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書籍化記念

Happy Lovely Christmas 19

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 思わず恥ずかしくなり身体を隠すようにシーツを引き寄せたが、半身を覆う前に留められ、覆い被さってくる。

「今日の朔弥はいつもよりも恥ずかしがり屋だね。昔のことを思い出したのかい?」

「……いじわるです」

 わかっていて訊ねる。

 甘く爽やかなオレンジのカクテルを呼び水にして、この一年半を一緒に過ごした部屋が新鮮に思えてしまうトリップにかかってしまっている。

 なによりも、柾人と付き合ってから一度だって口にしなかったアルコールを今日出すなんて。

 つい「ずるい」と言ってしまうが、酔って昔の感覚に囚われて抜け出せずにいるのは朔弥自身だ。あの頃の、何も知らない身体には戻れないというのに、初めて彼とベッドを共にしたときと同じように恥ずかしくてしょうがない。

「では初めての時のように丁寧に抱かないとね」

 チュッと唇を吸われ、またぬるりと挿ってきた。舌を掬い上げられれば、もう馴染んだ甘さを求めて自ら這わせていく。絡まれば気持ちよくて、夢中になる。こんなキスだって本当に一月ぶりだ。唇が触れ合うだけのキスばかりを繰り返し、本当は物足りないと感じていたのだ。

 もっと求めてほしい。自分を欲してほしい。

 理性なんてかなぐり捨てて貪ってほしい。

 そう願う自分は、卑怯だとも知っている。すべてを柾人に委ね自分では動かなかったあの頃を知っているのに、今でも変わらず心を向けてくれるのが嬉しい。

 こんな柾人だから彼のために何かをしたいと熱く願い続けた。

 自分に差し出せるのはこの身体だけだと思っていたが、あの頃と違うのが嬉しい。

(もうすぐだ……オレの全部を本当に柾人さんに渡せる)

 すべての時間を彼のために費やすことができる。

 それが嬉しいのに、どうしてか今日は恥ずかしさが拭えない。もっと弄ってほしくてしょうがない最奥の蕾が疼き、早く彼の欲望に貫かれたいのに、ねだれない。

 キスに必死になることで自分を誤魔化すが、確実に腹の奥の熱は上がっていく。

 早く解放したい。早く気持ちよくなりたい。

 そんな気持ちを込めてキスを深くすれば、心得たように柾人の手がサイドチェストの抽斗に伸びた。中に入っている透明なボトルを取り出すと、身体を反転し朔弥を逞しい身体の上に乗せた。口付けを解かず。

 夢中になって彼の唇を貪る朔弥の舌を甘く噛みながら、たっぷりとローションで指を濡らし、露わになった蕾に近づけた。

「んんっ! あっ」

 ぬるりと挿ってきたのは先程よりも多い指。仰け反って離れた唇から零れた。
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