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第214話 地球到達
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これは西暦9980年のはるか未来のお話し。
この時代に召喚されたマイとマインは、この時代の地球を、遂に眼下に捉えた。
「地球って、本当に青いんだね。」
近づく地球を見て、マイの瞳から涙がこぼれる。
「だめよマイ、油断しないで。」
マイを注意するマインだが、マインの瞳からも涙がこぼれる。
同時にふたりの身体から、力が抜けていく。
パートナーであるサポートAIからの呼びかけも、次第に遠退いていき、ふたりには届かなくなる。
「ここは?」
マイは気がつくと、ベットの上だった。
視界に入る自分の服装は、ノースリーブのワンピースだった。
いつもは戦闘機用のボディスーツだったはず。
あの、どうやって脱ぐのか分からず、そして脱げるのかも分からないボディスーツ。
「そっか、あれは夢だったんだ。」
マイは額に手を持っていくと、何やら布地の感触があった。
マイはその感触に懐かしさを堪能しながら、再び眠りにつく。
「マイ、起きて、ねえ、起きてよ!」
誰かがマイの身体を揺さぶる。
「えー、もうちょっと寝かせてよー。」
どこか懐かしいその声に、マイは甘える。
「マイ、起きなさい!」
今度は、マイの頭の中に声が響く。
その声はマイに安心感を与え、マイはそのまま眠りを堪能する。
パシん!
「ん?」
頬を叩かれた感触に、マイは目を開ける。
「あれ、マイン?」
マイの視界には、目に涙をためたマインが入ってくる。
額にはいつものはちまきを巻いてるが、服装はボディスーツではなく、ノースリーブの服を着ていた。
「なんでマインが、ここにいるの?」
「馬鹿!何寝ぼけてるのよ!」
マイの受け答えに、マインは怒鳴る。
「馬鹿って言ったら、言う方が馬鹿なんだよー。」
マイは目を閉じて、ニヤけながらつぶやく。
「いいから、起きなさい!」
パシん!
マインはもう一度、マイの頬を叩く。
「もう、なんでぶつのー、やめてよ、マイン!」
マイは思わず声を昂らせる。
同時に、マイの血流があがり、マイの脳が覚醒する。
「え?」
マイは上体をガバっとはね起きる。
「マイン、」
マイの視界に、マインが入る。
同時に、マイの記憶が蘇る。
マイがマインに聞こうとするその瞬間、マインはマイを抱きしめる。
「良かったぁ、マイが起きてくれたー。」
マインはそのまま泣き出した。
「ちょっとマイン、どうしたのよ。
ねえ、何があったか教えてよ。」
マイはマインに聞いてみるが、マインは泣きじゃくって答えてくれない。
「ねえアイ、一体何がどうなったの。」
マイは今度は、額のチップを通じてアイに問いかける。
「知らないわ。しばらくそのままでいなさい。」
額のチップ越しに答えるアイの声は涙声で、何故かマイを突き放す。
状況を聞きたいのに、聞ける相手はまともに答えてくれない。
マイは途方に暮れる。
ならば、自分で考えるしかない。
確か、戦闘機の変形合身スティックを使って、太陽系外周部で待ち伏せていた敵を、ぶっちぎって来て、それで地球に辿り着いて、それから、どうしたんだっけ。
それに僕は、いつお着替えステッキを使ったんだ?
いや、それよりここはどこだ?
僕は敵に捕まったのか?
あれ、敵?
そもそも敵って誰だ?
マインを、こんなに心配させたヤツ?だよな?
