36 / 221
ユミコ争奪編
第36話 勇者凌辱しない
しおりを挟む
ユミコ争奪戦も、世界観ガン無視の銃撃戦に発展。
俺は睡眠呪文を使い、彼女らを眠らせた。
「ああっと、美女四人組、ついに勇者ユウタの魔の手に落ちたぁ!」
ほんと、そのノリの実況、やめてくんないかなぁ。
しかし銀髪女が、むくりと上体を起こす。
「ああっと、勇者マイン、なんと影腹を切っていたあ!
勇者ユウタの魔の手をひとり、かいくぐったぁ!」
え、かげばら?
かげばらって何?
解説のクマガイさん、仕事してよ。
なんか脇腹から血が出てるんですけど、これって切腹?
大丈夫なの、ねえ。
「勇者ユウタ、私達の負けだ。」
銀髪女は、無念そうにそう告げる。
「だから、凌辱するのは、私ひとりにしてくれ。
こいつらは見逃してほしい。」
えー、なんでそうなるの。
そんな気、さらさら無いのに。
つかあんた、お腹大丈夫?
手当しないと、死んじゃわない?
「あんたも、済まなかったぁ!」
銀髪女は、ユミコに向かって叫ぶ。
「男どもの魔の手から守れなくて、済まない!
だから私が凌辱されるのを見て、対策を考えてくれ!」
銀髪女は、バタりと横になる。
「会場の人達よ、よく見るがいい!
敗れ去った者の、惨めな姿を!」
会場中は、一斉にすすり泣く。
凌辱される姿など、誰も見たくないみたい。
うーん、どうすればいーんだ、これ。
と思ってたら、いつの間にかユミコが銀髪女のそばにいる。
「ヒーリングっと。」
ユミコが回復呪文を唱えると、銀髪女の傷が回復する。
「オッハー。」
ユミコが覚醒呪文を唱えると、寝ていた三人がおっきする。
おっきした三人は、上体を起こしてキョロキョロする。
大の字で横になる銀髪女と、そのそばに立つ俺とユミコ。
これで三人は悟る。
「そっか、私達は負けたのね。」
「その女性を、守れなかったのか。くそっ。」
「く、女性の敵を倒せなくて、何が勇者だ…!」
「あ、安心してくれ、」
銀髪女も上体を起こす。
「凌辱されるのは私だけだと、こいつと約束した。」
「な、」
銀髪女の言葉に、三人は驚く。
いや、そんな約束してないけど。
「こいつが、そんな約束守る訳ないでしょ!」
うん、してない約束って、どう守るんだ?
「ちょっといいかなぁ。」
収拾がつかなくなりそうな中、ユミコがにこにこ笑顔で、上体を起こした銀髪女と目線を合わせる様にしゃがみ込む。
あ、やべー。ユミコさん、怒ってらっしゃる。
「さっきから聞いてるとさあ、あなた達って、私と魔王倒しに行く気、あったのかなぁ?」
あ、それ、俺も気になってた。
俺は睡眠呪文を使い、彼女らを眠らせた。
「ああっと、美女四人組、ついに勇者ユウタの魔の手に落ちたぁ!」
ほんと、そのノリの実況、やめてくんないかなぁ。
しかし銀髪女が、むくりと上体を起こす。
「ああっと、勇者マイン、なんと影腹を切っていたあ!
勇者ユウタの魔の手をひとり、かいくぐったぁ!」
え、かげばら?
かげばらって何?
解説のクマガイさん、仕事してよ。
なんか脇腹から血が出てるんですけど、これって切腹?
大丈夫なの、ねえ。
「勇者ユウタ、私達の負けだ。」
銀髪女は、無念そうにそう告げる。
「だから、凌辱するのは、私ひとりにしてくれ。
こいつらは見逃してほしい。」
えー、なんでそうなるの。
そんな気、さらさら無いのに。
つかあんた、お腹大丈夫?
手当しないと、死んじゃわない?
「あんたも、済まなかったぁ!」
銀髪女は、ユミコに向かって叫ぶ。
「男どもの魔の手から守れなくて、済まない!
だから私が凌辱されるのを見て、対策を考えてくれ!」
銀髪女は、バタりと横になる。
「会場の人達よ、よく見るがいい!
敗れ去った者の、惨めな姿を!」
会場中は、一斉にすすり泣く。
凌辱される姿など、誰も見たくないみたい。
うーん、どうすればいーんだ、これ。
と思ってたら、いつの間にかユミコが銀髪女のそばにいる。
「ヒーリングっと。」
ユミコが回復呪文を唱えると、銀髪女の傷が回復する。
「オッハー。」
ユミコが覚醒呪文を唱えると、寝ていた三人がおっきする。
おっきした三人は、上体を起こしてキョロキョロする。
大の字で横になる銀髪女と、そのそばに立つ俺とユミコ。
これで三人は悟る。
「そっか、私達は負けたのね。」
「その女性を、守れなかったのか。くそっ。」
「く、女性の敵を倒せなくて、何が勇者だ…!」
「あ、安心してくれ、」
銀髪女も上体を起こす。
「凌辱されるのは私だけだと、こいつと約束した。」
「な、」
銀髪女の言葉に、三人は驚く。
いや、そんな約束してないけど。
「こいつが、そんな約束守る訳ないでしょ!」
うん、してない約束って、どう守るんだ?
