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伝説の次元空間編

第163話 勇者足を引っぱってた

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 過去のサーイターマルドを模した次元世界に来た俺は、ついにタカスナと出会う。
 したら魔物の群れに襲われる。
 俺の活躍の場もなく、魔物の群れは倒された。


「みんな、お疲れさまー。」
 タカスナがみんなに声をかける。

「お疲れさまです。」
 ノブヒコさんがペコリと頭を下げる。
「おつかれ。」
 ユミコがゴミを見る目で俺をにらむ。
「お疲れー。」
 アケミが目を輝かせて、タカスナを見る。

「お、お疲れさまでした。」
 一応俺も言ってみる。

「なあなあタカスナ。その剣、私がもらっていいんだよな。」
 アケミは前回らいじんの剣をゲットしたタカスナに、言いよる。
 なんか飼い主にじゃれる犬のようだ。
 タカスナもアケミの胸をガン見する。

「そうだな。道具としてノブヒコさんに持ってもらうのもアリだけど、やっぱアケミさんが装備するべきだよな。」
 タカスナはアケミの胸から目をそらし、らいじんの剣をアケミに渡す。
「うひょー、やったぜ。これで攻撃力アーップ!」
 アケミはらいじんの剣を装備して、大はしゃぎ。

「な、な、いいだろ、これ。」
 アケミはそのままノブヒコさんにからむ。
 ノブヒコさん、困った笑みでアケミに対応する。

 それを見ていた俺のそばに、ユミコが近づく。
 ユミコの真剣な表情に、ちょっとドキっとしてまう。
 やばい、愛の告白か?

 そりゃあ俺はタカスナより背が高いし、自分で言うのもなんだが、タカスナよりイケメンだし。いわばタカスナの上位互換。ユミコが俺に惚れるのも仕方ない。だけどこれでは歴史が変わってしまう。どうにかしないとな。でもユミコを傷つけるのも、よくないよね。

 ぱしん。

 愛の告白をどう断ろうか思ってた俺に、まさかの平手打ち。
 え?
 これがユミコの愛の告白?

「あんたねえ、何考えてんのよ!」
「何って、色々、」
 ユミコに聞かれて、俺も咄嗟に答えが出ない。

「あんたが邪魔したから、戦闘が長引いたんでしょ!
 あんたのせいで、タカスナが無駄にマジックパワー使っちゃったんでしょ!」

 ユミコの剣幕に、はしゃいでたアケミとノブヒコさんも、静まり返る。
 そうか、ユミコは怒ってんだ。
 浮かれてた自分が、恥ずかしい。
 惚れた相手が、ヘマしたんだ。
 ユミコが怒るのも、無理ないか。

「まあ、いいじゃねーかよ、それくらい。」
 アケミがポンポンと、ユミコの肩を叩く。
「あんたは、新しい剣が装備出来たから良いでしょうけど、タカスナのマジックパワー、無駄に使ったのよ。いい訳ないでしょ!」
 ユミコはアケミの手を、激しい勢いで払いのける。

「あ?そんなの、祈りの指輪で回復出来るだろ。」
 アケミの声色に怒気が混じる。
「回復するのも、回数限られてるのよ。」
 ユミコもアケミをにらみ返す。

 やばい、俺を巡って、またユミコとアケミが争いだした。
 モテる男はツラいが、どうしよう、タカスナ先輩。
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