マイはおもむろに、抱きつくマインの頭を撫でる。
その時マイの視界に、右手首の腕輪が見える。
そう、これはベータと連絡が取れる腕輪だ。
「ベータ、教えて、何があったの。」
藁にもすがる思いだったが、マイの問いかけにベータからの答えは無かった。
その変わりの様に、部屋の扉が開き、ひとりの男が入ってくる。
歳は65くらいだろうか。
頭は白髪混じりで、禿げてはいない。
人の良い元気なお爺ちゃんって感じで、ダンディズムを感じる。
彼が部屋に入って来たのを見て、マイに抱きついてたマインは、泣きやんでマイから離れる。
そして何故か、もじもじしてる。
マインは大の男嫌いだ。
マイはふたりの間に入ろうと、ベットから降りようと身体をよじる。
そんなマイの行動より先に、マインは動く。
「あ、あの、私達を助けてくれて、ありがとうございます。
きゃ。」
マインは両手を頬に当てる。
「きゃってなんだよ。」
マイは思わずつぶやく。
そう言えば、マインはお婆ちゃんが大好きだったんだっけ。
そのお婆ちゃんが大好きだったのがお爺ちゃんだった訳で、つまり男嫌いのマインでも、お爺ちゃんは大好きなのかもしれない。
「マイン、すっかり良くなったみたいだね。」
歩み寄るお爺ちゃんは、にこやかに声をかける。
「はい、あなたのお陰です。きゃ。」
「それは良かった。」
お爺ちゃんはマインに答えると、マイに視線を向ける。
「マイも、どうやら峠を越えたみたいだね。」
マイに向けられたその言葉に、マイは何故かゾッとする。
ベットから降ろそうとしていた両足を、素早くベットの上に戻して、マイはベットの上にしゃがみ込む。
そして右腿の横に右手を持っていく。
そこにあるはずのソウルブレイドのクダが無かった。
マイは慌てて左腿も探るが、そちらにも無かった。
「どうかなさったかな、マイ。」
お爺ちゃんはマイの側まで近づき、狼狽するマイに声をかける。
マイは、全身の毛が逆立つのを感じる。
「あんた、誰だ。」
マイは低い声でお爺ちゃんに尋ねる。
「ほう、マイには分かってると思ったんじゃがの。」
お爺ちゃんはにこやかに微笑む。
「あんたが、アルファ、だな。」
マイには何故か、確信があった。
「な、なんて事を言うんですか。」
横からいきなりマインが口を挟む。
「彼は、常光〔つねみつ)様ですよ。
私達を助けてくれたお方に、失礼ではありませんか。」
マインの言外から、ほら謝って、と聞こえてくる。
「ほ、ほ、ほ。
マイン、ちょっと席を外してくてんかの。
マイとふたりきりで話しがしたいのじゃ。」
固まるマイを尻目に、お爺ちゃんはマインに頼む。
「わ、分かりました。きゃ。」
マインは、お爺ちゃんの言葉に素直に従う。
マイが今居る部屋は、病院の大部屋くらいの広さがあり、その中央より少し奥側に、ベットがあった。
そして隣りの大部屋とを仕切る壁の代わりに、つい立てがあった。
そのつい立ては高さが2メートル程で、左右には人ひとり通れる程の隙間があった。
マインはつい立ての奥へと姿を消した。
「おいー。」
声が出ないマイは、心の中で突っ込む。
ふたりっきりでの話しが、丸聞こえじゃねーか。
マイが声が出せないのは、お爺ちゃんの本名に驚いたからだ。
常光。
これは、マイの召喚前の名前だった。
「ふう、やっとふたりっきりで話しが出来るな。」
温厚そうなお爺ちゃんは、鋭そうな感じに雰囲気を変える。
そしてベットに腰掛ける。
マイは少し奥に詰めて、距離をとる。
「おまえ、やっぱりアルファなのかよ。」
マイは小声でつぶやく。
「常光ってのも、本当だろ。」
とアルファはニヤける。
「いや、なんで僕のクローンがジジイなんだよ。
僕はもう少し若かったぞ。」
「おいおい、何年前にクローンが創られたと思ってんだ。
俺は既に三代目だぞ。」
「マジかよ。」
「で、これからどうするんだよ。」
マイは気を取り直して、アルファに問う。
「さあ、どうすれば良い。本体のマイ様。」
アルファは逆に聞いてくる。
「はあ。僕はてっきり、地球でおまえと一大決戦だと思ってたのに、拍子抜けだよ。」
マイはため息がてら、本音を漏らす。
「いや、それは駄目だろ。
なんで地球を汚染するんだよ。」
とアルファはマイの本音を否定する。
「ああ、それもそうだな。」
「つまり、ここまで来られちまった時点で、俺の負けなんだよ。」
「マジかよ。僕はおまえとの最終決戦で、こいつを使うものとばかり、思ってたよ。」
マイは、何処からともなく、緑色の変形合身スティックを取り出す。
「ああ、そいつは使わなくってよかったよ。」
アルファは、そのスティックを見てつぶやく。
「これ、使ったらどうなってたんだ?
なんか解析不能で、分からなかったんだけど。」
「そいつは、アルファーシリーズ四機を無理矢理合体させて、自爆させる代物だよ。
これ二本で出来ちゃうってのが癖ものだ。」
「マジかよ。
じゃあ、見つけた時に試してたら、ドカンだったのか。」
「あはは、そう言う事だぜ、本体様。」
「いや、その本体様って、やめてくれよ。」
「なら、常光様?」
「普通にマイでいいだろ。」
マイとアルファとの、本人同士のどうでも良い日常会話が続く。
「で、結局ベータもグルだった訳?」
「そう言う事。」
「マジかよ。じゃあ、この会話聞いてるアイ達もグル?」
「あはは、ジョセフがこっち側の人間な時点で、気付けよ。」
「ジョセフ?それはジョーの事か?」
マイ達が地球へ向かう際、何故特殊な次元空間を通る必要があったのか。
それは、アイ達サポートAIを本国から遮断させる必要があったからだ。
そこを通る事で、アイとミサは勿論、ナコとアイツウも遮断出来た。
これにより、マイのチームのサポートAIは、知られたくない情報は、隠蔽出来る様になった。
そして北部戦線の衛星基地ソゴムに居た、虐げられし者達。
彼等の移住先は、この地球だった。
マイ達が地球に来るのを、全力で阻止しようとしたのは、ミズキの意識だった。
ミズキは、ソゴムでマイに負けたので、マイに対してあまり良い感情を持っていなかった。
そして、今後の地球をどうするのか。
マイは、ベータの記憶をアイを通してダウンロードし、それを元に、アルファとベータと話し合って決める事にした。
この話し合いには、マイン、アイ、ミサ、ナコ、アイツウも参加する。
この時代に召喚されたマイとマインは、この時代の地球を、遂に眼下に捉えた。
「地球って、本当に青いんだね。」
近づく地球を見て、マイの瞳から涙がこぼれる。
「だめよマイ、油断しないで。」
マイを注意するマインだが、マインの瞳からも涙がこぼれる。
同時にふたりの身体から、力が抜けていく。
パートナーであるサポートAIからの呼びかけも、次第に遠退いていき、ふたりには届かなくなる。
「ここは?」
マイは気がつくと、ベットの上だった。
視界に入る自分の服装は、ノースリーブのワンピースだった。
いつもは戦闘機用のボディスーツだったはず。
あの、どうやって脱ぐのか分からず、そして脱げるのかも分からないボディスーツ。
「そっか、あれは夢だったんだ。」
マイは額に手を持っていくと、何やら布地の感触があった。
マイはその感触に懐かしさを堪能しながら、再び眠りにつく。
「マイ、起きて、ねえ、起きてよ!」
誰かがマイの身体を揺さぶる。
「えー、もうちょっと寝かせてよー。」
どこか懐かしいその声に、マイは甘える。
「マイ、起きなさい!」
今度は、マイの頭の中に声が響く。
その声はマイに安心感を与え、マイはそのまま眠りを堪能する。
パシん!
「ん?」
頬を叩かれた感触に、マイは目を開ける。
「あれ、マイン?」
マイの視界には、目に涙をためたマインが入ってくる。
額にはいつものはちまきを巻いてるが、服装はボディスーツではなく、ノースリーブの服を着ていた。
「なんでマインが、ここにいるの?」
「馬鹿!何寝ぼけてるのよ!」
マイの受け答えに、マインは怒鳴る。
「馬鹿って言ったら、言う方が馬鹿なんだよー。」
マイは目を閉じて、ニヤけながらつぶやく。
「いいから、起きなさい!」
パシん!
マインはもう一度、マイの頬を叩く。
「もう、なんでぶつのー、やめてよ、マイン!」
マイは思わず声を昂らせる。
同時に、マイの血流があがり、マイの脳が覚醒する。
「え?」
マイは上体をガバっとはね起きる。
「マイン、」
マイの視界に、マインが入る。
同時に、マイの記憶が蘇る。
マイがマインに聞こうとするその瞬間、マインはマイを抱きしめる。
「良かったぁ、マイが起きてくれたー。」
マインはそのまま泣き出した。
「ちょっとマイン、どうしたのよ。
ねえ、何があったか教えてよ。」
マイはマインに聞いてみるが、マインは泣きじゃくって答えてくれない。
「ねえアイ、一体何がどうなったの。」
マイは今度は、額のチップを通じてアイに問いかける。
「知らないわ。しばらくそのままでいなさい。」
額のチップ越しに答えるアイの声は涙声で、何故かマイを突き放す。
状況を聞きたいのに、聞ける相手はまともに答えてくれない。
マイは途方に暮れる。
ならば、自分で考えるしかない。
確か、戦闘機の変形合身スティックを使って、太陽系外周部で待ち伏せていた敵を、ぶっちぎって来て、それで地球に辿り着いて、それから、どうしたんだっけ。
それに僕は、いつお着替えステッキを使ったんだ?
いや、それよりここはどこだ?
僕は敵に捕まったのか?
あれ、敵?
そもそも敵って誰だ?
マインを、こんなに心配させたヤツ?だよな?
マイはおもむろに、抱きつくマインの頭を撫でる。
その時マイの視界に、右手首の腕輪が見える。
そう、これはベータと連絡が取れる腕輪だ。
「ベータ、教えて、何があったの。」
藁にもすがる思いだったが、マイの問いかけにベータからの答えは無かった。
その変わりの様に、部屋の扉が開き、ひとりの男が入ってくる。
歳は65くらいだろうか。
頭は白髪混じりで、禿げてはいない。
人の良い元気なお爺ちゃんって感じで、ダンディズムを感じる。
彼が部屋に入って来たのを見て、マイに抱きついてたマインは、泣きやんでマイから離れる。
そして何故か、もじもじしてる。
マインは大の男嫌いだ。
マイはふたりの間に入ろうと、ベットから降りようと身体をよじる。
そんなマイの行動より先に、マインは動く。
「あ、あの、私達を助けてくれて、ありがとうございます。
きゃ。」
マインは両手を頬に当てる。
「きゃってなんだよ。」
マイは思わずつぶやく。
そう言えば、マインはお婆ちゃんが大好きだったんだっけ。
そのお婆ちゃんが大好きだったのがお爺ちゃんだった訳で、つまり男嫌いのマインでも、お爺ちゃんは大好きなのかもしれない。
「マイン、すっかり良くなったみたいだね。」
歩み寄るお爺ちゃんは、にこやかに声をかける。
「はい、あなたのお陰です。きゃ。」
「それは良かった。」
お爺ちゃんはマインに答えると、マイに視線を向ける。
「マイも、どうやら峠を越えたみたいだね。」
マイに向けられたその言葉に、マイは何故かゾッとする。
ベットから降ろそうとしていた両足を、素早くベットの上に戻して、マイはベットの上にしゃがみ込む。
そして右腿の横に右手を持っていく。
そこにあるはずのソウルブレイドのクダが無かった。
マイは慌てて左腿も探るが、そちらにも無かった。
「どうかなさったかな、マイ。」
お爺ちゃんはマイの側まで近づき、狼狽するマイに声をかける。
マイは、全身の毛が逆立つのを感じる。
「あんた、誰だ。」
マイは低い声でお爺ちゃんに尋ねる。
「ほう、マイには分かってると思ったんじゃがの。」
お爺ちゃんはにこやかに微笑む。
「あんたが、アルファ、だな。」
マイには何故か、確信があった。
「な、なんて事を言うんですか。」
横からいきなりマインが口を挟む。
「彼は、常光〔つねみつ)様ですよ。
私達を助けてくれたお方に、失礼ではありませんか。」
マインの言外から、ほら謝って、と聞こえてくる。
「ほ、ほ、ほ。
マイン、ちょっと席を外してくてんかの。
マイとふたりきりで話しがしたいのじゃ。」
固まるマイを尻目に、お爺ちゃんはマインに頼む。
「わ、分かりました。きゃ。」
マインは、お爺ちゃんの言葉に素直に従う。
マイが今居る部屋は、病院の大部屋くらいの広さがあり、その中央より少し奥側に、ベットがあった。
そして隣りの大部屋とを仕切る壁の代わりに、つい立てがあった。
そのつい立ては高さが2メートル程で、左右には人ひとり通れる程の隙間があった。
マインはつい立ての奥へと姿を消した。
「おいー。」
声が出ないマイは、心の中で突っ込む。
ふたりっきりでの話しが、丸聞こえじゃねーか。
マイが声が出せないのは、お爺ちゃんの本名に驚いたからだ。
常光。
これは、マイの召喚前の名前だった。
「ふう、やっとふたりっきりで話しが出来るな。」
温厚そうなお爺ちゃんは、鋭そうな感じに雰囲気を変える。
そしてベットに腰掛ける。
マイは少し奥に詰めて、距離をとる。
「おまえ、やっぱりアルファなのかよ。」
マイは小声でつぶやく。
「常光ってのも、本当だろ。」
とアルファはニヤける。
「いや、なんで僕のクローンがジジイなんだよ。
僕はもう少し若かったぞ。」
「おいおい、何年前にクローンが創られたと思ってんだ。
俺は既に三代目だぞ。」
「マジかよ。」
「で、これからどうするんだよ。」
マイは気を取り直して、アルファに問う。
「さあ、どうすれば良い。本体のマイ様。」
アルファは逆に聞いてくる。
「はあ。僕はてっきり、地球でおまえと一大決戦だと思ってたのに、拍子抜けだよ。」
マイはため息がてら、本音を漏らす。
「いや、それは駄目だろ。
なんで地球を汚染するんだよ。」
とアルファはマイの本音を否定する。
「ああ、それもそうだな。」
「つまり、ここまで来られちまった時点で、俺の負けなんだよ。」
「マジかよ。僕はおまえとの最終決戦で、こいつを使うものとばかり、思ってたよ。」
マイは、何処からともなく、緑色の変形合身スティックを取り出す。
「ああ、そいつは使わなくってよかったよ。」
アルファは、そのスティックを見てつぶやく。
「これ、使ったらどうなってたんだ?
なんか解析不能で、分からなかったんだけど。」
「そいつは、アルファーシリーズ四機を無理矢理合体させて、自爆させる代物だよ。
これ二本で出来ちゃうってのが癖ものだ。」
「マジかよ。
じゃあ、見つけた時に試してたら、ドカンだったのか。」
「あはは、そう言う事だぜ、本体様。」
「いや、その本体様って、やめてくれよ。」
「なら、常光様?」
「普通にマイでいいだろ。」
マイとアルファとの、本人同士のどうでも良い日常会話が続く。
「で、結局ベータもグルだった訳?」
「そう言う事。」
「マジかよ。じゃあ、この会話聞いてるアイ達もグル?」
「あはは、ジョセフがこっち側の人間な時点で、気付けよ。」
「ジョセフ?それはジョーの事か?」
マイ達が地球へ向かう際、何故特殊な次元空間を通る必要があったのか。
それは、アイ達サポートAIを本国から遮断させる必要があったからだ。
そこを通る事で、アイとミサは勿論、ナコとアイツウも遮断出来た。
これにより、マイのチームのサポートAIは、知られたくない情報は、隠蔽出来る様になった。
そして北部戦線の衛星基地ソゴムに居た、虐げられし者達。
彼等の移住先は、この地球だった。
マイ達が地球に来るのを、全力で阻止しようとしたのは、ミズキの意識だった。
ミズキは、ソゴムでマイに負けたので、マイに対してあまり良い感情を持っていなかった。
そして、今後の地球をどうするのか。
マイは、ベータの記憶をアイを通してダウンロードし、それを元に、アルファとベータと話し合って決める事にした。
この話し合いには、マイン、アイ、ミサ、ナコ、アイツウも参加する。
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