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アサギと黒羽(第16話)
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カルミナ、ブラーナ、翔、卓の4人が、ゼルキンス村から少し離れた丘を目指していた頃ー。
「こ、これは・・・いささかやりすぎたか・・・」
丘の上に、アサギと黒羽の両者の力の激突の跡を物語る、クレーターができていた。闘気と魔力ーそして、光と闇ー。相反する力と属性のものがぶつかり合った結果、近くにある者は根こそぎ消滅してしまったのだ。
アサギは、爆発の瞬間、かろうじて難を逃れることができたが、全くの無傷というわけでもなかった。
というより、満身創痍だ。とてもではないが、これ以上は戦えるような状態ではない・・・。
「その・・・ようですね・・・アサギ」
対する黒羽も同様であった。爆発の直撃だけは何とか避けることができたものの、やはり負った傷はあまりにも大きく、アサギ同様とても戦闘を継続できるような状態にはなかった。
「・・・痛み分けか・・・」
アサギの言う通り、ここは痛み分けということになりそうだ。
「ふっくっく・・・」
ふいに、アサギが笑い始めた。満身創痍で、額や口から出血しているが、不思議と悪い気分ではない。
「ふふ・・・」
黒羽も笑い始めた。アサギ同様に、あちこち出血しており、ローブも無残に破けているが、それでもなぜか笑みをこぼさずにはいられなかったのだ。
「こんな気分は初めてだ・・・邪術師ではあるが、礼を言わせてもらうぞ、黒羽」
「こちらこそ、私もこんな気持ちになるのは初めてです。これは・・・東方の方々に対する見方を少し修正しなければいけないようですね」
何とか立ち上がる黒羽。アサギも、最後の力を振り絞り、何とか立ち上がる。
もう、この「勝負」はお開きだー。
そう2人が思った時ー。
「黒羽、大丈夫!?」
「大丈夫か、お前何やってんだよ!?」
チーム《ラピュタ》の面々が丘の上にたどり着き、そこで満身創痍の黒羽を見て、一斉に駆け寄る。
「そう言えば、貴様には仲間がいたのだったな・・・」
アサギは苦笑する。
もう、戦う力は残っていない。私も、ついにここまでか・・・。
アサギが観念し、チーム《ラピュタ》の面々に告げた。
「この勝負、私の負けだ。好きにしろ、《ラピュタ》とやら」
その声に、一同がアサギの方を振り返る。
「止めを刺すがいい」
そう話すアサギの顔には、なぜかすがすがしささえ宿っていたのだったー。
「こ、これは・・・いささかやりすぎたか・・・」
丘の上に、アサギと黒羽の両者の力の激突の跡を物語る、クレーターができていた。闘気と魔力ーそして、光と闇ー。相反する力と属性のものがぶつかり合った結果、近くにある者は根こそぎ消滅してしまったのだ。
アサギは、爆発の瞬間、かろうじて難を逃れることができたが、全くの無傷というわけでもなかった。
というより、満身創痍だ。とてもではないが、これ以上は戦えるような状態ではない・・・。
「その・・・ようですね・・・アサギ」
対する黒羽も同様であった。爆発の直撃だけは何とか避けることができたものの、やはり負った傷はあまりにも大きく、アサギ同様とても戦闘を継続できるような状態にはなかった。
「・・・痛み分けか・・・」
アサギの言う通り、ここは痛み分けということになりそうだ。
「ふっくっく・・・」
ふいに、アサギが笑い始めた。満身創痍で、額や口から出血しているが、不思議と悪い気分ではない。
「ふふ・・・」
黒羽も笑い始めた。アサギ同様に、あちこち出血しており、ローブも無残に破けているが、それでもなぜか笑みをこぼさずにはいられなかったのだ。
「こんな気分は初めてだ・・・邪術師ではあるが、礼を言わせてもらうぞ、黒羽」
「こちらこそ、私もこんな気持ちになるのは初めてです。これは・・・東方の方々に対する見方を少し修正しなければいけないようですね」
何とか立ち上がる黒羽。アサギも、最後の力を振り絞り、何とか立ち上がる。
もう、この「勝負」はお開きだー。
そう2人が思った時ー。
「黒羽、大丈夫!?」
「大丈夫か、お前何やってんだよ!?」
チーム《ラピュタ》の面々が丘の上にたどり着き、そこで満身創痍の黒羽を見て、一斉に駆け寄る。
「そう言えば、貴様には仲間がいたのだったな・・・」
アサギは苦笑する。
もう、戦う力は残っていない。私も、ついにここまでか・・・。
アサギが観念し、チーム《ラピュタ》の面々に告げた。
「この勝負、私の負けだ。好きにしろ、《ラピュタ》とやら」
その声に、一同がアサギの方を振り返る。
「止めを刺すがいい」
そう話すアサギの顔には、なぜかすがすがしささえ宿っていたのだったー。
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