101 / 464
モリガンの適正(第2話)
しおりを挟む
モリガンの適正そのものについて、もう少しきちんと把握したいところだ。
「まあ、ド派手にやるのがお前の持ち味でもあり、長所でもあるんだけどな・・・ただ、やはり調合などの細かい作業にはいささか向いてないんじゃないか?」
「むう・・・」
ぐうの音も出ない様子のモリガンであった。
「そういや、お前日向荘でも料理とか作ったことないよな?」
「料理は、ほとんど鏡香がやっておるからのう」
「鏡香さん、お料理上手だよねぇ~。私もあれくらいになれたらなぁ~」
早苗が言う通り、鏡香は料理が上手である。考えてみれば、日向荘は旅館ではないとはいえ、女将さん代わりの人物だ。料理がうまいのは当然といってもいいだろう。
「まあ、鏡香さんは、色々な意味ですごい人だからな~。それに引き換え・・・」
晶は、半眼になってモリガンをジーっと見つめた。モリガンの方は、冷や汗だらだらである。
「わ、わしは・・・料理などできんでも何とかなるのじゃ!」
「・・・いや、料理だけじゃないだろ?調合のほか、今までにも色々と破壊行為があったような気がするのだが・・・」
晶がさらに詰め寄る。たじたじになりながら、モリガンが後ずさった。
「うう・・・」
「さらには、そのおかげで日向荘の住人総出で対処する羽目になったこともあったと思うのだが?」
「ううう・・・」
モリガンの冷汗が激しくなる・・・まるでガマの脂汗状態である。
「あニョ時は、本当に後始末が大変でしたニャー」
なぜか、遠い目をしながら一人呟くミケさん。ちなみに、その時に全く働かなかったのは、ほかならぬミケさんであったが、今更それを突っ込んでも始まらないので、晶はとりあえず無視することにした。
ーこの時の一件に関しては、機会を改めて取り上げることにするー。
「まあ、そこら辺のところも含めて、モリガンがお世話になっている魔女組合の方にお願いしたいと思いまして」
晶がリリィにお願いする。
「せめて、こいつの調合の腕前だけでも何とかしないと、今までのように、この森の住人達に迷惑をかけてしまいます。何とかモリガンにご指導を、よろしくお願いします」
「そんな、かしこまらないでください、晶さん」
晶が頭を下げてお願いしたので、いささか戸惑い気味のリリィである。
「わかりました、もちろん、調合だけでなく、お料理などの方も少しならお役に立てるかと思いますよ」
軽くウィンクをしながら、リリィは応じてくれた。こうしてみると、意外とお茶目な人なのかもしれない。まあ、モリガンをよく知っている人であれば、何かと教えやすいだろう。ここは、一つ任せてみることにしよう。
「というわけで、精進するんだ、モリガン」
「ま、任せておけい!わしは、この領域最大の魔女じゃぞ!その気になれば、調合だろうが、料理だろうが、すぐに一人前にこなせるようになるわ!」
「・・・そうだといいけどな」
モリガンの場合、バトル以外のことはいまいち信用できないが、まあ、ここには組合の人もいるし、そうまずい結果には終わるまい。
これで少しは、このお騒がせ魔女殿がおとなしくなってくれればいいと願う晶であったー。
「まあ、ド派手にやるのがお前の持ち味でもあり、長所でもあるんだけどな・・・ただ、やはり調合などの細かい作業にはいささか向いてないんじゃないか?」
「むう・・・」
ぐうの音も出ない様子のモリガンであった。
「そういや、お前日向荘でも料理とか作ったことないよな?」
「料理は、ほとんど鏡香がやっておるからのう」
「鏡香さん、お料理上手だよねぇ~。私もあれくらいになれたらなぁ~」
早苗が言う通り、鏡香は料理が上手である。考えてみれば、日向荘は旅館ではないとはいえ、女将さん代わりの人物だ。料理がうまいのは当然といってもいいだろう。
「まあ、鏡香さんは、色々な意味ですごい人だからな~。それに引き換え・・・」
晶は、半眼になってモリガンをジーっと見つめた。モリガンの方は、冷や汗だらだらである。
「わ、わしは・・・料理などできんでも何とかなるのじゃ!」
「・・・いや、料理だけじゃないだろ?調合のほか、今までにも色々と破壊行為があったような気がするのだが・・・」
晶がさらに詰め寄る。たじたじになりながら、モリガンが後ずさった。
「うう・・・」
「さらには、そのおかげで日向荘の住人総出で対処する羽目になったこともあったと思うのだが?」
「ううう・・・」
モリガンの冷汗が激しくなる・・・まるでガマの脂汗状態である。
「あニョ時は、本当に後始末が大変でしたニャー」
なぜか、遠い目をしながら一人呟くミケさん。ちなみに、その時に全く働かなかったのは、ほかならぬミケさんであったが、今更それを突っ込んでも始まらないので、晶はとりあえず無視することにした。
ーこの時の一件に関しては、機会を改めて取り上げることにするー。
「まあ、そこら辺のところも含めて、モリガンがお世話になっている魔女組合の方にお願いしたいと思いまして」
晶がリリィにお願いする。
「せめて、こいつの調合の腕前だけでも何とかしないと、今までのように、この森の住人達に迷惑をかけてしまいます。何とかモリガンにご指導を、よろしくお願いします」
「そんな、かしこまらないでください、晶さん」
晶が頭を下げてお願いしたので、いささか戸惑い気味のリリィである。
「わかりました、もちろん、調合だけでなく、お料理などの方も少しならお役に立てるかと思いますよ」
軽くウィンクをしながら、リリィは応じてくれた。こうしてみると、意外とお茶目な人なのかもしれない。まあ、モリガンをよく知っている人であれば、何かと教えやすいだろう。ここは、一つ任せてみることにしよう。
「というわけで、精進するんだ、モリガン」
「ま、任せておけい!わしは、この領域最大の魔女じゃぞ!その気になれば、調合だろうが、料理だろうが、すぐに一人前にこなせるようになるわ!」
「・・・そうだといいけどな」
モリガンの場合、バトル以外のことはいまいち信用できないが、まあ、ここには組合の人もいるし、そうまずい結果には終わるまい。
これで少しは、このお騒がせ魔女殿がおとなしくなってくれればいいと願う晶であったー。
0
お気に入りに追加
9
あなたにおすすめの小説
称号は神を土下座させた男。
春志乃
ファンタジー
「真尋くん! その人、そんなんだけど一応神様だよ! 偉い人なんだよ!」
「知るか。俺は常識を持ち合わせないクズにかける慈悲を持ち合わせてない。それにどうやら俺は死んだらしいのだから、刑務所も警察も法も無い。今ここでこいつを殺そうが生かそうが俺の自由だ。あいつが居ないなら地獄に落ちても同じだ。なあ、そうだろう? ティーンクトゥス」
「す、す、す、す、す、すみませんでしたあぁあああああああ!」
これは、馬鹿だけど憎み切れない神様ティーンクトゥスの為に剣と魔法、そして魔獣たちの息づくアーテル王国でチートが過ぎる男子高校生・水無月真尋が無自覚チートの親友・鈴木一路と共に神様の為と言いながら好き勝手に生きていく物語。
主人公は一途に幼馴染(女性)を想い続けます。話はゆっくり進んでいきます。
※教会、神父、などが出てきますが実在するものとは一切関係ありません。
※対応できない可能性がありますので、誤字脱字報告は不要です。
※無断転載は厳に禁じます
元勇者パーティーの雑用係だけど、実は最強だった〜無能と罵られ追放されたので、真の実力を隠してスローライフします〜
一ノ瀬 彩音
ファンタジー
元勇者パーティーで雑用係をしていたが、追放されてしまった。
しかし彼は本当は最強でしかも、真の実力を隠していた!
今は辺境の小さな村でひっそりと暮らしている。
そうしていると……?
※第3回HJ小説大賞一次通過作品です!
愛想を尽かした女と尽かされた男
火野村志紀
恋愛
※全16話となります。
「そうですか。今まであなたに尽くしていた私は側妃扱いで、急に湧いて出てきた彼女が正妃だと? どうぞ、お好きになさって。その代わり私も好きにしますので」
異世界でぺったんこさん!〜無限収納5段階活用で無双する〜
KeyBow
ファンタジー
間もなく50歳になる銀行マンのおっさんは、高校生達の異世界召喚に巻き込まれた。
何故か若返り、他の召喚者と同じ高校生位の年齢になっていた。
召喚したのは、魔王を討ち滅ぼす為だと伝えられる。自分で2つのスキルを選ぶ事が出来ると言われ、おっさんが選んだのは無限収納と飛翔!
しかし召喚した者達はスキルを制御する為の装飾品と偽り、隷属の首輪を装着しようとしていた・・・
いち早くその嘘に気が付いたおっさんが1人の少女を連れて逃亡を図る。
その後おっさんは無限収納の5段階活用で無双する!・・・はずだ。
上空に飛び、そこから大きな岩を落として押しつぶす。やがて救った少女は口癖のように言う。
またぺったんこですか?・・・
婚約破棄ですか???実家からちょうど帰ってこいと言われたので好都合です!!!これからは復讐をします!!!~どこにでもある普通の令嬢物語~
tartan321
恋愛
婚約破棄とはなかなか考えたものでございますね。しかしながら、私はもう帰って来いと言われてしまいました。ですから、帰ることにします。これで、あなた様の口うるさい両親や、その他の家族の皆様とも顔を合わせることがないのですね。ラッキーです!!!
壮大なストーリーで奏でる、感動的なファンタジーアドベンチャーです!!!!!最後の涙の理由とは???
一度完結といたしました。続編は引き続き書きたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
『収納』は異世界最強です 正直すまんかったと思ってる
農民ヤズ―
ファンタジー
「ようこそおいでくださいました。勇者さま」
そんな言葉から始まった異世界召喚。
呼び出された他の勇者は複数の<スキル>を持っているはずなのに俺は収納スキル一つだけ!?
そんなふざけた事になったうえ俺たちを呼び出した国はなんだか色々とヤバそう!
このままじゃ俺は殺されてしまう。そうなる前にこの国から逃げ出さないといけない。
勇者なら全員が使える収納スキルのみしか使うことのできない勇者の出来損ないと呼ばれた男が収納スキルで無双して世界を旅する物語(予定
私のメンタルは金魚掬いのポイと同じ脆さなので感想を送っていただける際は語調が強くないと嬉しく思います。
ただそれでも初心者故、度々間違えることがあるとは思いますので感想にて教えていただけるとありがたいです。
他にも今後の進展や投稿済みの箇所でこうしたほうがいいと思われた方がいらっしゃったら感想にて待ってます。
なお、書籍化に伴い内容の齟齬がありますがご了承ください。
異世界転移物語
月夜
ファンタジー
このところ、日本各地で謎の地震が頻発していた。そんなある日、都内の大学に通う僕(田所健太)は、地震が起こったときのために、部屋で非常持出袋を整理していた。すると、突然、めまいに襲われ、次に気づいたときは、深い森の中に迷い込んでいたのだ……
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる