115 / 215
異次元からの侵略者
第115話 次元の歪みの向こうの世界
しおりを挟む
これは西暦9980年のはるか未来のお話し。
北部戦線での戦闘開始まで、16時間をきった。
総攻撃を受けるその宙域から脱出出来ないマイとユアとメドーラは、逆に、衛星基地ソゴムの中心近くにある、次元の歪みを目指す。
次元の歪みの先に、活路を求めたのだった。
しかし、異次元とをつなぐ出入り口を潰すため、衛星基地ソゴムが破壊される事を、マイ達は知らない。
「なにこれ?」
別次元とをつなぐ次元の裂け目を通ったマイ達は、その先に広がる景色に、少しとまどう。
次元の裂け目の先に広がる光景は、普通の公園だった。
公園の真ん中を幕で区切って、その幕を切り裂いて抜けたら、当然公園の向こう側に出る。
次元の裂け目を通ったマイ達の感想は、これだった。
何しろ、目の前の景色の変化は、少し明るくなったくらいだった。
「同じ物体が複数の次元空間に存在する事もあります。
多分、それではないでしょうか。」
今の現状から、考え得る可能性の高い現象を、メドーラが口にする。
「そうでもないみたいよ。」
メドーラの説を、ユアは否定する。
ユアはソウルブレイドのクダを、光線銃に変える。
光線銃を向けた先には、異形の者がいる。
小さな子供のシルエットだが、背中には甲羅があり、口はクチバシ状で、頭のてっぺんはハゲていた。
要するに、カッパだった。
「待って、ユア。」
今にも光線銃の引き金を引きそうなユアの光線銃に、マイは手を置いた。
光線銃を向けられてびくついたカッパは、マイの行動で我にかえり、逃げ出した。
「ちょっと、逃げられちゃったじゃない。」
ユアは光線銃の上に置かれたマイの手をどける。
そんなふたりを尻目に、メドーラは無言でオフロードバイクを走らせ、カッパの逃げ道をふさぐ。
「ナイス、メドーラ。」
ユアもオフロードバイクを走らせ、マイも後に続く。
カッパは、三方向をマイ達三人に包囲される。
ユアとメドーラは、光線銃をカッパに向ける。
姿形は違うとは言え、カッパの表情には、怯えの色が見てとれた。
「ちょっと、物騒じゃない。」
「いいえ、ここは敵地ですわ、マイお姉さま。」
マイの発言を、メドーラはやんわり否定する。
「hhjjggg!」
そこへ突然、聞き慣れない言語が耳に入る。
マイ達三人は、その声のした方に振り向く。
そこにはケイに似た人物がいて、拳銃をこちらに向けている!
パンパンパン!
拳銃が撃たれると同時に、一番近い位置にいたメドーラの光線銃が、円盾に姿を変える。
カッパは一目散に逃げ出した。
ユアは光線銃をケイに似た人物に向ける。
マイは咄嗟にユアの光線銃を叩き落す。
「ちょっと、マイ?」
マイの奇行に驚くユア。
マイはケイに似た人物と、ユアとメドーラとの中間の位置にオフロードバイクを走らせる。
「撃っちゃ駄目だよ。」
マイはユアとメドーラの方を向いて、両手を広げる。
「マイ、あんたねえ。」
ユアは呆れながら、マイに落とされた光線銃を拾う。
「動くな!」
ユアが光線銃に手を伸ばした瞬間、ケイに似た人物が叫ぶ。
ケイに似た人物は、マイの後ろから抱きつき、拳銃をマイの頭に当てている。
「マイお姉さま!」
メドーラは右手に持った円盾を、左太ももに装着されたソウルブレイドのクダが隠れる位置に動かし、左手をソウルブレイドのクダに伸ばす。
「動くなと言っている!」
パン。
ケイに似た人物は、拳銃を上空に向けて撃つ。
メドーラは動きを止め、ユアは落ちた光線銃を拾わずに腰を上げる。
どこからともなく現れたふたりの人物が、ユアとメドーラに近づく。
ユアの光線銃、メドーラの円盾を奪おうと、ゆっくり手を伸ばす。
このふたりの人物も、ケイにそっくりだった。
「え?ケイがふたりも?」
マイは増えたふたりのケイに驚く。
「黙ってろ。」
マイの背後から抱きつくケイが、拳銃の尻でマイの頭をこずく。
「いったいわねー。」
マイはケイに似た人物が拳銃を持つ右手の手首を、きつく握りしめる。
これを合図にするように、ユアもメドーラも、近づく人物に蹴りをいれ、オフロードバイクを走らせマイの元に集結。
ユアはオフロードバイクを走らせる最中に、落ちた光線銃を引き寄せ、マイの背後にいるケイに似た人物の後ろにつき、光線銃を拳銃に変化させ、その人物の頭に当てる。
メドーラはマイの左側につき、マイを背後から抱きつく腕をひきはがす。
ソウルブレイドは、武器に展開中ならば、自由に動かす事が出来る。
地面に落ちた光線銃も、手元に引き寄せる事が出来る。
このソウルブレイドを動かす行為は、無駄に精神力を消耗する。
戦いの最中の作戦ならばともかく、落ちた武器を拾うくらいなら、普通に拾う方がいい。
マイ達三人は、ケイに似た人物をひとり、人質にとった。
マイ達の周りには、ケイに似た人物が四人に増えていた。
北部戦線での戦闘開始まで、16時間をきった。
総攻撃を受けるその宙域から脱出出来ないマイとユアとメドーラは、逆に、衛星基地ソゴムの中心近くにある、次元の歪みを目指す。
次元の歪みの先に、活路を求めたのだった。
しかし、異次元とをつなぐ出入り口を潰すため、衛星基地ソゴムが破壊される事を、マイ達は知らない。
「なにこれ?」
別次元とをつなぐ次元の裂け目を通ったマイ達は、その先に広がる景色に、少しとまどう。
次元の裂け目の先に広がる光景は、普通の公園だった。
公園の真ん中を幕で区切って、その幕を切り裂いて抜けたら、当然公園の向こう側に出る。
次元の裂け目を通ったマイ達の感想は、これだった。
何しろ、目の前の景色の変化は、少し明るくなったくらいだった。
「同じ物体が複数の次元空間に存在する事もあります。
多分、それではないでしょうか。」
今の現状から、考え得る可能性の高い現象を、メドーラが口にする。
「そうでもないみたいよ。」
メドーラの説を、ユアは否定する。
ユアはソウルブレイドのクダを、光線銃に変える。
光線銃を向けた先には、異形の者がいる。
小さな子供のシルエットだが、背中には甲羅があり、口はクチバシ状で、頭のてっぺんはハゲていた。
要するに、カッパだった。
「待って、ユア。」
今にも光線銃の引き金を引きそうなユアの光線銃に、マイは手を置いた。
光線銃を向けられてびくついたカッパは、マイの行動で我にかえり、逃げ出した。
「ちょっと、逃げられちゃったじゃない。」
ユアは光線銃の上に置かれたマイの手をどける。
そんなふたりを尻目に、メドーラは無言でオフロードバイクを走らせ、カッパの逃げ道をふさぐ。
「ナイス、メドーラ。」
ユアもオフロードバイクを走らせ、マイも後に続く。
カッパは、三方向をマイ達三人に包囲される。
ユアとメドーラは、光線銃をカッパに向ける。
姿形は違うとは言え、カッパの表情には、怯えの色が見てとれた。
「ちょっと、物騒じゃない。」
「いいえ、ここは敵地ですわ、マイお姉さま。」
マイの発言を、メドーラはやんわり否定する。
「hhjjggg!」
そこへ突然、聞き慣れない言語が耳に入る。
マイ達三人は、その声のした方に振り向く。
そこにはケイに似た人物がいて、拳銃をこちらに向けている!
パンパンパン!
拳銃が撃たれると同時に、一番近い位置にいたメドーラの光線銃が、円盾に姿を変える。
カッパは一目散に逃げ出した。
ユアは光線銃をケイに似た人物に向ける。
マイは咄嗟にユアの光線銃を叩き落す。
「ちょっと、マイ?」
マイの奇行に驚くユア。
マイはケイに似た人物と、ユアとメドーラとの中間の位置にオフロードバイクを走らせる。
「撃っちゃ駄目だよ。」
マイはユアとメドーラの方を向いて、両手を広げる。
「マイ、あんたねえ。」
ユアは呆れながら、マイに落とされた光線銃を拾う。
「動くな!」
ユアが光線銃に手を伸ばした瞬間、ケイに似た人物が叫ぶ。
ケイに似た人物は、マイの後ろから抱きつき、拳銃をマイの頭に当てている。
「マイお姉さま!」
メドーラは右手に持った円盾を、左太ももに装着されたソウルブレイドのクダが隠れる位置に動かし、左手をソウルブレイドのクダに伸ばす。
「動くなと言っている!」
パン。
ケイに似た人物は、拳銃を上空に向けて撃つ。
メドーラは動きを止め、ユアは落ちた光線銃を拾わずに腰を上げる。
どこからともなく現れたふたりの人物が、ユアとメドーラに近づく。
ユアの光線銃、メドーラの円盾を奪おうと、ゆっくり手を伸ばす。
このふたりの人物も、ケイにそっくりだった。
「え?ケイがふたりも?」
マイは増えたふたりのケイに驚く。
「黙ってろ。」
マイの背後から抱きつくケイが、拳銃の尻でマイの頭をこずく。
「いったいわねー。」
マイはケイに似た人物が拳銃を持つ右手の手首を、きつく握りしめる。
これを合図にするように、ユアもメドーラも、近づく人物に蹴りをいれ、オフロードバイクを走らせマイの元に集結。
ユアはオフロードバイクを走らせる最中に、落ちた光線銃を引き寄せ、マイの背後にいるケイに似た人物の後ろにつき、光線銃を拳銃に変化させ、その人物の頭に当てる。
メドーラはマイの左側につき、マイを背後から抱きつく腕をひきはがす。
ソウルブレイドは、武器に展開中ならば、自由に動かす事が出来る。
地面に落ちた光線銃も、手元に引き寄せる事が出来る。
このソウルブレイドを動かす行為は、無駄に精神力を消耗する。
戦いの最中の作戦ならばともかく、落ちた武器を拾うくらいなら、普通に拾う方がいい。
マイ達三人は、ケイに似た人物をひとり、人質にとった。
マイ達の周りには、ケイに似た人物が四人に増えていた。
0
お気に入りに追加
12
あなたにおすすめの小説
タイムワープ艦隊2024
山本 双六
SF
太平洋を横断する日本機動部隊。この日本があるのは、大東亜(太平洋)戦争に勝利したことである。そんな日本が勝った理由は、ある機動部隊が来たことであるらしい。人呼んで「神の機動部隊」である。
この世界では、太平洋戦争で日本が勝った世界戦で書いています。(毎回、太平洋戦争系が日本ばかり勝っ世界線ですいません)逆ファイナルカウントダウンと考えてもらえればいいかと思います。只今、続編も同時並行で書いています!お楽しみに!
男子中学生から女子校生になった僕
葵
大衆娯楽
僕はある日突然、母と姉に強制的に女の子として育てられる事になった。
普通に男の子として過ごしていた主人公がJKで過ごした高校3年間のお話し。
強制女装、女性と性行為、男性と性行為、羞恥、屈辱などが好きな方は是非読んでみてください!
Clavis X Chronus クラヴィスアンドクロノス
黴男
SF
東京の大学に通っていた普通の学生、三星治明(みほし はるあき)はある日突然、異世界に転生してしまう。
しかし、転生先はファンタジーの溢れる世界などではなく、シークトリアという名前の銀河に跨る星間国家。
しかも、治明は人間ではなくロボットに転生していたのだった。
シークトリアを含めて全部で七つある星間国家のうちの三つが連合軍を形成してシークトリアに攻め込んできており、シークトリアはプレトニアと呼ばれる星間国家と同盟軍を結成し、これに対抗している。
そんな情勢の中開発された人型のロボット兵器、『Chronus』。
そのパイロットとして開発・製造されたロボ、『Clavis』に転生したハルアキは、Chronus…クロノスに宿る親友の魂を見つけ、前世の親友と共に戦いへと身を投じる。
更新は月、水、金の週三日になります。
クラスメイトの美少女と無人島に流された件
桜井正宗
青春
修学旅行で離島へ向かう最中――悪天候に見舞われ、台風が直撃。船が沈没した。
高校二年の早坂 啓(はやさか てつ)は、気づくと砂浜で寝ていた。周囲を見渡すとクラスメイトで美少女の天音 愛(あまね まな)が隣に倒れていた。
どうやら、漂流して流されていたようだった。
帰ろうにも島は『無人島』。
しばらくは島で生きていくしかなくなった。天音と共に無人島サバイバルをしていくのだが……クラスの女子が次々に見つかり、やがてハーレムに。
男一人と女子十五人で……取り合いに発展!?
純白のガンブレイダー 〜TSアルビノ美少女、産廃職でエンジョイプレイします〜
神無フム
SF
睦月星空は、自分が男である事に違和感を抱えていた。
先天性アルビノの真っ白、病弱で小さい少女のような身体。
だけど性別は男の子であり、けして真の意味で女の子になる事はできない。
けして消えることのない違和感を抱えながら生きる彼は、それを唯一解決してくれる世界初フルダイブ型VRMMO〈ディバイン・ワールド〉を全力で謳歌し、ベータプレイヤー達からこう呼ばれていた。
美しき最強のガンソード使い〈純白のガンブレイダー〉と。
心ゆくまでエンジョイしたベータテスト期間の終了を迎えた星空は、ゲーム内で『世界』に問われる。
【──アナタは自分を修正しますか?】
これはTS美少女がエンジョイプレイし、少女達と織り成す新たなVRMMO物語。
毎日22時定期更新
小説家になろう様、カクヨム様、ノベプラ様にも掲載中
第二艦隊転進ス 進路目標ハ未来
みにみ
歴史・時代
太平洋戦争末期 世界最大の46㎝という巨砲を
搭載する戦艦
大和を旗艦とする大日本帝国海軍第二艦隊 戦艦、榛名、伊勢、日向
空母天城、葛城、重巡利根、青葉、軽巡矢矧
駆逐艦涼月、冬月、花月、雪風、響、磯風、浜風、初霜、霞、朝霜、響は
日向灘沖を航行していた
そこで米潜水艦の魚雷攻撃を受け
大和や葛城が被雷 伊藤長官はGFに無断で
作戦の中止を命令し、反転佐世保へと向かう
途中、米軍の新型兵器らしき爆弾を葛城が被弾したりなどもするが
無事に佐世保に到着
しかし、そこにあったのは………
ぜひ、伊藤長官率いる第一遊撃艦隊の進む道をご覧ください
どうか感想ください…心が折れそう
どんな感想でも114514!!!
批判でも結構だぜ!見られてるって確信できるだけで
モチベーション上がるから!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる