92 / 464
魔女組合とは?(第5話)
しおりを挟む
ミケさんも、ついに穀潰しから卒業できるときが来たー。
何せ、酒を飲むか寝るかしかできないこのニャンコもどきである。単なる愛玩用動物なら、それでもいいが、一応は害蟲駆除チーム《ユグドラシル》の一員である以上、多少なりとも・・・最低でも自衛手段くらいは身に着けておかなければこの先足手まといとなりかねない。
「というわけで、リリィよ。このミケさんにも何か技が使えるようになってほしいのじゃよ」
リリィは、モリガンから一通り事情を聴いたうえで、
「うーん、ミケさんに合うような魔道具なら、用意できなくもないですが・・・ただ、それをうまく扱うことができるかどうかは、あとはミケさん次第ということになりますね」
なんと、このニャンコもどきに合うような魔道具を準備できるというのか・・・!
晶自身は、あまり期待はしていないが、ただ、その魔道具とやらにはいささか興味が出てきた。
「こう見えても、ミケさんは蟲だからな・・・オレの笛や清野の扇のような魔力が込められた道具なら何とかなるんじゃないか」
その可能性はかなり高い。元々、どんな弱い蟲でも魔力は有している。種類にもよるだろうが、おそらく魔道具なら問題なく使えるはずだ。
ただ・・・もう一つ懸念がある。
「果してこいつに適応する魔道具が本当にあるのかどうかだな・・・」
晶は、ミケさんの姿をジーっと見つめると、
「このメタボで、酒ばかり飲んでいる上に普通の野良猫よりもはるかに運動神経がなさそうなこいつに、果たして適応する魔道具なんてあるのか・・・」
・・・ぼろくそに言われたミケさんであるが、自分でも自覚があるのか、反論できないでいるようだ。
「ニャンとも言い返せませんニャー」
「ミケさん、ファイトだよ!」
なぜか早苗に励まされたミケさんである。
「多分、大丈夫だと思いますよ」
リリィが、それは心配ないと笑顔で答える。どうやら、その魔道具について心当たりがあるようだ。
ここは、やはり専門の方に任せるのがいいだろう。
「思い当たる魔道具はありますね。ただ、あとは本人の素質も絡んで来るので、最終的にはミケさん頼りにはなりますが」
・・・晶にとっては、その「ミケさんの素質」の部分が一番気になっていたりするのだが・・・。
「ちなみに、その魔道具ですが」
リリィが魔道具について説明を始めた。
「前文明時代の中国と呼ばれる国に古くから伝わるおとぎ話からヒントを得て作られたものです。その魔道具を使いこなせれば、ミケさんは立派なニャンコさんになれると思いますよ」
・・・まあ、立派なニャンコはともかく、ミケさんが何らかの力を新たに得られるのであればそれに越したことはない。リリィに任せてみるのが一番いいかもしれない。
「わかりました、リリィさん。ミケさんのことをよろしくお願いします」
「ふふふ、我輩もついに真の力を発揮できるときが来たようですニャー」
・・・もはや、突っ込む気も失せたので、ミケさんの言うことは敢えて聞き流すことにし、あとはリリィが魔道具を用意してくれるという運びとなったー。
何せ、酒を飲むか寝るかしかできないこのニャンコもどきである。単なる愛玩用動物なら、それでもいいが、一応は害蟲駆除チーム《ユグドラシル》の一員である以上、多少なりとも・・・最低でも自衛手段くらいは身に着けておかなければこの先足手まといとなりかねない。
「というわけで、リリィよ。このミケさんにも何か技が使えるようになってほしいのじゃよ」
リリィは、モリガンから一通り事情を聴いたうえで、
「うーん、ミケさんに合うような魔道具なら、用意できなくもないですが・・・ただ、それをうまく扱うことができるかどうかは、あとはミケさん次第ということになりますね」
なんと、このニャンコもどきに合うような魔道具を準備できるというのか・・・!
