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離婚初夜に誘拐され囲い込まれた受けの話
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離婚初夜、受けは組み敷かれていた。
長大なものを身体に挿れられて悶えた。
手は動かなかった。
足も何もかも動かないのに、感覚だけは鋭くなって気持ちよくて狂いそうになった。
ここは受けが知ってる世界ではなかった。
離婚届を提出して、役所から帰ってくる途中で、拐われた。
目隠しされ車に乗せられて、辿り着いた何処とも知らない場所で、動かない体のまま、今に至っている。
苦しいのに気持ちよくて、もう何度も蜜を吐き出し、それは腹部を濡らしていた。
それでもまだ気持ちよくて悶続けた。
受けを支配してる相手は、そんな姿を嬉しそうに見ていた。
「気持ちよくて狂っているね。このまま狂えばいいよ。そして私だけのものになるんだ」
何を言ってるのかわからない、なぜ結婚という地獄から開放されたのにまた苦しまなければならないんだ。
そう思うのに受けは悶えるばかりだ。
妻とは妥協で一緒になった。
向こうも同じ気持ちで、二人の間に最後まで愛情も親愛も生まれなかった。
あるのは惰性で、別々の部屋に寝て食事だけ一緒にする関係。
周囲のプレッシャーに負けた二人は、結婚する気もないのに一緒になったせいで、今度は窮屈さを互いにぶつけ合った。
最後の方は恨み合っていた。
どちらがどれだけ我慢できるか、根比べにも似た形で相手が切り出すのを待った。
根を上げたのは受けだった。
無味乾燥で他人がいる家は気詰まりで、早く一人の生活に戻りたくて離婚届を貰ってきた。
妻は嬉しそうに記入して、初めて晴れやかな笑顔を受けに向けた。
それでも何も感じなかった。
それが夕べのこと。
ずっとレスだったがしたいとも思わなかったのに最奥をグリグリと突かれては嬌声を上げ続けた。
声を聞いている相手は何度も「可愛い」と繰り返し囁いた。
中の刺激だけで蜜を出せるようになる頃には、意識はもうろうとした。
下腹と足は痙攣を繰り返し、天井の模様と、覗き込んでくる男の顔だけが脳に焼き付く。
誰だ?
なぜ?
そんな疑問すらわかなくて、ぼんやりと眺めた。
「私とするのが好きになってくれたかい?もっとこれが欲しい?」
甘い誘惑に、コクンと頷いた。
男は嬉しそうに笑い、また中を苛み始め、受けは身悶えるしかなかった。
離婚初夜を肉の喜びで埋め尽くされた翌朝、隣で裸のまま眠る男の顔を見た。
見覚えはない。
なぜ自分にこんなことをしたかも分からない。
昨夜は余裕なく観察する暇はなかったが、女性なら誰もが好意を抱く造りに逞しい体躯。
一度でも目にすれば忘れられないはずだが記憶にはなかった。
それに、部屋の中も広々としていて豪奢だ。
受けはベッドを降りて窓に近づこうとした。
腰を上げようとして、くにゃりと力が入らずぽすっと床に座り込んだ。
(なんだ、これは……)
唖然としているとすっと身体を抱き上げられた。
慌てて見れば男だった。
「昨夜は嬉しすぎてやり過ぎてしまったね、済まない。君を抱けるんだと思ったら堪えられなかった」
映画俳優のような台詞に顔が熱くなる。
「何か欲しいものがあるのかい?」
「……窓の外を見ようと……」
「そうか」
成人男性一人抱えているのに危なげない足取りで窓のそばにあるカウチの椅子に受けを下ろした。
リモコンで開いたカーテンの向こうには、砂漠が広がっていた。
「へ?」
受けは驚いた。
どう見ても日本ではない。
何かの映像かとすら思った。
だが窓越しの太陽の暑さは、日本のそれとは違っていた。
「さ……ばく?」
二の句が告げられなかった。
あまりにも懐かしくて、同時に恐怖が沸き起こった。
蒼ざめる受けに男はにこりと笑い、カウチの背もたれを掴んで口付けてきた。
奪い尽くさんばかりの激しさに受けは呼吸が上がった。
力が入らない足を肘置きに乗せられ、また強大なものが入ってきた。
散々貪られて、中にたっぷりと蜜を吐き出される。
しかも一度だけではなかった。
抱き上げられて立った男に揺すぶられ、カウチに座った男に下から突き上げられと、昨夜の狂乱を陽光を浴びて繰り返された。
受けが次に目を覚ましたのは独特の香りがする部屋だった。
香の煙が揺らめきアラベスク模様が壁にあしらわれた部屋。
記憶にない場所で受けは戸惑った。
だがすぐにアラビアンナイトの登場人物のような女性が現れ、身の回りの支度を整えてくる。
無言のまま女性は作業して、女物の服を着せ終わるとすぐに下がっていった。
受けは何をすればいいか分からず、ぼんやりと天蓋付きのベッドに腰掛けるしかなかった。
部屋の隅にある本を見つけて手に取るが、見知らぬ字は何が書かれてあるかわからない。
嘆息して時間がすぎるのを待った。
なにせ携帯もパソコンもない。
ここがどこか知る手がかりがないのだ。
まるで異世界に紛れ込んだようだようだ。
夜になり、男がやってきた。
白いストンとしたワンピースを身に着け、頭には白い布を巻いている。
「あなたは誰ですか?」
男は笑った。
「やはり覚えていなかったか」
知り合いなのかと驚き、だがどれほど掘り起こしても思い出せない。
じっと見つめれば男は「思い出して欲しい」と教えてはくれない。
「ここはどこですか」
男は知らない国の名前を口にした。
「砂漠の中にある小さな国だ」
「どうして俺を連れてきたのですか?」
「昔の約束を守ったからだ。まさか結婚しているとは思わなかった」
ずいぶん乱暴に連れてきたなとは言わなかった。
男が何を考えているのか分からなかったからだ。
なのに当たり前のようにベッドに押し倒してこようとした。
慌てて止めた。
「今日は……やめてください」
「ああ、ずいぶんと無理をさせたからね。今日はただ休むとしよう……本当は毎晩抱いても足りないのだがね」
男は受けを抱きしめ寝物語をした。
存在を思い出すヒントのように日本のことを話し始めた。
それを幾晩も続けた。
小さなピースを拾い集めて、離れている日中、ひたすら考えた。
小さい頃日本にいたこと。
高い山が見える小さな家だったこと。
隣の犬がよく吠えていたこと。
川で溺れたこと。
年上の小学生に助けられたこと。
母はパンケーキが上手だったこと。
けれど事故で死んでしまったこと。
父の使いという大人たちがやってきたこと。
この国に連れてこられたこと。
ある夜、男は受けを抱きしめて話した。
「私はあの町を離れるのが嫌だった。助けてくれた彼と約束をしたから。ずっと一緒にいてくれると。何度でも助けてくれると。母が死んで泣いてたときにしたんだ」
受けは詰めていた息をそっと吐き出した。
「けれど父はこの国の要職に就いていて国を離れられないと、強引にここへと連れてこられたこと。彼には挨拶一つできなかった」
いつも泣いていた男の子の顔が浮かんでいた。
けれど今の彼からは全く異なった顔だった。
細くて繊細で、確か自分より五つ年下だった記憶がある。
だが目の前の男はずっと年上に見えてちっとも分からなかったし、面影もなかった。
こんなにも人間は顔が変わるのかと驚いた。
「あの子なのか?」
ポロリと名前を言えばふわりと笑った。
「貴方のことを一時も忘れなかった」
だがどこか寂しげな顔をしていた。
思い出してくれたならもう解禁だとばかりに男はまた受けを抱いてきた。
昔、哀れな子供の姿が思い起こされ、拒めなくて抗うこともできず、与えられる愉悦に悶え続けた。
だが、日本語が堪能なのにどこかアンバランスな言動に違和感を覚えた。
なぜこれを知っていて、これが分からないのだろうと。
暇な時間、できる限り男の観察を続けた。
受けの身の回りの世話をする女性は毎日異なり、だが皆何も喋ろうとしない。
声をかけてもビクリと肩を振るわせて怯えるように逃げていく。
試しに部屋から出てみたが、分からない言葉で騒がれて無理矢理部屋に押し戻された。
次の日から門番のような屈強な男が扉の前に立つようになった。
理由が分からなかった。
低い建物なら窓から出られるだろうかと試みれば、また見つかりすぐに窓に格子がつけられた。
まるで監禁だと男にこんな生活は嫌だと訴えた。
「なぜだ?ここまで貴方を寵愛しているというのになぜ外に出ようと思うのだ?」
なぜ?
当たり前だろうと理由を訴えた。
こんなに休んでは仕事はなくなるし、日本にいる両親が心配だ。
それに……いや、それ以外ないことに驚いた。
「両親が心配ならここへ呼べばいい。会社は心配ない、もう籍はないのだから」
「せっかく入った会社なのに!」
「金が必要なら言えばいい、貴方がねだればいくらでも出そう」
「違う、そういうことを言ってるんじゃない!」
ただ、金が欲しくてやっていたのではない。
やりがいがあったから、生きがいだから続けてきたのだと訴えても、男には響かなかった。
「何不自由ない暮らしは不満か。困ったな……けれど貴方はもう日本に帰れると思わないで欲しい」
自分は男に抱かれるために存在しているかのような扱いに、受けは初めて抗った。
男も向きになったかのように押さえ付けてきて犯してくる。
「貴方を放さない!もう私のものだ!!」
「やめろっ!」
それでも男に慣らされた身体は愉悦を貪って悶えた。
受けもムキになってなんとかここから逃げだそうと思うようになった。
いつものように窓の格子をなんとか外そうと格闘してると紙を見つけた。
「逃げる方法は……」と日本語で書かれていた。
試してみれば書かれたとおり、人々の目を盗んで脱出できた。
手紙に書かれていた場所まで辿りつけば、そこには強靱な肉体の男たちが複数おり、受けを待ち構えていた。
すぐに縛り上げられた。
『お前が寵妃か』
日本語ではないが仕事で使っていた言語に声の主を見れば、髭を蓄え目がギラギラした人物がいた。
『寵妃など知りません、私は日本に帰りたいのです』
『何を言っている、大人しくしていればいいんだ!』
容赦なく殴られ、髭が部屋から出ると男たちが受けを囲んで手を伸ばしてきた。
女物の服の下に現れた身体を見て嗤い、痛めつけるように弄んできた。
まるで道具のように乱暴に犯され続けた。
休む時間なんてもらえず、開いた蕾にどんどんと男が蜜を放っていく。
何かを喋っては嘲う屈強な男たち。
受けはなぜ自分がこんな目に遭わされるのか分からず、人形のように揺すぶられるしかなかった。
本当に人形になったように声すらも上げられなくなった。
もう何日も犯され続け、心がおかしくなりそうだった。
なにが悪かったのか。
妻と離婚したからなのか、それとも子供を助けたからなのか。
離婚してからというもの何もいいことがないと、声も上げずに涙だけを流していった。
それも止まった頃、男たちが受けの上から消えた。
代わりに男の顔が見えた。
「大丈夫ですか!?」
答えられなかった。
身体を清められ美しい服を着せられ元の寝台に横たわっても、声は出なかった。
「すまない……すまないっ!」
絞り出すような声にすら心は動かず、目を閉じた。
目を開け食事を口にしてまた寝るだけの日々。
男は何度も受けの顔を見に来たが、反応できなかった。
夜になれば男たちに犯された記憶に苛まれ声なく叫んだ。
そのたびに男が抱きしめ「すまないっ」と謝ってきたが受けの耳には入らなかった。
身体の傷は癒えても心に残った大きな傷は深く、受けを苦しめた。
「巻き込むべきじゃなかった……だがもう貴方を手放せないんだ、すまない」
無意味な言葉は受けの心には残らなかった。
反応しない受けに男は次第に諦めていった。
「日本に帰りたいですか?」
初めて受けが反応を示した。
男は嘆息して強く受けを抱きしめた。
「かえりたい……」
男は抱く力を一瞬だけ緩め、だがまた痛いくらい抱きしめてきた。
「分かった、けれどもう少し待っていてくれ。その願いは必ず叶える……だが今は……無理なのだ、すまない」
男はまた目の光を失った受けを見て悲痛な顔をした。
それからしばらく男は来なかった。
代わりにやってきたのは身の回りの世話をする日本語が話せる補佐役だった。
「何かが要望はありませんか?」
答えない受けに何度も声をかけてきた。
そして必要もないのに男の話を始めた。
王族でも優秀な男は次期王と望まれているとか。
国民にも人気が高いため政敵が多いとか。
受けを攫ったのも政敵の一人で粛正されたとか。
「正妃の腹ではありませんが、幼い頃から優秀であの方と乳兄弟であるのが私の誇りなのです」
おかしかった、なぜ乳兄弟が存在するのか。
「男はいくつなのですか?」
ぼんやりと訊ねれば三つ上だという。
年下のあのかわいそうな子供ではなかったのか。
混乱してまたおかしくなった受けは、心を穏やかにする薬を打たれた。
それから心の薬と入眠薬を毎日飲まされた。
常に頭はぼんやりとする受けに、秘書は口を噤むようになった。
変わらない日々にまた寝て起きるだけの生活が続いた。
症状が落ち着いた頃、男がやってきた。
「日本に行こう。一緒に行こう」
「……いやだ、信用できない」
頭がぼんやりする分、取り繕えない本音が零れ出た。
「お前は誰だ、あの子じゃないんだろう。一体なんのためにここに連れてきた」
「すまない……」
受けだけが日本に戻された。
けれどまともに以前の生活に戻れるはずもなく、入院して心のリハビリを繰り返した。
退院して、元の家とは別の場所に連れていかれた。
高そうな都心の高層マンションだった。
案内された部屋には、男がいた。
「なぜいるんだ」
驚く受けとはよそに男は当たり前のようにコーヒーを煎れ受けに差し出した。
「私たち二人の部屋だからだよ」
「……出て行く」
「ダメだ……もう離せない。貴方が好きなのです」
「お前は誰なんだ」
男は嘆息して真実を告げた。
男の子が父である国王に引き取られ、年が比較的近い男が遊び相手になった。
男にとって異母弟である子供は母の家の力で順位が決まる後宮では無力な子供でしかなかった。
男は遊び相手になり話を聞くために日本語を必死に覚えた。
子供は母の話と、受けの話ばかりした。
男が暗記できてしまうほどに。
だが母を失いなれない異国での暮らしは小さい身体を苛んだ。
10を迎える前に土に還った。
子供が慕っていた受けのことが頭から離れなかった男は、大人になってやっとできた時間で会いに行ったが結婚していたことに驚いた。
今でも子供のことを慕って帰りを待っていると勝手に想像していたのだ。
怒りを覚えた男は二人を別れさせた。
その間何度も受けの姿を見て……気がつけば恋に落ちていた。
離婚をした日、もう自分を抑えられず攫って抱いた。
子供のことを覚えているか試したら勘違いされて……許されるならとそのまま真実を言わずに受けを抱き続けた。
「すまない、私はたくさんの嘘を貴方についた。けれど愛するこの気持ちには嘘はない。だからはじめからやり直させて欲しい」
受けは男を殴った。
「ふざけるな!お前のせいで俺は……!」
離婚はいい。
だが職を失い、薬がなければ眠れないほどの苦しみを抱くようになった。
とても許せはしない。
「償わせて欲しい、貴方にこれから先の私の人生すべてで償わせて欲しい」
男は殴られた顔を押さえもせず懇願してきた。
感情の起伏で疲れた受けは「勝手にしろ」とだけ言い、ソファに倒れた。
体力が圧倒的になかった。
男は受けをベッドに運び、次の日から受けのために一緒に散歩に出かけたり犬を飼ったりと、精神科の医師が進めることを何でも受け入れ、受けと行った。
犬の散歩で外の季節を感じ、家政婦が作る食事で健康を取り戻していった受けに、男は手を出しはしなかった。
同じ家にいるからと身構えていた受けもいつの頃からなぜ男と住んでいるか分からなくなっていた。
ただこのままではダメだとアルバイトを探した。
コンビニバイトが決まると男に言った、働くと。
「なぜ、金に困らない生活を約束する!だから無理に仕事をする必要はないだろう」
男がいくつもの会社を母国や国外に持ち、リモートで指示を出しているのは同じ家にいれば嫌でも分かる。
金には困らないだろう、だが自分は男に施しを貰う立場でいるのは嫌だった。
止めようとする男を振り切ってリハビリのように週五でコンビニバイトをした。
給料が口座に振り込まれたのを見て、受けは男に言った。
「金がたまったらここから出る」
「いやだ。愛する貴方を手放すなどで気はしない」
「このままじゃあんたが何言っても受け入れられない。少し時間をくれ、一人になりたい」
「……ならば家を用意する」
「男としての尊厳を取り戻したいんだ!」
散々だったあの国の日々に削げてしまったプライドを取り戻したかった。
自分の力だけで生活できたなら少しは現況を変えられると考えた受けは、何も言えず固まった男に背中を向けた。
そして金が貯まると家を出た。
安いアパートを借り、一日で生活を始めた。
常に護衛が着いているのは感じていたが、あえて目を瞑った。
それどころか護衛と何度か話をした。
世間が寒くなりまコンビニの店内になじみのクリスマスソングが流れる頃、受けは初めて自分から男の家を訪ねた。
慌てて出てきた男は、かつての精悍さはなかった。
髭は生やし放題で、服もヨレヨレだった。
「どうしたんだ?」
受けが訊ねると男は慌てて部屋に引っ込んでシャワーを浴び始めた。
乳兄弟が部屋に招き入れ、教えてくれた。
受けが出て行ってから廃人のようになってしまったと。
涙目で「戻ってきてくださいお願いします」と懇願された。
さっぱりして真新しい服を身につけた男がリビングにやってきた。
