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消えた聖女と破滅の兆し

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アルセーヌ王国の聖女がいなくなったというニュースは、一夜にして国中に知れ渡った。


聖女は国の守護神と言っても過言ではないほど、国にとって重要な役割を持つ。

聖女は時代時代に一人しか存在しない。


新しい聖女が誕生する時は、前の聖女が亡くなった時だ。



そんな貴重な存在である現聖女がいなくなってしまって国は大いに混乱した。


聖女がいなければ国は終わる。



今まで魔獣や魔物の脅威が最小限に抑えられていたのは、一重ひとえに聖女の力だった。

冒険者や騎士団がそれらを討伐することができたのも、聖女が数を減らし力を弱めていたから。



国王直属の騎士に、雇われた冒険者、その他にもたくさんの人々を使って、散々探しても聖女は見つからなかった。


そうしているうちに魔獣や魔物はどんどん強さや数を増やしていき、いつしか聖女探しは一旦打ち切られることとなった。


そして始まったのが、魔女探し。

聖女の次に強い魔力を持つ彼女達は、聖なる力と闇の魔力という相反する力を使うものの、十分魔のものと対抗しうる力を持つと期待が寄せられたのだ。


自分の力をフルに使って隠れている聖女とは裏腹に、占い師の助言により国で一番力を持つとされる彼女は呆気なく見つかってしまった。


その魔女の名は、


暗闇の魔女・ウルティア





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