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109『期末テストが近い』
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魔法少女マヂカ
109『期末テストが近い』語り手:マヂカ
勉強会しよ~よ!
ノンコが無謀なことを言う。
どれだけ無謀かと言うと、テーブルを囲んでお昼ご飯を食べる手が一斉に止まってしまうくらい。
じつは、土日を挟んだ週明けから期末テストなんだ。
一学期の期末から、テスト前は調理研のメンバーでテスト勉強する習慣が付いている。
まあ、放課後教室に残って持ち寄りのお菓子を摘まんで、ノートの見せっこやったり、問題を予想したり、提出物の漏れがないか、チェックし合ったり。
ことさら、みんなでやる必要はないんだけど、みんないっしょというのが嬉しくって続いている。
ただね……ノンコだけ成績が危うい。
中間テストでは、欠点こそは二つだけだったけど、欠点スレスレが四つもある。油断していたら欠点六つと言う悲惨なことになりかねない。
いつもフワフワと機嫌よく高校生活をエンジョイしているノンコだけど、三学期になって欠点六つには耐えられないだろう。
学年末に六つも欠点とれば確実に留年する。
だから、ノンコが勉強に集中できるように勉強会はやらないという暗黙の了解ができつつあったのだ。
「あーー、えとね、ノンコ」
友里がお箸をおいて、体ごとノンコに向き合った。
「え、なに?」
「だからね……」
勉強会しよーーーよ!!
切り出そうと息を吸い込んだ友里を押しのけて、お弁当持ったサムが割り込んできた。職員室に呼ばれて遅れて来たのだ。
先月やってきたサムは事情が分かっていないのだ。
「わたしんち、けっこう広かったりするからさ、泊まり込みでやってくれてもいいよ!」
「あ、それいい、わーーい、お泊り会だあ(^▽^)/」
ノンコが、その気になってしまった。
呑まれると言うか、勢いに流されるというか、舞い上がった二人に抗することも出来ないまま、二泊三日の勉強会が決まってしまった。
「ちょっと、サム」
昼食が終わったサムを廊下に呼び出した。
「じつはね……」
「え……ノンコ、やばいの!?」
「うん、ちょっとね」
瞬間、戸惑いの表情を見せたサムだけど、直ぐに美しい両眼に決意の焔を灯した。
「ちょ、魔法とかは無しだからね!」
「分かってるって!」
胸を叩くと、腕組みしてグルンと両目を回した。
こいつ、不二家のペコちゃんに似ている……。
109『期末テストが近い』語り手:マヂカ
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ノンコが無謀なことを言う。
どれだけ無謀かと言うと、テーブルを囲んでお昼ご飯を食べる手が一斉に止まってしまうくらい。
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まあ、放課後教室に残って持ち寄りのお菓子を摘まんで、ノートの見せっこやったり、問題を予想したり、提出物の漏れがないか、チェックし合ったり。
ことさら、みんなでやる必要はないんだけど、みんないっしょというのが嬉しくって続いている。
ただね……ノンコだけ成績が危うい。
中間テストでは、欠点こそは二つだけだったけど、欠点スレスレが四つもある。油断していたら欠点六つと言う悲惨なことになりかねない。
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学年末に六つも欠点とれば確実に留年する。
だから、ノンコが勉強に集中できるように勉強会はやらないという暗黙の了解ができつつあったのだ。
「あーー、えとね、ノンコ」
友里がお箸をおいて、体ごとノンコに向き合った。
「え、なに?」
「だからね……」
勉強会しよーーーよ!!
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先月やってきたサムは事情が分かっていないのだ。
「わたしんち、けっこう広かったりするからさ、泊まり込みでやってくれてもいいよ!」
「あ、それいい、わーーい、お泊り会だあ(^▽^)/」
ノンコが、その気になってしまった。
呑まれると言うか、勢いに流されるというか、舞い上がった二人に抗することも出来ないまま、二泊三日の勉強会が決まってしまった。
「ちょっと、サム」
昼食が終わったサムを廊下に呼び出した。
「じつはね……」
「え……ノンコ、やばいの!?」
「うん、ちょっとね」
瞬間、戸惑いの表情を見せたサムだけど、直ぐに美しい両眼に決意の焔を灯した。
「ちょ、魔法とかは無しだからね!」
「分かってるって!」
胸を叩くと、腕組みしてグルンと両目を回した。
こいつ、不二家のペコちゃんに似ている……。
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