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王都編

武器を新調

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 俺たちはスラミさんを戻した後ギルドへ向かい受付嬢にその後異変があったか聞いたが、特に変わりはなかった。俺たちは今回の報酬20万Gを受け取るとギルドを後にした。

 「スラさんどうやって時間をつぶそうか。」
 「武器屋でもいかないか?」
 「いいね。今の武器も前回の戦いでずいぶん傷んでしまったしね。」

 俺たちは武器屋に向かう。この王都には様々な武器屋があるというわけではない。各々が得意な武器に特化した武器屋が並んでいる。剣、弓、槍等々専門店が並んでいる。なぜこのようにばらけているかというと各店の競合を排除するためらしい。
 日本でも距離制限等があったが、それの商品版というところだろう。
 
 そんな風にすると、それぞれの店が手を抜くとも考えられる。なにせ他に自分の店と同じ武器を扱う店がないのだ。質が悪くても買わざるを得ない。
 しかし、実際はそんなことはない。なぜなら王都では毎年武器の品評会が行われ、そこで最優秀賞を獲った店しか王都では出店することができない。加えて、不良品を販売した場合は商品の2倍の価格を返さなくてはならない。
 故に王都では常に良質の武器が提供されていた。

 「じゃあ、剣の店にいこうか。」
 
 カンカンカン

 店に行くと店頭には誰もおらず、金槌を振るう音が聞こえていた。

 「誰かいませんかー?」
 「はいよー今行くよー。」

 そういうと店の奥から一人の少女が出てきた。

 「はい、どんな剣をご所望でしょうか?」
 「大剣が欲しいのだが。」
 「え?片手剣ではなくていいの?」
 「ああ、前回の戦いでは明らかに火力が不足していた。俺たちにステータス的にも武器でカバーしなければならないだろうと思ってな。」

 なるほど、俺とスラさんの攻撃力は決して高くない。俺たちだけで、ゴブリンキング級の魔物と戦うとなれば苦戦は必須だ。スラさんそれを懸念しているわけだ。

 「因みにお客さんは大剣初心者ですかね?」
 「ああ、あと、費用もできるだけ抑えたい。」
 「承知しました。少々お待ちを。」
 
 そういうと少女は店の奥に入っていった。

 「こちらはどうでしょうか?」
 
 そういうと少女は一本の太い片手剣を持ってきた。

 「大剣では?」
 「はい、お客様の要望は攻撃力の上昇と費用を抑えるということでしたのでこちらにいたしました。こちらの剣は大剣というよりも片手大剣とでもいうような使用になっております。
 大剣よりもリーチは短いですが斧のようにも扱えます。その分持ち運びに便利です。また、大剣はどうしても多くの材料を使用する分値段は上がります。当店の最低価格は50万Gです。一方こちらは20万Gとなっております。
 いかがでしょうか。」

 「なるほど、素振りしてみても?」
 「どうぞ。」

 スラさんは数回の素振りをした。

 「なるほど、なかなかの重さしかし、振るのに不便もない。スズキよこれを購入してもいいだろうか。」
 「もちろんさ。」
 「恩に着る。」

 正直依頼料全額はきついけど、うちの火力はスラさんに任せることになる。そうであればそこに投資するのは当然のことだ。

 「ありがとうございます。お客様の要望が大剣であるにも関わらずこちらを提案いたしましたのでサービスで武器の手入れ等させていただきたいのですがいかかでしょうか?」
 「図々しいことを聞くがこちらのスズキの剣も手入れしてもらえるだろうか?」
 「はい。もとよりそのつもりでございます。」
 「わかった、頼もう。」

 そういうと俺とスラさんは武器を渡す。そして、20万Gも私片手大剣を受け取った。

 「手入れについては夕方には終わらせておきますのでそれ以降に受け取りに来てください。」
 「わかった。それでは。」
 「ありがとうございました。」

 用を済ませた俺たちは店をでた。
 その後俺たちは町を散策し時間をつぶした。そして、夕方になると武器を受け取った。その後宿に戻り宴の時間まで仮眠をとった。

 
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