晶自身は、あまり期待はしていないが、ただ、その魔道具とやらにはいささか興味が出てきた。
「こう見えても、ミケさんは蟲だからな・・・オレの笛や清野の扇のような魔力が込められた道具なら何とかなるんじゃないか」
その可能性はかなり高い。元々、どんな弱い蟲でも魔力は有している。種類にもよるだろうが、おそらく魔道具なら問題なく使えるはずだ。
ただ・・・もう一つ懸念がある。
「果してこいつに適応する魔道具が本当にあるのかどうかだな・・・」
晶は、ミケさんの姿をジーっと見つめると、
「このメタボで、酒ばかり飲んでいる上に普通の野良猫よりもはるかに運動神経がなさそうなこいつに、果たして適応する魔道具なんてあるのか・・・」
・・・ぼろくそに言われたミケさんであるが、自分でも自覚があるのか、反論できないでいるようだ。
「ニャンとも言い返せませんニャー」
「ミケさん、ファイトだよ!」
なぜか早苗に励まされたミケさんである。
「多分、大丈夫だと思いますよ」
リリィが、それは心配ないと笑顔で答える。どうやら、その魔道具について心当たりがあるようだ。
ここは、やはり専門の方に任せるのがいいだろう。
「思い当たる魔道具はありますね。ただ、あとは本人の素質も絡んで来るので、最終的にはミケさん頼りにはなりますが」
・・・晶にとっては、その「ミケさんの素質」の部分が一番気になっていたりするのだが・・・。
「ちなみに、その魔道具ですが」
リリィが魔道具について説明を始めた。
「前文明時代の中国と呼ばれる国に古くから伝わるおとぎ話からヒントを得て作られたものです。その魔道具を使いこなせれば、ミケさんは立派なニャンコさんになれると思いますよ」
・・・まあ、立派なニャンコはともかく、ミケさんが何らかの力を新たに得られるのであればそれに越したことはない。リリィに任せてみるのが一番いいかもしれない。
「わかりました、リリィさん。ミケさんのことをよろしくお願いします」
「ふふふ、我輩もついに真の力を発揮できるときが来たようですニャー」
・・・もはや、突っ込む気も失せたので、ミケさんの言うことは敢えて聞き流すことにし、あとはリリィが魔道具を用意してくれるという運びとなったー。
0
お気に入りに追加
9
あなたにおすすめの小説
私が出て行った後、旦那様から後悔の手紙がもたらされました
新野乃花(大舟)
恋愛
ルナとルーク伯爵は婚約関係にあったが、その関係は伯爵の妹であるリリアによって壊される。伯爵はルナの事よりもリリアの事ばかりを優先するためだ。そんな日々が繰り返される中で、ルナは伯爵の元から姿を消す。最初こそ何とも思っていなかった伯爵であったが、その後あるきっかけをもとに、ルナの元に後悔の手紙を送ることとなるのだった…。
集団転移した商社マン ネットスキルでスローライフしたいです!
七転び早起き
ファンタジー
「望む3つのスキルを付与してあげる」
その天使の言葉は善意からなのか?
異世界に転移する人達は何を選び、何を求めるのか?
そして主人公が○○○が欲しくて望んだスキルの1つがネットスキル。
ただし、その扱いが難しいものだった。
転移者の仲間達、そして新たに出会った仲間達と異世界を駆け巡る物語です。
基本は面白くですが、シリアスも顔を覗かせます。猫ミミ、孤児院、幼女など定番物が登場します。
○○○「これは私とのラブストーリーなの!」
主人公「いや、それは違うな」
異世界帰りの底辺配信者のオッサンが、超人気配信者の美女達を助けたら、セレブ美女たちから大国の諜報機関まであらゆる人々から追われることになる話
kaizi
ファンタジー
※しばらくは毎日(17時)更新します。
※この小説はカクヨム様、小説家になろう様にも掲載しております。
※カクヨム週間総合ランキング2位、ジャンル別週間ランキング1位獲得
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
異世界帰りのオッサン冒険者。
二見敬三。
彼は異世界で英雄とまで言われた男であるが、数ヶ月前に現実世界に帰還した。
彼が異世界に行っている間に現実世界にも世界中にダンジョンが出現していた。
彼は、現実世界で生きていくために、ダンジョン配信をはじめるも、その配信は見た目が冴えないオッサンということもあり、全くバズらない。
そんなある日、超人気配信者のS級冒険者パーティを助けたことから、彼の生活は一変する。
S級冒険者の美女たちから迫られて、さらには大国の諜報機関まで彼の存在を危険視する始末……。
オッサンが無自覚に世界中を大騒ぎさせる!?
