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伝説の次元空間編

第154話 勇者照光子の杖の行方を知る

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 俺がサーイターマルドを救うために残された時間は、100時間も無いらしい。
 俺とユミコは、ユミコのほこらに急ぐ。


 ユミコのほこらには、すぐ着いた。
 マインさん達と別れてから、10分も経っていない。

 俺とユミコは、ほこらの階段を降る。
 メカメカしい地下室の奥の壁の一部は、液晶っぽくなっていて、そこにユミコが右手を当てる。
 ガゴン。と音がして、壁が左右に開く。

 奥の部屋は、無機質な感じで、広々していた。

 ぱちん。

 ユミコが指を鳴らすと、床から机と椅子が迫り上がる。
「ちょっと待っててね。」
「あ、うん。」

 俺はその椅子にちょこんと座る。
 ユミコは壁の近くに立つと、壁に向かって手をかざす。
 壁に巨大なスクリーンが現れて、何かを映しだす。
 そしてユミコの目の前に、何やらキーボードらしきものが浮かぶ。

 ユミコはスクリーンを見ながら、キーボードをブラインドタッチ。
 スクリーンには幾つもの黒いウインドが開き、見慣れない言語がはしる。

「ユミコさん?これってなんですか?」
 ファンタジーから大きくかけ離れたそれに、俺は尋ねずにはいられない。
「これ?今は照光子の杖の行方を調べてるところよ。」
「いや、そうじゃなくて、なんでこんなのが、ここに有るの。」
「あら、ユウタのサポートをするためじゃない。」
「俺の?」
「ええ、ここを作るのに、他の次元空間の技術を流用して、ほんと良かったわ。」

 なるほど、ユミコには453年もの時間があったんだ。
 これくらいの事、やってのけても、不思議じゃないな。

「って、これって、思いっきり次航法違反してません?」
「ユウタのくせに、小難しい事言うわね。
 でも大丈夫。他の次元に迷惑かけてないし、違反じゃないわ。」

 ユミコはキーボードへの打ち込みを終える。
 スクリーンに映しだされる文字。
「まずいわね。」
 その文字を見て、ユミコの顔色が曇る。

「どう言う事?」
 俺には、映しだされた文字が読めない。

「照光子の杖は今、次界への道を照らしているわ。」
「え、何?」
「照光子の杖本来の使われ方をしてるって事。
 タカスナの時代では、まだ向こうで使わないから、借りてこられたんだけど、今は借りられないわね。」
 つまり、タカスナの時はたまたまタイミングが合って、レンタル出来たのか。

「えー、なら新しく作ったら?今後必要になる事態も、あり得る訳だし。」
「そんな簡単に作れないわよ。あれは聖光源の聖理球の力を圧縮させた物。聖光源の長老も今は不在だから、同じ物はしばらく作れないのよ。」

 マジかよ。
 よく分からんがこれって、詰んでない?
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