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カルミナとブラーナ(第1話)
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チーム《ラピュタ》の所有する飛空艇「白波号」ー。
雲海の上を高速で移動する飛空艇の一室で、一人の少女が自室で眠っていた。長い金髪の美しい少女だ。ただ、寝相が悪いのか、布団は跳ね上げられ、ほとんどパジャマだけで眠っている状態である。くーくーと寝息を立てる姿は可愛らしいのだが、この寝相の悪さだけはいただけない・・・。
そして、その隣のベッドには、長い黒髪の、これまた端正な顔立ちの少女の姿があった。こちらの方が、1つ2つくらい年上だろうか・・・おもむろに、金髪の少女が寝ているベッドに近づくと、その顔を覗き込んだ。
金髪の少女は、完全に寝入っている。もうそろそろ起床時刻になるはずだが、この様子では当分起きそうにないだろう・・・。
すると、何を思ったのか、黒髪の少女はいたずらっ子を連想させるような笑みを浮かべると、金髪の少女の鼻に指を伸ばした。そして、軽く摘まみ上げる。
「うう・・・」
金髪の少女が軽く反応したようだ。だが、起きる気配はやはりない。少しして、金髪の少女の口が半開きになる。鼻で呼吸できなくなったので、自然と口が開いたのだろう。どうやら、鼻を摘まむだけでは駄目なようだ。
黒髪の少女は、楽しそうな表情で、金髪の少女の口元に顔を寄せた。そして・・・、
「お姫様は王子様のキッスにより目が覚めるのですよ~」
どこぞのおとぎ話のような呟きの後、その唇を、自らの唇で塞いだーこれでは、正確には接吻というよりは、「マウス・トゥー・マウス」である・・・。
実際に、黒髪の少女は、金髪の少女の鼻を摘まんだまま、彼女の顎を掴み、心持ち顔を上へと向けさせ、そして、彼女の肺の中にたっぷりと自身の呼気を吹き込んだ。
「・・・!!う、ううん・・・?」
いきなり息を吹き込まれ、金髪の少女がむせ返る。
さすがの寝坊助少女も、ようやく目が覚めたようだ。目が覚めてから一番最初に目にした光景が、同じ部屋で眠る相方の顔のドアップと、なぜか自身の鼻を摘ままれ、そしてー。
唇の暖かな感触ー。
黒髪の少女が、金髪の少女が目を覚ましたのを見て、唇を離す・・・なぜか、鼻は摘ままれたままだが。
「おはよう、私のお姫様」
静かな笑みをたたえて、黒髪の少女が目覚めの挨拶をしてくる。
・・・金髪の少女は、しばらくして、自分の状況を把握してから、
「何やってんだぁ!ブラーナ!!」
と、鼻を摘ままれたまま叫んだ・・・。
ーー
「まったく、なんで朝っぱらからこれなのよ!」
「あんまり寝顔がかわいかったから、ついやっちゃった」
「ついじゃねえよ!!」
はあ、と盛大なため息をつきながら、金髪の少女ーカルミナはベッドから飛び起きた。
まったく、少しでも油断しているとすぐこれだ。いくら、「付き合っている仲」だとはいえ、こうしょっちゅう寝込みを襲われてはたまったものではない。
「しかも、思いっきり息を吹き込んで・・・全くもう」
ブラーナは目覚めのキッスだと言ったが、これでは人工呼吸も同然だ。まあ、どちらも唇を重ねるという点では同じなのだろうが・・・。
「でも、悪い気はしないでしょう」
満更でもないだろうと問われて、すぐに返答できないカルミナ。顔が自然に赤くなるのがわかる。
「言っとくけど、他のメンバーのいる手前では絶対変なことしないでよね」
起きて、速攻で服を着替えながら、カルミナはブラーナに釘をさす。
ブラーナは眼鏡をかけて(視力は悪くはないので、単なる伊達眼鏡ではあるのだが)、そんなカルミナの姿を愛おし気に見ながら、
「そこら辺は大丈夫よ、私たちだけの秘密だし」
「本当に大丈夫なんだか・・・」
カルミナは、軽くため息をつきながら、洗面所で洗顔する。その後、髪をツインテールに結う。
多少目がきつい印象を受けるが、カルミナは間違いなく美少女である。薄い唇や通った鼻筋(先ほどブラーナにもてあそばれていたが)と、顔立ちの良さはブラーナでなくとも認めることだろう。ただ、目のきつさだけが、そのまま勝気な彼女の性格を表していた。
対するブラーナは、どことなく年上のお姉さんを連想させる綺麗な女性だった。ただ、このお姉さんは、どこか「いたずら好き」な子供っぽさも内包しているような雰囲気がある。
カルミナとブラーナ。チーム《ラピュタ》の構成員にして、この「白波号」の乗組員でもある。そして、同性カップルでもあった。
「さあ、いくよブラーナ。早く準備して」
「わかった」
こうして、慌ただしく準備を整えた後、飛空艇内の様子を確認するべく、二人そろって自室を後にしたー。
雲海の上を高速で移動する飛空艇の一室で、一人の少女が自室で眠っていた。長い金髪の美しい少女だ。ただ、寝相が悪いのか、布団は跳ね上げられ、ほとんどパジャマだけで眠っている状態である。くーくーと寝息を立てる姿は可愛らしいのだが、この寝相の悪さだけはいただけない・・・。
そして、その隣のベッドには、長い黒髪の、これまた端正な顔立ちの少女の姿があった。こちらの方が、1つ2つくらい年上だろうか・・・おもむろに、金髪の少女が寝ているベッドに近づくと、その顔を覗き込んだ。
金髪の少女は、完全に寝入っている。もうそろそろ起床時刻になるはずだが、この様子では当分起きそうにないだろう・・・。
すると、何を思ったのか、黒髪の少女はいたずらっ子を連想させるような笑みを浮かべると、金髪の少女の鼻に指を伸ばした。そして、軽く摘まみ上げる。
「うう・・・」
金髪の少女が軽く反応したようだ。だが、起きる気配はやはりない。少しして、金髪の少女の口が半開きになる。鼻で呼吸できなくなったので、自然と口が開いたのだろう。どうやら、鼻を摘まむだけでは駄目なようだ。
黒髪の少女は、楽しそうな表情で、金髪の少女の口元に顔を寄せた。そして・・・、
「お姫様は王子様のキッスにより目が覚めるのですよ~」
どこぞのおとぎ話のような呟きの後、その唇を、自らの唇で塞いだーこれでは、正確には接吻というよりは、「マウス・トゥー・マウス」である・・・。
実際に、黒髪の少女は、金髪の少女の鼻を摘まんだまま、彼女の顎を掴み、心持ち顔を上へと向けさせ、そして、彼女の肺の中にたっぷりと自身の呼気を吹き込んだ。
「・・・!!う、ううん・・・?」
いきなり息を吹き込まれ、金髪の少女がむせ返る。
さすがの寝坊助少女も、ようやく目が覚めたようだ。目が覚めてから一番最初に目にした光景が、同じ部屋で眠る相方の顔のドアップと、なぜか自身の鼻を摘ままれ、そしてー。
唇の暖かな感触ー。
黒髪の少女が、金髪の少女が目を覚ましたのを見て、唇を離す・・・なぜか、鼻は摘ままれたままだが。
「おはよう、私のお姫様」
静かな笑みをたたえて、黒髪の少女が目覚めの挨拶をしてくる。
・・・金髪の少女は、しばらくして、自分の状況を把握してから、
「何やってんだぁ!ブラーナ!!」
と、鼻を摘ままれたまま叫んだ・・・。
ーー
「まったく、なんで朝っぱらからこれなのよ!」
「あんまり寝顔がかわいかったから、ついやっちゃった」
「ついじゃねえよ!!」
はあ、と盛大なため息をつきながら、金髪の少女ーカルミナはベッドから飛び起きた。
まったく、少しでも油断しているとすぐこれだ。いくら、「付き合っている仲」だとはいえ、こうしょっちゅう寝込みを襲われてはたまったものではない。
「しかも、思いっきり息を吹き込んで・・・全くもう」
ブラーナは目覚めのキッスだと言ったが、これでは人工呼吸も同然だ。まあ、どちらも唇を重ねるという点では同じなのだろうが・・・。
「でも、悪い気はしないでしょう」
満更でもないだろうと問われて、すぐに返答できないカルミナ。顔が自然に赤くなるのがわかる。
「言っとくけど、他のメンバーのいる手前では絶対変なことしないでよね」
起きて、速攻で服を着替えながら、カルミナはブラーナに釘をさす。
ブラーナは眼鏡をかけて(視力は悪くはないので、単なる伊達眼鏡ではあるのだが)、そんなカルミナの姿を愛おし気に見ながら、
「そこら辺は大丈夫よ、私たちだけの秘密だし」
「本当に大丈夫なんだか・・・」
カルミナは、軽くため息をつきながら、洗面所で洗顔する。その後、髪をツインテールに結う。
多少目がきつい印象を受けるが、カルミナは間違いなく美少女である。薄い唇や通った鼻筋(先ほどブラーナにもてあそばれていたが)と、顔立ちの良さはブラーナでなくとも認めることだろう。ただ、目のきつさだけが、そのまま勝気な彼女の性格を表していた。
対するブラーナは、どことなく年上のお姉さんを連想させる綺麗な女性だった。ただ、このお姉さんは、どこか「いたずら好き」な子供っぽさも内包しているような雰囲気がある。
カルミナとブラーナ。チーム《ラピュタ》の構成員にして、この「白波号」の乗組員でもある。そして、同性カップルでもあった。
「さあ、いくよブラーナ。早く準備して」
「わかった」
こうして、慌ただしく準備を整えた後、飛空艇内の様子を確認するべく、二人そろって自室を後にしたー。
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