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書籍化記念

Happy Lovely Christmas 16

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 器用な手がデニムのウエストを絞っていたベルトにかかった。首筋を舐めては吸う唇に翻弄された朔弥は、すぐに自分を溶かす逞しい腕にしがみ付いた。筋肉の動きで彼が何かをしていると理解しても、甘い刺激を貪欲に貪る身体は意識をそちらに集中する。

 淫らな分身が中途半端な膨らみから徐々に形を変え、先端から蜜を零していく。

 ボタンを外せばスリムなデニムなのに、ゆっくりと落ちていった。また痩せていったことを心配するように、大きな手が腹回りを撫でていく。下腹部に近い場所ばかり撫でられて腹の奥の疼きが大きくなる。

 我慢なんてできない。だって一ヶ月もしていないのだから。

 下着の中にそっと手が入っていく。

 浅いビキニ型の下着は柾人の手が入るとずるりと下り、力を持った分身が跳ね出た。

「あ……」

 たったあれだけの刺激でこんなにも感じてしまう自分が恥ずかしくて、顔を隠すように硝子窓に額を着けた。東京の夜景が広がった大きな硝子は、明るい室内の光で鏡のように二人の姿を映し出している。

 高層マンションでも上階の部屋は、外から覗かれることがないとわかっていても、淫らな自分の姿が見られているようで、恥ずかしくて身体を落とそうとするが、すぐに柾人によって妨げられる。

「部屋に……」

「すまない。朔弥に飢えているんだ」

「やっ!」

 露わになった臀部を撫でた手が、躊躇うことなく透明な蜜を浮かべる分身を握り込んだ。

「感じている可愛い顔を見せてくれ」

「だめっ……それしたら」

 グニグニと先端を刺激していた指が蜜を浮かべる小さな穴を苛んできた。敏感な場所を弄られると、もう駄目だ。顔を隠したかったことすら忘れて仰け反ってしまう。

「あぁ、もうすっかり可愛い顔になっているんだね、朔弥。やはり綺麗だ……」

 耳元に囁かれる声が色を含み、臀部に押し当てられているチノパンの前の膨らみに、ギュッと下腹部に力を入れた。

「あ……」

 期待に満ちた自分の声すら恥ずかしい。窓硝子に映った柾人の顔が、男の色気を含んだものへと変わっている。いつもは紳士的に振る舞う彼が、身体を貪るときだけに見せる表情にずくりと腹の奥がざわめく。

 すべてを奪い尽くされて、愉悦に翻弄される時間の始まりの合図でもある。

「もしかして、朔弥は昔のことを思い出したのかな」

 オレンジ味のアルコール。ふわふわとした浮遊感。彼に求められて初めて知った強烈なまでの快楽。それまで痛みしか存在しなかった行為に、違う世界で塗り替えた人は、今も自分を欲してくれているのが嬉しい。
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