154 / 221
伝説の次元空間編
第154話 勇者照光子の杖の行方を知る
しおりを挟む
俺がサーイターマルドを救うために残された時間は、100時間も無いらしい。
俺とユミコは、ユミコのほこらに急ぐ。
ユミコのほこらには、すぐ着いた。
マインさん達と別れてから、10分も経っていない。
俺とユミコは、ほこらの階段を降る。
メカメカしい地下室の奥の壁の一部は、液晶っぽくなっていて、そこにユミコが右手を当てる。
ガゴン。と音がして、壁が左右に開く。
奥の部屋は、無機質な感じで、広々していた。
ぱちん。
ユミコが指を鳴らすと、床から机と椅子が迫り上がる。
「ちょっと待っててね。」
「あ、うん。」
俺はその椅子にちょこんと座る。
ユミコは壁の近くに立つと、壁に向かって手をかざす。
壁に巨大なスクリーンが現れて、何かを映しだす。
そしてユミコの目の前に、何やらキーボードらしきものが浮かぶ。
ユミコはスクリーンを見ながら、キーボードをブラインドタッチ。
スクリーンには幾つもの黒いウインドが開き、見慣れない言語がはしる。
「ユミコさん?これってなんですか?」
ファンタジーから大きくかけ離れたそれに、俺は尋ねずにはいられない。
「これ?今は照光子の杖の行方を調べてるところよ。」
「いや、そうじゃなくて、なんでこんなのが、ここに有るの。」
「あら、ユウタのサポートをするためじゃない。」
「俺の?」
「ええ、ここを作るのに、他の次元空間の技術を流用して、ほんと良かったわ。」
なるほど、ユミコには453年もの時間があったんだ。
これくらいの事、やってのけても、不思議じゃないな。
「って、これって、思いっきり次航法違反してません?」
「ユウタのくせに、小難しい事言うわね。
でも大丈夫。他の次元に迷惑かけてないし、違反じゃないわ。」
ユミコはキーボードへの打ち込みを終える。
スクリーンに映しだされる文字。
「まずいわね。」
その文字を見て、ユミコの顔色が曇る。
「どう言う事?」
俺には、映しだされた文字が読めない。
「照光子の杖は今、次界への道を照らしているわ。」
「え、何?」
「照光子の杖本来の使われ方をしてるって事。
タカスナの時代では、まだ向こうで使わないから、借りてこられたんだけど、今は借りられないわね。」
つまり、タカスナの時はたまたまタイミングが合って、レンタル出来たのか。
「えー、なら新しく作ったら?今後必要になる事態も、あり得る訳だし。」
「そんな簡単に作れないわよ。あれは聖光源の聖理球の力を圧縮させた物。聖光源の長老も今は不在だから、同じ物はしばらく作れないのよ。」
マジかよ。
よく分からんがこれって、詰んでない?
俺とユミコは、ユミコのほこらに急ぐ。
ユミコのほこらには、すぐ着いた。
マインさん達と別れてから、10分も経っていない。
俺とユミコは、ほこらの階段を降る。
メカメカしい地下室の奥の壁の一部は、液晶っぽくなっていて、そこにユミコが右手を当てる。
ガゴン。と音がして、壁が左右に開く。
奥の部屋は、無機質な感じで、広々していた。
ぱちん。
ユミコが指を鳴らすと、床から机と椅子が迫り上がる。
「ちょっと待っててね。」
「あ、うん。」
俺はその椅子にちょこんと座る。
ユミコは壁の近くに立つと、壁に向かって手をかざす。
壁に巨大なスクリーンが現れて、何かを映しだす。
そしてユミコの目の前に、何やらキーボードらしきものが浮かぶ。
ユミコはスクリーンを見ながら、キーボードをブラインドタッチ。
スクリーンには幾つもの黒いウインドが開き、見慣れない言語がはしる。
「ユミコさん?これってなんですか?」
ファンタジーから大きくかけ離れたそれに、俺は尋ねずにはいられない。
「これ?今は照光子の杖の行方を調べてるところよ。」
「いや、そうじゃなくて、なんでこんなのが、ここに有るの。」
「あら、ユウタのサポートをするためじゃない。」
「俺の?」
「ええ、ここを作るのに、他の次元空間の技術を流用して、ほんと良かったわ。」
なるほど、ユミコには453年もの時間があったんだ。
これくらいの事、やってのけても、不思議じゃないな。
「って、これって、思いっきり次航法違反してません?」
「ユウタのくせに、小難しい事言うわね。
でも大丈夫。他の次元に迷惑かけてないし、違反じゃないわ。」
ユミコはキーボードへの打ち込みを終える。
スクリーンに映しだされる文字。
「まずいわね。」
その文字を見て、ユミコの顔色が曇る。
「どう言う事?」
俺には、映しだされた文字が読めない。
「照光子の杖は今、次界への道を照らしているわ。」
「え、何?」
「照光子の杖本来の使われ方をしてるって事。
タカスナの時代では、まだ向こうで使わないから、借りてこられたんだけど、今は借りられないわね。」
つまり、タカスナの時はたまたまタイミングが合って、レンタル出来たのか。
「えー、なら新しく作ったら?今後必要になる事態も、あり得る訳だし。」
「そんな簡単に作れないわよ。あれは聖光源の聖理球の力を圧縮させた物。聖光源の長老も今は不在だから、同じ物はしばらく作れないのよ。」
マジかよ。
よく分からんがこれって、詰んでない?
0
お気に入りに追加
6
あなたにおすすめの小説
校長室のソファの染みを知っていますか?
フルーツパフェ
大衆娯楽
校長室ならば必ず置かれている黒いソファ。
しかしそれが何のために置かれているのか、考えたことはあるだろうか。
座面にこびりついた幾つもの染みが、その真実を物語る
蘇生魔法を授かった僕は戦闘不能の前衛(♀)を何度も復活させる
フルーツパフェ
大衆娯楽
転移した異世界で唯一、蘇生魔法を授かった僕。
一緒にパーティーを組めば絶対に死ぬ(死んだままになる)ことがない。
そんな口コミがいつの間にか広まって、同じく異世界転移した同業者(多くは女子)から引っ張りだこに!
寛容な僕は彼女達の申し出に快諾するが条件が一つだけ。
――実は僕、他の戦闘スキルは皆無なんです
そういうわけでパーティーメンバーが前衛に立って死ぬ気で僕を守ることになる。
大丈夫、一度死んでも蘇生魔法で復活させてあげるから。
相互利益はあるはずなのに、どこか鬼畜な匂いがするファンタジー、ここに開幕。
【完結】私だけが知らない
綾雅(りょうが)祝!コミカライズ
ファンタジー
目が覚めたら何も覚えていなかった。父と兄を名乗る二人は泣きながら謝る。痩せ細った体、痣が残る肌、誰もが過保護に私を気遣う。けれど、誰もが何が起きたのかを語らなかった。
優しい家族、ぬるま湯のような生活、穏やかに過ぎていく日常……その陰で、人々は己の犯した罪を隠しつつ微笑む。私を守るため、そう言いながら真実から遠ざけた。
やがて、すべてを知った私は――ひとつの決断をする。
記憶喪失から始まる物語。冤罪で殺されかけた私は蘇り、陥れようとした者は断罪される。優しい嘘に隠された真実が徐々に明らかになっていく。
【同時掲載】 小説家になろう、アルファポリス、カクヨム、エブリスタ
2023/12/20……小説家になろう 日間、ファンタジー 27位
2023/12/19……番外編完結
2023/12/11……本編完結(番外編、12/12)
2023/08/27……エブリスタ ファンタジートレンド 1位
2023/08/26……カテゴリー変更「恋愛」⇒「ファンタジー」
2023/08/25……アルファポリス HOT女性向け 13位
2023/08/22……小説家になろう 異世界恋愛、日間 22位
2023/08/21……カクヨム 恋愛週間 17位
2023/08/16……カクヨム 恋愛日間 12位
2023/08/14……連載開始
皇太子の子を妊娠した悪役令嬢は逃げることにした
葉柚
恋愛
皇太子の子を妊娠した悪役令嬢のレイチェルは幸せいっぱいに暮らしていました。
でも、妊娠を切っ掛けに前世の記憶がよみがえり、悪役令嬢だということに気づいたレイチェルは皇太子の前から逃げ出すことにしました。
本編完結済みです。時々番外編を追加します。
【完結】婚約破棄されて修道院へ送られたので、今後は自分のために頑張ります!
猫石
ファンタジー
「ミズリーシャ・ザナスリー。 公爵の家門を盾に他者を蹂躙し、悪逆非道を尽くしたお前の所業! 決して許してはおけない! よって我がの名の元にお前にはここで婚約破棄を言い渡す! 今後は修道女としてその身を神を捧げ、生涯後悔しながら生きていくがいい!」
無実の罪を着せられた私は、その瞬間に前世の記憶を取り戻した。
色々と足りない王太子殿下と婚約破棄でき、その後の自由も確約されると踏んだ私は、意気揚々と王都のはずれにある小さな修道院へ向かったのだった。
注意⚠️このお話には、妊娠出産、新生児育児のお話がバリバリ出てきます。(訳ありもあります)お嫌いな方は自衛をお願いします!
2023/10/12 作者の気持ち的に、断罪部分を最後の番外にしました。
2023/10/31第16回ファンタジー小説大賞奨励賞頂きました。応援・投票ありがとうございました!
☆このお話は完全フィクションです、創作です、妄想の作り話です。現実世界と混同せず、あぁ、ファンタジーだもんな、と、念頭に置いてお読みください。
☆作者の趣味嗜好作品です。イラッとしたり、ムカッとしたりした時には、そっと別の素敵な作家さんの作品を検索してお読みください。(自己防衛大事!)
☆誤字脱字、誤変換が多いのは、作者のせいです。頑張って音読してチェックして!頑張ってますが、ごめんなさい、許してください。
★小説家になろう様でも公開しています。
【完結】『飯炊き女』と呼ばれている騎士団の寮母ですが、実は最高位の聖女です
葉桜鹿乃
恋愛
ルーシーが『飯炊き女』と、呼ばれてそろそろ3年が経とうとしている。
王宮内に兵舎がある王立騎士団【鷹の爪】の寮母を担っているルーシー。
孤児院の出で、働き口を探してここに配置された事になっているが、実はこの国の最も高貴な存在とされる『金剛の聖女』である。
王宮という国で一番安全な場所で、更には周囲に常に複数人の騎士が控えている場所に、本人と王族、宰相が話し合って所属することになったものの、存在を秘する為に扱いは『飯炊き女』である。
働くのは苦では無いし、顔を隠すための不細工な丸眼鏡にソバカスと眉を太くする化粧、粗末な服。これを襲いに来るような輩は男所帯の騎士団にも居ないし、聖女の力で存在感を常に薄めるようにしている。
何故このような擬態をしているかというと、隣国から聖女を狙って何者かが間者として侵入していると言われているためだ。
隣国は既に瘴気で汚れた土地が多くなり、作物もまともに育たないと聞いて、ルーシーはしばらく隣国に行ってもいいと思っているのだが、長く冷戦状態にある隣国に行かせるのは命が危ないのでは、と躊躇いを見せる国王たちをルーシーは説得する教養もなく……。
そんな折、ある日の月夜に、明日の雨を予見して変装をせずに水汲みをしている時に「見つけた」と言われて振り向いたそこにいたのは、騎士団の中でもルーシーに優しい一人の騎士だった。
※感想の取り扱いは近況ボードを参照してください。
※小説家になろう様でも掲載予定です。
【完結】物置小屋の魔法使いの娘~父の再婚相手と義妹に家を追い出され、婚約者には捨てられた。でも、私は……
buchi
恋愛
大公爵家の父が再婚して新しくやって来たのは、義母と義妹。当たり前のようにダーナの部屋を取り上げ、義妹のマチルダのものに。そして社交界への出入りを禁止し、館の隣の物置小屋に移動するよう命じた。ダーナは亡くなった母の血を受け継いで魔法が使えた。これまでは使う必要がなかった。だけど、汚い小屋に閉じ込められた時は、使用人がいるので自粛していた魔法力を存分に使った。魔法力のことは、母と母と同じ国から嫁いできた王妃様だけが知る秘密だった。
みすぼらしい物置小屋はパラダイスに。だけど、ある晩、王太子殿下のフィルがダーナを心配になってやって来て……
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる