アトランティスの夕陽〜風の吹く朝に

遥か昔に一晩で沈んだとされるアトランティス大陸をモデルにした水の国と呼ばれる国の物語。
水の国には妖精族と呼ばれる、石と話す不思議な能力を持つ者がいた。彼らは遠い昔、シリウスから来たとされる神々が、この星で子孫を増やした直系の種族とされる。
これ以外にも、すでにこの星にいた人類の一部に、神々が遺伝子操作を施して知能を格段に上げた、科学万能説を元に生きる種族がいた。
彼らは、能力を失いつつある妖精族に変わり、水の国の中枢となっていた。
また、辺境人と呼ばれる遺伝子操作を受けなかった人類の末裔の種族。
これら三つの種族は、長い時間をかけて互いに混じり合いながらも、棲み分けがあり、それぞれの文化を作り上げていた。
そんなある日、妖精族の一部の人が、「もうすぐ国が沈むので、高い場所に逃げろ」とメッセージを受け取る。
だが科学を重んじる国になっていた水の国の全体は、石の声が聞こえると話す妖精族の存在を、頭がおかしな人たちと捉えており、多くの人々は、メッセージを信じようとしなかった。
やがて約束された日が来てしまう。
第一章は、その瞬間までに水の国で生きていた人々の様々な視点から、約束された日に何を思っていたのか、モノローグとして描かれている。
第二章では、山に登り生き残った人々が、神々による再教育を受ける姿を描く。
山の上に逃げた人全ては、神々が派遣した光る船に救い出され、エジプトへ連れて行かれる。同じ過ちを繰り返さないため、エジプトまで行く間に、神話や宇宙のシステムなどを言葉と映像でしっかりと教育される。
その教育の中身と、第一章で出てきた人々の葛藤を描く。
第三章では、エジプトに連れていかれ、それぞれ違う場所と時間に飛ばされるところからはじまる。
水の国の記録を残したまま、戸惑いの中で生きた主人公ルルゥの視点で、真実を知り、より良き世界を作ろうとする者と、真実を利用して権力を得ようとするものの争いに彼女が巻き込まれていく様子を描いている。
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