70 / 464
スライ蟲退治(第9話)
しおりを挟む
第2ラウンド開始だー。
とりあえず、目の前に入るこいつをスライ蟲・ボス(仮)と命名(ミケさんが言ったキ〇グスライ蟲は複雑かつ危うげな事情により却下された)し、その後、3人は一斉に飛び掛った。
「それにしても、栗の中がスライ蟲の親分だったとはな・・・」
「というか、なんでそんな奴が地中にいたのか気になるのう」
「晶君、モリガンちゃん、考えるのはあとあと!今は集中しないと」
珍しく、早苗に正論を言われてしまった。そうだ、何はともあれ今はこいつの撃退に専念しなくては!!
スライ蟲・ボス(仮)は、さっきまで相手していた蟲達等比較にもならないほど手ごわかった。何せ、図体がでかい上に、こちらの武器攻撃をその弾力性のある体で衝撃を吸収し、無効化してしまうからだ。
ならば、モリガンの魔法が有効・・・かと思いきや、なんと、相手にはこちらの魔法攻撃を無効化する能力があるらしく、モリガンの魔法が霧状の障壁によりかき消されてしまうのだ。まるで、魔力そのものがポイっと捨てられてしまうかのように!
「おお、あれは!!」
ミケさんが珍しく驚いたような口調で叫んだ。
「魔法を捨てる・・・まさしくマ〇ス〇ニャ・・・!まさにこやつが初登場時に使っていた魔法ではニャいか!!」
「わーわー!!」
また早苗が喚きだす。
「ミケさん、それ以上言ったら、あらゆる作品を管理している怖い団体の黒服のおじさんたちに捕まっちゃうよ!!」
・・・なんだかよくわからないが、早苗の様子から察するに相当やばい連中であるということだけはうかがえる・・・が、それは果たして目の前の戦いよりも重要なことなのかは、晶にはよくわからなかった・・・というか、わからない方が幸せなのではないかと思うことにした・・・。
ただ、わかったのは、一番戦っていないミケさん自身が実は一番やばい状況にあるということだ・・・いろいろな意味で。
「ともかく、この障壁を何とかせん限りは、わしの魔法は効かんぞ・・・!」
普段は余裕綽綽と言った感じのモリガンもさすがに焦り出している。攻撃そのものが効かないとあれば、手の打ちようがないからだ。
「あの霧さえ何とかかき消せれば、モリガンの一撃で何とかなるわけだな」
「当然じゃ!わしはこの領域最大の魔女じゃぞ!魔力だけならお主らよりもはるかに上じゃからな」
モリガンが思う存分戦うことができれば、この場は何とか切り抜けられるだろう。相手の魔力そのものを無効化してしまう霧の障壁・・・なら!
「霧を晴らすことさえできれば、こいつは何とかなりそうだな。となれば・・・」
「うん、私の出番だね」
早苗が躍り出る。両手に構えた鉄扇に魔力を込め始めた。
「早苗よ、こいつに魔法は効かんぞ」
「うん、魔法そのものは効かないよ。でも、それ以外のものを操ってこの霧を晴らせばいいわけでしょ」
そういうことだ。何も、相手に直接魔法を放つ必要はない。要は、物理的な要因で霧を晴らせばいいのだ。つまり、魔力の対象を別のものにするー例えば・・・。
「風とか!」
早苗の鉄扇に魔力が集まり、やがてそれは・・・風を巻き起こしたー。
とりあえず、目の前に入るこいつをスライ蟲・ボス(仮)と命名(ミケさんが言ったキ〇グスライ蟲は複雑かつ危うげな事情により却下された)し、その後、3人は一斉に飛び掛った。
「それにしても、栗の中がスライ蟲の親分だったとはな・・・」
「というか、なんでそんな奴が地中にいたのか気になるのう」
「晶君、モリガンちゃん、考えるのはあとあと!今は集中しないと」
珍しく、早苗に正論を言われてしまった。そうだ、何はともあれ今はこいつの撃退に専念しなくては!!
スライ蟲・ボス(仮)は、さっきまで相手していた蟲達等比較にもならないほど手ごわかった。何せ、図体がでかい上に、こちらの武器攻撃をその弾力性のある体で衝撃を吸収し、無効化してしまうからだ。
ならば、モリガンの魔法が有効・・・かと思いきや、なんと、相手にはこちらの魔法攻撃を無効化する能力があるらしく、モリガンの魔法が霧状の障壁によりかき消されてしまうのだ。まるで、魔力そのものがポイっと捨てられてしまうかのように!
