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異次元からの侵略者
第139話 新しい展開には、過去の設定が役に立つ
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これは西暦9980年のはるか未来のお話し。
衛星基地ソゴムの裏次元に作られた、簡易次元空間にて、マイとユアとメドーラの三人は、それぞれのパートナーであるサポートAI達と再会した。
サポートAI達が戦闘機を持ってきてくれた事により、マイ達の戦略の幅が広がった。
神武七龍神であるブルードラゴンと対峙する事も、可能となった。
と言って、早何話過ぎた事だろう。
別に、考えがまとまってない訳ではない。
そう、宇宙開闢以前から存在するという神武七龍神と対峙するという事は、それなりの覚悟が必要だった。
マイの覚悟は決まった。
「さて、ブルードラゴンを止める算段なんだが。」
覚悟が決まったマイ達を前に、ケイネシアは話し始める。
「さっきも言った通り、ブルードラゴンはすでにこの世にはいない。
ならば、どうするか。」
ケイネシアはそう言うと、マイに視線を向ける。
「この世にいないなら、あの世でもどこでも、会いに行けばいいんじゃないの。」
マイのこの意見に、誰もが呆然となる。
そんな事、出来る訳もない。
誰もがそう思う中、アイは違った。
「まさか。」
アイは、ありえない物を見る様な眼で、ケイネシアを見つめる。
「流石はマイだな。その通り。会いに行けばいい。」
「出来るのか、そんな事が。」
ケイネシアはマイの意見に賛同するが、すぐさまユアが突っ込んだ。
かく言うマイ自身も、そんな方法は知らない。
「シリウスシリーズの機体が三体そろった。
これでブルードラゴンの意識が存在する、高次元空間への移動が可能になった。」
ケイネシアは右手の人差し指を立てて、上空を見上げる。
高次元空間と言っても、別に高い場所にある訳ではない。
三次元、四次元、五次元と、次元を重ねた先に、ブルードラゴンの居る高次元空間はある。
この作品では、他次元空間という言葉がよく出てくる。
これは別に存在する次元空間を指している。
低次元、高次元の空間の意味もあるが、主に同時に存在する、並行世界を指している。
パラレルワールド、異世界とも言える存在だった。
「そんな機能、私は知らんぞ。」
ケイネシアの言葉に、ユウはめんくらう。
サポートAIであるユウも、その事は知らなかった。
だけど、アイは違った。
「なぜあなたが、それを知っているのです。」
アイの言葉が震える。
ケイネシアはアイの質問には答えず、マイ達に話しかける。
「おまえ達の機体には、次元を超越する機能がある。」
「ま、待ちなさい!」
アイはケイネシアの発言を遮る。
「その機能は、魂の親和性を高めないと、開放されません。
今のマイ達には、不可能です!」
魂の親和性。
それは、機体に慣れて、熟練度を上げる事を意味する。
マイ達はまだ、その機能を使うには、経験不足だった。
そして、マイの魂は今、脱出用システムにも耐えられない事を、忘れてはならない。
「マイ達のツラを見ろよ。」
ケイネシアは、アイに言い聞かせる。
「覚悟を決めた、いいツラじゃねーか。
これには機体も、答えてくれるさ。」
「そんな事、」
ある訳ない。
アイはその思いを、言葉に出来なかった。
「今は、マイ達を信じましょう。」
ここでアイツウが、アイをさとす。
そしてユウは、顔をしかめる。
ユウが知らない事を、アイは知っている。
ユウは、この事が気にくわない。
普段なら、別にそれでもいい。
だが、パートナーのユアが、マイと一緒にいる時にこれをやられると、我慢ならなかった。
そして、アイのコピー体であるアイツウも知ってるのかと思うと、実に腹立たしい。
だけど、実際は違った。
アイツウはアイのコピー体ではあるが、それはメドーラのパートナーとして、アイをベースにしたにすぎない。
アイが独自に持つ機能を、引き継いでいる訳でもない。
そこは、ユアの為に作られたユウと、なんら変わりはなかった。
ケイネシアは、アイが落ち着いたのを見計らい、三本の棒状の物を取り出した。
「メモリースティック?」
マイにはそれが、いわゆるUSBメモリに見えた。
「これを各々の機体にセットしろ。
マイの機体を中心に、変形合体する事が出来る。」
マイ達三人は、ケイネシアから棒状の物体を受け取った。
「なぜあなたが、それを持っているのです。」
アイの声が震える。
サポートAIだったミイの意志を継ぐ者を、自称するケイネシア。
そのケイネシアが、ミイが知りえなかった事を知っている。
アイにはそれが脅威だった。
ケイネシアは、敵対する存在である事は、間違いない。
その敵対する者が、こちらの機密事項を知っている。
マイとの通信が遮断されてる間に、仲良くなったとは言え、相手は敵対者である事に、変わりはない。
これは事情を知るアイにとって、ゆゆしき事態だった。
「私には、千年以上の時間があったからな。」
ケイネシアはマイ達への説明も兼ねて、アイの疑問に答える事にする。
「謎を調べるには、充分すぎる時間だったよ。」
ケイネシアはユウに視線を向ける。
ユウは苦々しい表情でうつむいている。
「ユウ、あんたも疑問に思うだろ。
アイとの違いを。シリウス構想とは、なんなのかと。」
「やめて!」
ケイネシアはユウに話しかけるのだが、横からアイが叫ぶ。
ケイネシアのこれまでの口調から、アイは理解した。
ケイネシアが、シリウス構想の全貌を知ってしまった事を。
「お願い、マイにはバラさないで。今はまだ、その時じゃない。」
アイは消え入りそうな声で、ケイネシアに懇願する。
「僕?」
自分の名前が出た事で、マイが反応した。
言われてみれば、気になる節はある。
自分が死の淵で体験した事とか。
そして、自分の機体がなぜ、シリウスアルファーワン、試作品初号機なのか。
「時じゃない、か。確かにそうだな。」
ケイネシアはニヤける。
「ならば、これからやろうとする事を話そう。
それなら、いいだろ?」
アイは、恐る恐るうなずく。
「シリウスアルファーシリーズの機体を含んだトライフォースならば、次元を超える事が出来る。」
「まじかよ。」
ケイネシアの説明に、ユアがつぶやく。
そう、ユア達はこちらの次元空間には、衛星基地ソゴムの中心近くまで潜り込んで、次元剣で次元の壁を斬り裂いて、やってきた。
それが、普通にトライフォースの形成だけで、これたのである。
トライフォースとは、三機の機体で構成するフォーメーションの事であり、この作品の初期から出てきた戦法である。
「とは言え、魂の親和性がある程度ないと、無理なんだけどな。」
「ふーん、だからこいつの出番なんだ。」
ユアは先ほど受け取った棒状の物体を、ひらひらさせる。
「いや、それは機体の変形合体に使う物であって、それには次元を越えるチカラはないぞ。」
「変形合体?それってもしかして。」
ケイネシアの説明に、マイは思わずつぶやいた。
「ああ。マイの思う通りに変形するぞ。」
ケイネシアの言葉に、マイの表情が輝いた。
自分の機体では不可能と言われた、人型機体への変形。
それが、出来るようになったのだ!
マイが感激するのも束の間、もうひとりのケイネシアが現れた。
衛星基地ソゴムの裏次元に作られた、簡易次元空間にて、マイとユアとメドーラの三人は、それぞれのパートナーであるサポートAI達と再会した。
サポートAI達が戦闘機を持ってきてくれた事により、マイ達の戦略の幅が広がった。
神武七龍神であるブルードラゴンと対峙する事も、可能となった。
と言って、早何話過ぎた事だろう。
別に、考えがまとまってない訳ではない。
そう、宇宙開闢以前から存在するという神武七龍神と対峙するという事は、それなりの覚悟が必要だった。
マイの覚悟は決まった。
「さて、ブルードラゴンを止める算段なんだが。」
覚悟が決まったマイ達を前に、ケイネシアは話し始める。
「さっきも言った通り、ブルードラゴンはすでにこの世にはいない。
ならば、どうするか。」
ケイネシアはそう言うと、マイに視線を向ける。
「この世にいないなら、あの世でもどこでも、会いに行けばいいんじゃないの。」
マイのこの意見に、誰もが呆然となる。
そんな事、出来る訳もない。
誰もがそう思う中、アイは違った。
「まさか。」
アイは、ありえない物を見る様な眼で、ケイネシアを見つめる。
「流石はマイだな。その通り。会いに行けばいい。」
「出来るのか、そんな事が。」
ケイネシアはマイの意見に賛同するが、すぐさまユアが突っ込んだ。
かく言うマイ自身も、そんな方法は知らない。
「シリウスシリーズの機体が三体そろった。
これでブルードラゴンの意識が存在する、高次元空間への移動が可能になった。」
ケイネシアは右手の人差し指を立てて、上空を見上げる。
高次元空間と言っても、別に高い場所にある訳ではない。
三次元、四次元、五次元と、次元を重ねた先に、ブルードラゴンの居る高次元空間はある。
この作品では、他次元空間という言葉がよく出てくる。
これは別に存在する次元空間を指している。
低次元、高次元の空間の意味もあるが、主に同時に存在する、並行世界を指している。
パラレルワールド、異世界とも言える存在だった。
「そんな機能、私は知らんぞ。」
ケイネシアの言葉に、ユウはめんくらう。
サポートAIであるユウも、その事は知らなかった。
だけど、アイは違った。
「なぜあなたが、それを知っているのです。」
アイの言葉が震える。
ケイネシアはアイの質問には答えず、マイ達に話しかける。
「おまえ達の機体には、次元を超越する機能がある。」
「ま、待ちなさい!」
アイはケイネシアの発言を遮る。
「その機能は、魂の親和性を高めないと、開放されません。
今のマイ達には、不可能です!」
魂の親和性。
それは、機体に慣れて、熟練度を上げる事を意味する。
マイ達はまだ、その機能を使うには、経験不足だった。
そして、マイの魂は今、脱出用システムにも耐えられない事を、忘れてはならない。
「マイ達のツラを見ろよ。」
ケイネシアは、アイに言い聞かせる。
「覚悟を決めた、いいツラじゃねーか。
これには機体も、答えてくれるさ。」
「そんな事、」
ある訳ない。
アイはその思いを、言葉に出来なかった。
「今は、マイ達を信じましょう。」
ここでアイツウが、アイをさとす。
そしてユウは、顔をしかめる。
ユウが知らない事を、アイは知っている。
ユウは、この事が気にくわない。
普段なら、別にそれでもいい。
だが、パートナーのユアが、マイと一緒にいる時にこれをやられると、我慢ならなかった。
そして、アイのコピー体であるアイツウも知ってるのかと思うと、実に腹立たしい。
だけど、実際は違った。
アイツウはアイのコピー体ではあるが、それはメドーラのパートナーとして、アイをベースにしたにすぎない。
アイが独自に持つ機能を、引き継いでいる訳でもない。
そこは、ユアの為に作られたユウと、なんら変わりはなかった。
ケイネシアは、アイが落ち着いたのを見計らい、三本の棒状の物を取り出した。
「メモリースティック?」
マイにはそれが、いわゆるUSBメモリに見えた。
「これを各々の機体にセットしろ。
マイの機体を中心に、変形合体する事が出来る。」
マイ達三人は、ケイネシアから棒状の物体を受け取った。
「なぜあなたが、それを持っているのです。」
アイの声が震える。
サポートAIだったミイの意志を継ぐ者を、自称するケイネシア。
そのケイネシアが、ミイが知りえなかった事を知っている。
アイにはそれが脅威だった。
ケイネシアは、敵対する存在である事は、間違いない。
その敵対する者が、こちらの機密事項を知っている。
マイとの通信が遮断されてる間に、仲良くなったとは言え、相手は敵対者である事に、変わりはない。
これは事情を知るアイにとって、ゆゆしき事態だった。
「私には、千年以上の時間があったからな。」
ケイネシアはマイ達への説明も兼ねて、アイの疑問に答える事にする。
「謎を調べるには、充分すぎる時間だったよ。」
ケイネシアはユウに視線を向ける。
ユウは苦々しい表情でうつむいている。
「ユウ、あんたも疑問に思うだろ。
アイとの違いを。シリウス構想とは、なんなのかと。」
「やめて!」
ケイネシアはユウに話しかけるのだが、横からアイが叫ぶ。
ケイネシアのこれまでの口調から、アイは理解した。
ケイネシアが、シリウス構想の全貌を知ってしまった事を。
「お願い、マイにはバラさないで。今はまだ、その時じゃない。」
アイは消え入りそうな声で、ケイネシアに懇願する。
「僕?」
自分の名前が出た事で、マイが反応した。
言われてみれば、気になる節はある。
自分が死の淵で体験した事とか。
そして、自分の機体がなぜ、シリウスアルファーワン、試作品初号機なのか。
「時じゃない、か。確かにそうだな。」
ケイネシアはニヤける。
「ならば、これからやろうとする事を話そう。
それなら、いいだろ?」
アイは、恐る恐るうなずく。
「シリウスアルファーシリーズの機体を含んだトライフォースならば、次元を超える事が出来る。」
「まじかよ。」
ケイネシアの説明に、ユアがつぶやく。
そう、ユア達はこちらの次元空間には、衛星基地ソゴムの中心近くまで潜り込んで、次元剣で次元の壁を斬り裂いて、やってきた。
それが、普通にトライフォースの形成だけで、これたのである。
トライフォースとは、三機の機体で構成するフォーメーションの事であり、この作品の初期から出てきた戦法である。
「とは言え、魂の親和性がある程度ないと、無理なんだけどな。」
「ふーん、だからこいつの出番なんだ。」
ユアは先ほど受け取った棒状の物体を、ひらひらさせる。
「いや、それは機体の変形合体に使う物であって、それには次元を越えるチカラはないぞ。」
「変形合体?それってもしかして。」
ケイネシアの説明に、マイは思わずつぶやいた。
「ああ。マイの思う通りに変形するぞ。」
ケイネシアの言葉に、マイの表情が輝いた。
自分の機体では不可能と言われた、人型機体への変形。
それが、出来るようになったのだ!
マイが感激するのも束の間、もうひとりのケイネシアが現れた。
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