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西遊記ならぬニャイ遊記(第2話)
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まさか、猫(蟲ではあるが、一応猫キャラ)のミケさんに対して、選ばれた魔道具が西遊記のものとはー。
「・・・本来の話の内容にはほとんど出てこないよな、猫は」
「・・・そうじゃな。そもそも、なんでこの魔道具がミケさん向けなのかわしもよくわからん・・・」
「そうかなぁ、可愛くって、ミケさんにはよく似合っていると思うよ?」
早苗だけが好意的に評価してくれたようだ。もっとも、早苗の場合は可愛ければ何でもいいらしいのだが・・・。
「とりあえず、ミケさんよ。さっそく魔道具を身に着けてみてはくれんかのう。実のところ、わしも結構気になっておるんじゃよ」
まあ、可愛いかどうかはともかく、実際にミケさんに適合するのか否かはきちんと確認する必要はあるだろう。
「ふふふ・・・さっそく装備開始ニャ!」
ミケさんが、例の如くいつもの不敵な笑みを浮かべながら、魔道具に手を伸ばした。すると・・・。
「おお!」
なんと、魔道具が姿を変え、光となり、ミケさんの体にまとわりついた。そして、ミケさんの全身が光に包まれたではないか!!
「・・・ミケさんが光に飲まれた!?」
3人が驚きの声を上げるが、唯一リリィだけが静かな微笑みを浮かべて様子を見守っている。どうやら、彼女は、魔道具の扱いを専門としているためかこの光景は幾度となく見慣れたものらしかった。
「大丈夫ですよ、みなさん。これは、ミケさんと魔道具が共鳴現象を起こしているから光っているのです。あと少しすれば、見違えたミケさんの姿を拝見することができますよ」
・・・そんなにミケさんが様変わりするというのか。それはそれで・・・。
「・・・なんというか・・・」
「にわかには想像できんのう。まさかとは思うが、猿と猫が合体した蟲になるとか、そういうオチではないじゃろうな?」
思わず、モリガンの語る姿を思い浮かべてしまう晶。
「・・・あり得る・・・いや、それはそれでも怖いものがあるぞ、モリガン・・・」
「ミケさんのパワーアップした姿、早く見たいなぁ」
・・・しばらくして、光が収まってきた。いよいよ、パワーアップ後のミケさんの姿をお目にかかれるようだ。
「ニャッハッハ!我輩パワーアップ完了ニャ!」
得意げに笑いながら、光の中からミケさんが姿を現した。
・・・晶とモリガンは、目が点になった。早苗とリリィは、逆に目を輝かせている。
そこにいたのは、確かにミケさんである。糸目も胴長短足も肥満体もそのままのミケさんであった。しかし・・・!
「頭に輪っか、手には如意棒、そして足元には筋斗雲か・・・」
「なんというか、単に孫悟空のコスプレをしたミケさんそのものじゃな・・・」
モリガンの言う通り、これでは単にミケさんが孫悟空のコスプレをしたくらいにしか見えない。まあ、猿と猫の掛け合わせ寄りははるかにましといえばそうなのかもしれないが・・・。
「ええぇ、これはこれで可愛いよぉ、ミケさん」
「よく似合ってますね、ミケさん」
早苗とリリィには好評のようだ。どうやら、この二人は正確的に似通ったところがあるらしく、好みもおそらく一緒なのではないかと思われた。
「ニャッハッハ!どうやら、早苗とリリィには我輩ニョ神々しさが理解できたようですニャー」
自慢げに笑いだすミケさん。
「孫悟空は、別に神々しくなんてないんだがな・・・。まだしもハヌマーンの方が猿の神様という意味で神々しいと言えなくもないが」
晶は、ミケさんに対して突っ込みながら、
「・・・まあ、パワーアップというからには、何かできるようにはなったんだろうが・・・」
「あまり期待できそうもないのう、これは」
晶とモリガンは、二人そろって盛大にため息をついた。実際のところ、「変身後」のミケさんから伝わってくる魔力の波動も、さして強化はされていない・・・というか、ほとんど変化がないといってもいいだろう。
果たして、ミケさんはどれだけパワーアップしたのか、これから改めて確認する必要がありそうだー。
「・・・本来の話の内容にはほとんど出てこないよな、猫は」
「・・・そうじゃな。そもそも、なんでこの魔道具がミケさん向けなのかわしもよくわからん・・・」
「そうかなぁ、可愛くって、ミケさんにはよく似合っていると思うよ?」
早苗だけが好意的に評価してくれたようだ。もっとも、早苗の場合は可愛ければ何でもいいらしいのだが・・・。
「とりあえず、ミケさんよ。さっそく魔道具を身に着けてみてはくれんかのう。実のところ、わしも結構気になっておるんじゃよ」
まあ、可愛いかどうかはともかく、実際にミケさんに適合するのか否かはきちんと確認する必要はあるだろう。
「ふふふ・・・さっそく装備開始ニャ!」
ミケさんが、例の如くいつもの不敵な笑みを浮かべながら、魔道具に手を伸ばした。すると・・・。
「おお!」
なんと、魔道具が姿を変え、光となり、ミケさんの体にまとわりついた。そして、ミケさんの全身が光に包まれたではないか!!
「・・・ミケさんが光に飲まれた!?」
3人が驚きの声を上げるが、唯一リリィだけが静かな微笑みを浮かべて様子を見守っている。どうやら、彼女は、魔道具の扱いを専門としているためかこの光景は幾度となく見慣れたものらしかった。
「大丈夫ですよ、みなさん。これは、ミケさんと魔道具が共鳴現象を起こしているから光っているのです。あと少しすれば、見違えたミケさんの姿を拝見することができますよ」
・・・そんなにミケさんが様変わりするというのか。それはそれで・・・。
「・・・なんというか・・・」
「にわかには想像できんのう。まさかとは思うが、猿と猫が合体した蟲になるとか、そういうオチではないじゃろうな?」
思わず、モリガンの語る姿を思い浮かべてしまう晶。
「・・・あり得る・・・いや、それはそれでも怖いものがあるぞ、モリガン・・・」
「ミケさんのパワーアップした姿、早く見たいなぁ」
・・・しばらくして、光が収まってきた。いよいよ、パワーアップ後のミケさんの姿をお目にかかれるようだ。
「ニャッハッハ!我輩パワーアップ完了ニャ!」
得意げに笑いながら、光の中からミケさんが姿を現した。
・・・晶とモリガンは、目が点になった。早苗とリリィは、逆に目を輝かせている。
そこにいたのは、確かにミケさんである。糸目も胴長短足も肥満体もそのままのミケさんであった。しかし・・・!
「頭に輪っか、手には如意棒、そして足元には筋斗雲か・・・」
「なんというか、単に孫悟空のコスプレをしたミケさんそのものじゃな・・・」
モリガンの言う通り、これでは単にミケさんが孫悟空のコスプレをしたくらいにしか見えない。まあ、猿と猫の掛け合わせ寄りははるかにましといえばそうなのかもしれないが・・・。
「ええぇ、これはこれで可愛いよぉ、ミケさん」
「よく似合ってますね、ミケさん」
早苗とリリィには好評のようだ。どうやら、この二人は正確的に似通ったところがあるらしく、好みもおそらく一緒なのではないかと思われた。
「ニャッハッハ!どうやら、早苗とリリィには我輩ニョ神々しさが理解できたようですニャー」
自慢げに笑いだすミケさん。
「孫悟空は、別に神々しくなんてないんだがな・・・。まだしもハヌマーンの方が猿の神様という意味で神々しいと言えなくもないが」
晶は、ミケさんに対して突っ込みながら、
「・・・まあ、パワーアップというからには、何かできるようにはなったんだろうが・・・」
「あまり期待できそうもないのう、これは」
晶とモリガンは、二人そろって盛大にため息をついた。実際のところ、「変身後」のミケさんから伝わってくる魔力の波動も、さして強化はされていない・・・というか、ほとんど変化がないといってもいいだろう。
果たして、ミケさんはどれだけパワーアップしたのか、これから改めて確認する必要がありそうだー。
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