちの手料理を堪能して行ってくれ・・・カイト」
「ああ!」
なぜか、いきなりカイトに手をガシィっと握られた晶であった。
そんなこんなで二人で騒いでいると、どうやら料理が出来上がったらしく、早苗と杏里が運んできてくれた。
「おお、これは・・・!」
「清野、水無も、呼んでくれたら運ぶのを手伝ったのに」
元は旅館だった日向荘ーその食卓に今回運ばれてきたものは・・・。
「質素ですけど、ご飯にお味噌汁、ほうれん草のお浸しと、鮭の切り身です」
「・・・久しぶりに業者弁当以外にありつける!!」
「今日は、和食か・・・これもなかなか」
思わず感涙を流すカイトと、冷静に料理を観察しながらも早く食べる気満々の晶ーそんな二人の様子を見て、顔を見合わせながら思わず微笑む杏里と早苗ー。
さあ、楽しい夕食の始まりであるー。
ーー
「ふう、喰った喰った」
「こんなうまいもの食べたの、初めてだよ」
女子のタッグ料理に、だらしなくノックアウトされる男2匹ー。
特に、鮭の切り身の塩気は絶妙だ。さらに白米と味噌汁、それに簡単なお浸しと、さすがこの女子二人は「よくわかっていらっしゃる」のだった。
「喜んでいただけて何よりです」
「うーん、これは、さらに料理のし甲斐がありそうだねぇ」
杏里と早苗も顔を綻ばせながら、後片付けに入ったー。
「晶、僕・・・こんな経験生まれて初めてだよ!」
早苗と杏里がタッグを組んで晩御飯をこしらえてくれるーしかもどちらも一般的には美少女で通用する粒ぞろいと来ているー。
これでは、今までほとんど男所帯の中だけで生活してきたカイトが興奮するのも、無理からぬことだと言えたー。
ほとんど夢心地といった気分に陥っているカイトに対し、いささか苦笑する晶。もちろん、先ほどカイトの身の上については説明を受けているので、事情はよくわかる。
そう言えば、オレもここに来たばかりの時は、清野や鏡香さんの料理でノックアウトされたことがあったっけ・・・もちろんいい意味で。
ただおいしいというだけでなく、それを美人&美少女が作ったとなれば、なおのこと味にも磨きがかかるというものだ。
・・・まあ、男ならではの都合のいい味覚というやつではあるのだが。
「清野の料理はうまいよ・・・水無も料理得意そうだし、今晩はなかなかのごちそうになりそうだな」
「これは期待できるな・・・僕なんて、ほとんど空の上で業者が届けてくれる弁当だけの生活だったしね、毎日」
「それは・・・飽きそうだな」
カイトの属している空のチーム蒼き風の住民たちは、残念ながら自分たちで料理なんてほとんどしない!
さらに言えば、仮にチームメンバーに料理がうまいやつがいたとしても、それを作るのがむさくるしい野郎どもばかりでは、男としては物足りなく感じるのも当たり前である・・・。
・・・したがって、結局は近くの弁当屋に届けてもらうことになるわけだが、当然レパートリーが限られている以上、飽きるのは必至であった・・・。
「まあ、しばらくうちにいる間は、女の子たちの手料理を堪能して行ってくれ・・・カイト」
「ああ!」
なぜか、いきなりカイトに手をガシィっと握られた晶であった。
そんなこんなで二人で騒いでいると、どうやら料理が出来上がったらしく、早苗と杏里が運んできてくれた。
「おお、これは・・・!」
「清野、水無も、呼んでくれたら運ぶのを手伝ったのに」
元は旅館だった日向荘ーその食卓に今回運ばれてきたものは・・・。
「質素ですけど、ご飯にお味噌汁、ほうれん草のお浸しと、鮭の切り身です」
「・・・久しぶりに業者弁当以外にありつける!!」
「今日は、和食か・・・これもなかなか」
思わず感涙を流すカイトと、冷静に料理を観察しながらも早く食べる気満々の晶ーそんな二人の様子を見て、顔を見合わせながら思わず微笑む杏里と早苗ー。
さあ、楽しい夕食の始まりであるー。
ーー
「ふう、喰った喰った」
「こんなうまいもの食べたの、初めてだよ」
女子のタッグ料理に、だらしなくノックアウトされる男2匹ー。
特に、鮭の切り身の塩気は絶妙だ。さらに白米と味噌汁、それに簡単なお浸しと、さすがこの女子二人は「よくわかっていらっしゃる」のだった。
「喜んでいただけて何よりです」
「うーん、これは、さらに料理のし甲斐がありそうだねぇ」
杏里と早苗も顔を綻ばせながら、後片付けに入ったー。
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