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勇者の証回収へ

第135話 勇者勇者の証をゲットする

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 ルギア様のご神託の場所で見つけた、ルギアのお守りにそっくりな物体。
 これは一体、何なのか。


 俺の持つルギアのお守りとは違い、くだんの物体は、少し古めかしかった。
 その物体にこびり付いた泥を払う。
 その物体にも、ルギア様の紋章が刻印されていた。
 だけど俺の持つルギアのお守りの刻印に比べると、だいぶ簡素化されている。

「ユミコ、これって。」
 俺はその物体をユミコに見せる。
「間違いないわね。これがタカスナの持っていた、勇者の証よ。」

 おお、こいつが勇者の証か。これで神帝のほこらに入れるな。

「で、ここって何があったんだ。」
 俺は閉ざされた扉についても、聞いてみる。
「ここは、聖なる霧吹きをもらったほこらね。」
「聖なる霧吹き?」
「そう、聖なる霧吹き。これと照光子しょうこうしの杖を使って、虹の橋が完成するのよ。」
「え、じゃあ勇者の証があって神帝のほこらに入れても、虹の橋はもらえないのか?」
「そうなるわね。」
「そっか。」

 俺は少し気落ちする。
 その聖なる霧吹きと照光子しょうこうしの杖って、どこにあるんだよ。
「それより、このほこらに入れないか?」
 俺はふたつのアイテムも気になるが、このほこらも気になる。

「じゃあひとまず、アンロック。」
 ユミコは解錠呪文を唱える。

 ほこらを封印した扉が開かれるのだが、そこから地下へと続くほこらの階段は、泥でびっちり埋まってた。
 そりゃあ沼の底にあった扉だ。
 扉の隙間から、泥が入り込んでたんだろう。
 これでは、このほこらの探索のしようがない。

 俺はほこらの扉を閉める。
「ユミコ、ふたつのアイテムって、どこにあるんだ?」
 この先必要になる、聖なる霧吹きと照光子しょうこうしの杖。
 そのありかが気になる。なにせ、サーイターマルドのほぼ全土は、すでに制覇してるのだから。

「それより、まずはこの沼地から出ましょう。」
「あ、ごめん。」
 ユミコの足元から、おわん状にどいてた泥水が、再び戻ろうとしている。
 ユミコの唱えた絶対防御呪文の効果が、早くもきれようとしていた。

 俺たちは急いで、元来た道を引き返す。
 そして毒の沼地を抜ける。

「ちょっと待ってね。」
 ユミコは目を閉じると、額に右手の人差し指と中指を当てる。
 ユミコの表情が険しくなる。

 ……

 まだぁ?
 思わず急かしたくなるくらい、ユミコはポーズを崩さない。
 以前勇者の証を探した時は、即だったのに。
 ふたつのアイテムに、何かあったのだろうか。

 こうも動きがないと、生きてるのか心配になる。
 俺はユミコの心臓の鼓動を確かめようと、ユミコの胸に手を伸ばす。
 その瞬間、ユミコはハッと目を開ける。
 俺も即座に、手をひっこめた。
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