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スノーランド婚約結婚編
執事のお仕事Side:リッヒ
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「テスラさんとデルタさんは朝ミリア王女の世話はしなくて良いのでケネス王子の侍女たちのヘルプに行って下さい」
「はい」
リッヒの毎朝の楽しみはミリアを起こしに行くことだ。
ーーコンコン
「ミリア王女、朝ですよ。起きてください」
一度声をかけても起きないとリッヒは知っている。とりあえずミリアの幸せそうな寝顔を一分間拝む
(可愛らしい唇だ・・・ああ・・・吸い付きたい)
ミリアは寝るときに抱き癖があるのか、いつも布団を巻き込んで寝ているようで、シルクの薄いネグリジェが露になっている。
(こんな無防備に・・・)
「ミリア王女、朝ですよ・・・起きないとイタズラしちゃいますよ」
「ぅううん・・・」
リッヒはミリアの耳元でささやいたが、くすぐったいのか身をよじらせている。リッヒはイタズラ心でフーッと耳に息を吹き掛ける。
「んんん・・・」
もぞもぞと股を擦りよせる。
ーーーーー バン!
「執事殿、何をしておられるのですか?」
「ちっ・・・ミリア王女を起こしに参っただけですよ」
「そんな仕事、執事がするのか?」
最近不愉快なことにランドルフが出勤中、すぐに部屋に入ってくることだ。ランドルフは怪しんだようにリッヒを睨み付けている。
「ぅん・・・あれ?おはよう」
ミリアが目を覚ます。
「おはようございます、ミリア王女。ではお着替えをいたしましょうね。ランドルフ殿は外にお出になっててください」
「な、なんでお前は出ないんだ!?」
「私はミリア様のお着替えがございますので、ささ、騎士は外で見張りをしていて下さい」
ミリアはむくりと起き上がり、寝ぼけ眼でリッヒに着せ替え人形にされたように万歳をしたり、足を持ち上げたりしている。段々とミリアは目が覚め、顔を洗面台で洗い、朝食に向かう。
「ランドルフ、行きましょうか」
「ミリア・・・何もされていないだろうな??」
「ランドルフ殿、“ミリア王女”です」
ランドルフがミリアに馴れ馴れしくした際にはリッヒはランドルフに毎回小言を言う。
「ささ、それが終わったら勉強の時間ですよ」
ミリアが家庭教師から授業を受けている間、リッヒは他の仕事を進める。
「ケネス王子!この書類まだ完成されてないみたいですねぇ・・・」
「す、すまん。ちょっと朝、子どもらがうるさくて・・・」
「今から十五分で仕上げてください。ケネス王子になら、できますよね?」
「・・・あ、ああ」
ケネスは高速で書類をこなしていく。リッヒは王子にさえ無言の圧力を与えることができるのだ。
「使用人たちは今すぐに二階の掃除をしてください。三十分で終わりますよね?」
「・・・はいぃ!」
使用人たちは急いで仕事をおわらせる。なんとか終わらせた使用人だが、リッヒのチェックは厳しかった。
「シーツにシワがよっています。あと隅の埃が取れていないようなので、やり直してください」
「は・・・はい」
(よし、ミリア王女のお風呂の時間に間に合いました・・・)
「テスラさんデルタさん、今日は頑張りましたね、もう帰っていいですよ。」
「はい、お疲れ様でした」
ミリアの侍女テスラとデルタはリッヒが時々早く仕事を終わらせてくれるので、家庭のある二人としてはリッヒにとても感謝してる。仕えているミリアを綺麗に着飾ったときには、ボーナスまでくれるので、二人の腕が鳴る。
(やっぱ一番の楽しみはこれですねぇ)
「ランドルフ殿はもう終わってくれてかまいません」
「しかし・・・」
「この国では十時間以上働いてはいけない規則がありますので・・・夜のシフトの騎士と早く変わって下さい」
「分かった・・・」
ランドルフは嫌そうにスノーランドの騎士と交代した。
「さあ、ミリア王女、お風呂の時間ですよ」
リッヒはランドルフの非番を狙ってミリアを風呂場に連れていく。ミリアを十分に堪能し、ミリアを寝室に送ってからがリッヒ一人の時間となる。
「はぁ・・・はぁ・・・ミリア王女・・・」
風呂場の光景を思い出しながらリッヒは己の欲望を吐き出す。風呂場では平常心を装って、下を鎮めるのに必死だが、ミリアを寝かしつけてリッヒが執務室に入った瞬間にグンッとソレが立ち上がるのだ。ある意味プロの精神だ。
「はぁ・・・ケネス王子の服の予算をもう少し下げて、ミリア王女の予算を上げておきましょう」
ミリアに色々な洋服や下着を着せるため、事務仕事にも余念がない。
(明日のネグリジェは小悪魔風の黒ですね・・・楽しみです)
リッヒの執務室は、夜中を過ぎても電気が消えない。リッヒは厳しいが、仕事した分きっちりと給金を渡すし、一人一人を見ているので、仕事が成長すればちゃんと褒める。飴と鞭を分けているのでMっ気のある使用人に大変人気があるのだ。
(さあ、ミリア王女日記をつけて寝ましょうか)
リッヒはその日あったミリアの可愛かった点を書き綴り、眠りにつくのだ。
「はい」
リッヒの毎朝の楽しみはミリアを起こしに行くことだ。
ーーコンコン
「ミリア王女、朝ですよ。起きてください」
一度声をかけても起きないとリッヒは知っている。とりあえずミリアの幸せそうな寝顔を一分間拝む
(可愛らしい唇だ・・・ああ・・・吸い付きたい)
ミリアは寝るときに抱き癖があるのか、いつも布団を巻き込んで寝ているようで、シルクの薄いネグリジェが露になっている。
(こんな無防備に・・・)
「ミリア王女、朝ですよ・・・起きないとイタズラしちゃいますよ」
「ぅううん・・・」
リッヒはミリアの耳元でささやいたが、くすぐったいのか身をよじらせている。リッヒはイタズラ心でフーッと耳に息を吹き掛ける。
「んんん・・・」
もぞもぞと股を擦りよせる。
ーーーーー バン!
