150 / 221
シリウスシスターズ襲撃編
第150話 勇者パロスペシャルを見る
しおりを挟む
俺とマインさんとの戦闘に、ユミコが駆けつけてくれた。
勇気百倍の俺だったが、シリウスシスターズの残り三人も駆けつけてしまった。
なぜこの人たちが俺の邪魔をするのか、見当もつかない。
「や、やめなさい、あなた達。標的は私だけのはずでしょ。」
ユアに首を絞められながらも、ユミコがつぶやく。
「違う!これは俺とマインさんとの勝負!邪魔をする、こいつらが悪い!」
俺はケイさんに押さえつけられながら、前方のマインさんをにらむ。
「へー、タイマン勝負の邪魔をしたのは、そっちが先なんだけどな。」
とマインさんはニヤける。
すでに精神力は回復したのか、リムさんの助けなしに、立ち上がってる。
「く、俺の、負け、なのか。」
俺はマインさんから視線をそらして、うつむく。
そう、ユミコの助けがなければ、俺は死んでいた。
「ふ、やっと負けを認めたか。」
とユアがつぶやく。
俺もピクっと反応するが、何も言い返せない。
「ち、何も言い返さないのか。つまんねーな。」
とユアが追い打ちかけてくる。
「そんな言い方、ないと思うな。」
ケイさんはそう言って、戦意を喪失した俺を解放する。
「ぐぐ、」
ユアのくぐもった悲鳴が聞こえ、俺は振り返る。
見ると、ケイさんがユアに立ち関節技を極めている。
ケイさんはユアの背中側から、ユアの両ひざの後ろに両脚のつま先を突っ込み、ロックする。
そしてユアの両手を背中側から上方へと、ひねり上げる。
ユアから解放されたユミコが、前方へとよろめく。
「ユミコ!」
地に伏したままの俺は、慌てて立ちあがろうとするが、よろめいてしまう。
そんな俺の目の前に、ユミコが倒れる。
「ケイ、てめぇ、何をする。」
立ち関節技を極められたユアが、文句を言う。
「何って、感心しないよ、あんなやり方。」
とケイさんが答える。
「わ、私はただ、あいつにやられた仕返しを、しただけだ。」
とユアは俺をにらむ。
「く、俺に恨みがあるなら、俺を狙え。ユミコは関係ないだろ。」
俺はケイさんにやられたダメージか、マインさんにやられたダメージか知らんが、満足に身体を動かせない。
「関係なくは、ないわよ。」
ユミコはよろめきながら、俺に近寄る。
「ヒーリングっと。」
そして回復呪文をかけてくれた。
「この人たちの標的は、この私よ。」
とユミコは言う。
「あら、よく分かってるじゃない。」
いつの間にかリムさんが、ユミコの右腕を後ろ手にひねり上げてる。
「そう言う事だ、ユウタ。おまえもおとなしくしろ。」
立ち上がった俺の背後から、マインさんが俺の右腕をひねり上げる。
ケイさんもユアの背中から飛び降り、立ち関節技を解く。
ユミコは次航法違反だとマインさんは言ってた。
くそ、その意味はよく分からんが、照光子の杖はあきらめろって事らしい。
俺の物語はここで終わるのか。
勇気百倍の俺だったが、シリウスシスターズの残り三人も駆けつけてしまった。
なぜこの人たちが俺の邪魔をするのか、見当もつかない。
「や、やめなさい、あなた達。標的は私だけのはずでしょ。」
ユアに首を絞められながらも、ユミコがつぶやく。
「違う!これは俺とマインさんとの勝負!邪魔をする、こいつらが悪い!」
俺はケイさんに押さえつけられながら、前方のマインさんをにらむ。
「へー、タイマン勝負の邪魔をしたのは、そっちが先なんだけどな。」
とマインさんはニヤける。
すでに精神力は回復したのか、リムさんの助けなしに、立ち上がってる。
「く、俺の、負け、なのか。」
俺はマインさんから視線をそらして、うつむく。
そう、ユミコの助けがなければ、俺は死んでいた。
「ふ、やっと負けを認めたか。」
とユアがつぶやく。
俺もピクっと反応するが、何も言い返せない。
「ち、何も言い返さないのか。つまんねーな。」
とユアが追い打ちかけてくる。
「そんな言い方、ないと思うな。」
ケイさんはそう言って、戦意を喪失した俺を解放する。
「ぐぐ、」
ユアのくぐもった悲鳴が聞こえ、俺は振り返る。
見ると、ケイさんがユアに立ち関節技を極めている。
ケイさんはユアの背中側から、ユアの両ひざの後ろに両脚のつま先を突っ込み、ロックする。
そしてユアの両手を背中側から上方へと、ひねり上げる。
ユアから解放されたユミコが、前方へとよろめく。
「ユミコ!」
地に伏したままの俺は、慌てて立ちあがろうとするが、よろめいてしまう。
