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銀の笛奪還編
第12話 勇者ぼったくりの店に立ち寄る
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カワゴエの村の北半分を覆う建物に、魔法の鍵を使って入ってみた。
そこはなんと、吟遊詩人ユーズルの熱狂的ファンが集う聖地になっていた。
BGMとして流れるユーズルの曲に、誰もが聞きほれている。
そんなにいい物かな。まあ、悪くはないけど。
俺はとりあえず、建物内をぶらつく。
建物内は区切られる事なく、大きな広場になっている。
出店みたいなのが、二軒あった。
そのうちの一件は、武器屋だった。
鉄の斧 500円
鋼の剣 1200円
鎖かたびら 350円
鉄の鎧 1000円
鉄の盾 850円
なんか知らんけど、村の武器屋より良いもの売ってやがる。
今の俺の所持金は、752円。
鎖かたびらは買えるが、もう少しで鉄の鎧に届きそう。
俺は鎖かたびらをあきらめた。
もう一件の店は、なんと鍵屋だった。
魔法の鍵 700円
転移の翼 300円
たいまつ 200円
やくそう 900円
な、高すぎね?
転移の翼って、120円で売ってるだろ、よそでは。
たいまつもやくそうも、無駄に高くねーか。
つー事は、この魔法の鍵の値段も、ぼったくり価格だろう。
だけどこの建物から出るには、魔法の鍵が要る。
俺がそんな事を考えていると、店主の方から話しかけてきた。
「お兄さん、あんたユーズルファンじゃないだろ。」
「な、いや、ファンかもしれないだろ。」
「ははは、この中の様子見て、ドン引きしてただろ。
興味本位で、扉を開けちまったんだろ。」
「あ、ああ。」
店主の言葉に、俺は力弱くうなずく。
そんな俺を見て、店主はニヤけながら魔法の鍵を手に取る。
「悪い事は言わねえ、これを買って、とっととここから、おさらばしちまいな。」
「ぐ。」
俺は言葉につまる。
明らかなぼったくり価格。
出来れば買いたくないが、買わないと、ここから出られない。
しかもギリギリ買える設定価格が、俺の足元を見てやがる。
「おーい、やくそう売ってくれ。」
俺が悩んでいると、横からひとりのおっさんが声をかける。
「まいどありー。」
なんと、900円のやくそうが売れてしまった。
やくそうを買ったおっさんは、やくそうをむしゃむしゃと食べはじめる。
「ま、まさか。」
俺は悪い予感がして、思わずつぶやく。
「そのまさかさ。」
と店主はニヤける。
そう、この建物内での食糧調達は、どうなってるのか。
ここに居るユーズルファン達は、魔法の鍵がないとここから出られない。
つまり、この店のやくそうで、腹を満たすしかないのだ。
ならば、そのお金はどこから調達したのか。
確か吟遊詩人ユーズルは、銀の笛で魔物を操った。
でも制御出来なくなり、魔物ごと葬られた。
と言う事は、その魔物を倒して、お金を得てるのに違いない。
「なあ、ユーズルの墓って、どこにあるんだ?」
俺は店主に聞いてみる。
「そいつは教えらんねーな。
あんた、ユーズルファンじゃないだろ。」
店主は鋭い目つきで俺を見る。
「はあ、自分で探すしかないのか。」
俺はため息をついて、店を後にする。
「おーい、魔法の鍵を買わんのかー。」
店主が俺に声をかける。
「金ないから無理ー。」
と言って、俺はユーズルの墓を探す。
そこはなんと、吟遊詩人ユーズルの熱狂的ファンが集う聖地になっていた。
BGMとして流れるユーズルの曲に、誰もが聞きほれている。
そんなにいい物かな。まあ、悪くはないけど。
俺はとりあえず、建物内をぶらつく。
建物内は区切られる事なく、大きな広場になっている。
出店みたいなのが、二軒あった。
そのうちの一件は、武器屋だった。
鉄の斧 500円
鋼の剣 1200円
鎖かたびら 350円
鉄の鎧 1000円
鉄の盾 850円
なんか知らんけど、村の武器屋より良いもの売ってやがる。
今の俺の所持金は、752円。
鎖かたびらは買えるが、もう少しで鉄の鎧に届きそう。
俺は鎖かたびらをあきらめた。
もう一件の店は、なんと鍵屋だった。
魔法の鍵 700円
転移の翼 300円
たいまつ 200円
やくそう 900円
な、高すぎね?
転移の翼って、120円で売ってるだろ、よそでは。
たいまつもやくそうも、無駄に高くねーか。
つー事は、この魔法の鍵の値段も、ぼったくり価格だろう。
だけどこの建物から出るには、魔法の鍵が要る。
俺がそんな事を考えていると、店主の方から話しかけてきた。
「お兄さん、あんたユーズルファンじゃないだろ。」
「な、いや、ファンかもしれないだろ。」
「ははは、この中の様子見て、ドン引きしてただろ。
興味本位で、扉を開けちまったんだろ。」
「あ、ああ。」
店主の言葉に、俺は力弱くうなずく。
そんな俺を見て、店主はニヤけながら魔法の鍵を手に取る。
「悪い事は言わねえ、これを買って、とっととここから、おさらばしちまいな。」
「ぐ。」
俺は言葉につまる。
明らかなぼったくり価格。
出来れば買いたくないが、買わないと、ここから出られない。
しかもギリギリ買える設定価格が、俺の足元を見てやがる。
「おーい、やくそう売ってくれ。」
俺が悩んでいると、横からひとりのおっさんが声をかける。
「まいどありー。」
なんと、900円のやくそうが売れてしまった。
やくそうを買ったおっさんは、やくそうをむしゃむしゃと食べはじめる。
「ま、まさか。」
俺は悪い予感がして、思わずつぶやく。
「そのまさかさ。」
と店主はニヤける。
そう、この建物内での食糧調達は、どうなってるのか。
ここに居るユーズルファン達は、魔法の鍵がないとここから出られない。
つまり、この店のやくそうで、腹を満たすしかないのだ。
ならば、そのお金はどこから調達したのか。
確か吟遊詩人ユーズルは、銀の笛で魔物を操った。
でも制御出来なくなり、魔物ごと葬られた。
と言う事は、その魔物を倒して、お金を得てるのに違いない。
「なあ、ユーズルの墓って、どこにあるんだ?」
俺は店主に聞いてみる。
「そいつは教えらんねーな。
あんた、ユーズルファンじゃないだろ。」
店主は鋭い目つきで俺を見る。
「はあ、自分で探すしかないのか。」
俺はため息をついて、店を後にする。
「おーい、魔法の鍵を買わんのかー。」
店主が俺に声をかける。
「金ないから無理ー。」
と言って、俺はユーズルの墓を探す。
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