54 / 660
Episode1 京子
46 彼に恋したあの日の……
しおりを挟む
京葉線から内房線へ乗り換えて、目的地を目指す。
少しずつ減っていく乗客を見送りながらようやく辿り着いたのは、田舎の閑散とした駅だった。
人通りの少ない住宅街を歩き、その産婦人科に辿り着く。
プチホテルを思わせる小綺麗な外観で、広いロビーにはオルゴールのメロディが流れていた。
まだ診療時間中で、待合室は妊婦や患者で混雑している。
制服姿の二人を見るなり、数人から険しい表情が飛んできた。
けれど京子は気付かないフリをして、感覚を研ぎ澄ませる。少しだけ感じ取れた気配に「いるね」と呟くと、綾斗が「そうですね」と頷いた。
受付で聞いた部屋は、三階の一番奥だ。
二人部屋だがネームプレートの一つは空になっている。もう一方に書かれた『佐倉美和』の名前を確認して、京子は脱いだ外套を腕に掛けた。
綾斗に目で合図してからノックすると、すぐに中から「はい」と返事がある。
「アルガスから来ました、田母神です。入ってもよろしいですか?」
ドア越しに名乗ると「どうぞ」と女性の声がして、京子は「失礼します」と扉を開けた。
美和は資料にあった三十歳という年齢よりも大分若く見える。子供の姿はなく、淡いピンク色のパジャマ姿で、上に若草色のカーディガンを羽織っていた。
キーダーの子供を授かった事への祝杯ムードは微塵もなく、昨日出産した母親とは思えないほどに憔悴しきった顔で二人を迎える。
訪問するキーダーの一人が未成年の男子だという事は先に伝えてあったが、綾斗を見るなり美和はあからさまに不愉快な表情を見せる。その反応も含めて、誰もがキーダーを望むわけではないと痛感させられた気がした。
類まれな力を恐怖に感じる人は少なくない。京子は長い沈黙に戸惑いながらもさっき読んだばかりのマニュアルを頭の中で整理した。
「初めまして。田母神と申します。この度は御出産おめでとうございます」
「木崎です。おめでとうございます」
美和は黙ったまま俯くように頭を下げる。
「早速ですが、詳細は担当の者が電話で説明させていただいた通りです。お嬢様に銀環を付け、十五歳になった時にその後の選択をしていただくという流れになります」
「十五歳って……あの、娘には本当にキーダーの力があるんでしょうか。ちょっと信じられなくて」
美和は緩く組んだ手に力を込める。ベッドサイドにはノートパソコンが置かれていて、アルガスのサイトが開かれていた。
「私たちがここに来たのは、銀環を結ぶのと確認の為です。陽性反応が出たとの連絡を受けましたが、間違いありません」
「まだ会っても居ないのに分かるの……」
美和の視線が京子と綾斗の手首を一瞥する。
「銀環さえしていれば他の子と同じです。キーダーになる事を強制しているわけでもありません。本当に嫌だと思うなら、十五歳になった時にアルガスへ入ることを断ればいい。例えキーダーを選んで後悔しても、途中で辞めることも可能ですから」
「十五歳なんてまだまだ先の話です。今すぐに消してもらうことはできませんか?」
悲痛な顔で訴える美和に、京子は黙って首を横に振った。
「トール……力を消失させるということは、強い力で縛ることです。小さい身体では負担が大きすぎるんです」
「どうして……」と漏らした美和の頬を涙が伝う。京子は慰める言葉を持ち合わせていなかった。
「私はあの子に戦わせるつもりは無いし、隕石に立ち向かって欲しくもないんです。力を持つことが、あの小さな手に環を付けることが不安で仕方なくて」
美和は視界を塞ぐほどに濡れた目で二人を睨みつけるが、やがてぽつりと口を開いた。
「あの子の父親は、娘の力をとても喜んでいるんです。キーダーは日本を救った英雄だし、汚い話ですが十五歳まで多額の養育費が払われるとも聞いたので」
美和は躊躇うように唇を噛み締めるが、
「けど、分かりました。私だけが反対して謀反の子にする気も無いので。これが栄誉なことだと思わないと……」
謀反とは大袈裟だが、違うと言い切れない自分をもどかしく感じる。彼女に否定権は存在しない。金や栄誉と引き換えに、国に従うことが能力者とその親の義務なのだ。
京子は彼女に深く頭を下げる。
「ありがとうございます。それでは、お嬢様に銀環を付けさせていただきますね」
「ナースセンターに預けてあります。私はここで待っていてもいいですか?」
「分かりました」
もう一度頭を下げ、二人は部屋を出る。
塞がれた扉の向こうから美和の嗚咽が聞こえた。
☆
「辛いですね」
「仕方ないよ、こればっかりは」
桃也の母親もキーダーを望まなかったと言うが、自分の母親はどうだったのだろうと思う。忠雄は大舎卿を歓迎したらしいが、母親の気持ちは聞いたことがなかった。
京子が上京する十五歳の時、既に母親は他界していて、キーダーになることを相談したこともなかった。もっと話をすれば良かったと後悔が募る。
二階に下りてナースステーションを覗くと、年配の看護師が出てきて小部屋に案内してくれた。
ソファと小さなテーブルがあるだけだったが、中で待つとキャスター付きのベッドに乗った赤ちゃんを運んできてくれた。
看護士は中央でタイヤをロックさせると、呼び出しボタンの位置を示してそそくさと部屋を出てしまう。
「うわぁ、可愛い」
顔を覗くなり綾斗が声を上げる。普段は仏頂面の彼が甘味以外で破顔するのは珍しい。
両手に乗ってしまいそうな程小さな少女だ。スヤスヤと安心した顔で寝ているが、キーダーの気配をハッキリと感じる。
外套と荷物をソファに置き、京子は鞄から取り出した箱を開いた。平野の時より少し小さい銀環が入っている。
「ほんと可愛い。こんなに小さいのに、私たちの仲間なんだね」
掛けられたバスタオルを外し袖をまくり上げると、小さな手が現れた。
「何か悪いことしてるみたい」
「そんなことないですよ。俺はキーダーであることは誇りだと思ってます。誰に何を言われても人類の盾となる覚悟はできています。だから、キーダーとなる資格を得たこの子も、あのお母さんも、胸を張っていいと思うんです」
「そうだよね、もっと自分の運命に自信持たなきゃね」
戦う覚悟はできている。けれどそれは漠然としたものだ。
京子は少女の手をそっと取り、左の手首に銀環を通す。生まれたての手には少し大きいが、キーダーが結ぶことで縮まる仕様になっている。
京子はマニュアルを頭で追いながら、自分の銀環に触れた手を少女の銀環に重ねた。
手の中に沸き出る力をゆっくりと移動させると、白い光がぼんやりと指の隙間からこぼれる。
少しずつ上昇する熱に少女がパチリと目を開いて、きょとんとする目がにっこりと笑んだように見えた。
「笑ったぁ」
生まれたばかりの子供が笑うには、まだ早い時期だ。
けれどそう感じた表情は感慨深い。
「待ってるから。また会おうね」
京子はやさしく微笑み返すと、ふと不思議な感覚に捕らわれる。
混ざり合う気配の流れに、懐かしさと不安を覚えた。手を放したくなる衝動を必死に堪える。
「京子さん?」
心配する綾斗に「大丈夫」と返すと、掌にねっとりと汗を感じた。
生まれたての子供に銀環を結ぶのは初めてだ。懐かしいと感じて思い当たる記憶と言えば、自分が生まれた時、大舎卿に結ばれたことだろうか。
「違う……」
もっと後だ。
記憶を辿り、行きつく先に表れたのは、彰人に恋したあの日の風景。
少しずつ溶け出す夢に、京子は「嫌」と唇を噛んだ。
少しずつ減っていく乗客を見送りながらようやく辿り着いたのは、田舎の閑散とした駅だった。
人通りの少ない住宅街を歩き、その産婦人科に辿り着く。
プチホテルを思わせる小綺麗な外観で、広いロビーにはオルゴールのメロディが流れていた。
まだ診療時間中で、待合室は妊婦や患者で混雑している。
制服姿の二人を見るなり、数人から険しい表情が飛んできた。
けれど京子は気付かないフリをして、感覚を研ぎ澄ませる。少しだけ感じ取れた気配に「いるね」と呟くと、綾斗が「そうですね」と頷いた。
受付で聞いた部屋は、三階の一番奥だ。
二人部屋だがネームプレートの一つは空になっている。もう一方に書かれた『佐倉美和』の名前を確認して、京子は脱いだ外套を腕に掛けた。
綾斗に目で合図してからノックすると、すぐに中から「はい」と返事がある。
「アルガスから来ました、田母神です。入ってもよろしいですか?」
ドア越しに名乗ると「どうぞ」と女性の声がして、京子は「失礼します」と扉を開けた。
美和は資料にあった三十歳という年齢よりも大分若く見える。子供の姿はなく、淡いピンク色のパジャマ姿で、上に若草色のカーディガンを羽織っていた。
キーダーの子供を授かった事への祝杯ムードは微塵もなく、昨日出産した母親とは思えないほどに憔悴しきった顔で二人を迎える。
訪問するキーダーの一人が未成年の男子だという事は先に伝えてあったが、綾斗を見るなり美和はあからさまに不愉快な表情を見せる。その反応も含めて、誰もがキーダーを望むわけではないと痛感させられた気がした。
類まれな力を恐怖に感じる人は少なくない。京子は長い沈黙に戸惑いながらもさっき読んだばかりのマニュアルを頭の中で整理した。
「初めまして。田母神と申します。この度は御出産おめでとうございます」
「木崎です。おめでとうございます」
美和は黙ったまま俯くように頭を下げる。
「早速ですが、詳細は担当の者が電話で説明させていただいた通りです。お嬢様に銀環を付け、十五歳になった時にその後の選択をしていただくという流れになります」
「十五歳って……あの、娘には本当にキーダーの力があるんでしょうか。ちょっと信じられなくて」
美和は緩く組んだ手に力を込める。ベッドサイドにはノートパソコンが置かれていて、アルガスのサイトが開かれていた。
「私たちがここに来たのは、銀環を結ぶのと確認の為です。陽性反応が出たとの連絡を受けましたが、間違いありません」
「まだ会っても居ないのに分かるの……」
美和の視線が京子と綾斗の手首を一瞥する。
「銀環さえしていれば他の子と同じです。キーダーになる事を強制しているわけでもありません。本当に嫌だと思うなら、十五歳になった時にアルガスへ入ることを断ればいい。例えキーダーを選んで後悔しても、途中で辞めることも可能ですから」
「十五歳なんてまだまだ先の話です。今すぐに消してもらうことはできませんか?」
悲痛な顔で訴える美和に、京子は黙って首を横に振った。
「トール……力を消失させるということは、強い力で縛ることです。小さい身体では負担が大きすぎるんです」
「どうして……」と漏らした美和の頬を涙が伝う。京子は慰める言葉を持ち合わせていなかった。
「私はあの子に戦わせるつもりは無いし、隕石に立ち向かって欲しくもないんです。力を持つことが、あの小さな手に環を付けることが不安で仕方なくて」
美和は視界を塞ぐほどに濡れた目で二人を睨みつけるが、やがてぽつりと口を開いた。
「あの子の父親は、娘の力をとても喜んでいるんです。キーダーは日本を救った英雄だし、汚い話ですが十五歳まで多額の養育費が払われるとも聞いたので」
美和は躊躇うように唇を噛み締めるが、
「けど、分かりました。私だけが反対して謀反の子にする気も無いので。これが栄誉なことだと思わないと……」
謀反とは大袈裟だが、違うと言い切れない自分をもどかしく感じる。彼女に否定権は存在しない。金や栄誉と引き換えに、国に従うことが能力者とその親の義務なのだ。
京子は彼女に深く頭を下げる。
「ありがとうございます。それでは、お嬢様に銀環を付けさせていただきますね」
「ナースセンターに預けてあります。私はここで待っていてもいいですか?」
「分かりました」
もう一度頭を下げ、二人は部屋を出る。
塞がれた扉の向こうから美和の嗚咽が聞こえた。
☆
「辛いですね」
「仕方ないよ、こればっかりは」
桃也の母親もキーダーを望まなかったと言うが、自分の母親はどうだったのだろうと思う。忠雄は大舎卿を歓迎したらしいが、母親の気持ちは聞いたことがなかった。
京子が上京する十五歳の時、既に母親は他界していて、キーダーになることを相談したこともなかった。もっと話をすれば良かったと後悔が募る。
二階に下りてナースステーションを覗くと、年配の看護師が出てきて小部屋に案内してくれた。
ソファと小さなテーブルがあるだけだったが、中で待つとキャスター付きのベッドに乗った赤ちゃんを運んできてくれた。
看護士は中央でタイヤをロックさせると、呼び出しボタンの位置を示してそそくさと部屋を出てしまう。
「うわぁ、可愛い」
顔を覗くなり綾斗が声を上げる。普段は仏頂面の彼が甘味以外で破顔するのは珍しい。
両手に乗ってしまいそうな程小さな少女だ。スヤスヤと安心した顔で寝ているが、キーダーの気配をハッキリと感じる。
外套と荷物をソファに置き、京子は鞄から取り出した箱を開いた。平野の時より少し小さい銀環が入っている。
「ほんと可愛い。こんなに小さいのに、私たちの仲間なんだね」
掛けられたバスタオルを外し袖をまくり上げると、小さな手が現れた。
「何か悪いことしてるみたい」
「そんなことないですよ。俺はキーダーであることは誇りだと思ってます。誰に何を言われても人類の盾となる覚悟はできています。だから、キーダーとなる資格を得たこの子も、あのお母さんも、胸を張っていいと思うんです」
「そうだよね、もっと自分の運命に自信持たなきゃね」
戦う覚悟はできている。けれどそれは漠然としたものだ。
京子は少女の手をそっと取り、左の手首に銀環を通す。生まれたての手には少し大きいが、キーダーが結ぶことで縮まる仕様になっている。
京子はマニュアルを頭で追いながら、自分の銀環に触れた手を少女の銀環に重ねた。
手の中に沸き出る力をゆっくりと移動させると、白い光がぼんやりと指の隙間からこぼれる。
少しずつ上昇する熱に少女がパチリと目を開いて、きょとんとする目がにっこりと笑んだように見えた。
「笑ったぁ」
生まれたばかりの子供が笑うには、まだ早い時期だ。
けれどそう感じた表情は感慨深い。
「待ってるから。また会おうね」
京子はやさしく微笑み返すと、ふと不思議な感覚に捕らわれる。
混ざり合う気配の流れに、懐かしさと不安を覚えた。手を放したくなる衝動を必死に堪える。
「京子さん?」
心配する綾斗に「大丈夫」と返すと、掌にねっとりと汗を感じた。
生まれたての子供に銀環を結ぶのは初めてだ。懐かしいと感じて思い当たる記憶と言えば、自分が生まれた時、大舎卿に結ばれたことだろうか。
「違う……」
もっと後だ。
記憶を辿り、行きつく先に表れたのは、彰人に恋したあの日の風景。
少しずつ溶け出す夢に、京子は「嫌」と唇を噛んだ。
0
お気に入りに追加
4
あなたにおすすめの小説
百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
クラスメイトの美少女と無人島に流された件
桜井正宗
青春
修学旅行で離島へ向かう最中――悪天候に見舞われ、台風が直撃。船が沈没した。
高校二年の早坂 啓(はやさか てつ)は、気づくと砂浜で寝ていた。周囲を見渡すとクラスメイトで美少女の天音 愛(あまね まな)が隣に倒れていた。
どうやら、漂流して流されていたようだった。
帰ろうにも島は『無人島』。
しばらくは島で生きていくしかなくなった。天音と共に無人島サバイバルをしていくのだが……クラスの女子が次々に見つかり、やがてハーレムに。
男一人と女子十五人で……取り合いに発展!?
(学園 + アイドル ÷ 未成年)× オッサン ≠ いちゃらぶ生活
まみ夜
キャラ文芸
年の差ラブコメ X 学園モノ X オッサン頭脳
様々な分野の専門家、様々な年齢を集め、それぞれ一芸をもっている学生が講師も務めて教え合う教育特区の学園へ出向した五十歳オッサンが、十七歳現役アイドルと同級生に。
子役出身の女優、芸能事務所社長、元セクシー女優なども登場し、学園の日常はハーレム展開?
第二巻は、ホラー風味です。
【ご注意ください】
※物語のキーワードとして、摂食障害が出てきます
※ヒロインの少女には、ストーカー気質があります
※主人公はいい年してるくせに、ぐちぐち悩みます
【連載中】は、短時間で読めるように短い文節ごとでの公開になります。
(お気に入り登録いただけると通知が行き、便利かもです)
その後、誤字脱字修正や辻褄合わせが行われて、合成された1話分にタイトルをつけ再公開されます。
(その前に、仮まとめ版が出る場合もある、かも、しれない、可能性)
物語の細部は連載時と変わることが多いので、二度読むのが通です。
表紙イラストはAI作成です。
(セミロング女性アイドルが彼氏の腕を抱く 茶色ブレザー制服 アニメ)
題名が「(同級生+アイドル÷未成年)×オッサン≠いちゃらぶ」から変更されております
狼神様と生贄の唄巫女 虐げられた盲目の少女は、獣の神に愛される
茶柱まちこ
キャラ文芸
雪深い農村で育った少女・すずは、赤子のころにかけられた呪いによって盲目となり、姉や村人たちに虐いたげられる日々を送っていた。
ある日、すずは村人たちに騙されて生贄にされ、雪山の神社に閉じ込められてしまう。失意の中、絶命寸前の彼女を救ったのは、狼と人間を掛け合わせたような姿の男──村人たちが崇める守護神・大神だった。
呪いを解く代わりに大神のもとで働くことになったすずは、大神やあやかしたちの優しさに触れ、幸せを知っていく──。
神様と盲目少女が紡ぐ、和風恋愛幻想譚。
(旧題:『大神様のお気に入り』)
須加さんのお気に入り
月樹《つき》
キャラ文芸
執着系神様と平凡な生活をこよなく愛する神主見習いの女の子のお話。
丸岡瑠璃は京都の須加神社の宮司を務める祖母の跡を継ぐべく、大学の神道学科に通う女子大学生。幼少期のトラウマで、目立たない人生を歩もうとするが、生まれる前からストーカーの神様とオーラが見える系イケメンに巻き込まれ、平凡とは言えない日々を送る。何も無い日常が一番愛しい……
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる