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【改訂前】始まり
親衛隊総隊長、らしい
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どうやら、彼が嫌われ者というのは本当のようで人とすれ違う度に嫌悪と侮蔑の篭もった目を向けられていた。
まあ、僕もだけど。
「なにあれ?」
「好みでも変わった?」
「うわ…またあいつ来たよ」
「隣のヤツも可哀想だな。転校生か?」
「ああ見えて淫乱なのかよ」
「うわぁ、根暗なくせに淫乱とか…」
「僕への風評被害が半端ないのですが…?」
隣で平然と歩く彼を見上げて聞く。
「これで君も嫌われ者の仲間入りだねぇ。」
ふふっと笑う彼を見て良くわからない人だな、と前を向いた。
「…貴方は、なんなんですか?」
「んーとねぇ、親衛隊総隊長なんだよねぇ。」
親衛隊…。
アイドルでも居るのか?などと思ったが、朝の先生への歓声からしてイケメン達に作られてるのだろう、と解釈する。
「親衛隊というものは嫌われてるのですか?」
素朴な疑問。
ファンクラブのようなものでは無いのだろうか?
「大半の人が嫌ってるねぇ。」
そう言って彼はまた目を細めた。
どうも、彼は感情が読みにくい。
「ふぅん…。」
まぁ、僕には関係無いか。
しばらくして食堂の前に着いた。
「あぁ、夜霧くん。これ付けといた方がいいよぉ。」
渡されたのは耳栓だった。
複数常備しているのか。
何だか、呆れてしまうな…。
彼は、僕が耳栓を装着したのを確認して食堂の扉を開ける。
「「「キャァァァァァァァァア!!」」」
「翼様!本日も麗しい!!」
「翼様ぁ!」
「チッ、親衛隊総隊長かよ」
「顔はいいのにな」
「出たよヤリチン」
「うわ…なんで今日に限って…。」
「有り得ねぇ」
「なにあの根暗」
「気持ち悪い」
「転校生?」
「あのヤリチンと一緒に居るってことはあいつも淫乱なのかよ」
「あの顔で淫乱とか笑えるわ」
「どんだけテク上手いんだよ」
「今度回してくれねーかな。」
「王道じゃないっ!?」
ああ、吐き気がする。
『いいよな、お前は。』
『さすが、夜霧』
『やっぱ格が違う』
『凄い』
うるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさい…。
「夜霧くん?」
ビクッ
ああ、いけない。
ふるふると軽く頭を振って彼の方を向いた。
「…すみません。考え事をしていました。」
「ふぅん…そう。」
というか、彼は翼というのか。
後で苗字も聞かないとな…。
まあ、僕もだけど。
「なにあれ?」
「好みでも変わった?」
「うわ…またあいつ来たよ」
「隣のヤツも可哀想だな。転校生か?」
「ああ見えて淫乱なのかよ」
「うわぁ、根暗なくせに淫乱とか…」
「僕への風評被害が半端ないのですが…?」
隣で平然と歩く彼を見上げて聞く。
「これで君も嫌われ者の仲間入りだねぇ。」
ふふっと笑う彼を見て良くわからない人だな、と前を向いた。
「…貴方は、なんなんですか?」
「んーとねぇ、親衛隊総隊長なんだよねぇ。」
親衛隊…。
アイドルでも居るのか?などと思ったが、朝の先生への歓声からしてイケメン達に作られてるのだろう、と解釈する。
「親衛隊というものは嫌われてるのですか?」
素朴な疑問。
ファンクラブのようなものでは無いのだろうか?
「大半の人が嫌ってるねぇ。」
そう言って彼はまた目を細めた。
どうも、彼は感情が読みにくい。
「ふぅん…。」
まぁ、僕には関係無いか。
しばらくして食堂の前に着いた。
「あぁ、夜霧くん。これ付けといた方がいいよぉ。」
渡されたのは耳栓だった。
複数常備しているのか。
何だか、呆れてしまうな…。
彼は、僕が耳栓を装着したのを確認して食堂の扉を開ける。
「「「キャァァァァァァァァア!!」」」
「翼様!本日も麗しい!!」
「翼様ぁ!」
「チッ、親衛隊総隊長かよ」
「顔はいいのにな」
「出たよヤリチン」
「うわ…なんで今日に限って…。」
「有り得ねぇ」
「なにあの根暗」
「気持ち悪い」
「転校生?」
「あのヤリチンと一緒に居るってことはあいつも淫乱なのかよ」
「あの顔で淫乱とか笑えるわ」
「どんだけテク上手いんだよ」
「今度回してくれねーかな。」
「王道じゃないっ!?」
ああ、吐き気がする。
『いいよな、お前は。』
『さすが、夜霧』
『やっぱ格が違う』
『凄い』
うるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさい…。
「夜霧くん?」
ビクッ
ああ、いけない。
ふるふると軽く頭を振って彼の方を向いた。
「…すみません。考え事をしていました。」
「ふぅん…そう。」
というか、彼は翼というのか。
後で苗字も聞かないとな…。
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