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モリガン一人旅(第33話)
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とりあえず、カイトを説得した楓とモリガンー。
「さて、そうとわかれば・・・ともかく今は大樹へと避難してもらうぞ、カイト」
とにかく、あの紫の機体の乗り手の追跡から、カイトは逃さなければならない。幸いにして、この楓のアトリエと大樹の日向荘を繋ぐための転送魔法陣は、既にモリガンの手によって構築されている。あとは、カイトを大樹まで逃すだけだ。
「楓さん、モリガンさん、私もカイトに付き添います」
力なくうなだれるカイトの姿を見て、杏里が共に大樹へ渡ることを申し出る。
「あ、杏里・・・しかし、君は・・・」
「できれば、彼の傍で見守りたいんです・・・だめ・・・かしら?」
杏里のことだ。今日出会ったばかりとはいえ、自分が治療したばかりの相手をこのままにしておくことができなかったのだろう。
「まあ、大樹の転送先は日向荘じゃから、危険はないじゃろうが・・・」
モリガンは、杏里に確認するかのように問いかける。
「カイトのことが心配なんじゃな?」
「・・・はい」
杏里はコクリと頷いた。できることなら、彼が落ち着くまでは、彼女自身が傍で面倒を見たいという気持ちが伝わってくる。
「父には、私から連絡しておきます。せめて・・・カイトが落ち着くまでは・・・」
必死な杏里の表情を見て、モリガンも頷き、楓に、
「大樹の日向荘なら、絶対安全じゃ・・・カイトにとっても、杏里が傍におった方がええじゃろう・・・カイトたちが大樹に行き次第、一旦この転送魔法陣は閉じて、万が一にでもあの女剣士がここを発見しても、大樹には行けないようにしておけば、しばらくは安全のはずじゃ」
モリガンに諭されて、楓もようやく納得したようだ。
「そうか・・・そうだよな。杏里はカイトと接触しているし、下手をすればその紫の機体のパイロットに狙われる可能性もあるわけだし、それが一番いいのかもな」
自分に言い聞かせるように独り言ちると、楓は杏里に、
「よし、杏里。カイトのことは君に任せた。こちらの方の安全が確保されるまで、しばらくはカイトと共に大樹で待っていてくれ」
「わかったわ、楓さん」
杏里が安心したように笑みをこぼした。
「ただ、一つ頼まれてほしいことがあるんだ、杏里」
「・・・?何かしら」
楓から直々にお願いとは・・・いったい何だろうか。
杏里が小首をかしげていると、
「・・・大樹のお土産を買ってきてくれ」
「ええい、今は土産よりも重要なことがあるじゃろうが!!」
空気を読まない頼みごとに対して、思わず鋭いツッコミを入れてしまうモリガンであったー。
「さて、そうとわかれば・・・ともかく今は大樹へと避難してもらうぞ、カイト」
とにかく、あの紫の機体の乗り手の追跡から、カイトは逃さなければならない。幸いにして、この楓のアトリエと大樹の日向荘を繋ぐための転送魔法陣は、既にモリガンの手によって構築されている。あとは、カイトを大樹まで逃すだけだ。
「楓さん、モリガンさん、私もカイトに付き添います」
力なくうなだれるカイトの姿を見て、杏里が共に大樹へ渡ることを申し出る。
「あ、杏里・・・しかし、君は・・・」
「できれば、彼の傍で見守りたいんです・・・だめ・・・かしら?」
杏里のことだ。今日出会ったばかりとはいえ、自分が治療したばかりの相手をこのままにしておくことができなかったのだろう。
「まあ、大樹の転送先は日向荘じゃから、危険はないじゃろうが・・・」
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「カイトのことが心配なんじゃな?」
「・・・はい」
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「父には、私から連絡しておきます。せめて・・・カイトが落ち着くまでは・・・」
必死な杏里の表情を見て、モリガンも頷き、楓に、
「大樹の日向荘なら、絶対安全じゃ・・・カイトにとっても、杏里が傍におった方がええじゃろう・・・カイトたちが大樹に行き次第、一旦この転送魔法陣は閉じて、万が一にでもあの女剣士がここを発見しても、大樹には行けないようにしておけば、しばらくは安全のはずじゃ」
モリガンに諭されて、楓もようやく納得したようだ。
「そうか・・・そうだよな。杏里はカイトと接触しているし、下手をすればその紫の機体のパイロットに狙われる可能性もあるわけだし、それが一番いいのかもな」
自分に言い聞かせるように独り言ちると、楓は杏里に、
「よし、杏里。カイトのことは君に任せた。こちらの方の安全が確保されるまで、しばらくはカイトと共に大樹で待っていてくれ」
「わかったわ、楓さん」
杏里が安心したように笑みをこぼした。
「ただ、一つ頼まれてほしいことがあるんだ、杏里」
「・・・?何かしら」
楓から直々にお願いとは・・・いったい何だろうか。
杏里が小首をかしげていると、
「・・・大樹のお土産を買ってきてくれ」
「ええい、今は土産よりも重要なことがあるじゃろうが!!」
空気を読まない頼みごとに対して、思わず鋭いツッコミを入れてしまうモリガンであったー。
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