「みっともない姿を見せて済まなかった」
「これを渡そうと思ったんだ」
綺麗にラッピングされた箱を渡した。
男は箱を開け中から出てきたキーケースを手にした。
「あんたの持ち物にしては安っぽいかもしれないけど、誕生日のプレゼントだ」
「これは……」
ケースの中には一つ鍵がぶら下がっていた。
「アパートの鍵だ。まだ好きなら……来ていい」
それだけ言って席を立とうとして、すぐに強く抱きしめられた。
「許されたと思っていいだろうか……」
「許してはいない。今でもあんたのしたことに怒ってる……でもそんなに好きなら、付き合ってもいいと思ってる」
不器用な遠回しな言い方なのに、男は「ありがとう」と何度も言い、「思いを伝えさせてくれ」と寝室に運ばれていった。
そんなつもりはなく、これからそういう雰囲気になればいいと思っていた受けはバタバタと暴れたが、切羽詰まったように自分を抱く男に観念してすべてを受け入れるのだった。
が、当然一緒に住むことなくそれぞれに独立した生活をと抵抗する受けに、男はあの手この手で同居に引きずり込もうと画策してするという攻防を続けるのだった。
おしまい
長大なものを身体に挿れられて悶えた。
手は動かなかった。
足も何もかも動かないのに、感覚だけは鋭くなって気持ちよくて狂いそうになった。
ここは受けが知ってる世界ではなかった。
離婚届を提出して、役所から帰ってくる途中で、拐われた。
目隠しされ車に乗せられて、辿り着いた何処とも知らない場所で、動かない体のまま、今に至っている。
苦しいのに気持ちよくて、もう何度も蜜を吐き出し、それは腹部を濡らしていた。
それでもまだ気持ちよくて悶続けた。
受けを支配してる相手は、そんな姿を嬉しそうに見ていた。
「気持ちよくて狂っているね。このまま狂えばいいよ。そして私だけのものになるんだ」
何を言ってるのかわからない、なぜ結婚という地獄から開放されたのにまた苦しまなければならないんだ。
そう思うのに受けは悶えるばかりだ。
妻とは妥協で一緒になった。
向こうも同じ気持ちで、二人の間に最後まで愛情も親愛も生まれなかった。
あるのは惰性で、別々の部屋に寝て食事だけ一緒にする関係。
周囲のプレッシャーに負けた二人は、結婚する気もないのに一緒になったせいで、今度は窮屈さを互いにぶつけ合った。
最後の方は恨み合っていた。
どちらがどれだけ我慢できるか、根比べにも似た形で相手が切り出すのを待った。
根を上げたのは受けだった。
無味乾燥で他人がいる家は気詰まりで、早く一人の生活に戻りたくて離婚届を貰ってきた。
妻は嬉しそうに記入して、初めて晴れやかな笑顔を受けに向けた。
それでも何も感じなかった。
それが夕べのこと。
ずっとレスだったがしたいとも思わなかったのに最奥をグリグリと突かれては嬌声を上げ続けた。
声を聞いている相手は何度も「可愛い」と繰り返し囁いた。
中の刺激だけで蜜を出せるようになる頃には、意識はもうろうとした。
下腹と足は痙攣を繰り返し、天井の模様と、覗き込んでくる男の顔だけが脳に焼き付く。
誰だ?
なぜ?
そんな疑問すらわかなくて、ぼんやりと眺めた。
「私とするのが好きになってくれたかい?もっとこれが欲しい?」
甘い誘惑に、コクンと頷いた。
男は嬉しそうに笑い、また中を苛み始め、受けは身悶えるしかなかった。
離婚初夜を肉の喜びで埋め尽くされた翌朝、隣で裸のまま眠る男の顔を見た。
見覚えはない。
なぜ自分にこんなことをしたかも分からない。
昨夜は余裕なく観察する暇はなかったが、女性なら誰もが好意を抱く造りに逞しい体躯。
一度でも目にすれば忘れられないはずだが記憶にはなかった。
それに、部屋の中も広々としていて豪奢だ。
受けはベッドを降りて窓に近づこうとした。
腰を上げようとして、くにゃりと力が入らずぽすっと床に座り込んだ。
(なんだ、これは……)
唖然としているとすっと身体を抱き上げられた。
慌てて見れば男だった。
「昨夜は嬉しすぎてやり過ぎてしまったね、済まない。君を抱けるんだと思ったら堪えられなかった」
映画俳優のような台詞に顔が熱くなる。
「何か欲しいものがあるのかい?」
「……窓の外を見ようと……」
「そうか」
成人男性一人抱えているのに危なげない足取りで窓のそばにあるカウチの椅子に受けを下ろした。
リモコンで開いたカーテンの向こうには、砂漠が広がっていた。
「へ?」
受けは驚いた。
どう見ても日本ではない。
何かの映像かとすら思った。
だが窓越しの太陽の暑さは、日本のそれとは違っていた。
「さ……ばく?」
二の句が告げられなかった。
あまりにも懐かしくて、同時に恐怖が沸き起こった。
蒼ざめる受けに男はにこりと笑い、カウチの背もたれを掴んで口付けてきた。
奪い尽くさんばかりの激しさに受けは呼吸が上がった。
力が入らない足を肘置きに乗せられ、また強大なものが入ってきた。
散々貪られて、中にたっぷりと蜜を吐き出される。
しかも一度だけではなかった。
抱き上げられて立った男に揺すぶられ、カウチに座った男に下から突き上げられと、昨夜の狂乱を陽光を浴びて繰り返された。
受けが次に目を覚ましたのは独特の香りがする部屋だった。
香の煙が揺らめきアラベスク模様が壁にあしらわれた部屋。
記憶にない場所で受けは戸惑った。
だがすぐにアラビアンナイトの登場人物のような女性が現れ、身の回りの支度を整えてくる。
無言のまま女性は作業して、女物の服を着せ終わるとすぐに下がっていった。
受けは何をすればいいか分からず、ぼんやりと天蓋付きのベッドに腰掛けるしかなかった。
部屋の隅にある本を見つけて手に取るが、見知らぬ字は何が書かれてあるかわからない。
嘆息して時間がすぎるのを待った。
なにせ携帯もパソコンもない。
ここがどこか知る手がかりがないのだ。
まるで異世界に紛れ込んだようだようだ。
夜になり、男がやってきた。
白いストンとしたワンピースを身に着け、頭には白い布を巻いている。
「あなたは誰ですか?」
男は笑った。
「やはり覚えていなかったか」
知り合いなのかと驚き、だがどれほど掘り起こしても思い出せない。
じっと見つめれば男は「思い出して欲しい」と教えてはくれない。
「ここはどこですか」
男は知らない国の名前を口にした。
「砂漠の中にある小さな国だ」
「どうして俺を連れてきたのですか?」
「昔の約束を守ったからだ。まさか結婚しているとは思わなかった」
ずいぶん乱暴に連れてきたなとは言わなかった。
男が何を考えているのか分からなかったからだ。
なのに当たり前のようにベッドに押し倒してこようとした。
慌てて止めた。
「今日は……やめてください」
「ああ、ずいぶんと無理をさせたからね。今日はただ休むとしよう……本当は毎晩抱いても足りないのだがね」
男は受けを抱きしめ寝物語をした。
存在を思い出すヒントのように日本のことを話し始めた。
それを幾晩も続けた。
小さなピースを拾い集めて、離れている日中、ひたすら考えた。
小さい頃日本にいたこと。
高い山が見える小さな家だったこと。
隣の犬がよく吠えていたこと。
川で溺れたこと。
年上の小学生に助けられたこと。
母はパンケーキが上手だったこと。
けれど事故で死んでしまったこと。
父の使いという大人たちがやってきたこと。
この国に連れてこられたこと。
ある夜、男は受けを抱きしめて話した。
「私はあの町を離れるのが嫌だった。助けてくれた彼と約束をしたから。ずっと一緒にいてくれると。何度でも助けてくれると。母が死んで泣いてたときにしたんだ」
受けは詰めていた息をそっと吐き出した。
「けれど父はこの国の要職に就いていて国を離れられないと、強引にここへと連れてこられたこと。彼には挨拶一つできなかった」
いつも泣いていた男の子の顔が浮かんでいた。
けれど今の彼からは全く異なった顔だった。
細くて繊細で、確か自分より五つ年下だった記憶がある。
だが目の前の男はずっと年上に見えてちっとも分からなかったし、面影もなかった。
こんなにも人間は顔が変わるのかと驚いた。
「あの子なのか?」
ポロリと名前を言えばふわりと笑った。
「貴方のことを一時も忘れなかった」
だがどこか寂しげな顔をしていた。
思い出してくれたならもう解禁だとばかりに男はまた受けを抱いてきた。
昔、哀れな子供の姿が思い起こされ、拒めなくて抗うこともできず、与えられる愉悦に悶え続けた。
だが、日本語が堪能なのにどこかアンバランスな言動に違和感を覚えた。
なぜこれを知っていて、これが分からないのだろうと。
暇な時間、できる限り男の観察を続けた。
受けの身の回りの世話をする女性は毎日異なり、だが皆何も喋ろうとしない。
声をかけてもビクリと肩を振るわせて怯えるように逃げていく。
試しに部屋から出てみたが、分からない言葉で騒がれて無理矢理部屋に押し戻された。
次の日から門番のような屈強な男が扉の前に立つようになった。
理由が分からなかった。
低い建物なら窓から出られるだろうかと試みれば、また見つかりすぐに窓に格子がつけられた。
まるで監禁だと男にこんな生活は嫌だと訴えた。
「なぜだ?ここまで貴方を寵愛しているというのになぜ外に出ようと思うのだ?」
なぜ?