婚約破棄ですか???実家からちょうど帰ってこいと言われたので好都合です!!!これからは復讐をします!!!~どこにでもある普通の令嬢物語~
tartan321
恋愛
婚約破棄とはなかなか考えたものでございますね。しかしながら、私はもう帰って来いと言われてしまいました。ですから、帰ることにします。これで、あなた様の口うるさい両親や、その他の家族の皆様とも顔を合わせることがないのですね。ラッキーです!!!
壮大なストーリーで奏でる、感動的なファンタジーアドベンチャーです!!!!!最後の涙の理由とは???
一度完結といたしました。続編は引き続き書きたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
追放幼女の領地開拓記~シナリオ開始前に追放された悪役令嬢が民のためにやりたい放題した結果がこちらです~
一色孝太郎
ファンタジー
【小説家になろう日間1位!】
悪役令嬢オリヴィア。それはスマホ向け乙女ゲーム「魔法学園のイケメン王子様」のラスボスにして冥界の神をその身に降臨させ、アンデッドを操って世界を滅ぼそうとした屍(かばね)の女王。そんなオリヴィアに転生したのは生まれついての重い病気でずっと入院生活を送り、必死に生きたものの天国へと旅立った高校生の少女だった。念願の「健康で丈夫な体」に生まれ変わった彼女だったが、黒目黒髪という自分自身ではどうしようもないことで父親に疎まれ、八歳のときに魔の森の中にある見放された開拓村へと追放されてしまう。だが彼女はへこたれず、領民たちのために闇の神聖魔法を駆使してスケルトンを作り、領地を発展させていく。そんな彼女のスケルトンは産業革命とも称されるようになり、その評判は内外に轟いていく。だが、一方で彼女を追放した実家は徐々にその評判を落とし……?
小説家になろう様にて日間ハイファンタジーランキング1位!
※本作品は他サイトでも連載中です。
異世界でぺったんこさん!〜無限収納5段階活用で無双する〜
KeyBow
ファンタジー
間もなく50歳になる銀行マンのおっさんは、高校生達の異世界召喚に巻き込まれた。
何故か若返り、他の召喚者と同じ高校生位の年齢になっていた。
召喚したのは、魔王を討ち滅ぼす為だと伝えられる。自分で2つのスキルを選ぶ事が出来ると言われ、おっさんが選んだのは無限収納と飛翔!
しかし召喚した者達はスキルを制御する為の装飾品と偽り、隷属の首輪を装着しようとしていた・・・
いち早くその嘘に気が付いたおっさんが1人の少女を連れて逃亡を図る。
その後おっさんは無限収納の5段階活用で無双する!・・・はずだ。
上空に飛び、そこから大きな岩を落として押しつぶす。やがて救った少女は口癖のように言う。
またぺったんこですか?・・・
『収納』は異世界最強です 正直すまんかったと思ってる
農民ヤズ―
ファンタジー
「ようこそおいでくださいました。勇者さま」
そんな言葉から始まった異世界召喚。
呼び出された他の勇者は複数の<スキル>を持っているはずなのに俺は収納スキル一つだけ!?
そんなふざけた事になったうえ俺たちを呼び出した国はなんだか色々とヤバそう!
このままじゃ俺は殺されてしまう。そうなる前にこの国から逃げ出さないといけない。
勇者なら全員が使える収納スキルのみしか使うことのできない勇者の出来損ないと呼ばれた男が収納スキルで無双して世界を旅する物語(予定
私のメンタルは金魚掬いのポイと同じ脆さなので感想を送っていただける際は語調が強くないと嬉しく思います。
ただそれでも初心者故、度々間違えることがあるとは思いますので感想にて教えていただけるとありがたいです。
他にも今後の進展や投稿済みの箇所でこうしたほうがいいと思われた方がいらっしゃったら感想にて待ってます。
なお、書籍化に伴い内容の齟齬がありますがご了承ください。
家ごと異世界ライフ
ねむたん
ファンタジー
突然、自宅ごと異世界の森へと転移してしまった高校生・紬。電気や水道が使える不思議な家を拠点に、自給自足の生活を始める彼女は、個性豊かな住人たちや妖精たちと出会い、少しずつ村を発展させていく。温泉の発見や宿屋の建築、そして寡黙なドワーフとのほのかな絆――未知の世界で織りなす、笑いと癒しのスローライフファンタジー!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる