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ミケとポン太(第9話)
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「その前に、ちょっと待て、お前ら」
嬉々としてミケさんを締め上げ、タコ部屋まで連行していこうとするポン太達に、晶の制止が入るー。
「何だ、あんちゃん」
「こいつをタコ部屋に連れて行くのはいいが、その前に確認しておきたいことがある」
晶は、ポン太の目の前に立つと、
「まず、この大樹において、当たり前だが、貸金業にも法律はある」
「おう」
「それで、オレの記憶が正しければだが、まず、その「トイチ」という利率は明らかに違法だ」
「・・・」
「そんな高利貸しは、大樹の貸金業法では認めていない」
晶の鋭い指摘に、今度はポン太が汗だらだらとなっていくー。
「そして、その法律だが、大樹に人が暮らし始めてすぐ成立したものだから、当然ながら、その歴史は古い」
「・・・つまりは?」
ポン太の顔色がみるみるうちに変わっていく。どうやら、晶の指摘はかなり痛いところをついているようだった。
「お前さん、さっき数十年とか言ってたような気がするが・・・残念ながら、この法律の歴史は古く、さらには確かに幾度かは法改正されたものの、ここ数十年程度ではほとんど変更はなかったはず」
「・・・」
「よって、法改正前の利率が適用される可能性も低いだろう。つまり、この「トイチ」というのは明らかにありえんので、無効だ」
「・・・」
晶の指摘に、押し黙ってしまう動物もどき軍団。誰も反論できずにいた。
「正しい利率をもとに利息を計算し直した上で、ミケさんに仕事をさせて完済させるーこれが妥当だな」
「う・・・」
晶は、ポン太達に、大樹の現行法に基づく「正しい利息」の計算を要求する。これならば、まだ少しは完済(あるいはミケさんが駄目な場合は仕方がない、うちのチームでの立て替え)の可能性はある。
「まあ、タコ部屋ーというか、少なくとも、この糸目ブサニャンコもどきを働かせるのは決まりだとして、そこのところはきちんと守ってもらうぞ、糸目ブサ狸もどきさんよ」
ポン太とその取り巻きは、仕方なく、晶の言い分に従う意向を示した。
「これで、まあ一生タコ部屋暮らしというのはさすがにないだろうが、しばらくの間はタコ部屋生活なのはさすがに我慢してもらうぞ、ミケさんよ」
「・・・仕方がありませんニャー」
「・・・そもそも、お前さんがろくに働きもせず、借金をこさえて逃げ回っていること自体が、問題なんだからな」
「・・・ですニャー」
本当に反省しているのかどうかも怪しげな声で、ミケさんが返事をする。
「でも、この分だとミケさん、一生会えないということはなさそうだよ」
「まあ、一応こいつもチームの一員だしな・・・一生タコ部屋だけの生活というのもさすがに・・・な」
多少は安堵した様子を見せる早苗に対し、自身の頬を人差し指で掻きながら晶は応えたー。
嬉々としてミケさんを締め上げ、タコ部屋まで連行していこうとするポン太達に、晶の制止が入るー。
「何だ、あんちゃん」
「こいつをタコ部屋に連れて行くのはいいが、その前に確認しておきたいことがある」
晶は、ポン太の目の前に立つと、
「まず、この大樹において、当たり前だが、貸金業にも法律はある」
「おう」
「それで、オレの記憶が正しければだが、まず、その「トイチ」という利率は明らかに違法だ」
「・・・」
「そんな高利貸しは、大樹の貸金業法では認めていない」
晶の鋭い指摘に、今度はポン太が汗だらだらとなっていくー。
「そして、その法律だが、大樹に人が暮らし始めてすぐ成立したものだから、当然ながら、その歴史は古い」
「・・・つまりは?」
ポン太の顔色がみるみるうちに変わっていく。どうやら、晶の指摘はかなり痛いところをついているようだった。
「お前さん、さっき数十年とか言ってたような気がするが・・・残念ながら、この法律の歴史は古く、さらには確かに幾度かは法改正されたものの、ここ数十年程度ではほとんど変更はなかったはず」
「・・・」
「よって、法改正前の利率が適用される可能性も低いだろう。つまり、この「トイチ」というのは明らかにありえんので、無効だ」
「・・・」
晶の指摘に、押し黙ってしまう動物もどき軍団。誰も反論できずにいた。
「正しい利率をもとに利息を計算し直した上で、ミケさんに仕事をさせて完済させるーこれが妥当だな」
「う・・・」
晶は、ポン太達に、大樹の現行法に基づく「正しい利息」の計算を要求する。これならば、まだ少しは完済(あるいはミケさんが駄目な場合は仕方がない、うちのチームでの立て替え)の可能性はある。
「まあ、タコ部屋ーというか、少なくとも、この糸目ブサニャンコもどきを働かせるのは決まりだとして、そこのところはきちんと守ってもらうぞ、糸目ブサ狸もどきさんよ」
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「これで、まあ一生タコ部屋暮らしというのはさすがにないだろうが、しばらくの間はタコ部屋生活なのはさすがに我慢してもらうぞ、ミケさんよ」
「・・・仕方がありませんニャー」
「・・・そもそも、お前さんがろくに働きもせず、借金をこさえて逃げ回っていること自体が、問題なんだからな」
「・・・ですニャー」
本当に反省しているのかどうかも怪しげな声で、ミケさんが返事をする。
「でも、この分だとミケさん、一生会えないということはなさそうだよ」
「まあ、一応こいつもチームの一員だしな・・・一生タコ部屋だけの生活というのもさすがに・・・な」
多少は安堵した様子を見せる早苗に対し、自身の頬を人差し指で掻きながら晶は応えたー。
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