当たり前だろうと理由を訴えた。
こんなに休んでは仕事はなくなるし、日本にいる両親が心配だ。
それに……いや、それ以外ないことに驚いた。
「両親が心配ならここへ呼べばいい。会社は心配ない、もう籍はないのだから」
「せっかく入った会社なのに!」
「金が必要なら言えばいい、貴方がねだればいくらでも出そう」
「違う、そういうことを言ってるんじゃない!」
ただ、金が欲しくてやっていたのではない。
やりがいがあったから、生きがいだから続けてきたのだと訴えても、男には響かなかった。
「何不自由ない暮らしは不満か。困ったな……けれど貴方はもう日本に帰れると思わないで欲しい」
自分は男に抱かれるために存在しているかのような扱いに、受けは初めて抗った。
男も向きになったかのように押さえ付けてきて犯してくる。
「貴方を放さない!もう私のものだ!!」
「やめろっ!」
それでも男に慣らされた身体は愉悦を貪って悶えた。
受けもムキになってなんとかここから逃げだそうと思うようになった。
いつものように窓の格子をなんとか外そうと格闘してると紙を見つけた。
「逃げる方法は……」と日本語で書かれていた。
試してみれば書かれたとおり、人々の目を盗んで脱出できた。
手紙に書かれていた場所まで辿りつけば、そこには強靱な肉体の男たちが複数おり、受けを待ち構えていた。
すぐに縛り上げられた。
『お前が寵妃か』
日本語ではないが仕事で使っていた言語に声の主を見れば、髭を蓄え目がギラギラした人物がいた。
『寵妃など知りません、私は日本に帰りたいのです』
『何を言っている、大人しくしていればいいんだ!』
容赦なく殴られ、髭が部屋から出ると男たちが受けを囲んで手を伸ばしてきた。
女物の服の下に現れた身体を見て嗤い、痛めつけるように弄んできた。
まるで道具のように乱暴に犯され続けた。
休む時間なんてもらえず、開いた蕾にどんどんと男が蜜を放っていく。
何かを喋っては嘲う屈強な男たち。
受けはなぜ自分がこんな目に遭わされるのか分からず、人形のように揺すぶられるしかなかった。
本当に人形になったように声すらも上げられなくなった。
もう何日も犯され続け、心がおかしくなりそうだった。
なにが悪かったのか。
妻と離婚したからなのか、それとも子供を助けたからなのか。
離婚してからというもの何もいいことがないと、声も上げずに涙だけを流していった。
それも止まった頃、男たちが受けの上から消えた。
代わりに男の顔が見えた。
「大丈夫ですか!?」
答えられなかった。
身体を清められ美しい服を着せられ元の寝台に横たわっても、声は出なかった。
「すまない……すまないっ!」
絞り出すような声にすら心は動かず、目を閉じた。
目を開け食事を口にしてまた寝るだけの日々。
男は何度も受けの顔を見に来たが、反応できなかった。
夜になれば男たちに犯された記憶に苛まれ声なく叫んだ。
そのたびに男が抱きしめ「すまないっ」と謝ってきたが受けの耳には入らなかった。
身体の傷は癒えても心に残った大きな傷は深く、受けを苦しめた。
「巻き込むべきじゃなかった……だがもう貴方を手放せないんだ、すまない」
無意味な言葉は受けの心には残らなかった。
反応しない受けに男は次第に諦めていった。
「日本に帰りたいですか?」
初めて受けが反応を示した。
男は嘆息して強く受けを抱きしめた。
「かえりたい……」
男は抱く力を一瞬だけ緩め、だがまた痛いくらい抱きしめてきた。
「分かった、けれどもう少し待っていてくれ。その願いは必ず叶える……だが今は……無理なのだ、すまない」
男はまた目の光を失った受けを見て悲痛な顔をした。
それからしばらく男は来なかった。
代わりにやってきたのは身の回りの世話をする日本語が話せる補佐役だった。
「何かが要望はありませんか?」
答えない受けに何度も声をかけてきた。
そして必要もないのに男の話を始めた。
王族でも優秀な男は次期王と望まれているとか。
国民にも人気が高いため政敵が多いとか。
受けを攫ったのも政敵の一人で粛正されたとか。
「正妃の腹ではありませんが、幼い頃から優秀であの方と乳兄弟であるのが私の誇りなのです」
おかしかった、なぜ乳兄弟が存在するのか。
「男はいくつなのですか?」
ぼんやりと訊ねれば三つ上だという。
年下のあのかわいそうな子供ではなかったのか。
混乱してまたおかしくなった受けは、心を穏やかにする薬を打たれた。
それから心の薬と入眠薬を毎日飲まされた。
常に頭はぼんやりとする受けに、秘書は口を噤むようになった。
変わらない日々にまた寝て起きるだけの生活が続いた。
症状が落ち着いた頃、男がやってきた。
「日本に行こう。一緒に行こう」
「……いやだ、信用できない」
頭がぼんやりする分、取り繕えない本音が零れ出た。
「お前は誰だ、あの子じゃないんだろう。一体なんのためにここに連れてきた」
「すまない……」
受けだけが日本に戻された。
けれどまともに以前の生活に戻れるはずもなく、入院して心のリハビリを繰り返した。
退院して、元の家とは別の場所に連れていかれた。
高そうな都心の高層マンションだった。
案内された部屋には、男がいた。
「なぜいるんだ」
驚く受けとはよそに男は当たり前のようにコーヒーを煎れ受けに差し出した。
「私たち二人の部屋だからだよ」
「……出て行く」
「ダメだ……もう離せない。貴方が好きなのです」
「お前は誰なんだ」
男は嘆息して真実を告げた。
男の子が父である国王に引き取られ、年が比較的近い男が遊び相手になった。
男にとって異母弟である子供は母の家の力で順位が決まる後宮では無力な子供でしかなかった。
男は遊び相手になり話を聞くために日本語を必死に覚えた。
子供は母の話と、受けの話ばかりした。
男が暗記できてしまうほどに。
だが母を失いなれない異国での暮らしは小さい身体を苛んだ。
10を迎える前に土に還った。
子供が慕っていた受けのことが頭から離れなかった男は、大人になってやっとできた時間で会いに行ったが結婚していたことに驚いた。
今でも子供のことを慕って帰りを待っていると勝手に想像していたのだ。
怒りを覚えた男は二人を別れさせた。
その間何度も受けの姿を見て……気がつけば恋に落ちていた。
離婚をした日、もう自分を抑えられず攫って抱いた。
子供のことを覚えているか試したら勘違いされて……許されるならとそのまま真実を言わずに受けを抱き続けた。
「すまない、私はたくさんの嘘を貴方についた。けれど愛するこの気持ちには嘘はない。だからはじめからやり直させて欲しい」
受けは男を殴った。
「ふざけるな!お前のせいで俺は……!」
離婚はいい。
だが職を失い、薬がなければ眠れないほどの苦しみを抱くようになった。
とても許せはしない。
「償わせて欲しい、貴方にこれから先の私の人生すべてで償わせて欲しい」
男は殴られた顔を押さえもせず懇願してきた。
感情の起伏で疲れた受けは「勝手にしろ」とだけ言い、ソファに倒れた。
体力が圧倒的になかった。
男は受けをベッドに運び、次の日から受けのために一緒に散歩に出かけたり犬を飼ったりと、精神科の医師が進めることを何でも受け入れ、受けと行った。
犬の散歩で外の季節を感じ、家政婦が作る食事で健康を取り戻していった受けに、男は手を出しはしなかった。
同じ家にいるからと身構えていた受けもいつの頃からなぜ男と住んでいるか分からなくなっていた。
ただこのままではダメだとアルバイトを探した。
コンビニバイトが決まると男に言った、働くと。
「なぜ、金に困らない生活を約束する!だから無理に仕事をする必要はないだろう」
男がいくつもの会社を母国や国外に持ち、リモートで指示を出しているのは同じ家にいれば嫌でも分かる。
金には困らないだろう、だが自分は男に施しを貰う立場でいるのは嫌だった。
止めようとする男を振り切ってリハビリのように週五でコンビニバイトをした。
給料が口座に振り込まれたのを見て、受けは男に言った。
「金がたまったらここから出る」
「いやだ。愛する貴方を手放すなどで気はしない」
「このままじゃあんたが何言っても受け入れられない。少し時間をくれ、一人になりたい」
「……ならば家を用意する」
「男としての尊厳を取り戻したいんだ!」
散々だったあの国の日々に削げてしまったプライドを取り戻したかった。
自分の力だけで生活できたなら少しは現況を変えられると考えた受けは、何も言えず固まった男に背中を向けた。
そして金が貯まると家を出た。
安いアパートを借り、一日で生活を始めた。
常に護衛が着いているのは感じていたが、あえて目を瞑った。
それどころか護衛と何度か話をした。
世間が寒くなりまコンビニの店内になじみのクリスマスソングが流れる頃、受けは初めて自分から男の家を訪ねた。
慌てて出てきた男は、かつての精悍さはなかった。
髭は生やし放題で、服もヨレヨレだった。
「どうしたんだ?」
受けが訊ねると男は慌てて部屋に引っ込んでシャワーを浴び始めた。
乳兄弟が部屋に招き入れ、教えてくれた。
受けが出て行ってから廃人のようになってしまったと。
涙目で「戻ってきてくださいお願いします」と懇願された。
さっぱりして真新しい服を身につけた男がリビングにやってきた。
「みっともない姿を見せて済まなかった」
「これを渡そうと思ったんだ」
綺麗にラッピングされた箱を渡した。
男は箱を開け中から出てきたキーケースを手にした。
「あんたの持ち物にしては安っぽいかもしれないけど、誕生日のプレゼントだ」
「これは……」
ケースの中には一つ鍵がぶら下がっていた。
「アパートの鍵だ。まだ好きなら……来ていい」
それだけ言って席を立とうとして、すぐに強く抱きしめられた。
「許されたと思っていいだろうか……」
「許してはいない。今でもあんたのしたことに怒ってる……でもそんなに好きなら、付き合ってもいいと思ってる」
不器用な遠回しな言い方なのに、男は「ありがとう」と何度も言い、「思いを伝えさせてくれ」と寝室に運ばれていった。
そんなつもりはなく、これからそういう雰囲気になればいいと思っていた受けはバタバタと暴れたが、切羽詰まったように自分を抱く男に観念してすべてを受け入れるのだった。
が、当然一緒に住むことなくそれぞれに独立した生活をと抵抗する受けに、男はあの手この手で同居に引きずり込もうと画策してするという攻防を続けるのだった。
おしまい
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