そんな俺の目の前に、ユミコが倒れる。
「ケイ、てめぇ、何をする。」
立ち関節技を極められたユアが、文句を言う。
「何って、感心しないよ、あんなやり方。」
とケイさんが答える。
「わ、私はただ、あいつにやられた仕返しを、しただけだ。」
とユアは俺をにらむ。
「く、俺に恨みがあるなら、俺を狙え。ユミコは関係ないだろ。」
俺はケイさんにやられたダメージか、マインさんにやられたダメージか知らんが、満足に身体を動かせない。
「関係なくは、ないわよ。」
ユミコはよろめきながら、俺に近寄る。
「ヒーリングっと。」
そして回復呪文をかけてくれた。
「この人たちの標的は、この私よ。」
とユミコは言う。
「あら、よく分かってるじゃない。」
いつの間にかリムさんが、ユミコの右腕を後ろ手にひねり上げてる。
「そう言う事だ、ユウタ。おまえもおとなしくしろ。」
立ち上がった俺の背後から、マインさんが俺の右腕をひねり上げる。
ケイさんもユアの背中から飛び降り、立ち関節技を解く。
ユミコは次航法違反だとマインさんは言ってた。
くそ、その意味はよく分からんが、照光子の杖はあきらめろって事らしい。
俺の物語はここで終わるのか。
0
お気に入りに追加
6
あなたにおすすめの小説
校長室のソファの染みを知っていますか?
フルーツパフェ
大衆娯楽
校長室ならば必ず置かれている黒いソファ。
しかしそれが何のために置かれているのか、考えたことはあるだろうか。
座面にこびりついた幾つもの染みが、その真実を物語る
蘇生魔法を授かった僕は戦闘不能の前衛(♀)を何度も復活させる
フルーツパフェ
大衆娯楽
転移した異世界で唯一、蘇生魔法を授かった僕。
一緒にパーティーを組めば絶対に死ぬ(死んだままになる)ことがない。
そんな口コミがいつの間にか広まって、同じく異世界転移した同業者(多くは女子)から引っ張りだこに!
寛容な僕は彼女達の申し出に快諾するが条件が一つだけ。
――実は僕、他の戦闘スキルは皆無なんです
そういうわけでパーティーメンバーが前衛に立って死ぬ気で僕を守ることになる。
大丈夫、一度死んでも蘇生魔法で復活させてあげるから。
相互利益はあるはずなのに、どこか鬼畜な匂いがするファンタジー、ここに開幕。
美しい姉と痩せこけた妹
サイコちゃん
ファンタジー
若き公爵は虐待を受けた姉妹を引き取ることにした。やがて訪れたのは美しい姉と痩せこけた妹だった。姉が夢中でケーキを食べる中、妹はそれがケーキだと分からない。姉がドレスのプレゼントに喜ぶ中、妹はそれがドレスだと分からない。公爵はあまりに差のある姉妹に疑念を抱いた――
【完結】私だけが知らない
綾雅(りょうが)祝!コミカライズ
ファンタジー
目が覚めたら何も覚えていなかった。父と兄を名乗る二人は泣きながら謝る。痩せ細った体、痣が残る肌、誰もが過保護に私を気遣う。けれど、誰もが何が起きたのかを語らなかった。
優しい家族、ぬるま湯のような生活、穏やかに過ぎていく日常……その陰で、人々は己の犯した罪を隠しつつ微笑む。私を守るため、そう言いながら真実から遠ざけた。
やがて、すべてを知った私は――ひとつの決断をする。
記憶喪失から始まる物語。冤罪で殺されかけた私は蘇り、陥れようとした者は断罪される。優しい嘘に隠された真実が徐々に明らかになっていく。
【同時掲載】 小説家になろう、アルファポリス、カクヨム、エブリスタ
2023/12/20……小説家になろう 日間、ファンタジー 27位
2023/12/19……番外編完結
2023/12/11……本編完結(番外編、12/12)
2023/08/27……エブリスタ ファンタジートレンド 1位
2023/08/26……カテゴリー変更「恋愛」⇒「ファンタジー」
2023/08/25……アルファポリス HOT女性向け 13位
2023/08/22……小説家になろう 異世界恋愛、日間 22位
2023/08/21……カクヨム 恋愛週間 17位
2023/08/16……カクヨム 恋愛日間 12位
2023/08/14……連載開始
皇太子の子を妊娠した悪役令嬢は逃げることにした
葉柚
恋愛
皇太子の子を妊娠した悪役令嬢のレイチェルは幸せいっぱいに暮らしていました。
でも、妊娠を切っ掛けに前世の記憶がよみがえり、悪役令嬢だということに気づいたレイチェルは皇太子の前から逃げ出すことにしました。
本編完結済みです。時々番外編を追加します。
僕の家族は母様と母様の子供の弟妹達と使い魔達だけだよ?
闇夜の現し人(ヤミヨノウツシビト)
ファンタジー
ー 母さんは、「絶世の美女」と呼ばれるほど美しく、国の中で最も権力の強い貴族と呼ばれる公爵様の寵姫だった。
しかし、それをよく思わない正妻やその親戚たちに毒を盛られてしまった。
幸い発熱だけですんだがお腹に子が出来てしまった以上ここにいては危険だと判断し、仲の良かった侍女数名に「ここを離れる」と言い残し公爵家を後にした。
お母さん大好きっ子な主人公は、毒を盛られるという失態をおかした父親や毒を盛った親戚たちを嫌悪するがお母さんが日々、「家族で暮らしたい」と話していたため、ある出来事をきっかけに一緒に暮らし始めた。
しかし、自分が家族だと認めた者がいれば初めて見た者は跪くと言われる程の華の顔(カンバセ)を綻ばせ笑うが、家族がいなければ心底どうでもいいというような表情をしていて、人形の方がまだ表情があると言われていた。
『無能で無価値の稚拙な愚父共が僕の家族を名乗る資格なんて無いんだよ?』
さぁ、ここに超絶チートを持つ自分が認めた家族以外の生き物全てを嫌う主人公の物語が始まる。
〈念の為〉
稚拙→ちせつ
愚父→ぐふ
⚠︎注意⚠︎
不定期更新です。作者の妄想をつぎ込んだ作品です。
【完結】『飯炊き女』と呼ばれている騎士団の寮母ですが、実は最高位の聖女です
葉桜鹿乃
恋愛
ルーシーが『飯炊き女』と、呼ばれてそろそろ3年が経とうとしている。
王宮内に兵舎がある王立騎士団【鷹の爪】の寮母を担っているルーシー。
孤児院の出で、働き口を探してここに配置された事になっているが、実はこの国の最も高貴な存在とされる『金剛の聖女』である。
王宮という国で一番安全な場所で、更には周囲に常に複数人の騎士が控えている場所に、本人と王族、宰相が話し合って所属することになったものの、存在を秘する為に扱いは『飯炊き女』である。
働くのは苦では無いし、顔を隠すための不細工な丸眼鏡にソバカスと眉を太くする化粧、粗末な服。これを襲いに来るような輩は男所帯の騎士団にも居ないし、聖女の力で存在感を常に薄めるようにしている。
何故このような擬態をしているかというと、隣国から聖女を狙って何者かが間者として侵入していると言われているためだ。
隣国は既に瘴気で汚れた土地が多くなり、作物もまともに育たないと聞いて、ルーシーはしばらく隣国に行ってもいいと思っているのだが、長く冷戦状態にある隣国に行かせるのは命が危ないのでは、と躊躇いを見せる国王たちをルーシーは説得する教養もなく……。
そんな折、ある日の月夜に、明日の雨を予見して変装をせずに水汲みをしている時に「見つけた」と言われて振り向いたそこにいたのは、騎士団の中でもルーシーに優しい一人の騎士だった。
※感想の取り扱いは近況ボードを参照してください。
※小説家になろう様でも掲載予定です。
【完結】もう…我慢しなくても良いですよね?
アノマロカリス
ファンタジー
マーテルリア・フローレンス公爵令嬢は、幼い頃から自国の第一王子との婚約が決まっていて幼少の頃から厳しい教育を施されていた。
泣き言は許されず、笑みを浮かべる事も許されず、お茶会にすら参加させて貰えずに常に完璧な淑女を求められて教育をされて来た。
16歳の成人の義を過ぎてから王子との婚約発表の場で、事あろうことか王子は聖女に選ばれたという男爵令嬢を連れて来て私との婚約を破棄して、男爵令嬢と婚約する事を選んだ。
マーテルリアの幼少からの血の滲むような努力は、一瞬で崩壊してしまった。
あぁ、今迄の苦労は一体なんの為に…
もう…我慢しなくても良いですよね?
この物語は、「虐げられる生活を曽祖母の秘術でざまぁして差し上げますわ!」の続編です。
前作の登場人物達も多数登場する予定です。
マーテルリアのイラストを変更致しました。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる