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ユグドラシルの双子の主・和泉鏡香(第2話)
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ーー鏡香視点ーー
「何者じゃ」
声は空からだ。私ー和泉鏡香は空を見上げた。
少女だ。年のころ大体13~14くらいの、まだあどけなさの残る少女。うちのチームのメンバーでいうのなら、早苗さんー清野早苗と同じくらいか一つくらい下だろうか。ツインテールが風になびいており、特徴的なドレスに身を包んだ魔女だ。腕組みをしつつ空の上で仁王立ちといった感じでこちらを見下ろしている。
魔女とは言っても、特に箒を乗り回しているわけではない。魔女が箒に乗って空を飛び回るというのは、どうやら前文明での物語の上でそうなっていたというだけのことらしい。
もっとも、世の中には面白半分で試しにやってみようとする者は大勢いる。
ただ、実際に試してみたところ、ものすごく安定性が悪く、コントロールも難しいため、前文明でイメージされていたほどうまく飛行できるというわけでもないらしい。自力で風や重力を操ることで飛行した方が数倍楽であるという話もちらほら聞かれる。
結論としてーただお尻が痛いだけで実用性なしーということらしかった。全く夢のない話だ。
彼女も自分の魔力のみで宙に浮いているといった感じだ。おそらくこれは風魔法の一種だろう。先ほどの道中で、強風で髪を抑える必要があったが、彼女が巻き起こしていたものなら納得がいく。
「何者かと尋ねておる。このわしが秋の領域の魔女モリガンであることを知ってのことか」
年齢にふさわしいとは思えない、古風な口調である。
「あらあら、すみません。とても可愛らしい魔女さんで、ちょっとびっくりしてしまいました」
この領域の近くのコミュニティで聞いていた魔女のイメージとだいぶかけ離れた少女の姿に、実際驚いた。
「このわしを可愛らしいだと?なめるなよ侵入者」
どうやら私が「可愛らしい」といったことが気に障ったようだ。子ども扱いされるのがお気に召さない性分らしい。
顔立ちは整っている。まるでお人形さんのようだ。こちらに向けられたどこか不快といった表情も、見る者によっては庇護欲を刺激してしまう要素がある。
「なるほど、あなたがここの魔女さんですね」
彼女の存在を改めて確認する。
「私は和泉鏡香と申します。この近くのコミュニティの皆さんから、あなたのことは色々と窺っておりますよ」
「ほう」
こちらの話に興味を示してくれたようだ。口元に軽く笑みを浮かべている。そしてその瞳にはどこか挑戦的な輝きが宿っていた。
「ええ、なかなかいたずら好きさんのようで、コミュニティの皆さんもお困りの様子でした」
「は!」
彼女ー魔女モリガンは嘲るような笑みを浮かべてー実際に嘲っているのだろうがー吐き捨てた。
「あの腰抜けども、たかが畑の真ん中に穴をあけて水車小屋ぶっ壊した程度で何を騒いでおるか。異能もろくに使えない連中め」
モリガンは、風魔法の力を弱めて地上に降りてきた。広場の真ん中辺りに立つと、今度は腰に手を当てて
「あっはっはー!」
と、なぜか勝ち誇ったように笑い出す。
「あらあら、困った子ですね~」
これは少し「お仕置き」が必要になりそうね、と私は彼女に聞こえぬよう小さな声で呟いた。
私がここを訪れた理由は2つ。コミュニティに悪さをする魔女と大型の蟲の退治。両対象とも、この秋の領域の森林の中で活動しているということだったので、私はその両方を退治するべくここを訪れたというわけだ。
そして、今、目の前に第1対象がいるわけだが・・・まさかこんなに可愛らしいお嬢さんだとは正直想像していなかった。
そもそも、コミュニティの人間たちは彼女の姿をよく見ることができなかったらしい。ただ、突然空からやってきてコミュニティの建物や畑を壊しまくったということしか聞いていない。空高い場所から魔法を発動しまくっていたため、コミュニティの人たちがその姿をきちんと確認できなかったようだ。
何かを叫んでいたとも言っていたが、それはこれから本人に確認した方が早いだろう。
「わしの縄張りに入り込み、勝手にキノコを取りまくるとは・・・実に不届きな連中め、だから懲らしめてやったのだ。ただ、ちぃとばかし勢いが余って派手にぶっ壊してしもうたがな」
なるほど、それが原因か・・・。本人が自分からあっさりと喋ってくれたおかげでおおよその事情は理解できた。
「・・・そうでしたか。ところで、コミュニティの方々は、以前からあなたのことを知っていたのですか?」
魔女の縄張りと知っていれば、何の力も持たないコミュニティの住人たちーシヴィリアンズと呼ばれているーがそう簡単にここを訪れるわけもない。ましてやキノコ採りなどで来るとはとても思えない。
多分、知らずに入り込んだのだろう。そして、それを見た彼女が、報復にコミュニティを襲撃したーただ、勢い余って「派手にやりすぎた」のだろう。
ふう、光景が目に浮かぶようだわ。
「このわしの存在を知らんということ自体けしからんわ!」
どうやら、魔女らしくそれなりにプライドも高いようだ。つまりは、自分の存在をろくに知らなかったということも、シヴィリアンズに対して腹を果てる原因の一つなのだろう。
最も、そのプライドに似合うだけの魔力は確かにあるようだが・・・。
「というわけで、自己紹介も兼ねてコミュニティのシヴィリアンズに魔法を披露してやったのだ」
あっはっはー!と笑いながら、モリガンは自慢げに胸を反らしている。
事情は大体把握した。もちろん、この辺りの森が彼女の縄張りだということは、後でシヴィリアンズにもお知らせるとして、コミュニティにご迷惑をかけたというのも事実なので、ここは彼女を少し「懲らしめる」必要があるだろう。
「事情は分かりました。でも、いきなりコミュニティの建物を破壊したり畑に穴をあけてはいけませんね~」
これは久々に「バトル」に発展しそうだ。
おそらく、私の口元は愉悦と期待に歪んでいるだろうー私は、久しぶりの高揚感を覚えた。
「ほう、お主、このわしに説教をするつもりか、この領域最大の魔女であるわしに」
「領域最大の割にはあまり知られていないようでしたが・・・」
思わず出てきた疑問の言葉に、モリガンはガクッと肩を落とした・・・地味にショックだったらしい。
「ええい、やかましいわ!」
地団駄を踏みつつ彼女が抗議する。
・・・今まで見ていた限りでは、そんなに悪い子というわけではなさそうだが、やはり「お仕置き」は必要である。
私は彼女の仕草にくすりと笑いつつも、さっそく「バトル開始」の宣言をすることにした。
「あなたの言い分はよくわかりました。ただ、さすがにコミュニティの建物や畑を壊してしまったというのはやりすぎです。これは・・・少しお仕置きが必要ですね」
彼女を静かに見据え、
「では、《ユグドラシル》が双子の王・和泉鏡香・・・参ります」
「何者じゃ」
声は空からだ。私ー和泉鏡香は空を見上げた。
少女だ。年のころ大体13~14くらいの、まだあどけなさの残る少女。うちのチームのメンバーでいうのなら、早苗さんー清野早苗と同じくらいか一つくらい下だろうか。ツインテールが風になびいており、特徴的なドレスに身を包んだ魔女だ。腕組みをしつつ空の上で仁王立ちといった感じでこちらを見下ろしている。
魔女とは言っても、特に箒を乗り回しているわけではない。魔女が箒に乗って空を飛び回るというのは、どうやら前文明での物語の上でそうなっていたというだけのことらしい。
もっとも、世の中には面白半分で試しにやってみようとする者は大勢いる。
ただ、実際に試してみたところ、ものすごく安定性が悪く、コントロールも難しいため、前文明でイメージされていたほどうまく飛行できるというわけでもないらしい。自力で風や重力を操ることで飛行した方が数倍楽であるという話もちらほら聞かれる。
結論としてーただお尻が痛いだけで実用性なしーということらしかった。全く夢のない話だ。
彼女も自分の魔力のみで宙に浮いているといった感じだ。おそらくこれは風魔法の一種だろう。先ほどの道中で、強風で髪を抑える必要があったが、彼女が巻き起こしていたものなら納得がいく。
「何者かと尋ねておる。このわしが秋の領域の魔女モリガンであることを知ってのことか」
年齢にふさわしいとは思えない、古風な口調である。
「あらあら、すみません。とても可愛らしい魔女さんで、ちょっとびっくりしてしまいました」
この領域の近くのコミュニティで聞いていた魔女のイメージとだいぶかけ離れた少女の姿に、実際驚いた。
「このわしを可愛らしいだと?なめるなよ侵入者」
どうやら私が「可愛らしい」といったことが気に障ったようだ。子ども扱いされるのがお気に召さない性分らしい。
顔立ちは整っている。まるでお人形さんのようだ。こちらに向けられたどこか不快といった表情も、見る者によっては庇護欲を刺激してしまう要素がある。
「なるほど、あなたがここの魔女さんですね」
彼女の存在を改めて確認する。
「私は和泉鏡香と申します。この近くのコミュニティの皆さんから、あなたのことは色々と窺っておりますよ」
「ほう」
こちらの話に興味を示してくれたようだ。口元に軽く笑みを浮かべている。そしてその瞳にはどこか挑戦的な輝きが宿っていた。
「ええ、なかなかいたずら好きさんのようで、コミュニティの皆さんもお困りの様子でした」
「は!」
彼女ー魔女モリガンは嘲るような笑みを浮かべてー実際に嘲っているのだろうがー吐き捨てた。
「あの腰抜けども、たかが畑の真ん中に穴をあけて水車小屋ぶっ壊した程度で何を騒いでおるか。異能もろくに使えない連中め」
モリガンは、風魔法の力を弱めて地上に降りてきた。広場の真ん中辺りに立つと、今度は腰に手を当てて
「あっはっはー!」
と、なぜか勝ち誇ったように笑い出す。
「あらあら、困った子ですね~」
これは少し「お仕置き」が必要になりそうね、と私は彼女に聞こえぬよう小さな声で呟いた。
私がここを訪れた理由は2つ。コミュニティに悪さをする魔女と大型の蟲の退治。両対象とも、この秋の領域の森林の中で活動しているということだったので、私はその両方を退治するべくここを訪れたというわけだ。
そして、今、目の前に第1対象がいるわけだが・・・まさかこんなに可愛らしいお嬢さんだとは正直想像していなかった。
そもそも、コミュニティの人間たちは彼女の姿をよく見ることができなかったらしい。ただ、突然空からやってきてコミュニティの建物や畑を壊しまくったということしか聞いていない。空高い場所から魔法を発動しまくっていたため、コミュニティの人たちがその姿をきちんと確認できなかったようだ。
何かを叫んでいたとも言っていたが、それはこれから本人に確認した方が早いだろう。
「わしの縄張りに入り込み、勝手にキノコを取りまくるとは・・・実に不届きな連中め、だから懲らしめてやったのだ。ただ、ちぃとばかし勢いが余って派手にぶっ壊してしもうたがな」
なるほど、それが原因か・・・。本人が自分からあっさりと喋ってくれたおかげでおおよその事情は理解できた。
「・・・そうでしたか。ところで、コミュニティの方々は、以前からあなたのことを知っていたのですか?」
魔女の縄張りと知っていれば、何の力も持たないコミュニティの住人たちーシヴィリアンズと呼ばれているーがそう簡単にここを訪れるわけもない。ましてやキノコ採りなどで来るとはとても思えない。
多分、知らずに入り込んだのだろう。そして、それを見た彼女が、報復にコミュニティを襲撃したーただ、勢い余って「派手にやりすぎた」のだろう。
ふう、光景が目に浮かぶようだわ。
「このわしの存在を知らんということ自体けしからんわ!」
どうやら、魔女らしくそれなりにプライドも高いようだ。つまりは、自分の存在をろくに知らなかったということも、シヴィリアンズに対して腹を果てる原因の一つなのだろう。
最も、そのプライドに似合うだけの魔力は確かにあるようだが・・・。
「というわけで、自己紹介も兼ねてコミュニティのシヴィリアンズに魔法を披露してやったのだ」
あっはっはー!と笑いながら、モリガンは自慢げに胸を反らしている。
事情は大体把握した。もちろん、この辺りの森が彼女の縄張りだということは、後でシヴィリアンズにもお知らせるとして、コミュニティにご迷惑をかけたというのも事実なので、ここは彼女を少し「懲らしめる」必要があるだろう。
「事情は分かりました。でも、いきなりコミュニティの建物を破壊したり畑に穴をあけてはいけませんね~」
これは久々に「バトル」に発展しそうだ。
おそらく、私の口元は愉悦と期待に歪んでいるだろうー私は、久しぶりの高揚感を覚えた。
「ほう、お主、このわしに説教をするつもりか、この領域最大の魔女であるわしに」
「領域最大の割にはあまり知られていないようでしたが・・・」
思わず出てきた疑問の言葉に、モリガンはガクッと肩を落とした・・・地味にショックだったらしい。
「ええい、やかましいわ!」
地団駄を踏みつつ彼女が抗議する。
・・・今まで見ていた限りでは、そんなに悪い子というわけではなさそうだが、やはり「お仕置き」は必要である。
私は彼女の仕草にくすりと笑いつつも、さっそく「バトル開始」の宣言をすることにした。
「あなたの言い分はよくわかりました。ただ、さすがにコミュニティの建物や畑を壊してしまったというのはやりすぎです。これは・・・少しお仕置きが必要ですね」
彼女を静かに見据え、
「では、《ユグドラシル》が双子の王・和泉鏡香・・・参ります」
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