「おお、あれは!!」
ミケさんが珍しく驚いたような口調で叫んだ。
「魔法を捨てる・・・まさしくマ〇ス〇ニャ・・・!まさにこやつが初登場時に使っていた魔法ではニャいか!!」
「わーわー!!」
また早苗が喚きだす。
「ミケさん、それ以上言ったら、あらゆる作品を管理している怖い団体の黒服のおじさんたちに捕まっちゃうよ!!」
・・・なんだかよくわからないが、早苗の様子から察するに相当やばい連中であるということだけはうかがえる・・・が、それは果たして目の前の戦いよりも重要なことなのかは、晶にはよくわからなかった・・・というか、わからない方が幸せなのではないかと思うことにした・・・。
ただ、わかったのは、一番戦っていないミケさん自身が実は一番やばい状況にあるということだ・・・いろいろな意味で。
「ともかく、この障壁を何とかせん限りは、わしの魔法は効かんぞ・・・!」
普段は余裕綽綽と言った感じのモリガンもさすがに焦り出している。攻撃そのものが効かないとあれば、手の打ちようがないからだ。
「あの霧さえ何とかかき消せれば、モリガンの一撃で何とかなるわけだな」
「当然じゃ!わしはこの領域最大の魔女じゃぞ!魔力だけならお主らよりもはるかに上じゃからな」
モリガンが思う存分戦うことができれば、この場は何とか切り抜けられるだろう。相手の魔力そのものを無効化してしまう霧の障壁・・・なら!
「霧を晴らすことさえできれば、こいつは何とかなりそうだな。となれば・・・」
「うん、私の出番だね」
早苗が躍り出る。両手に構えた鉄扇に魔力を込め始めた。
「早苗よ、こいつに魔法は効かんぞ」
「うん、魔法そのものは効かないよ。でも、それ以外のものを操ってこの霧を晴らせばいいわけでしょ」
そういうことだ。何も、相手に直接魔法を放つ必要はない。要は、物理的な要因で霧を晴らせばいいのだ。つまり、魔力の対象を別のものにするー例えば・・・。
「風とか!」
早苗の鉄扇に魔力が集まり、やがてそれは・・・風を巻き起こしたー。
0
お気に入りに追加
9
あなたにおすすめの小説
もう死んでしまった私へ
ツカノ
恋愛
私には前世の記憶がある。
幼い頃に母と死別すれば最愛の妻が短命になった原因だとして父から厭われ、婚約者には初対面から冷遇された挙げ句に彼の最愛の聖女を虐げたと断罪されて塵のように捨てられてしまった彼女の悲しい記憶。それなのに、今世の世界で聖女も元婚約者も存在が煙のように消えているのは、何故なのでしょうか?
今世で幸せに暮らしているのに、聖女のそっくりさんや謎の婚約者候補が現れて大変です!!
ゆるゆる設定です。
王が気づいたのはあれから十年後
基本二度寝
恋愛
王太子は妃の肩を抱き、反対の手には息子の手を握る。
妃はまだ小さい娘を抱えて、夫に寄り添っていた。
仲睦まじいその王族家族の姿は、国民にも評判がよかった。
側室を取ることもなく、子に恵まれた王家。
王太子は妃を優しく見つめ、妃も王太子を愛しく見つめ返す。
王太子は今日、父から王の座を譲り受けた。
新たな国王の誕生だった。
おっさんの神器はハズレではない
兎屋亀吉
ファンタジー
今日も元気に満員電車で通勤途中のおっさんは、突然異世界から召喚されてしまう。一緒に召喚された大勢の人々と共に、女神様から一人3つの神器をいただけることになったおっさん。はたしておっさんは何を選ぶのか。おっさんの選んだ神器の能力とは。
【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。
三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎
長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!?
しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。
ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。
といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。
とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない!
フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!
娼館で元夫と再会しました
無味無臭(不定期更新)
恋愛
公爵家に嫁いですぐ、寡黙な夫と厳格な義父母との関係に悩みホームシックにもなった私は、ついに耐えきれず離縁状を机に置いて嫁ぎ先から逃げ出した。
しかし実家に帰っても、そこに私の居場所はない。
連れ戻されてしまうと危惧した私は、自らの体を売って生計を立てることにした。
「シーク様…」
どうして貴方がここに?
元夫と娼館で再会してしまうなんて、なんという不運なの!
スキル【合成】が楽しすぎて最初の村から出られない
紅柄ねこ(Bengara Neko)
ファンタジー
15歳ですべての者に授けられる【スキル】、それはこの世界で生活する為に必要なものであった。
世界は魔物が多く闊歩しており、それによって多くの命が奪われていたのだ。
ある者は強力な剣技を。またある者は有用な生産スキルを得て、生活のためにそれらを使いこなしていたのだった。
エメル村で生まれた少年『セン』もまた、15歳になり、スキルを授かった。
冒険者を夢見つつも、まだ村を出るには早いかと、センは村の周囲で採取依頼をこなしていた。
ハズレスキル【収納】のせいで実家を追放されたが、全てを収納できるチートスキルでした。今更土下座してももう遅い
平山和人
ファンタジー
侯爵家の三男であるカイトが成人の儀で授けられたスキルは【収納】であった。アイテムボックスの下位互換だと、家族からも見放され、カイトは家を追放されることになった。
ダンジョンをさまよい、魔物に襲われ死ぬと思われた時、カイトは【収納】の真の力に気づく。【収納】は魔物や魔法を吸収し、さらには異世界の飲食物を取り寄せることができるチートスキルであったのだ。
かくして自由になったカイトは世界中を自由気ままに旅することになった。一方、カイトの家族は彼の活躍を耳にしてカイトに戻ってくるように土下座してくるがもう遅い。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる