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ミケとポン太(第7話)

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「まあ、落ち着こうや」

 とりあえず、ミケさんに群がる動物軍団を抑えることにする。

「臓器の切り売りさせろ!!」

「それか・・・タコ部屋行きだな」

「ウガアァァ!」

 とはいえ、すぐにおとなしくしてくれるような連中ではない・・・。

 晶は、とりあえず相手をなだめながら、妥協点を探ることにした。

「まあ、まずは、臓器の切り売りに関しては、さすがに勘弁してやってくれ・・・ていうか、最終的に困るのは、むしろお前さん方だと思うぞ」

「・・・?なんでだ、あんちゃん」

「テキトーなこと言ってごまかそうったって、そうはいかねえぜ」

「そうだそうだ!」

「ウガアァァ!!」

 動物軍団がまた騒ぎ始めた。これでは、これまでとあんまり変わらない状況ではあるが・・・晶は何とか説得しようと試みた。

「まず、このミケさんは、はっきり言って「不摂生」だ」

「・・・うむ」

 ポン太が頷いた。さすが借金取りなだけあって、どうやら、ある程度ミケさんの私生活について把握しているらしい。

「なら、わかるだろ?臓器の切り売りなんて向かないことを」

「む?」

 訝し気な表情を浮かべて、ポン太が晶に問いかけた。

「どういう意味だ?」

「だから、こいつの臓器が、売り物になるわけないって言いたいんだよ」

 ・・・まあ、不摂生が当たり前のミケさんのことである。とてもではないが、臓器が健全な状態にあるとは思えない。これでは、確かに臓器売買では借金の足しにもならないだろう。

 そこまでかみ砕いて説明すると、ポン太もどうやら納得したらしく、

「言われてみれば・・・そうかもな」

「そう、多分健全な臓器は期待できないだろうから、値段はつかんだろう。よって、ミケさんの臓器売買の件は、なしということで」

 晶の背後で、ミケさんがホッと胸を撫で下ろす。とりあえず、晶の機転のおかげで何とか臓器売買だけは逃れることができそうだった。

「それで・・・次にタコ部屋行きだが・・・」

 ・・・「タコ部屋」という単語が出てきて、再び、ミケさんの顔が青ざめ、全身汗だくだくの状態になり始めたー。
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