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15『俺とツインテールのメイドは同時に驚いた』
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泣いてもω(オメガ) 笑ってもΣ(シグマ)
15『俺とツインテールのメイドは同時に驚いた』オメガ
グラスに半分になった酒をどう表現するだろうか?
ノンアルコールでも構わない、質問を受けたキミの好みでいい。
A:もう半分しかない B:まだ半分ある この二つに分かれるだろう。
Aは、半分しかないからヤバイと思うネガティブ人間。
Bは、まだ半分残っていると思うポジティブ人間。
俺はω口のお気楽人間で、Bと思われがちだがどちらかというとAだ。基本はBのお気楽人間のはずなんだけど、こと定期考査なんかには、残ってる半分も気を抜いちゃだめだ。と、ひねって思う方なんだ。前半は失敗せずにやれたけど、後半はヤバイんじゃねえかと心配する。まあ、バクチとか賭け事にはのめり込まない性質だ。女鹿屋の何代か前にバクチで店を潰しかけたのが居たらしい。その時の後悔が遺伝子にあるのかもな。
ちょっと屈折しているのかもしれない。
でも、ガチガチの思い込み人間じゃないので、人から誘われれば「ま、いっか」と息抜きすることにやぶさかではない。
で、今日は俺以上にお気楽人間のノリスケにラチられてアキバに来ている。
一人で来るときは、たいてい昭和通り口から下りて、アキバを大回りするんだけど、今日は電気街口からだ。
「やっぱ、アキバは、この広場だなあ」
俺は、改札を出て直ぐの広場で大きくノビをする。
「う~~~ん!」
ノビをしてズボンを揺すりあげるとこなど、もう立派なオッサンだ。
「ノビをした後って涙目になるんだよな」
右手の甲で目をこする。
「両手でやるとオコチャマみたいだぞ」
ノリスケがたしなめる。
「るせー、おまえと違って、おれはテストモードのままなんだ」
「オメガさ、ノビした直後の涙目、なかなかだぞ。お気楽が半分になって、そのぶん憂いの表情になって女心をくすぐるかもな」
「くすぐりたかねーよ。とりあえず飯にしようぜ」
テスト期間中は学食が休みなので、まだ昼飯を食っていないのだ。
「「とりあえず」」
声が揃って牛丼屋を目指す。
らっしゃいませーーーー!
元気な声に迎えられてカウンターに着く。
ドン
すかさず牛丼屋特有のデッカイ湯呑が置かれる。
「ご注文は!?」
オレンジ色のユニホームが伝票を構えている。
「「大盛り、つゆだく」」
声の揃うところは腐れ縁だ。
「あ、雄ちゃんとノリスケ君じゃんか!?」
オーダーを通した直後にオレンジ色が驚いた。
「「あ?」」
それは学食の南のオバチャンだった。
「学食辞めたんすか?」
「新学期が始まるまでね、春休み中は学食休みだからね」
事情は分かったけど、俺が昼飯を食うところでは、いつも南さんがいるようで可笑しくなる(^▽^)。
「日本のオバチャンはたくましいなあ」
ノリスケも素直に感心している。
「へい、お待ち、大盛りつゆだく二丁ね」
ドン
「「どもお」」
「学食仲間の女子はいっしょじゃないのね?」
南さんの言葉に、不器用に微笑むシグマの顔がシャンプーだかの香りとともに蘇る。
「あ、あーーー」
我ながら間の抜けたため息が出る。
「自衛隊の音楽隊が来た時はいっしょだったよね」
「あ、はーー」
「おまえ、あいつと付き合ってんのか?」
「んなんじゃねーよ」
「ちょっと、唐辛子かけすぎじゃね」
「わ、あわわわ(;'∀')」
奇遇な牛丼を食って、再び広場に戻る。
「あーーーー!」
「なんだよ、急に!?」
「私服で来るんだったーーーー!!」
「なんでだよ」
「だって、制服じゃ18禁のコーナーには行けねえじゃねーか!」
「それしかねーのか!?」
ノリスケの雄たけびが恥ずかしい。
「あーーーエロゲエロゲエロゲーーーー!!」
「エロゲエロゲって言うんじゃねーよ!」
その時、俺たちの前にポケティッシュがスラリと差し出された。
「「メイド喫茶@ホームでーす」」
二人のメイドさんが微妙な時間差でアピール。
ツインテールの子は、向こう側の通行人にティッシュを渡していたので時間差になったのだ。
「ども」
俺は、こういうポケティッシュ配りにも、タイミングによっては返事をしてしまう。
「「え!?」」
俺とツインテールのメイドは同時に驚いた。
「ゆうくん!?」
「松ネエ!?」
☆彡 主な登場人物
妻鹿雄一 (オメガ) 高校二年
百地美子 (シグマ) 高校一年
妻鹿小菊 中三 オメガの妹
ノリスケ 高校二年 雄一の数少ない友だち
柊木小松(ひいらぎこまつ) 大学生 オメガの一歳上の従姉
ヨッチャン(田島芳子) 雄一の担任
15『俺とツインテールのメイドは同時に驚いた』オメガ
グラスに半分になった酒をどう表現するだろうか?
ノンアルコールでも構わない、質問を受けたキミの好みでいい。
A:もう半分しかない B:まだ半分ある この二つに分かれるだろう。
Aは、半分しかないからヤバイと思うネガティブ人間。
Bは、まだ半分残っていると思うポジティブ人間。
俺はω口のお気楽人間で、Bと思われがちだがどちらかというとAだ。基本はBのお気楽人間のはずなんだけど、こと定期考査なんかには、残ってる半分も気を抜いちゃだめだ。と、ひねって思う方なんだ。前半は失敗せずにやれたけど、後半はヤバイんじゃねえかと心配する。まあ、バクチとか賭け事にはのめり込まない性質だ。女鹿屋の何代か前にバクチで店を潰しかけたのが居たらしい。その時の後悔が遺伝子にあるのかもな。
ちょっと屈折しているのかもしれない。
でも、ガチガチの思い込み人間じゃないので、人から誘われれば「ま、いっか」と息抜きすることにやぶさかではない。
で、今日は俺以上にお気楽人間のノリスケにラチられてアキバに来ている。
一人で来るときは、たいてい昭和通り口から下りて、アキバを大回りするんだけど、今日は電気街口からだ。
「やっぱ、アキバは、この広場だなあ」
俺は、改札を出て直ぐの広場で大きくノビをする。
「う~~~ん!」
ノビをしてズボンを揺すりあげるとこなど、もう立派なオッサンだ。
「ノビをした後って涙目になるんだよな」
右手の甲で目をこする。
「両手でやるとオコチャマみたいだぞ」
ノリスケがたしなめる。
「るせー、おまえと違って、おれはテストモードのままなんだ」
「オメガさ、ノビした直後の涙目、なかなかだぞ。お気楽が半分になって、そのぶん憂いの表情になって女心をくすぐるかもな」
「くすぐりたかねーよ。とりあえず飯にしようぜ」
テスト期間中は学食が休みなので、まだ昼飯を食っていないのだ。
「「とりあえず」」
声が揃って牛丼屋を目指す。
らっしゃいませーーーー!
元気な声に迎えられてカウンターに着く。
ドン
すかさず牛丼屋特有のデッカイ湯呑が置かれる。
「ご注文は!?」
オレンジ色のユニホームが伝票を構えている。
「「大盛り、つゆだく」」
声の揃うところは腐れ縁だ。
「あ、雄ちゃんとノリスケ君じゃんか!?」
オーダーを通した直後にオレンジ色が驚いた。
「「あ?」」
それは学食の南のオバチャンだった。
「学食辞めたんすか?」
「新学期が始まるまでね、春休み中は学食休みだからね」
事情は分かったけど、俺が昼飯を食うところでは、いつも南さんがいるようで可笑しくなる(^▽^)。
「日本のオバチャンはたくましいなあ」
ノリスケも素直に感心している。
「へい、お待ち、大盛りつゆだく二丁ね」
ドン
「「どもお」」
「学食仲間の女子はいっしょじゃないのね?」
南さんの言葉に、不器用に微笑むシグマの顔がシャンプーだかの香りとともに蘇る。
「あ、あーーー」
我ながら間の抜けたため息が出る。
「自衛隊の音楽隊が来た時はいっしょだったよね」
「あ、はーー」
「おまえ、あいつと付き合ってんのか?」
「んなんじゃねーよ」
「ちょっと、唐辛子かけすぎじゃね」
「わ、あわわわ(;'∀')」
奇遇な牛丼を食って、再び広場に戻る。
「あーーーー!」
「なんだよ、急に!?」
「私服で来るんだったーーーー!!」
「なんでだよ」
「だって、制服じゃ18禁のコーナーには行けねえじゃねーか!」
「それしかねーのか!?」
ノリスケの雄たけびが恥ずかしい。
「あーーーエロゲエロゲエロゲーーーー!!」
「エロゲエロゲって言うんじゃねーよ!」
その時、俺たちの前にポケティッシュがスラリと差し出された。
「「メイド喫茶@ホームでーす」」
二人のメイドさんが微妙な時間差でアピール。
ツインテールの子は、向こう側の通行人にティッシュを渡していたので時間差になったのだ。
「ども」
俺は、こういうポケティッシュ配りにも、タイミングによっては返事をしてしまう。
「「え!?」」
俺とツインテールのメイドは同時に驚いた。
「ゆうくん!?」
「松ネエ!?」
☆彡 主な登場人物
妻鹿雄一 (オメガ) 高校二年
百地美子 (シグマ) 高校一年
妻鹿小菊 中三 オメガの妹
ノリスケ 高校二年 雄一の数少ない友だち
柊木小松(ひいらぎこまつ) 大学生 オメガの一歳上の従姉
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