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公安局にて(第2話)

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 今回の一件での事情聴取に関しては、意外と時間がかからず終わった。

 事情が事情であることー結局、蟲憑きを倒すには、宿主自体も手にかける以外に方法はないのは、公安局でも把握しており、ましてやそれが専門で行っている害蟲駆除業者のしたことであるなら、法的にも咎めようがなかった。

 もちろん、提出しなければならない書類や、まだ聴取しきれていない部分はあるので、後数日は公安局とお付き合いすることになりそうだった。

「この街に入り込んだ魔物と蟲憑きは、今のところあいつらだけなんだろ?」

 公安局から出てきたイリアが、傍らにいたゼクスに尋ねた。

「そうだね、それらしいものは他には見つかっていない」

 ゼクスは、公安局での事情聴取の間、FOを単独で別行動させ、とりあえず確認できる範囲については確認させてみた。FOからの報告では、今のところ怪しげな魔力の波動は確認できなかったのだ。

「ただ・・・あの蟲憑きが気になることを言っていたな」

 同じく、公安局から出てきた晶が顎に手を当て、思案顔になって思い出したように呟く。

ーつまりは、あいつの仲間がいるってことだ。あの蟲憑きは、いずれは自分の仲間を呼び寄せるつもりでいたらしい」

「そういえば、そんなこと言ってたね、蟲憑きさん」

 早苗も蟲憑きの言葉を思い出したようだ。確かにやつは、自分の同志を呼び寄せるみたいなことを語っていた。もし、やつの仲間がこの街の付近にいたとしたら、これはかなり面倒なことになる。

 蟲憑きが、害蟲を呼びよせれば、さらに多くの人間が蟲憑きに憑りつかれてしまう恐れがあるのだ。そうなれば、被害は今回の比ではなくなるー。

「じゃが、わしの使い魔も、こやつのFOとやらも、今のところ怪しげな魔力反応はキャッチしておらんのう・・・呼ぶ前に倒してしまったからじゃろうか」

 一応、モリガンもゼクスと同じく、事情聴取の際に自分の使い魔を周辺に飛ばして様子を探らせていた。少なくとも、今のところは怪しげな反応は確認できないのだが・・・。

「とはいえ、気になるのは確かじゃしな・・・念のため、索敵範囲を広げてみるかのう」

「それがいいかもしれないな・・・あまり大きな街ではないとはいえ、オレたちはこの街に来るのは初めてだし、何か見落としがあるかもしれない。一応試してみてくれ、モリガン」

「うむ」

「あたしらの方も確認しておくか、ゼクス」

「そうだな・・・FOにもう少し探らせてみるよ」

 モリガンとゼクスは、それぞれ使い魔とFOを呼び出し、索敵範囲をさらに広げた上で再度探らせてみることにした。

「まあ、用心しておくに越したことはないからな・・・オレたちもしばらくはこの街に滞在することになるんだし、少し自分たちの足で見回ってみようか」

 晶の提案に頷く一同。街の様子を一通り確認するためにも、昨日見て回らなかった地域の確認を行うことにしたー。
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