35 / 464
清野江紀と薬師寺咲那(第15話)
しおりを挟む
ーー咲那視点ーー
あたしと亜人種型が最後の勝負に打って出た。お互い、自身の魔力を自らの剣に集中させ、斬りかかる。
もっとも、亜人種型はまだ魔法球や移動地雷の展開をほどいてはいない。おそらくは、あたしの攻撃を防いだ後、あたしの魔力が枯渇するのを見計らってそれらを打ち込むつもりだろう。もちろん、その着弾の際には自分は距離を取り、可能な限りダメージを抑えるつもりのはずだ。
人間の魔力を明らかに侮っているのがわかる。おそらく、次で完全にあたしの魔力は枯渇すると思っているのだ。
ー所詮は蟲けらかー
あたしと亜人種型がお互いに剣を交える・・・その瞬間ー
あたしはエクセリオンの刀身へ一気に魔力を流し込んだ。亜人種型のものとあたし自身の魔力が刀身へと集中し、エクセリオンを輝かせた。
「な・・・!」
亜人種型が一瞬動きを止める。さすがに驚きを隠せないようだった。何せ、この一撃を防ぎ切れば、あたしの魔力は枯渇しておしまいだーと思っていたからだろう。
慌てて自身の剣にも魔力を集中させようとするが、ここまでくればあたしの剣の方が速い・・・!
「消えな、蟲けら」
相手の体勢が整う前に、あたしはエクセリオンを振り下ろす。亜人種型を脳天から唐竹割りにするーおそらく、一切の苦痛も感じる間もないまま、亜人種型は両断され、魔力と共に霧消した。
「ふう・・・」
亜人種型が展開していた魔法球や移動地雷は、やつの消滅と共に姿を消した。敵の気配はない。江紀が相手をしていた大型の個体もすでに気配を感じなかった。おそらく、あたしが戦いを始める頃にはすでにけりがついていたのだろう。
何気に屋上を見上げると、江紀がこちらを見下ろしていた。こっちは満身創痍だってのに、あちらは全くの無傷のようだった。
屋上の江紀に対して手を振ろうかと思ったが、体力の消耗が思った以上に激しかったらしくー
「あらら・・・」
あたしはそのまま、中庭のど真ん中に大の字になって寝転がった。エクセリオンは、あたしが寝転がり手から離れると同時に幽世へと戻っていった。
さすがに、今までさんざん相手をしてきた大型のやつらとは違い、亜人種型の相手は緊張の連続だった。単純な攻撃しか繰り出してこない大型タイプは、行動も非常に読みやすく対処しやすいが、こちらはなまじ人間と同じだけの知性を持つ分、戦略性に富みハードな展開を強いられる。
江紀は、あたしよりも先にこんなのと相手をしてきたのか・・・などと感慨にふけってしまう。
「さすがに疲れた・・・」
今はもうくたくただった。とりあえず、少しだけでもこうして休んでいたかった。まあ、ここにはもはや蟲の気配はない。突然不意打ちを食らうということもないだろう。
・・・もっとも、あたしの魔力は今ので完全に尽きているので、今出てこられてもどうすることもできないのだが。
江紀が屋上から飛び降りてこちらに向かってくるのを確認する。あたしらにとってはこの建物の屋上くらいならなんてこともない高さだった。
「お疲れ、薬師寺」
江紀に労われた。こいつは余裕であたしはボロボロ・・・まだまだ修行する必要があるなー。
あたしは今後、どうやって江紀に追いつくか、朦朧とし始めた意識の中で考えてみたー。
あたしと亜人種型が最後の勝負に打って出た。お互い、自身の魔力を自らの剣に集中させ、斬りかかる。
もっとも、亜人種型はまだ魔法球や移動地雷の展開をほどいてはいない。おそらくは、あたしの攻撃を防いだ後、あたしの魔力が枯渇するのを見計らってそれらを打ち込むつもりだろう。もちろん、その着弾の際には自分は距離を取り、可能な限りダメージを抑えるつもりのはずだ。
人間の魔力を明らかに侮っているのがわかる。おそらく、次で完全にあたしの魔力は枯渇すると思っているのだ。
ー所詮は蟲けらかー
あたしと亜人種型がお互いに剣を交える・・・その瞬間ー
あたしはエクセリオンの刀身へ一気に魔力を流し込んだ。亜人種型のものとあたし自身の魔力が刀身へと集中し、エクセリオンを輝かせた。
「な・・・!」
亜人種型が一瞬動きを止める。さすがに驚きを隠せないようだった。何せ、この一撃を防ぎ切れば、あたしの魔力は枯渇しておしまいだーと思っていたからだろう。
慌てて自身の剣にも魔力を集中させようとするが、ここまでくればあたしの剣の方が速い・・・!
「消えな、蟲けら」
相手の体勢が整う前に、あたしはエクセリオンを振り下ろす。亜人種型を脳天から唐竹割りにするーおそらく、一切の苦痛も感じる間もないまま、亜人種型は両断され、魔力と共に霧消した。
「ふう・・・」
亜人種型が展開していた魔法球や移動地雷は、やつの消滅と共に姿を消した。敵の気配はない。江紀が相手をしていた大型の個体もすでに気配を感じなかった。おそらく、あたしが戦いを始める頃にはすでにけりがついていたのだろう。
何気に屋上を見上げると、江紀がこちらを見下ろしていた。こっちは満身創痍だってのに、あちらは全くの無傷のようだった。
屋上の江紀に対して手を振ろうかと思ったが、体力の消耗が思った以上に激しかったらしくー
「あらら・・・」
あたしはそのまま、中庭のど真ん中に大の字になって寝転がった。エクセリオンは、あたしが寝転がり手から離れると同時に幽世へと戻っていった。
さすがに、今までさんざん相手をしてきた大型のやつらとは違い、亜人種型の相手は緊張の連続だった。単純な攻撃しか繰り出してこない大型タイプは、行動も非常に読みやすく対処しやすいが、こちらはなまじ人間と同じだけの知性を持つ分、戦略性に富みハードな展開を強いられる。
江紀は、あたしよりも先にこんなのと相手をしてきたのか・・・などと感慨にふけってしまう。
「さすがに疲れた・・・」
今はもうくたくただった。とりあえず、少しだけでもこうして休んでいたかった。まあ、ここにはもはや蟲の気配はない。突然不意打ちを食らうということもないだろう。
・・・もっとも、あたしの魔力は今ので完全に尽きているので、今出てこられてもどうすることもできないのだが。
江紀が屋上から飛び降りてこちらに向かってくるのを確認する。あたしらにとってはこの建物の屋上くらいならなんてこともない高さだった。
「お疲れ、薬師寺」
江紀に労われた。こいつは余裕であたしはボロボロ・・・まだまだ修行する必要があるなー。
あたしは今後、どうやって江紀に追いつくか、朦朧とし始めた意識の中で考えてみたー。
0
お気に入りに追加
9
あなたにおすすめの小説
校長室のソファの染みを知っていますか?
フルーツパフェ
大衆娯楽
校長室ならば必ず置かれている黒いソファ。
しかしそれが何のために置かれているのか、考えたことはあるだろうか。
座面にこびりついた幾つもの染みが、その真実を物語る
【完結】もう…我慢しなくても良いですよね?
アノマロカリス
ファンタジー
マーテルリア・フローレンス公爵令嬢は、幼い頃から自国の第一王子との婚約が決まっていて幼少の頃から厳しい教育を施されていた。
泣き言は許されず、笑みを浮かべる事も許されず、お茶会にすら参加させて貰えずに常に完璧な淑女を求められて教育をされて来た。
16歳の成人の義を過ぎてから王子との婚約発表の場で、事あろうことか王子は聖女に選ばれたという男爵令嬢を連れて来て私との婚約を破棄して、男爵令嬢と婚約する事を選んだ。
マーテルリアの幼少からの血の滲むような努力は、一瞬で崩壊してしまった。
あぁ、今迄の苦労は一体なんの為に…
もう…我慢しなくても良いですよね?
この物語は、「虐げられる生活を曽祖母の秘術でざまぁして差し上げますわ!」の続編です。
前作の登場人物達も多数登場する予定です。
マーテルリアのイラストを変更致しました。
【完結】7年待った婚約者に「年増とは結婚できない」と婚約破棄されましたが、結果的に若いツバメと縁が結ばれたので平気です
岡崎 剛柔
恋愛
「伯爵令嬢マリアンヌ・ランドルフ。今日この場にて、この僕――グルドン・シルフィードは君との婚約を破棄する。理由は君が25歳の年増になったからだ」
私は7年間も諸外国の旅行に行っていたグルドンにそう言われて婚約破棄された。
しかも貴族たちを大勢集めたパーティーの中で。
しかも私を年増呼ばわり。
はあ?
あなたが勝手に旅行に出て帰って来なかったから、私はこの年までずっと結婚できずにいたんですけど!
などと私の怒りが爆発しようだったとき、グルドンは新たな人間と婚約すると言い出した。
その新たな婚約者は何とタキシードを着た、6、7歳ぐらいの貴族子息で……。
【完結】20年後の真実
ゴールデンフィッシュメダル
恋愛
公爵令息のマリウスがが婚約者タチアナに婚約破棄を言い渡した。
マリウスは子爵令嬢のゾフィーとの恋に溺れ、婚約者を蔑ろにしていた。
それから20年。
マリウスはゾフィーと結婚し、タチアナは伯爵夫人となっていた。
そして、娘の恋愛を機にマリウスは婚約破棄騒動の真実を知る。
おじさんが昔を思い出しながらもだもだするだけのお話です。
全4話書き上げ済み。
記憶がないので離縁します。今更謝られても困りますからね。
せいめ
恋愛
メイドにいじめられ、頭をぶつけた私は、前世の記憶を思い出す。前世では兄2人と取っ組み合いの喧嘩をするくらい気の強かった私が、メイドにいじめられているなんて…。どれ、やり返してやるか!まずは邸の使用人を教育しよう。その後は、顔も知らない旦那様と離婚して、平民として自由に生きていこう。
頭をぶつけて現世記憶を失ったけど、前世の記憶で逞しく生きて行く、侯爵夫人のお話。
ご都合主義です。誤字脱字お許しください。
婚約破棄の後始末 ~息子よ、貴様何をしてくれってんだ!
タヌキ汁
ファンタジー
国一番の権勢を誇る公爵家の令嬢と政略結婚が決められていた王子。だが政略結婚を嫌がり、自分の好き相手と結婚する為に取り巻き達と共に、公爵令嬢に冤罪をかけ婚約破棄をしてしまう、それが国を揺るがすことになるとも思わずに。
これは馬鹿なことをやらかした息子を持つ父親達の嘆きの物語である。
【短編】婚約破棄したので、もう毎日卵かけご飯は食べられませんよ?
あさぎかな@電子書籍二作目発売中
恋愛
ふふん♪ これでやっとイチゴのタルトと、新作の二種類の葡萄のトライフル、濃厚プリンが食べられるわ♪)
「もうお前の顔を見るのもウンザリだ、今日限りで貴様とは婚約破棄する!」
(え?)
とあるパーティー会場での起こった婚約破棄。政略結婚だったのでアニータはサクッと婚約破棄を受け入れようとするが──。
「不吉な黒い髪に、眼鏡と田舎くさい貴様は、視界に入るだけで不快だったのだ。貴様が『王国に繁栄を齎すから』と父上からの命令がなければ、婚約者になどするものか。俺は学院でサンドラ・ロヴェット嬢と出会って本物の恋が何か知った! 」
(この艶やかかつサラサラな黒髪、そしてこの眼鏡のフレームや形、軽さなど改良に改良を重ねた私の大事な眼鏡になんて不遜な態度! 私自身はどこにでもいるような平凡な顔だけれど、この髪と眼鏡を馬鹿にする奴は許さん!)
婚約破棄後に爆弾投下。
「我が辺境伯──いえトリス商会から提供しているのは、ランドルフ様の大好物である、卵かけご飯の材料となっているコカトリスの鶏生卵と米、醤油ですわ」
「は?」
これは鶏のいない異世界転生した少女が、あの手この手を使って再現した「卵かけご飯」のお話?
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる