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モリガン一人旅(第16話)
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ようやく飛空船が到着ー。
モリガンは、長い間座席に座りっぱなしだった体を思い切り伸ばし、一息ついた。
「ふう・・・自分で飛ばんでもいいから楽ちんじゃとばかり思っておったが・・・」
逆に座りっぱなしというのも却って疲れるもんじゃのう・・・と続けて独り言ちるモリガンであった。古風な口調も相まって、これでは老婆の愚痴に聞こえてしまう。
首をパキポキと鳴らしつつ、飛空船の係留所を後にし、街へと繰り出すことにした。
「まあ、あやつらのためになんか土産でも買っておいた方がいいかもしれんが・・・今着いたばかりじゃしな」
チーム《ユグドラシル》のメンバーへンお土産は、帰りの便に乗る前に駆っておくことにする。
「それよりも、楓のアトリエまで急がんとな・・・あまり待たせるとあやつに文句を言われるわい・・・とはいえ」
土産物屋を多少冷やかしてから、モリガンは街中を少し歩く。長時間座りっぱなしだったので、少しは体を動かしたかったというのもある。桐ケ谷楓のアトリエには多少遅れることになるが、少し文句を言われるくらいなら我慢するか・・・と思い直した。
「あやつのことじゃから、また例の魔法フクロウ相手に無理難題を押しつけておることじゃろう」
楓に、半ば強引に執事として迎えられた魔法フクロウに同情しながら苦笑する。モリガンにも、自分の執事となる存在はいるが、彼はモリガン自身の魔力で生み出された真性の使い魔だった。
「そう言えば・・・晶たちに預けた執事君グレートから何の連絡もないのう・・・まあ、特段困ったことが起きたというわけでもなさそうじゃし、今は任せきりにしといてもよさそうじゃな」
頭の後ろで両手を組み、少し街中をぶらついてから、
「アトリエまでは、わしの飛行魔法で飛ばすか・・・」
飛空船に揺られすぎたのだろう。体自身が動きたいと要求しているようだった。
楓のアトリエまでにかかる時間を大体予想しながら、モリガンは街の入り口まで行ける交通機関を探したー。
モリガンは、長い間座席に座りっぱなしだった体を思い切り伸ばし、一息ついた。
「ふう・・・自分で飛ばんでもいいから楽ちんじゃとばかり思っておったが・・・」
逆に座りっぱなしというのも却って疲れるもんじゃのう・・・と続けて独り言ちるモリガンであった。古風な口調も相まって、これでは老婆の愚痴に聞こえてしまう。
首をパキポキと鳴らしつつ、飛空船の係留所を後にし、街へと繰り出すことにした。
「まあ、あやつらのためになんか土産でも買っておいた方がいいかもしれんが・・・今着いたばかりじゃしな」
チーム《ユグドラシル》のメンバーへンお土産は、帰りの便に乗る前に駆っておくことにする。
「それよりも、楓のアトリエまで急がんとな・・・あまり待たせるとあやつに文句を言われるわい・・・とはいえ」
土産物屋を多少冷やかしてから、モリガンは街中を少し歩く。長時間座りっぱなしだったので、少しは体を動かしたかったというのもある。桐ケ谷楓のアトリエには多少遅れることになるが、少し文句を言われるくらいなら我慢するか・・・と思い直した。
「あやつのことじゃから、また例の魔法フクロウ相手に無理難題を押しつけておることじゃろう」
楓に、半ば強引に執事として迎えられた魔法フクロウに同情しながら苦笑する。モリガンにも、自分の執事となる存在はいるが、彼はモリガン自身の魔力で生み出された真性の使い魔だった。
「そう言えば・・・晶たちに預けた執事君グレートから何の連絡もないのう・・・まあ、特段困ったことが起きたというわけでもなさそうじゃし、今は任せきりにしといてもよさそうじゃな」
頭の後ろで両手を組み、少し街中をぶらついてから、
「アトリエまでは、わしの飛行魔法で飛ばすか・・・」
飛空船に揺られすぎたのだろう。体自身が動きたいと要求しているようだった。
楓のアトリエまでにかかる時間を大体予想しながら、モリガンは街の入り口まで行ける交通機関を探したー。
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