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9.体温 ♡
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「いいか?」
「はぃ……」
この『いいか』の言葉に含まれる意味を考えることなどせずとも理解できてしまうのが、人間の素晴らしいところなのでしょう。
優しく、丁寧に私の着物を脱がしていく冬臣さん。最近は近所の方が教えてくれた軽い着方に変えていたのであっという間に脱がされてしまい、腰巻だけの姿になってしまいました。
「恥ずかしい……」
「そうか。すまない」
私の虫のような声も聞き取ってくれ、軽い布団をかけてくれてその下で脱がされてしまいました。
昼間の冬臣さんの部屋はかすかに陽の光が入るくらいで、ほのかに明るい方角に位置していますから、なんだか昼ではあるけれど昼だという明るさではないので、罪悪感はそこまでありませんでした。
「あっ」
添い寝するような姿勢で冬臣さんは布団を捲って私の下半身に指をつつーっと触れてきました。くすぐったくて最初は笑いを堪えていましたが、徐々にその指は鼠径部を中心に滑るのでなんだかもどかしい、焦らされているような気分になってくるではありませんか。この先に行われることなんてわからないのに。
もじもじと内股になっているとついにその指は私の陰部に辿り着いて、割れ目を往復するようになりました。自分でもわかるほどそこは濡れていて、その濡れた場所で指をしつこいほど行き来させた後に、そのまま上部の方へずらしていく。
「んッ」
すると突然ピリッと背骨に稲妻が走るかの如く身体が跳ねてしまい同時に声まで上げてしまいました。それを見た冬臣さんはくすりと笑って先程と同じ場所をかりかりと引っ掻くようにされると、たまらず私は脚を広げ、背中を布団に押し付けていました。
びくびくとする脚と腰を抑えつけるように背中に力を込める。次第にこの刺激によって走った稲妻の正体が『快楽』だと脳に直接教え込まれていきます。
「気持ちいいかい」
「はいっ、きもちい、です」
「うん」
どろりと蜜のように甘ったるい冬臣さんの声が鼓膜を撫でてきて、それだけで昂っていた。髪を撫でられると冬臣さんの手がひんやりしていて気持ちいい。高まる体温がその部分だけ下がりそうになります。
「ここは気持ち良くなれる場所だからね。ちゃんと気持ち良くなれて偉い」
私を褒めながらトントン、と軽く突起になっているというそこを叩かれる。そして円を描かれてさらにかりかりしてほしくて息が上がってしまい苦しくなってきました。
「欲しいのなら、欲しいと言いなさい」
「わ、ぅ……っ、かりかりして、ください」
「よく言えたね。いい子だ」
私の乞いを受けて、いきり立った頂点を幾分速い速度で指を上下に動かしてくれると私の声も腰の震えも汗も何もかも制御不可能に好き勝手出てしまう。
「ああ、わ、わぁぁ! ぁう、うっ」
「際限なく溢れてくるな。淫らな蜜が」
私も触れたことのない大事な孔の周辺に指を移動させて孔に時折指を引っ掛けてくるのです。そこを使って性行為をすることも知ってはいますが、やはり異物を挿れるということに抵抗があって緊張していました。
「力を抜いて。呼吸を止めるな。そしたら大丈夫だから」
「はい──っン」
言われた通りにしてみると、すんなりと冬臣さんの指が入ってきて、入口の浅い部分で留まっていることがわかりました。
「痛くないか」
「はい、ふしぎです」
「そうだな」
痛くならないように角度と深さに注意しながら自然に指を動かしていました。恐らく、私の無意識のうちに眉間にしわを寄せたりしているのや、呼吸の状態をよく観察して悟っているのでしょう。恐ろしい観察眼の持ち主だとつくづく思います。
そうした冬臣さんの気遣いと優しさを大いに感じながら、私の処女の孔を解してもらいました。少しだけ痛かったのは本当に最初だけで、あとからはもっと奥にほしくなったり、口づけされながら指を動かしてもらっていたりしていたので痛みをあまり感じることはありませんでした。
そんな私は、どれだけ淫らな身体であるのかを実感してしまい、急に自己嫌悪に陥りそうになりました。
「気持ち良くなれているのがわかって嬉しい。緊張せず俺を信頼して任せてくれているから痛みをあまり感じないのだと思う」
冬臣さんに心を見透かされているのだろうか。そうして、一旦指を抜いてから私を強く抱きしめてくれました。今になって気づきましたが、冬臣さんも暑くなっていたのでしょうか。いつの間にか上半身だけ脱いでいて、私の肌と彼の肌が密着して温かかったのです。
(ああ、いい匂いがする)
冬臣さんから頭がくらくらしてしまうような、しかしとても『好きだな』と感じる心地好い匂いが鼻腔に充満し、肺を満たしていきました。その匂いを嗅いでいると、自然と自己嫌悪は落ち着いてきて、安心することができました。そう。暗闇に迷い込みそうになった私の心の靄を取っ払って、導いてくれたのです。
冬臣さんになら、私のはじめてを捧げたいと思えたのでした。
☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
「今回はこれくらいにしておこうな」
「で、でも……私は大丈夫ですから、頑張れますから! だから」
「焦らなくていい。もう少し慣れてからしよう。それに、中を解している時の蕩けている君をじっくりとまだ見ていたい」
「……っ!」
