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第二章

10-5 ☆

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「いいかい?」

「はっやく……」

 窄まった蕾を露わにする淫らさにゴクリと唾を飲み込み、傷つけないようにゆっくりと指を飲み込ませていった。

「ぁぁっ……んっ!」

「痛かったらすぐに止めるから、言ってくれ朔弥」

「ゃっ……もっとぉ」

 柾人の与える刺激を欲しがって浮く腰にキスをしながら、久しぶりだからと人差し指だけを根元まで挿れていった。

「んんっ……ま、さとさっ」

「私がここに挿るのはたっぷりと溶かしてからだ」

 へこんだ腹を舐めキスマークを残していく。朔弥の感じる場所へ指でたっぷりと刺激しながら広げるように動かしていく。これでは足りないというように内壁が淫らに纏わり付くのを味わいながら、身体を徐々に上げていく。一度も触れられていないのに、柾人が育て上げた胸の飾りはピンと尖って早く弄って欲しいと膨らんでいる。あばらが作るくぼみを唇で噛みながらそこへと近づけば、朔弥から甘く熱い吐息が零れた。

 淫らな刺激を求められているのが嬉しくて舌先でくすぐれば、甲高くも甘い啼き声が部屋の空気を震わせた。同時に指を含んだ蕾がきついほど締め付けてくる。

「可愛いね、朔弥は。そんな反応をされたらもう止められないよ」

「ぁぁっ……いい、から。もっとぉ」

 腰が揺らめき自分からいい場所に指を導こうとしている。指を増やし内壁にローションを塗りつけるように動かしながら、朔弥が求めている刺激を与えれば甘い声は一層高くなる。

「ぃいっ! もっとしてぇぇぇ」

 たっぷりと唾液をまぶした胸の飾りを甘く噛みながらもう一度最奥の感じる場所をノックすれば、愛しい身体が愉悦に震え痛いほどに柾人の髪を掴んできた。久しぶりの刺激は朔弥には強く感じるのだろうか。胸に埋めた顔が自然と綻んだ。もっと啼かせるために、身体を支えていた左手も愛撫へと加わり、両方の胸の飾りを可愛がりながら蕾を解していく。

「ぁぁぁぁっ! も、ほしぃよぉ」

「まだだよ……ここがとろとろに溶けるまで。もう二度と君を傷つけたくないんだ」

「ぃたくてもいいからっ、はやくぅ」

 じっとしていられない身体は何度も腰を浮かせては、柾人の腹筋に力を持ち始めた分身を擦り付けてくる。けれどすぐに願いを叶えてやることはできない。少なくとも三本の指が自在に動けるようになるまで、最も感じる場所を解しながら胸を愛撫していく。

 三カ所から襲い来る愉悦と確かな快楽を得られないもどかしさに、朔弥はたっぷりと涙を溜め、眦から零れさせていく。柾人の手でこれ程までにセックスに慣れてしまったのが嬉しくて、あんなことをしたのに今も求めてくれる仕草に、愛おしさが今まで以上に膨れ上がる。

 淫らに絡みつく内壁が三本目の指の挿入を悦びながら妖しく蠢いていく。動くたびにローションが濡れた音を立て始めるまで、柾人は根気よくぬめりを足していってはそれを全体へと塗り込んでいった。

「ゃぁぁっ、も……もぉほしぃよぉぉ」

 どろどろに溶けるように胸の飾りへの刺激を執拗にすると、堪らないとばかりに髪を振り乱しながら涙を飛ばした。

 胸の飾りの先端に歯を立てたら細い腰は堪らないとばかりにギュッと指を締め付けながら腰を上下に跳ねた。

「またっぃっちゃうよぉぉぉ、まぁぉさっ……ぃれてぇぇぇ」

 口淫で達った分身は透明な蜜をたらたらと零しては柾人の腹筋を濡らしていく。繋がるまで堪えているのか、必死で柾人を求めている。

 今までならこれ程までに淫らに誘われれば、柾人も嬉しくてその蕾を欲望で割り開いては彼が止めて欲しいと願っても最奥を苛み続けただろう。だが今日はもっと溶かすために指の動きを激しくしていく。左右に手首を振りながら感じる場所を指の腹で擦っていく。

「ひぃっぁぁぁぁっ! だめぇぇぃくっ! ぃっちゃうよぉぉぉぉぉ」

「達きなさい……何度でも」

「ひとりはやだぁぁぁ……ぃっしょにっ!」

「駄目だ。ここをもっと蕩けさせてからだ、私が挿るのは」

「ぃっ……ぁぁぁぁぁあ!」

 胸の飾りの先端を噛みながら反対のを引っ張れば、耐えられないと腰を激しく上下させながら朔弥が新たな白濁を飛ばしていく。

「ぁ……ぁぁ……」

 最後の一滴を吐き出しても腰が止まらない。ギュウギュウに締め付けてきた蕾が力を失いヒクヒクと蠢きはじめてやっと柾人は指を抜いた。力なく投げ出された膝の裏を押して腰を浮かせてから、口を開いて太いものを欲しがっている蕾に欲望の先端を押し当てた。

「ぃっ……ぁぁぁっ」

 絶頂の痙攣を味わいながら、ゆっくりと欲望を蕩けた蕾へと挿れていく。

「ぃいっ……ぁぁ、まぁぉさっ」

 久しぶりに味わう欲望に朔弥の身体は嬉しそうに震え、もっと奥へと促してくる。

 柾人もまた久しぶりに味わう愛しい身体にすぐにでも達きそうになる。それを奥歯を噛み締め堪えながら、締め付けてくる蕾と妖しく絡みついてくる内壁の甘美な責め苦をじっくりと味わう。

 二人の双球が合わさるほど奥まで挿り動かずにいれば、ようやく呼吸が落ち着いた朔弥が涙を溢れさせた瞳で柾人を見つめてきた。

 無理に笑顔を作ってももうじっとなどしていられない。

 傷つけないように緩やかに腰を動かし始める。

「ぁぁぁぁぁぁっ、ぃい! もっとぉしてぇ! もっとぃっぱぃしてぇぇ」

「あぁ……たくさんするから、待っていなさいっ……そんなに締め付けたらまた酷くしてしまう」

「ぃぃから! もっとぐちゃぐちゃにしてぇ」

「ぅっ! そんなに煽らないでくれ朔弥……あぁもう!」

 膝が胸に付くほど腰を上げさせると、もう柾人は我慢できなくなった。本能のまま腰を動かせば悲鳴に似た啼き声が部屋の空気を淫らに染めていく。奥の奥までを拓くように激しく打ち付けては感じる場所を太い部分で擦られた朔弥は、あまりもの快楽に飲み込まれたように淫らに歪んだ表情を見せてくる。

 欲望を咥えることに慣れた内壁が柾人を悦ばせる。

 すべてが淫蕩で、我慢できず柾人は大きく腰を打ち付けてからたっぷりと朔弥の中に蜜を放った。

「ぁ……っ」

 だらりと流れ落ちる蜜の感触に朔弥も恍惚とする。

 普段見せる清純で清廉な空気はもうそこにはない。快楽に従順な淫らな獣と化した朔弥は満たされないとばかりに貪欲な内壁が達ったばかりの欲望を育てていく。

「安心しなさい……まだ終わらせないから。もっと朔弥を味わわせてくれ」

 力を失った欲望が抜けないようにしながら、朔弥の身体を返した。

「ひっ……ぁぁ」

 期待に満ちた甘い声を聞いてしまえば放せなくなる。

 果たして彼を解放できるのはいつになってからだろうか。

 柾人は乾いた唇を舐めると綺麗な背中に自分の証を残すために唇を近づけた。

 年が明けたばかりの特別な夜だというのに、愛欲にまみれた二人の獣は何度も体位を変え蜜を吐き出しながら、どこまでも相手を貪り続けた。

 そしてその年初めての朝日がゆっくりと登り始めた頃にようやく寝室には穏やかな二人分の寝息が立ち始めた。
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