「ちょっといいかなぁ。」
収拾がつかなくなりそうな中、ユミコがにこにこ笑顔で、上体を起こした銀髪女と目線を合わせる様にしゃがみ込む。
あ、やべー。ユミコさん、怒ってらっしゃる。
「さっきから聞いてるとさあ、あなた達って、私と魔王倒しに行く気、あったのかなぁ?」
あ、それ、俺も気になってた。
0
お気に入りに追加
6
あなたにおすすめの小説
校長室のソファの染みを知っていますか?
フルーツパフェ
大衆娯楽
校長室ならば必ず置かれている黒いソファ。
しかしそれが何のために置かれているのか、考えたことはあるだろうか。
座面にこびりついた幾つもの染みが、その真実を物語る
皇太子の子を妊娠した悪役令嬢は逃げることにした
葉柚
恋愛
皇太子の子を妊娠した悪役令嬢のレイチェルは幸せいっぱいに暮らしていました。
でも、妊娠を切っ掛けに前世の記憶がよみがえり、悪役令嬢だということに気づいたレイチェルは皇太子の前から逃げ出すことにしました。
本編完結済みです。時々番外編を追加します。
蘇生魔法を授かった僕は戦闘不能の前衛(♀)を何度も復活させる
フルーツパフェ
大衆娯楽
転移した異世界で唯一、蘇生魔法を授かった僕。
一緒にパーティーを組めば絶対に死ぬ(死んだままになる)ことがない。
そんな口コミがいつの間にか広まって、同じく異世界転移した同業者(多くは女子)から引っ張りだこに!
寛容な僕は彼女達の申し出に快諾するが条件が一つだけ。
――実は僕、他の戦闘スキルは皆無なんです
そういうわけでパーティーメンバーが前衛に立って死ぬ気で僕を守ることになる。
大丈夫、一度死んでも蘇生魔法で復活させてあげるから。
相互利益はあるはずなのに、どこか鬼畜な匂いがするファンタジー、ここに開幕。
【完結】言いたいことがあるなら言ってみろ、と言われたので遠慮なく言ってみた
杜野秋人
ファンタジー
社交シーズン最後の大晩餐会と舞踏会。そのさなか、第三王子が突然、婚約者である伯爵家令嬢に婚約破棄を突き付けた。
なんでも、伯爵家令嬢が婚約者の地位を笠に着て、第三王子の寵愛する子爵家令嬢を虐めていたというのだ。
婚約者は否定するも、他にも次々と証言や証人が出てきて黙り込み俯いてしまう。
勝ち誇った王子は、最後にこう宣言した。
「そなたにも言い分はあろう。私は寛大だから弁明の機会をくれてやる。言いたいことがあるなら言ってみろ」
その一言が、自らの破滅を呼ぶことになるなど、この時彼はまだ気付いていなかった⸺!
◆例によって設定ナシの即興作品です。なので主人公の伯爵家令嬢以外に固有名詞はありません。頭カラッポにしてゆるっとお楽しみ下さい。
婚約破棄ものですが恋愛はありません。もちろん元サヤもナシです。
◆全6話、約15000字程度でサラッと読めます。1日1話ずつ更新。
◆この物語はアルファポリスのほか、小説家になろうでも公開します。
◆9/29、HOTランキング入り!お読み頂きありがとうございます!
10/1、HOTランキング最高6位、人気ランキング11位、ファンタジーランキング1位!24h.pt瞬間最大11万4000pt!いずれも自己ベスト!ありがとうございます!
私はお母様の奴隷じゃありません。「出てけ」とおっしゃるなら、望み通り出ていきます【完結】
小平ニコ
ファンタジー
主人公レベッカは、幼いころから母親に冷たく当たられ、家庭内の雑務を全て押し付けられてきた。
他の姉妹たちとは明らかに違う、奴隷のような扱いを受けても、いつか母親が自分を愛してくれると信じ、出来得る限りの努力を続けてきたレベッカだったが、16歳の誕生日に突然、公爵の館に奉公に行けと命じられる。
それは『家を出て行け』と言われているのと同じであり、レベッカはショックを受ける。しかし、奉公先の人々は皆優しく、主であるハーヴィン公爵はとても美しい人で、レベッカは彼にとても気に入られる。
友達もでき、忙しいながらも幸せな毎日を送るレベッカ。そんなある日のこと、妹のキャリーがいきなり公爵の館を訪れた。……キャリーは、レベッカに支払われた給料を回収しに来たのだ。
レベッカは、金銭に対する執着などなかったが、あまりにも身勝手で悪辣なキャリーに怒り、彼女を追い返す。それをきっかけに、公爵家の人々も巻き込む形で、レベッカと実家の姉妹たちは争うことになる。
そして、姉妹たちがそれぞれ悪行の報いを受けた後。
レベッカはとうとう、母親と直接対峙するのだった……
他国から来た王妃ですが、冷遇? 私にとっては厚遇すぎます!
七辻ゆゆ
ファンタジー
人質同然でやってきたというのに、出されるご飯は母国より美味しいし、嫌味な上司もいないから掃除洗濯毎日楽しいのですが!?
無能なので辞めさせていただきます!
サカキ カリイ
ファンタジー
ブラック商業ギルドにて、休みなく働き詰めだった自分。
マウントとる新人が入って来て、馬鹿にされだした。
えっ上司まで新人に同調してこちらに辞めろだって?
残業は無能の証拠、職務に時間が長くかかる分、
無駄に残業代払わせてるからお前を辞めさせたいって?
はいはいわかりました。
辞めますよ。
退職後、困ったんですかね?さあ、知りませんねえ。
自分無能なんで、なんにもわかりませんから。
カクヨム、なろうにも同内容のものを時差投稿しております。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる