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196『ペギーのだんご屋』
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RE・かの世界この世界
196『ペギーのだんご屋』テル
「おやおや、今度はだんご屋さんですか(^▽^)」
「いらっしゃいませ~₍ᐢ.ˬ.ᐡ₎」
「お待ちしてましたよ、御一行さま₍ᐢ.ˬ.ᐡ₎」
イザナギさんが声をかけると、ペギーとバイトの女の子が笑顔で出迎えてくれる。
二人とも柿色の作務衣にウグイス色の前掛けを掛けて、いかにもだんご屋という感じだ。なぜか二人とも白いウサ耳を付けている。
「地域振興を兼ねてましてね、因幡の白ウサギですよ」
「ああ、もうそんなところまで気を遣ってもらってるんですかぁ」
恐縮して頭を掻くイザナギさん。
「そんなところというのは?」
「なんにも知らねえんだな、ヒルデのねえちゃん」
「北欧神だからな」
「因幡の白ウサギだろ、おばちゃん?」
「ああ、そうだよ。岡山は二号が現れるくらい桃太郎が有名だけどね」
「二号で悪かったな」
口を尖らせる桃太郎二号、やっぱり気にしてるんだ。
「うふふ( ´艸`)」
「あ、白ウサギ、笑ったな!」
テヘペロをかます白ウサギ。愛想はいいが、なんか無口だ。
「サメを相手に喋り過ぎたんで、気を付けてんのよ」
ああ、騙したことをわざわざ言って赤裸にされたもんね。
「まあ、だんご買ってくれた人の一割でも島根や鳥取に足を伸ばしてくれたらって、協力させてもらってんの」
「でも、インバウンドとかで外国の客とかは増えてんじゃねえのか?」
「…………いくらかは」
困ったように微笑む白ウサギ。
「しっかり増えてりゃ、この子も岡山までバイトには来ないさ……あ、きび団子だろ?」
「あ、そうそう。五人前」
ケイトが桃太郎二号の肩に手を置く。
「うん? え、オレが買うのか!?」
「当たり前、きび団子と言えば、桃太郎がお供に配るものってのがデフォルトでしょーが」
「けっこうおいしいぞ」
「うんうん」
いつの間にか、ヒルデとタングニョーストが試食している。無口だけども白ウサギも商売がうまい。
桃太郎二号がしぶしぶきび団子を、我々は装備やアイテムを買って準備を整える。
「あ、あれを預けたら」
一通りそろったところで、ペギーが白ウサギに振った。コクコク頷いて、白ウサギは手紙の束が入った袋を取り出した。
袋には「黄泉の国宛て」と書いてあって、郵便番号は000―0000となっている。
「黄泉比良坂(よもつひらさか)の前で手紙を焼くと、亡くなった人に届くって言われてるのさ」
へえ!
「買い物してくれた人へのサービスで始めたら、けっこう集まってね、シーズン終わってから行ったんじゃ、ちょっと遅くなるしね」
「ええ、なんかめんどくせえ」
「それに、きっと役に立つ。きび団子も二割引きにしといてやるからさ」
「お、おう、それなら頼まれておいてやる」
「鬼ノ城へは、桃太郎鉄道で総社市まで行ったほうが道が開けてるよ、マップも付けとくよ」
「ありがとう、ペギー」
「気を付けて!」
エビス顔のペギーと無口な白ウサギの笑顔に送られて岡山駅を目指す。
出店を十メートルほど離れると、スイッチが入ったように店が賑やかになる。
「うっわー、すっげーお客!?」
桃太郎二号がビックリ、イザナギさんは恐縮したように頭を掻く。
どうやら、わたしたちの相手をするために魔法で客足を停めてくれていたみたいだった(^_^;)。
☆ ステータス
HP:20000 MP:400 属性:テル=剣士 ケイト=弓兵・ヒーラー
持ち物:ポーション・300 マップ:16 金の針:60 福袋 所持金:450000ギル(リポ払い残高0ギル)
装備:剣士の装備レベル55(トールソード) 弓兵の装備レベル55(トールボウ)
技: ブリュンヒルデ(ツイントルネード) ケイト(カイナティックアロー) テル(マジックサイト)
白魔法: ケイト(ケアルラ) 空蝉の術
オーバードライブ: ブロンズスプラッシュ(テル) ブロンズヒール(ケイト) 思念爆弾
☆ 主な登場人物
―― かの世界 ――
テル(寺井光子) 二年生 今度の世界では小早川照姫
ケイト(小山内健人) 照姫の幼なじみ 異世界のペギーにケイトに変えられる
ブリュンヒルデ 主神オーディンの娘の姫騎士
タングリス トール元帥の副官 ブリの世話係
タングニョースト トール元帥の副官 ノルデン鉄橋で辺境警備隊に転属
ロキ ヴァイゼンハオスの孤児
ポチ シリンダーの幼体 82回目で1/12サイズの人形に擬態
ペギー 異世界の万屋
ユーリア ヘルム島の少女
その他 フギンとムニン(デミゴッドブルグのホテルのオーナー夫婦)
日本神話の神と人物 イザナギ イザナミ 那須与一 桃太郎 因幡の白兎
196『ペギーのだんご屋』テル
「おやおや、今度はだんご屋さんですか(^▽^)」
「いらっしゃいませ~₍ᐢ.ˬ.ᐡ₎」
「お待ちしてましたよ、御一行さま₍ᐢ.ˬ.ᐡ₎」
イザナギさんが声をかけると、ペギーとバイトの女の子が笑顔で出迎えてくれる。
二人とも柿色の作務衣にウグイス色の前掛けを掛けて、いかにもだんご屋という感じだ。なぜか二人とも白いウサ耳を付けている。
「地域振興を兼ねてましてね、因幡の白ウサギですよ」
「ああ、もうそんなところまで気を遣ってもらってるんですかぁ」
恐縮して頭を掻くイザナギさん。
「そんなところというのは?」
「なんにも知らねえんだな、ヒルデのねえちゃん」
「北欧神だからな」
「因幡の白ウサギだろ、おばちゃん?」
「ああ、そうだよ。岡山は二号が現れるくらい桃太郎が有名だけどね」
「二号で悪かったな」
口を尖らせる桃太郎二号、やっぱり気にしてるんだ。
「うふふ( ´艸`)」
「あ、白ウサギ、笑ったな!」
テヘペロをかます白ウサギ。愛想はいいが、なんか無口だ。
「サメを相手に喋り過ぎたんで、気を付けてんのよ」
ああ、騙したことをわざわざ言って赤裸にされたもんね。
「まあ、だんご買ってくれた人の一割でも島根や鳥取に足を伸ばしてくれたらって、協力させてもらってんの」
「でも、インバウンドとかで外国の客とかは増えてんじゃねえのか?」
「…………いくらかは」
困ったように微笑む白ウサギ。
「しっかり増えてりゃ、この子も岡山までバイトには来ないさ……あ、きび団子だろ?」
「あ、そうそう。五人前」
ケイトが桃太郎二号の肩に手を置く。
「うん? え、オレが買うのか!?」
「当たり前、きび団子と言えば、桃太郎がお供に配るものってのがデフォルトでしょーが」
「けっこうおいしいぞ」
「うんうん」
いつの間にか、ヒルデとタングニョーストが試食している。無口だけども白ウサギも商売がうまい。
桃太郎二号がしぶしぶきび団子を、我々は装備やアイテムを買って準備を整える。
「あ、あれを預けたら」
一通りそろったところで、ペギーが白ウサギに振った。コクコク頷いて、白ウサギは手紙の束が入った袋を取り出した。
袋には「黄泉の国宛て」と書いてあって、郵便番号は000―0000となっている。
「黄泉比良坂(よもつひらさか)の前で手紙を焼くと、亡くなった人に届くって言われてるのさ」
へえ!
「買い物してくれた人へのサービスで始めたら、けっこう集まってね、シーズン終わってから行ったんじゃ、ちょっと遅くなるしね」
「ええ、なんかめんどくせえ」
「それに、きっと役に立つ。きび団子も二割引きにしといてやるからさ」
「お、おう、それなら頼まれておいてやる」
「鬼ノ城へは、桃太郎鉄道で総社市まで行ったほうが道が開けてるよ、マップも付けとくよ」
「ありがとう、ペギー」
「気を付けて!」
エビス顔のペギーと無口な白ウサギの笑顔に送られて岡山駅を目指す。
出店を十メートルほど離れると、スイッチが入ったように店が賑やかになる。
「うっわー、すっげーお客!?」
桃太郎二号がビックリ、イザナギさんは恐縮したように頭を掻く。
どうやら、わたしたちの相手をするために魔法で客足を停めてくれていたみたいだった(^_^;)。
☆ ステータス
HP:20000 MP:400 属性:テル=剣士 ケイト=弓兵・ヒーラー
持ち物:ポーション・300 マップ:16 金の針:60 福袋 所持金:450000ギル(リポ払い残高0ギル)
装備:剣士の装備レベル55(トールソード) 弓兵の装備レベル55(トールボウ)
技: ブリュンヒルデ(ツイントルネード) ケイト(カイナティックアロー) テル(マジックサイト)
白魔法: ケイト(ケアルラ) 空蝉の術
オーバードライブ: ブロンズスプラッシュ(テル) ブロンズヒール(ケイト) 思念爆弾
☆ 主な登場人物
―― かの世界 ――
テル(寺井光子) 二年生 今度の世界では小早川照姫
ケイト(小山内健人) 照姫の幼なじみ 異世界のペギーにケイトに変えられる
ブリュンヒルデ 主神オーディンの娘の姫騎士
タングリス トール元帥の副官 ブリの世話係
タングニョースト トール元帥の副官 ノルデン鉄橋で辺境警備隊に転属
ロキ ヴァイゼンハオスの孤児
ポチ シリンダーの幼体 82回目で1/12サイズの人形に擬態
ペギー 異世界の万屋
ユーリア ヘルム島の少女
その他 フギンとムニン(デミゴッドブルグのホテルのオーナー夫婦)
日本神話の神と人物 イザナギ イザナミ 那須与一 桃太郎 因幡の白兎
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