上 下
114 / 432

114『三人で喋ると何かが変わる』

しおりを挟む
せやさかい

114『三人で喋ると何かが変わる』 

 

 

 ホリエモンがヘソヘルニアってのになって救急搬送されたんだって!

 
「ほんとですか!?」

 留美ちゃんは目を輝かして身を乗り出す。

 その勢いで、コタツの上のミカンがコロコロと転がり落ちてあたしの手に収まった。

 ミカンの皮を剥きながら聞く?

「ホリエモンて?」

「「え!?」」

 頼子さんも留美ちゃんもフリーズしてしもた。

 
 そんなことも知らないのか!? というオーラがしてる(^_^;)。

 
「ドラえもんの後輩ネコ型ロボットだよ。ドラえもんよりも食い意地が張ってて、お正月にいろいろ食べ過ぎてヘソヘルニアになったんだよ」

 真顔で教えてくれる頼子さん。

 ドラえもんなんて、ここ最近は読んだこともないよって、最近は、そういう展開になってんのか! と感心しかけた。

「ウ、プ、プハハハ!」

 留美ちゃんが噴き出したんで、頼子さんのフェイクと察しが付く。

「もーー、嘘やったんですかあ!」

「あ、ごめんごめん、さくらがあどけないんで、ついよ、つい」

「ホリエモンっていうのはね……」

「あ、待って、自分で調べる」

 留美ちゃんを制止して、自分でノーパソを開く。

 
 ライブドアとかの代表をやってた。ニッポン放送の株をいっぱい買った。粉飾決算とかで刑務所に入れられてた。民間ロケットの打ち上げに精を出してる……などなどが出てきた。

 なるほどね、やる気満々のチョイ悪オヤジ的な、でも、精力的なオッサンのイメージが湧いてきた。

「写真は出てる?」

「待ってください……」

 画像に切り替える。

「おお……!」

 写真はイメージとは違た。

 ちょっと小太りで、優しさ半分頼りになりそう半分。隠し味的に面白そう。で、ドラえもん的なニックネームがついてるのが頷ける。

 正直、クラスの担任が、こんな感じやったらええかなあ……春日先生ごめんなさい。

「この人がヘソアレルギー?」

「ちがうよ、ヘソヘルニア」

 ヘソヘルニアについては頼子さんも詳しくないようで、いっしょに検索してなるほどと頷いた。

「スノボやってて、急にお腹が痛くなって、自分で救急車呼んだのね」

 
 今日の部活は、ホリエモンとヘソヘルニアの話題で盛り上がる。

 その間に、キンツバと釣鐘饅頭を平らげ、三人交代でダミアをモフモフ。

 まあ、文芸部いうのは、こういうクラブです。

 緩い話をしながら、知識を仕入れ、互いの友情をはぐくむ……おお、これは、生徒会に出す活動報告の文句に使えそう。

 三人でおしゃべりすると、興味が湧いてくるし、ちょっとは勉強になる感じがする。

 で、ちょっと気になることを聞いてみた。

「真理愛女学院のことは調べたんですか?」

 頼子さんは受験を決意してたけど、あんまり話題には上がってないんで振ってみた。

「ああ、詩(ことは)さんに聞いてみよう…………かとも思ったんだけどね、やっぱ、自分で見なきゃ分からないと思うのよ」

「みよう」と「かとも」の間に間が空いた。

 この間の間に、頼子さんは考えてるなあという感じがする。

「自分の目で確かめてみようと思うの、うん。うん、そうだ!」

 
 頼子さんはスマホを出すと、なんと、真理愛女学院に電話を掛け始めた!

 
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

お嬢様、お仕置の時間です。

moa
恋愛
私は御門 凛(みかど りん)、御門財閥の長女として産まれた。 両親は跡継ぎの息子が欲しかったようで女として産まれた私のことをよく思っていなかった。 私の世話は執事とメイド達がしてくれていた。 私が2歳になったとき、弟の御門 新(みかど あらた)が産まれた。 両親は念願の息子が産まれたことで私を執事とメイド達に渡し、新を連れて家を出ていってしまった。 新しい屋敷を建ててそこで暮らしているそうだが、必要な費用を送ってくれている以外は何も教えてくれてくれなかった。 私が小さい頃から執事としてずっと一緒にいる氷川 海(ひかわ かい)が身の回りの世話や勉強など色々してくれていた。 海は普段は優しくなんでもこなしてしまう完璧な執事。 しかし厳しいときは厳しくて怒らせるとすごく怖い。 海は執事としてずっと一緒にいると思っていたのにある日、私の中で何か特別な感情がある事に気付く。 しかし、愛を知らずに育ってきた私が愛と知るのは、まだ先の話。

連れ子が中学生に成長して胸が膨らむ・・・1人での快感にも目覚て恥ずかしそうにベッドの上で寝る

マッキーの世界
大衆娯楽
連れ子が成長し、中学生になった。 思春期ということもあり、反抗的な態度をとられる。 だが、そんな反抗的な表情も妙に俺の心を捉えて離さない。 「ああ、抱きたい・・・」

♡蜜壺に指を滑り込ませて蜜をクチュクチュ♡

x頭金x
大衆娯楽
♡ちょっとHなショートショート♡年末まで毎日5本投稿中!!

妻がエロくて死にそうです

菅野鵜野
大衆娯楽
うだつの上がらないサラリーマンの士郎。だが、一つだけ自慢がある。 美しい妻、美佐子だ。同じ会社の上司にして、できる女で、日本人離れしたプロポーションを持つ。 こんな素敵な人が自分のようなフツーの男を選んだのには訳がある。 それは…… 限度を知らない性欲モンスターを妻に持つ男の日常

両隣から喘ぎ声が聞こえてくるので僕らもヤろうということになった

ヘロディア
恋愛
妻と一緒に寝る主人公だったが、変な声を耳にして、目が覚めてしまう。 その声は、隣の家から薄い壁を伝って聞こえてくる喘ぎ声だった。 欲情が刺激された主人公は…

お兄ちゃんはお医者さん!?

すず。
恋愛
持病持ちの高校1年生の女の子。 如月 陽菜(きさらぎ ひな) 病院が苦手。 如月 陽菜の主治医。25歳。 高橋 翔平(たかはし しょうへい) 内科医の医師。 ※このお話に出てくるものは 現実とは何の関係もございません。 ※治療法、病名など ほぼ知識なしで書かせて頂きました。 お楽しみください♪♪

ロリっ子がおじさんに種付けされる話

オニオン太郎
大衆娯楽
なろうにも投稿した奴です

結婚前の彼の浮気相手がもう身籠っているってどういうこと?

ヘロディア
恋愛
一歳年上の恋人にプロポーズをされた主人公。 いよいよ結婚できる…と思っていたそのとき、彼女の家にお腹の大きくなった女性が現れた。 そして彼女は、彼との間に子どもができたと話し始めて、恋人と別れるように迫る。

処理中です...