戦国の鍛冶師

和蔵(わくら)

文字の大きさ
上 下
2 / 122

第2話 精霊と妖精の世界・アールブヘイム

しおりを挟む

石山本願寺城の出城・来砦の近くで来好成と芳乃は爆発の中で姿が見えなくなった!

2人の周りには、弾が切れた鉄砲が散乱している!

それと村上水軍から譲って貰った焙烙弾と、その焙烙弾と改良した竹筒焙烙が数十個あるだけだった。

織田家の兵を多く道連れにする為に、好成と芳乃は焙烙を集めれるだけ集めていたのだ!

そうして好成と芳乃は同時に、焙烙弾に火を点かさせていった。

そうしてた大爆発だったのだ!

来砦の外壁が跡形も無くなるほどの大爆発だった。

来砦には、大勢の織田家家中の兵や将が群がっていたが、外壁の近くに居た兵士は共に爆発して吹き飛んでいた。

好成と芳乃の目論見通りに事は運んだのだ!

この状況を石山本願寺城の中から見ている、戦奉行も満足そうであった。

来一門の死は無駄ではない!無駄ではないのだ!

そう戦奉行は、自身に言い聞かせていた。

来一門が命を張って、石山本願寺城を守った事は意味があった!

兵の士気が落ちていた本願寺軍に取っては、来一門の勇士が多くの織田家の
者達をほおむったからだ。

この戦いで、本願寺軍の士気は上がり織田軍を追い返していた!

この2年後に本願寺軍は、織田軍と降伏をするのだった.....

だが.....この犠牲なくして2年は持ち応えられなかっただろう。

歴史に刻まれる事は無くても、勇士達の活躍は兵士の心に焼き付いている!




......................................................




{白い空間でのこと}

【来好成!芳乃!目を覚ませ!】

「..........」

「..........」

【目を覚ますのじゃ!】

「んっ.....眩しい.....」

「好成様!」


白い空間には何もなく、誰も居なかった!

だが声は聞こえてきているのだ。

好成と芳乃は、声の主を探してが見当たらない!

だが声の主は、そんな些細な事には興味がないのか、
淡々と会話を続けようとしていた。

【御主達は死んだのを覚えておるか?】

声の主は、そう告げると好成・芳乃の最後の映像を映し出した。

その映像に驚いた2人は、声の主は妖術使いだと確信する!

「貴様は妖術使いなのか?」

好成が声の主に、そう問い掛けたのだが声の主は答えなかったのだ。

【御主達は、こうして既に死んでおるのじゃよ!】

声の主は、そう告げると好成・芳乃に死んだ事を思い出させる。

【戦乱の世だから、仕方ないのだが御主達は、余りにも若い.....】

そう告げられた好成と芳乃だった。

好成は、この人物が何を言っているのかが、さっぱりと解らなかった。

それもそのはず、好成と芳乃は死を覚悟して死んだのだから!

死んでても、当然なのである。

それなのに、今更、死んだ事実を突き詰められても......困惑するだけだ。

【そして許婚でもある2人が、一緒に死んだ事も同情の余地があるのじゃよ】

声の主は、好成の困惑した顔など、見ていないのだろう?

話を続けていた。

【そこでじゃ本題に移るぞ!儂も~御主等が可哀想になってな、
       少しだけ御主達が幸せになる協力をしようと思ったのじゃよ!】

好成「?」芳乃「!」

【好成はピンっと来ないようだが、芳乃は解った様じゃな?】

好成「んんん?」芳乃「うんうん」

【日ノ本の国では無いが、精霊と妖精の世界・アールブヘイムと
            言う世界があるのじゃが.....どうじゃ行かんか?】

好成「zzzzz」芳乃「精霊?妖精?.....妖術?」

【こやつ.....興味が無くて寝ったぞ?芳乃は行きたいか?】

「好成様と幸せに暮らせるのなら行きます!」

【良かろう!ならばアールブヘイムに送り届けてやろうぞ!】

「その世界では、何をすれば好いのですか?」

【御主達2人で考えよ!】

「平和に暮らすだけでも、良いって事なのですね?」

【そうじゃぞ!それと此れを持っていくが良い!】

「此れは何に使うものでしょうか?」

【困った時に使えば良い物じゃぞ!それとな御主達が
                持っていた物も持たせてやるぞ】

「私達が持っていた物って、鉄砲・竹筒焙烙・苦無・刀しかありません」


それが声の主の最後の言葉であった!

こうして2人は、精霊と妖精の世界・アールブヘイムに赴くのだった。

しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

小さなことから〜露出〜えみ〜

サイコロ
恋愛
私の露出… 毎日更新していこうと思います よろしくおねがいします 感想等お待ちしております 取り入れて欲しい内容なども 書いてくださいね よりみなさんにお近く 考えやすく

その者は悪霊武者なり!

和蔵(わくら)
ファンタジー
その者は悪霊!戦国の世を生き、戦国の世で死んだ! そんな人物が、幕末まで悪霊のまま過ごしていたのだが、 悪さし過ぎて叙霊されちゃった...叙霊されても天界と現世の 狭間で足掻いている人物の元に、業を煮やした者が現れた! その後の展開は、読んで下さい。 この物語はフィクションです!史実とは関係ありません。

淫らな蜜に狂わされ

歌龍吟伶
恋愛
普段と変わらない日々は思わぬ形で終わりを迎える…突然の出会い、そして体も心も開かれた少女の人生録。 全体的に性的表現・性行為あり。 他所で知人限定公開していましたが、こちらに移しました。 全3話完結済みです。

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

ママと中学生の僕

キムラエス
大衆娯楽
「ママと僕」は、中学生編、高校生編、大学生編の3部作で、本編は中学生編になります。ママは子供の時に両親を事故で亡くしており、結婚後に夫を病気で失い、身内として残された僕に精神的に依存をするようになる。幼少期の「僕」はそのママの依存が嬉しく、素敵なママに甘える閉鎖的な生活を当たり前のことと考える。成長し、性に目覚め始めた中学生の「僕」は自分の性もママとの日常の中で処理すべきものと疑わず、ママも戸惑いながらもママに甘える「僕」に満足する。ママも僕もそうした行為が少なからず社会規範に反していることは理解しているが、ママとの甘美な繋がりは解消できずに戸惑いながらも続く「ママと中学生の僕」の営みを描いてみました。

5年も苦しんだのだから、もうスッキリ幸せになってもいいですよね?

gacchi
恋愛
13歳の学園入学時から5年、第一王子と婚約しているミレーヌは王子妃教育に疲れていた。好きでもない王子のために苦労する意味ってあるんでしょうか。 そんなミレーヌに王子は新しい恋人を連れて 「婚約解消してくれる?優しいミレーヌなら許してくれるよね?」 もう私、こんな婚約者忘れてスッキリ幸せになってもいいですよね? 3/5 1章完結しました。おまけの後、2章になります。 4/4 完結しました。奨励賞受賞ありがとうございました。 1章が書籍になりました。

私は5歳で4人の許嫁になりました【完結】

Lynx🐈‍⬛
恋愛
 ナターシャは公爵家の令嬢として産まれ、5歳の誕生日に、顔も名前も知らない、爵位も不明な男の許嫁にさせられた。  それからというものの、公爵令嬢として恥ずかしくないように育てられる。  14歳になった頃、お行儀見習いと称し、王宮に上がる事になったナターシャは、そこで4人の皇子と出会う。 皇太子リュカリオン【リュカ】、第二皇子トーマス、第三皇子タイタス、第四皇子コリン。 この4人の誰かと結婚をする事になったナターシャは誰と結婚するのか………。 ※Hシーンは終盤しかありません。 ※この話は4部作で予定しています。 【私が欲しいのはこの皇子】 【誰が叔父様の側室になんてなるもんか!】 【放浪の花嫁】 本編は99話迄です。 番外編1話アリ。 ※全ての話を公開後、【私を奪いに来るんじゃない!】を一気公開する予定です。

五歳の時から、側にいた

田尾風香
恋愛
五歳。グレースは初めて国王の長男のグリフィンと出会った。 それからというもの、お互いにいがみ合いながらもグレースはグリフィンの側にいた。十六歳に婚約し、十九歳で結婚した。 グリフィンは、初めてグレースと会ってからずっとその姿を追い続けた。十九歳で結婚し、三十二歳で亡くして初めて、グリフィンはグレースへの想いに気付く。 前編グレース視点、後編グリフィン視点です。全二話。後編は来週木曜31日に投稿します。

処理中です...