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44『乙女生徒会長』
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鳴かぬなら 信長転生記
44『乙女生徒会長』
失礼しま……
そこまで言って、固まってしまった(;'∀')
入って左の壁は100インチのモニターが掛かっていて、そこに凄いものが映っていたから……
「やっぱね、足を掛けるタイミングはいいんだけど、ツボを外してしまうから……一気に勝負にもっていけないだよね……」
画面には、たった今まで行われていた巴御前との勝負のリプレイが流れている。
「巴は、まだ恥じらいが抜け切れていないから、勝負をかけるのは……そこ! ああ、外してる……」
二人とも制服のまま床に寝っ転がって脚を絡め合って、脚相撲の真っ最中の映像。
二人とも校則通りのスカート丈なんだけど、もう、女を捨てて勝負にのめり込んでるから、男には見せられない……と言うか、女でも、ちょっと目を伏せてしまう。
「巴はね『女が、こんなみっともない勝負をするか!』って言うんだけどね、本音はやる気満々だと思うのよ」
「で、ですか……」
「だって、わたしと勝負するときは、いつも純白のパンツ穿いてくるんだよ。これって『潔く戦います!』って、意思表示だよ、白は源氏のシンボルカラーでもあるしね。水泳の授業で一緒になって着替えた時はピンクだったしね……勝負になりそうな時は、わざわざ穿き替えてくれていると思うのよ。だったらさ、もっと果敢に攻めてくれても……ね、織田さん、一勝負していかない?」
「お誘いは嬉しいんですけど、ここは、まず、ご用件を……」
「織田さん、けっこう強そう……だしぃ」
ここはきっぱり断っておかなければ、乙女さんの脚相撲は弟の坂本龍馬でさえ勝てなかったというしろものだ。あっちの世界に居たころは、とうぜん着物なわけで、着物というのはパンツというものを穿かない代物で、とうぜん試合が佳境に入るとあられもない姿になってしまう。
ここはパンツを穿く世界だけども、たとえ、パンツを穿いていても恥ずかしいことには違いないわけ。
だから、ここは、きっぱり言っておかないと。
「ご用件を! おっしゃってください!!」
「ちぇ、つまんない……」
不貞腐れながらも、こちらの意志の強さは伝わったようで、しぶしぶモニターの画面を切り替えた。
『三国志偵察隊派遣要項 扶桑府 扶桑高等学校連盟』
大層なタイトルの書類の表題が出てきた。
乙女会長がスクロールさせると、まるでスマホかオンラインゲームの約款みたいに細かな字の長ったらしい文章が昇天するように流れていく。
「分かった?」
「い、いいえ」
「だよね(^_^;)、わたしも、ざっとしか読めてないんだけどね……ま、ここだけは、確認してよ」
乙女さんがマウスをクリックすると、とんでもない決定事項が現れた。
派遣隊員 織田信長(転生学院) 織田 市(転生学園)
「ちょ、ちょっと、なんですか、これは!?」
「だからね、予算の関係と、この転生世界扶桑全体の利益に関わることなので、費用も派遣隊員も学院と学園の双方から出すことに決定したのよ」
「で、でも」
「あなたたちは兄妹だし、あ、今は姉妹かな? とにかく、どちらの学校でもとびきりのホープだし。そうそう、学院の会長さんからもビデオレターが来てたはず……」
乙女さんが数回クリックすると、学院の今川会長の上半身が現れた。
『こんにちは織田さん。あなたは奇しき縁で隊員に選ばれました。けして楽な任務ではありませんが、この転生世界の命運がかかっています。どうか、当学院の信長さんと手を携えて偵察の任務を果たしてください。もとより、この転生世界の安寧のためですが、任務を果たすあなたたちも来たるべき転生においてアドバンテージが上がるはずです。なかば試練と覚悟してお励みください』
転生学院生徒会長 今川よしもと
「あの、なぜ今川会長の名前は平がななんですか?」
「ちょっと事情があってね、どうしても知りたければ教えないこともないけど……」
「いえ、けっこうです」
無理に聞けば、きっと脚相撲を強要される。
「確約はできないけど、増援部隊を派遣できる方向で転生府とも協議を続けていくわ」
「それで、出発はいつなんでしょうか?」
「はい、明日ですよ(^▽^)」
その……桂浜の水平線から昇って来る朝日みたいな笑顔で言って欲しくないんですけど。
☆ 主な登場人物
織田 信長 本能寺の変で討ち取られて転生
熱田 敦子(熱田大神) 信長担当の尾張の神さま
織田 市 信長の妹
平手 美姫 信長のクラス担任
武田 信玄 同級生
上杉 謙信 同級生
古田 織部 茶華道部の眼鏡っこ
宮本 武蔵 孤高の剣聖
今川 義元 生徒会長
44『乙女生徒会長』
失礼しま……
そこまで言って、固まってしまった(;'∀')
入って左の壁は100インチのモニターが掛かっていて、そこに凄いものが映っていたから……
「やっぱね、足を掛けるタイミングはいいんだけど、ツボを外してしまうから……一気に勝負にもっていけないだよね……」
画面には、たった今まで行われていた巴御前との勝負のリプレイが流れている。
「巴は、まだ恥じらいが抜け切れていないから、勝負をかけるのは……そこ! ああ、外してる……」
二人とも制服のまま床に寝っ転がって脚を絡め合って、脚相撲の真っ最中の映像。
二人とも校則通りのスカート丈なんだけど、もう、女を捨てて勝負にのめり込んでるから、男には見せられない……と言うか、女でも、ちょっと目を伏せてしまう。
「巴はね『女が、こんなみっともない勝負をするか!』って言うんだけどね、本音はやる気満々だと思うのよ」
「で、ですか……」
「だって、わたしと勝負するときは、いつも純白のパンツ穿いてくるんだよ。これって『潔く戦います!』って、意思表示だよ、白は源氏のシンボルカラーでもあるしね。水泳の授業で一緒になって着替えた時はピンクだったしね……勝負になりそうな時は、わざわざ穿き替えてくれていると思うのよ。だったらさ、もっと果敢に攻めてくれても……ね、織田さん、一勝負していかない?」
「お誘いは嬉しいんですけど、ここは、まず、ご用件を……」
「織田さん、けっこう強そう……だしぃ」
ここはきっぱり断っておかなければ、乙女さんの脚相撲は弟の坂本龍馬でさえ勝てなかったというしろものだ。あっちの世界に居たころは、とうぜん着物なわけで、着物というのはパンツというものを穿かない代物で、とうぜん試合が佳境に入るとあられもない姿になってしまう。
ここはパンツを穿く世界だけども、たとえ、パンツを穿いていても恥ずかしいことには違いないわけ。
だから、ここは、きっぱり言っておかないと。
「ご用件を! おっしゃってください!!」
「ちぇ、つまんない……」
不貞腐れながらも、こちらの意志の強さは伝わったようで、しぶしぶモニターの画面を切り替えた。
『三国志偵察隊派遣要項 扶桑府 扶桑高等学校連盟』
大層なタイトルの書類の表題が出てきた。
乙女会長がスクロールさせると、まるでスマホかオンラインゲームの約款みたいに細かな字の長ったらしい文章が昇天するように流れていく。
「分かった?」
「い、いいえ」
「だよね(^_^;)、わたしも、ざっとしか読めてないんだけどね……ま、ここだけは、確認してよ」
乙女さんがマウスをクリックすると、とんでもない決定事項が現れた。
派遣隊員 織田信長(転生学院) 織田 市(転生学園)
「ちょ、ちょっと、なんですか、これは!?」
「だからね、予算の関係と、この転生世界扶桑全体の利益に関わることなので、費用も派遣隊員も学院と学園の双方から出すことに決定したのよ」
「で、でも」
「あなたたちは兄妹だし、あ、今は姉妹かな? とにかく、どちらの学校でもとびきりのホープだし。そうそう、学院の会長さんからもビデオレターが来てたはず……」
乙女さんが数回クリックすると、学院の今川会長の上半身が現れた。
『こんにちは織田さん。あなたは奇しき縁で隊員に選ばれました。けして楽な任務ではありませんが、この転生世界の命運がかかっています。どうか、当学院の信長さんと手を携えて偵察の任務を果たしてください。もとより、この転生世界の安寧のためですが、任務を果たすあなたたちも来たるべき転生においてアドバンテージが上がるはずです。なかば試練と覚悟してお励みください』
転生学院生徒会長 今川よしもと
「あの、なぜ今川会長の名前は平がななんですか?」
「ちょっと事情があってね、どうしても知りたければ教えないこともないけど……」
「いえ、けっこうです」
無理に聞けば、きっと脚相撲を強要される。
「確約はできないけど、増援部隊を派遣できる方向で転生府とも協議を続けていくわ」
「それで、出発はいつなんでしょうか?」
「はい、明日ですよ(^▽^)」
その……桂浜の水平線から昇って来る朝日みたいな笑顔で言って欲しくないんですけど。
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