私の『はじめて』は、まだまだ先になりそうで安心したはずなのに、なんだか複雑な気持ちです。
「はぃ……」
この『いいか』の言葉に含まれる意味を考えることなどせずとも理解できてしまうのが、人間の素晴らしいところなのでしょう。
優しく、丁寧に私の着物を脱がしていく冬臣さん。最近は近所の方が教えてくれた軽い着方に変えていたのであっという間に脱がされてしまい、腰巻だけの姿になってしまいました。
「恥ずかしい……」
「そうか。すまない」
私の虫のような声も聞き取ってくれ、軽い布団をかけてくれてその下で脱がされてしまいました。
昼間の冬臣さんの部屋はかすかに陽の光が入るくらいで、ほのかに明るい方角に位置していますから、なんだか昼ではあるけれど昼だという明るさではないので、罪悪感はそこまでありませんでした。
「あっ」
添い寝するような姿勢で冬臣さんは布団を捲って私の下半身に指をつつーっと触れてきました。くすぐったくて最初は笑いを堪えていましたが、徐々にその指は鼠径部を中心に滑るのでなんだかもどかしい、焦らされているような気分になってくるではありませんか。この先に行われることなんてわからないのに。
もじもじと内股になっているとついにその指は私の陰部に辿り着いて、割れ目を往復するようになりました。自分でもわかるほどそこは濡れていて、その濡れた場所で指をしつこいほど行き来させた後に、そのまま上部の方へずらしていく。
「んッ」
すると突然ピリッと背骨に稲妻が走るかの如く身体が跳ねてしまい同時に声まで上げてしまいました。それを見た冬臣さんはくすりと笑って先程と同じ場所をかりかりと引っ掻くようにされると、たまらず私は脚を広げ、背中を布団に押し付けていました。
びくびくとする脚と腰を抑えつけるように背中に力を込める。次第にこの刺激によって走った稲妻の正体が『快楽』だと脳に直接教え込まれていきます。
「気持ちいいかい」
「はいっ、きもちい、です」
「うん」
どろりと蜜のように甘ったるい冬臣さんの声が鼓膜を撫でてきて、それだけで昂っていた。髪を撫でられると冬臣さんの手がひんやりしていて気持ちいい。高まる体温がその部分だけ下がりそうになります。
「ここは気持ち良くなれる場所だからね。ちゃんと気持ち良くなれて偉い」
私を褒めながらトントン、と軽く突起になっているというそこを叩かれる。そして円を描かれてさらにかりかりしてほしくて息が上がってしまい苦しくなってきました。
「欲しいのなら、欲しいと言いなさい」
「わ、ぅ……っ、かりかりして、ください」
「よく言えたね。いい子だ」
私の乞いを受けて、いきり立った頂点を幾分速い速度で指を上下に動かしてくれると私の声も腰の震えも汗も何もかも制御不可能に好き勝手出てしまう。
「ああ、わ、わぁぁ! ぁう、うっ」
「際限なく溢れてくるな。淫らな蜜が」
私も触れたことのない大事な孔の周辺に指を移動させて孔に時折指を引っ掛けてくるのです。そこを使って性行為をすることも知ってはいますが、やはり異物を挿れるということに抵抗があって緊張していました。
「力を抜いて。呼吸を止めるな。そしたら大丈夫だから」
「はい──っン」
言われた通りにしてみると、すんなりと冬臣さんの指が入ってきて、入口の浅い部分で留まっていることがわかりました。
「痛くないか」
「はい、ふしぎです」
「そうだな」
痛くならないように角度と深さに注意しながら自然に指を動かしていました。恐らく、私の無意識のうちに眉間にしわを寄せたりしているのや、呼吸の状態をよく観察して悟っているのでしょう。恐ろしい観察眼の持ち主だとつくづく思います。
そうした冬臣さんの気遣いと優しさを大いに感じながら、私の処女の孔を解してもらいました。少しだけ痛かったのは本当に最初だけで、あとからはもっと奥にほしくなったり、口づけされながら指を動かしてもらっていたりしていたので痛みをあまり感じることはありませんでした。
そんな私は、どれだけ淫らな身体であるのかを実感してしまい、急に自己嫌悪に陥りそうになりました。
「気持ち良くなれているのがわかって嬉しい。緊張せず俺を信頼して任せてくれているから痛みをあまり感じないのだと思う」
冬臣さんに心を見透かされているのだろうか。そうして、一旦指を抜いてから私を強く抱きしめてくれました。今になって気づきましたが、冬臣さんも暑くなっていたのでしょうか。いつの間にか上半身だけ脱いでいて、私の肌と彼の肌が密着して温かかったのです。
(ああ、いい匂いがする)
冬臣さんから頭がくらくらしてしまうような、しかしとても『好きだな』と感じる心地好い匂いが鼻腔に充満し、肺を満たしていきました。その匂いを嗅いでいると、自然と自己嫌悪は落ち着いてきて、安心することができました。そう。暗闇に迷い込みそうになった私の心の靄を取っ払って、導いてくれたのです。
冬臣さんになら、私のはじめてを捧げたいと思えたのでした。
☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
「今回はこれくらいにしておこうな」
「で、でも……私は大丈夫ですから、頑張れますから! だから」
「焦らなくていい。もう少し慣れてからしよう。それに、中を解している時の蕩けている君をじっくりとまだ見ていたい」
「……っ!」
私の『はじめて』は、まだまだ先になりそうで安心したはずなのに、なんだか複雑な気持ちです。
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