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港町編
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村の娘たちと盗賊の財産を漁っていた。なんでもエメラルド王国では盗賊の財産は盗賊を討伐した者に所有権が認められるらしい。
もちろん村の財産は譲った。しかし、それでもかなりの量の道具や、金品があった。なかには巻物なんかもあった。
「この巻物は?」
「それは転移陣の巻物ですね。」
「転移陣?」
「知らないんですか?」
「はい、宜しければ教えてもらえますか?」
「わかりました。転移陣とは転移に使用できる巻物です。登録した場所に転移できます。使用は一回のみですね。」
「ほうほう。」
「因みにこちらの転移陣はシータウンへ行けるみたいですよ?」
「ほんとか!?」
「え、ええ」
「スラさん興奮しすぎ。」
「すまんな娘さん。」
しかし、スラさんが興奮するのも仕方がない。まだ7日はかかるであろう道のりが一瞬で短縮されるのだ。
「スラさん転移陣使わない?」
「いんじゃないか、正直今回の移動は想定外のことが結構あったしな。きちんとした宿でしっかりと休みたい。」
そして、俺たちはまた財産を漁り始めた。
「あっ、収納袋あるじゃないですか。」
村娘が何かを発見した。
「ん?」
「スズキよそれは俺も知っている。物をまとめて運ぶことができる袋だ。これに盗賊の物を入れてしまおう。」
おっと、ここでテンプレアイテムボックス的な物が来たようだ。収納袋は3つあった上に、二つで俺たちの分は入ったのでもう一つを娘たちの運搬用にすることにした。
こうして一通り漁り終えると俺たちは村へ帰還した。盗賊は縛りあげてあるし、娘たちに聞くと他にはいないそうなので放置することに。あとで村の男たちに補導してもらうことになった。
村に着くと娘たちは各々の家に走りだした。すると、真っ暗だった村は家の明かりで明るくなり騒がしくなる。村長はそれを聞きつけ俺たちの下へやってきた。
「今回は本当にありがとうございました。おかげで助かりました。お礼の方も必ず用意させていただきます。」
「いえ、お礼なんていりませんよ。」
「そういうわけにはいきません。」
「本当に大丈夫ですよ、盗賊からごっそりいただいたので。」
「では、せめて明日の宴に参加ください。盛大な宴をしますので。」
「そういうことなら是非。あっ、あと明日の朝盗賊を回収したので男手を貸していただけますか?」
「もちろんです。」
村長と話をつけると俺たちは眠りについた。
タラリラタッタター
次の日の朝、盗賊を回収に行ったとき驚きの光景が広がっていた。全員首をはねられていたのだ。しょうがないので俺たちは洞窟で盗賊を火葬した。奴隷商が証拠隠滅したのだろうか。今後も人攫いの情報は随時収集した方がよさそうだ。
昼になると宴が始まった。宴が始まると俺の周りには村の男たちが、スラさんの周りには村の女たちが集まった。
俺はとても複雑な気持ちになった。くそっリア充爆発しろ。
宴は無事に終了すると、俺とスラさんは転移陣の準備を始める。魔力を重点することで発動するそうだ。転移先はシータウンの入り口に飛ぶらしく、人にぶつかったりもしないご都合主義満載魔法だ。
「本当にありがとうございました。村を代表してお礼申し上げます。」
「お気にせず、ではまたいつか。」
「はい、その時は歓待いたしますので。」
こうして俺たちはシータウンへ移動した。
もちろん村の財産は譲った。しかし、それでもかなりの量の道具や、金品があった。なかには巻物なんかもあった。
「この巻物は?」
「それは転移陣の巻物ですね。」
「転移陣?」
「知らないんですか?」
「はい、宜しければ教えてもらえますか?」
「わかりました。転移陣とは転移に使用できる巻物です。登録した場所に転移できます。使用は一回のみですね。」
「ほうほう。」
「因みにこちらの転移陣はシータウンへ行けるみたいですよ?」
「ほんとか!?」
「え、ええ」
「スラさん興奮しすぎ。」
「すまんな娘さん。」
しかし、スラさんが興奮するのも仕方がない。まだ7日はかかるであろう道のりが一瞬で短縮されるのだ。
「スラさん転移陣使わない?」
「いんじゃないか、正直今回の移動は想定外のことが結構あったしな。きちんとした宿でしっかりと休みたい。」
そして、俺たちはまた財産を漁り始めた。
「あっ、収納袋あるじゃないですか。」
村娘が何かを発見した。
「ん?」
「スズキよそれは俺も知っている。物をまとめて運ぶことができる袋だ。これに盗賊の物を入れてしまおう。」
おっと、ここでテンプレアイテムボックス的な物が来たようだ。収納袋は3つあった上に、二つで俺たちの分は入ったのでもう一つを娘たちの運搬用にすることにした。
こうして一通り漁り終えると俺たちは村へ帰還した。盗賊は縛りあげてあるし、娘たちに聞くと他にはいないそうなので放置することに。あとで村の男たちに補導してもらうことになった。
村に着くと娘たちは各々の家に走りだした。すると、真っ暗だった村は家の明かりで明るくなり騒がしくなる。村長はそれを聞きつけ俺たちの下へやってきた。
「今回は本当にありがとうございました。おかげで助かりました。お礼の方も必ず用意させていただきます。」
「いえ、お礼なんていりませんよ。」
「そういうわけにはいきません。」
「本当に大丈夫ですよ、盗賊からごっそりいただいたので。」
「では、せめて明日の宴に参加ください。盛大な宴をしますので。」
「そういうことなら是非。あっ、あと明日の朝盗賊を回収したので男手を貸していただけますか?」
「もちろんです。」
村長と話をつけると俺たちは眠りについた。
タラリラタッタター
次の日の朝、盗賊を回収に行ったとき驚きの光景が広がっていた。全員首をはねられていたのだ。しょうがないので俺たちは洞窟で盗賊を火葬した。奴隷商が証拠隠滅したのだろうか。今後も人攫いの情報は随時収集した方がよさそうだ。
昼になると宴が始まった。宴が始まると俺の周りには村の男たちが、スラさんの周りには村の女たちが集まった。
俺はとても複雑な気持ちになった。くそっリア充爆発しろ。
宴は無事に終了すると、俺とスラさんは転移陣の準備を始める。魔力を重点することで発動するそうだ。転移先はシータウンの入り口に飛ぶらしく、人にぶつかったりもしないご都合主義満載魔法だ。
「本当にありがとうございました。村を代表してお礼申し上げます。」
「お気にせず、ではまたいつか。」
「はい、その時は歓待いたしますので。」
こうして俺たちはシータウンへ移動した。
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