「執事殿、何をしておられるのですか?」
「ちっ・・・ミリア王女を起こしに参っただけですよ」
「そんな仕事、執事がするのか?」
最近不愉快なことにランドルフが出勤中、すぐに部屋に入ってくることだ。ランドルフは怪しんだようにリッヒを睨み付けている。
「ぅん・・・あれ?おはよう」
ミリアが目を覚ます。
「おはようございます、ミリア王女。ではお着替えをいたしましょうね。ランドルフ殿は外にお出になっててください」
「な、なんでお前は出ないんだ!?」
「私はミリア様のお着替えがございますので、ささ、騎士は外で見張りをしていて下さい」
ミリアはむくりと起き上がり、寝ぼけ眼でリッヒに着せ替え人形にされたように万歳をしたり、足を持ち上げたりしている。段々とミリアは目が覚め、顔を洗面台で洗い、朝食に向かう。
「ランドルフ、行きましょうか」
「ミリア・・・何もされていないだろうな??」
「ランドルフ殿、“ミリア王女”です」
ランドルフがミリアに馴れ馴れしくした際にはリッヒはランドルフに毎回小言を言う。
「ささ、それが終わったら勉強の時間ですよ」
ミリアが家庭教師から授業を受けている間、リッヒは他の仕事を進める。
「ケネス王子!この書類まだ完成されてないみたいですねぇ・・・」
「す、すまん。ちょっと朝、子どもらがうるさくて・・・」
「今から十五分で仕上げてください。ケネス王子になら、できますよね?」
「・・・あ、ああ」
ケネスは高速で書類をこなしていく。リッヒは王子にさえ無言の圧力を与えることができるのだ。
「使用人たちは今すぐに二階の掃除をしてください。三十分で終わりますよね?」
「・・・はいぃ!」
使用人たちは急いで仕事をおわらせる。なんとか終わらせた使用人だが、リッヒのチェックは厳しかった。
「シーツにシワがよっています。あと隅の埃が取れていないようなので、やり直してください」
「は・・・はい」
(よし、ミリア王女のお風呂の時間に間に合いました・・・)
「テスラさんデルタさん、今日は頑張りましたね、もう帰っていいですよ。」
「はい、お疲れ様でした」
ミリアの侍女テスラとデルタはリッヒが時々早く仕事を終わらせてくれるので、家庭のある二人としてはリッヒにとても感謝してる。仕えているミリアを綺麗に着飾ったときには、ボーナスまでくれるので、二人の腕が鳴る。
(やっぱ一番の楽しみはこれですねぇ)
「ランドルフ殿はもう終わってくれてかまいません」
「しかし・・・」
「この国では十時間以上働いてはいけない規則がありますので・・・夜のシフトの騎士と早く変わって下さい」
「分かった・・・」
ランドルフは嫌そうにスノーランドの騎士と交代した。
「さあ、ミリア王女、お風呂の時間ですよ」
リッヒはランドルフの非番を狙ってミリアを風呂場に連れていく。ミリアを十分に堪能し、ミリアを寝室に送ってからがリッヒ一人の時間となる。
「はぁ・・・はぁ・・・ミリア王女・・・」
風呂場の光景を思い出しながらリッヒは己の欲望を吐き出す。風呂場では平常心を装って、下を鎮めるのに必死だが、ミリアを寝かしつけてリッヒが執務室に入った瞬間にグンッとソレが立ち上がるのだ。ある意味プロの精神だ。
「はぁ・・・ケネス王子の服の予算をもう少し下げて、ミリア王女の予算を上げておきましょう」
ミリアに色々な洋服や下着を着せるため、事務仕事にも余念がない。
(明日のネグリジェは小悪魔風の黒ですね・・・楽しみです)
リッヒの執務室は、夜中を過ぎても電気が消えない。リッヒは厳しいが、仕事した分きっちりと給金を渡すし、一人一人を見ているので、仕事が成長すればちゃんと褒める。飴と鞭を分けているのでMっ気のある使用人に大変人気があるのだ。
(さあ、ミリア王女日記をつけて寝ましょうか)
リッヒはその日あったミリアの可愛かった点を書き綴り、眠りにつくのだ。
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