戦国の鍛冶師

和蔵(わくら)

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第84話 兄妹愛と家族愛

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アルヴォ!アルヴォは居ないの!?

「母上様!この様な場所に、どうされたのですか?それと、此処では
その名前で呼ぶのは、お止めください!」

アルヴォと呼べないのならば、何と呼べば良いのじゃ!?そちは私の
可愛い子の1人なのに!

「母上様、今は任務中ですのです。それも、此処は鍛冶屋・黒猫屋の
訓練所の中ですぞ!他の者に訊かれてしまいます!」

だから、そちを何と呼べば良いのじゃ!?

「任務中は、御者組合の雇われ御者長のロレンツと名乗っています」

ならば、ロレンツよ!我が娘達を頼んむ!死なせないでやって欲しい
のじゃ!母からの頼みを訊いてくれるである?

「妹達を死なせない為に、態々、この様に回りくどい遣り方をしてまで
して、段取りを整えたのです。後は妹達が、私の言う事を訊いてくれさ
えすれば、妹達も死なないでしょう!」

娘達は連れて来ているから、ロレンツが好きな様に鍛えると良い!
もしも、ロレンツの言う事を訊かないのであれば、直ぐに母に言う
のじゃぞ!そすれば、母から娘達に言って聞かせるぞ!

「妹達も今回は、自分達の命が掛かっているから、今まで見たいに
私に反発して、言う事を訊かないと言う事も無いでしょう!ですが、
もしも、まだ反発して言う事を訊かない様であれば、直ぐにでも母
上様に報告を入れます」

うむ!では早速で悪いのだが、直ぐにでも鍛えて遣ってくれまいか?
時間が無いのは、そちも知っていよう!シーランド銃の取り扱いと
運用方法を学べば、少なからず娘達は死ぬ確率が下がると、エドが
言っていたわ!

「親父殿の言う事は、経験に伴っている発言ですので、親父殿の言う
通りにしていれば、確実に生き残る事が出来るでしょう!ですが、
親父殿の言う事を訊かないのであれば、妹達に勝ち目は少ないとだけ
申しておきます!」

解っておる!娘達にも、そこは話して訊かせておるから、心配はいらん
後は、無事に銃の取り扱いを学べば良いだけじゃ!

「その通りですな!早速ですが、講習会が始まりますので、妹達を参加
させたいので、これにて失礼しますぞ母上様!」

アイリ・エルナ!兄上の言う事を訊いて、確りと生き残れる術を身に付け
るのですよ!いいですね!?

《はい、お母様!》

ロレンツ!オレーク様は何処に居られますか?黒猫屋に来たので、先に
エーヴァ様とダニエル様の婚姻の話を進めたいのです!

「オレーク様は、鍛冶場に居ると思います!直ぐにでも訪ねれば会える
と思いますよ!」

ロレンツ!色々と有難う!あなたには、白の団の事で色々と迷惑を掛ける
と思うけども、家族の為に身を粉にして働いて下さい!

「はっ!母上様も旦那様の為に、色々と動かれると訊いておりますが、
無理をなさらぬ様にしてくだされ!では、妹達を連れて行きますから!」


アイリ・エルナ!兄上に付いて行きなさい!

《はい!》

ロレンツと別れた後、鍛冶場に向かうメイド長・ヘレナの姿が、
そこにはあった!

オレーク様は居られますか!?

「俺がオレークだが、あんたは誰だい?会った事があるかな?」

私は、シーランド辺境伯様の屋敷で、メイド長を勤めるヘレナと申す者です。
此の度は此方に赴いた用件を言いますと、ご子息のダニエル様と旦那様の娘の
エーヴァ様の婚姻を進めたく参上致しました次第です!

「ちょっと待ってくれ!領主様のご息女とダニエルを結婚させたいと言う事な
のか?そいつは、話がデカ過ぎるぞ!儂だけで決められる話では無いからのう、
母親に相談しなければならない!領主様の家と関係を持つ時は、母親に言うと
言うのが我が家の決まりでな」

それならば、直ぐにでもインガ様の居られる魔道具専門店・魔法の杖に行きま
しょう!そして、インガ様のご了承を得て、婚姻を進める事にしましょうぞ!

「母親が何と言うか、母は辺境伯家と縁を持つ事を警戒している節がある!
だから、今回の縁談も母が反対すると思うんじゃがな!?」

インガ様は、旦那様を良く思われてないと言う事なのでしょうか?
もしも、そうであるならば、私はどうすれば......

「息子のダニエルも、エーヴァ様に恋焦がれてる節があるしの......もしも、
2人が相思相愛ならば、儂等がどうこう言う事では無いからの!」

それならば、エーヴァ様はダニエル様の事を好いて居りますぞ!
オレーク様の話を訊くと、ダニエル様もエーヴァ様の事を好いて
いる様子!これは、相思相愛と言う事になりますぞ!

「うむ......やっぱり、そうなるかの!?」

此の事をインガ様に言えば、インガ様も必ず解って下さる事です!
早くインガ様の居る魔法の杖に行きましょうオレーク様!

「今から行くのか.....母は気難しい性格だからな!もしかしたら、
まともに話が出来ない可能性もある事を頭に入れておいて欲しい」

えっ!?


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