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アサギと黒羽(第3話)
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邪術師を含む5人組は、見事害蟲の群れを駆逐したー。
「ほう、あの害蟲を倒すとは・・・見事なものだな」
その戦いの顛末を確認して、アサギは素直に賞賛する・・・が、
「しかし、邪術師がいるのは捨て置けんな・・・」
5人組は、害蟲を倒した後に近くの飛行船へと乗り込んでいった。どうやら、あれが彼の船らしかった。
「空賊か・・・邪術師がいる辺りから見て、間違いないと思うが・・・」
ただ、いくつか気になる点がある。邪術師を除いて、空賊とは呼べないような雰囲気の連中ばかりだったということだ。アサギは、彼らが戦っている最中に他の4人の姿も確認してみたが、少なくとも空賊やマフィアのような感じはしなかった。むしろ、カタギに近い連中だ。
「あやつら・・・自分たちの仲間の正体が何なのか、気が付いていないのか」
ただし、4人のうち1人だけは、邪術師のことに感づいていたような雰囲気だった。ほんの一瞬だが、眼鏡をかけた黒く長い髪の女性が、邪術師の能力を見た時に渋い顔をしていたのを確認できた。おそらく、この女性は、何となくだが気が付いているのだろう。
「気が付いている者もいるのか・・・それでもなお、邪術師などと一緒に行動しているとはな」
邪術師は、東方では文明の敵として扱われている。元より邪な者だけが、その能力を授かるとされているからだ。よって、見つかり次第、即処刑というのが東方では当たり前だった。
かくいう、アサギ自身も邪術師と呼ばれる者達と戦ったこともある。故郷においてだ。故郷が邪術師の群れに占拠され、アサギのほか、#燎原__リンイェン__のメンバー全員が彼らの対処に当たった。
#邪術師という呼び名通り、女子供でさえ容赦しないような、醜悪な人格の者達ばかりだった。彼らの仕打ちを見た時、アサギは怒りに我を忘れた。そして気が付けば、アサギは目の前に立ちふさがった邪術師すべてを自らの手で切り伏せていたのだった。
これが、アサギが初めて「人を殺した」経験である。もっとも、文明の敵と言われる邪術師を殺したことに、一切の後悔はなかった。相手を同じ人間だと思いたくもなかった。
飛空船が、近くの惑星の方向に舵を向けた。どうやら、あの惑星内の浮遊大陸に向かうつもりらしい。
ちょうどいいー。
アサギの顔に笑みが浮かぶ。その眼には、獲物を見つけた時の猛獣のように危険な光が宿っていた。
あの大陸には、おそらく自分が撃ち漏らした飛空鎧も不時着している可能性が高い。その確認も行うついでに、邪術師を仕留めるー。
「あの邪術師だけは、捨て置けないからな・・・まあ、まずはあやつらの後を追うか」
チーム《ラピュタ》の飛空船「白波号」の後を追い、紫の牙はΣ-11と呼ばれている巨大惑星へと向かったー。
「ほう、あの害蟲を倒すとは・・・見事なものだな」
その戦いの顛末を確認して、アサギは素直に賞賛する・・・が、
「しかし、邪術師がいるのは捨て置けんな・・・」
5人組は、害蟲を倒した後に近くの飛行船へと乗り込んでいった。どうやら、あれが彼の船らしかった。
「空賊か・・・邪術師がいる辺りから見て、間違いないと思うが・・・」
ただ、いくつか気になる点がある。邪術師を除いて、空賊とは呼べないような雰囲気の連中ばかりだったということだ。アサギは、彼らが戦っている最中に他の4人の姿も確認してみたが、少なくとも空賊やマフィアのような感じはしなかった。むしろ、カタギに近い連中だ。
「あやつら・・・自分たちの仲間の正体が何なのか、気が付いていないのか」
ただし、4人のうち1人だけは、邪術師のことに感づいていたような雰囲気だった。ほんの一瞬だが、眼鏡をかけた黒く長い髪の女性が、邪術師の能力を見た時に渋い顔をしていたのを確認できた。おそらく、この女性は、何となくだが気が付いているのだろう。
「気が付いている者もいるのか・・・それでもなお、邪術師などと一緒に行動しているとはな」
邪術師は、東方では文明の敵として扱われている。元より邪な者だけが、その能力を授かるとされているからだ。よって、見つかり次第、即処刑というのが東方では当たり前だった。
かくいう、アサギ自身も邪術師と呼ばれる者達と戦ったこともある。故郷においてだ。故郷が邪術師の群れに占拠され、アサギのほか、#燎原__リンイェン__のメンバー全員が彼らの対処に当たった。
#邪術師という呼び名通り、女子供でさえ容赦しないような、醜悪な人格の者達ばかりだった。彼らの仕打ちを見た時、アサギは怒りに我を忘れた。そして気が付けば、アサギは目の前に立ちふさがった邪術師すべてを自らの手で切り伏せていたのだった。
これが、アサギが初めて「人を殺した」経験である。もっとも、文明の敵と言われる邪術師を殺したことに、一切の後悔はなかった。相手を同じ人間だと思いたくもなかった。
飛空船が、近くの惑星の方向に舵を向けた。どうやら、あの惑星内の浮遊大陸に向かうつもりらしい。
ちょうどいいー。
アサギの顔に笑みが浮かぶ。その眼には、獲物を見つけた時の猛獣のように危険な光が宿っていた。
あの大陸には、おそらく自分が撃ち漏らした飛空鎧も不時着している可能性が高い。その確認も行うついでに、邪術師を仕留めるー。
「あの邪術師だけは、捨て置けないからな・・・まあ、まずはあやつらの後を追うか」
チーム《ラピュタ》の飛空船「白波号」の後を追い、紫の牙はΣ-11と呼ばれている巨大惑星へと向かったー。
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